有価証券報告書-第66期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 9:25
【資料】
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【項目】
117項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、お客様本位の立場で技術を掘り抜き「地球環境にやさしい」「人々の豊かな暮らしに貢献する」の基本理念のもとに、お得意先様との緊密な関係によりニーズを把握し、迅速な対応による研究開発、製品開発を実現し、物作りNo.1、シェアNo.1を目指しております。
また、国内だけでなく海外市場にも目を向けた開発を行いました。
研究開発活動の推進に当たっては、開発会議・各種プロジェクトを編成し、開発部門・営業部門・海外事業部門・製造部門・購買部門との連携活動を主軸として、お客様の立場に立った開発活動に重点をおいております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は91,993千円であります。
環境・エネルギー資材
環境資材分野では、高機能繊維に独自技術を付加し、さらに特殊繊維を組み合わせた高い捕集効率と低圧損及び粉塵はく離性に優れたろ布を開発、販売致しました。縫製や構造体を見直すことで、更に強靭で高性能な商品を分野・用途ごとに品目を揃え、販売致しました。現在では、次世代を担う更に高機能性ろ布を開発中であり、既にテスト納入を開始しています。
エネルギー資材部門では、環境面を第一に高性能でクリーンな製品の開発を目指して活動致しました。
研究開発費の金額は5,768千円であります。
工業資材
放射線汚染物質を一時保管する仮置き場に使用される広幅長尺の遮光マットを開発しました。福島第1原子力発電所事故以来、除染等で取り除かれた物質を紫外線等から遮断し、また、汚染物質が飛散することを防ぐ目的で使用されます。当社グループは、耐光性は元より、これを広幅で長尺化させる技術により、施工作業性を大きく向上させ大幅な時間短縮を可能にしました。今後、中間貯蔵施設等にも需要が見込まれています。
羊毛フェルト分野においては、使用される用途に応じて品質を大きく左右させる商品でも有り、その時代の流れと共に、品質要求も一段と高くなって来ています。当社グループは、これらの要求に答えるべく、これまでの設計を全面的に見直しを行い、長年培って来た技術をより高度化することで、品質レベルを更に向上させる物づくりへとシフトさせています。薄く軽い商品から、厚く重い商品まで、更にハイクオリティーな商品へと変化を遂げつつあります。
研究開発費の金額は33,609千円であります。
建装・自動車資材
建装資材部門では、展示会場にて使用される高品位で軽量なカーペットを開発しました。耐久性を持続させる目的から、構造上どうしても重いものとなってしまいますが、素材と構造、工法を一から見直し、軽量で扱い易いカーペットとして完成させ販売を開始致しました。カラーバリエーションも充実させており、好評を得ています。
自動車資材部門では、トランク材においてこれまで音を吸収させる吸音技術が注目されていましたが、次世代においては、吸音に加え、音を反射させる遮音性も両立させた性能が要求されています。当社グループは、この「音」を徹底追及し、両立を具現化させることに成功しました。この度、人気車種へ採用されることになり、今後の展開に大きな期待が寄せられています。また、衣服のリサイクル品を主原料とした、自動車の吸音材や成型シートも随分と車種が広がりました。必要としなくなった衣服を反毛段階から自社にて手掛け、製品化まで行う環境を配慮したECO商品となっています。
研究開発費の金額は38,627千円であります。
その他
通信会社等に設置されているサーバールーム内においては、稼働時の環境放熱は著しいものであり、急激な温度上昇を防ぐ目的から、冷却気流をうまく循環させる必要があります。
その為に、気流を制御するボードが用いられますが、これまでのボードは重く、様々な装着サイズに加工することが困難でしたが、独自工法で通気性を無くした不織布とすることで、高剛性でありながらも軽く、加工し易い製品として開発しました。カラーバリエーションも揃え、注目を受けています。
研究開発費の金額は13,987千円であります。