有価証券報告書-第66期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の積極的な経済政策を背景に企業業績や雇用・所得環境の改善が見られ回復基調が続いているものの、目まぐるしく変化する北朝鮮情勢や米中の貿易摩擦が激化する懸念が再燃するなど、海外各国の諸政策が日本経済に及ぼす影響等もあり、いわゆる地政学的リスクの不透明な状況が続きました。
住宅業界におきましては、マイナス金利政策による住宅ローンの金利低下の効果はあるものの、新設住宅着工戸数については、平成29年の夏ごろより連続して前年同期に比べ減少傾向となりました。
当社グループは、平成26年度以降を『第三の創業』とし、これまで培ってきたDNAを土台として、無垢材を使った付加価値の高い新商品の開発等により品揃えを充実させ、かつ独創的な市場を創造することにより、グローバルな成長を目指してきました。LVL構造材から無垢のフローリング、内装ドアまでFSCの森林認証を取得した商品を幅広く揃え、他社にはない強みを活かした供給体制によって平成29年5月に施行された合法伐採木材の流通を促進する法律「クリーンウッド法」の適用下においても、幅広い事業者に認証製品を提供しています。このような先進的な取組みを形にした「ウッドワンプラザ金沢(石川県野々市市)」が、平成29年7月にオープンしました。この「ウッドワンプラザ金沢」には、絵画や書などの芸術品を無料で展示できるスペース「ウッドワンギャラリー金沢」を併設しており、地域の皆様に解放し、環境に配慮した当社グループの取組みを知っていただける機会としています。また、「木のぬくもりを活かした空間」をテーマとして、当社商品を使った「空間デザイン施工例コンテスト」を実施いたしました。建築家の伊東豊雄氏を審査委員長として作品を募集し、ブランドづくりにも力を入れました。
国内事業においては、少子化による需要の動向を見据えて、新設住宅着工戸数に影響されにくい強固な経営体質への更なる転換を進めてきました。新商品の浸透に重点を置きつつ、従来の新築住宅及びリフォーム向け商品の拡販に加え、LVL構造材を用いた非住宅分野の開拓、商環境市場向け商品の販売に力を入れています。また、「働き方改革」にも積極的に取り組み、法令遵守体制の強化はもとより、全社一丸となって、生産性向上のための施策や人材育成を進め、そのために必要な投資を行いました。
海外事業においては、ニュージーランドの連結子会社であるJuken New Zealand Ltd.が、1990年に山林の伐採権を取得し、当社グループが培ってきたノウハウで植林を開始してから約30年が経過します。これまで計画的に管理し育成してきた競争力のある良質なラジアータパインの原木がこれから伐採期を迎えます。このことは、当社グループの強みである「無垢材」という資源を豊富に獲得したことを意味します。今後、この良質な「無垢材」を活用し、付加価値の高い商品を効率的に生産することを目的として、事業を再編し、収益体制を再構築する方針としています。その一環として、製造資源の選択と集中を図るため、Juken New Zealand Ltd.ギスボン工場の合板製造ラインを停止し、合板事業を休止しました。これを受け、合板製造設備の減損損失と人員削減のための退職金等の再編費用を合わせ、約9億円を特別損失に計上しました。また、インドネシア現地法人であるPT.Woodone Integra Indonesiaはこれまで持分法適用会社でありましたが、平成30年3月28日に当社グループによる第三者割当増資の払込みが完了し連結子会社となりました。これにより合弁企業であるIntegraグループが持つインドネシアビジネスのノウハウを活かしつつ、当社主導の経営による製造ノウハウの活用や新規設備投資が可能となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績については、海外子会社による海外のグループ外売上高は増加したものの、国内の売上高は、新設住宅着工戸数減少の影響もあり減少しました。
当連結会計年度の連結売上高は、64,959百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,833百万円(前年同期比35.9%減)、経常利益は1,517百万円(前年同期比24.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は208百万円(前年同期比82.0%減)となりました。
当連結会計年度末における連結財政状態は、総資産は前年同期と比べ2,952百万円減少して86,575百万円となり、総負債は前年同期と比べ2,812百万円減少し45,725百万円となり、純資産は前年同期と比べ140百万円減少し40,850百万円となりました。資産の減少は、主に現金及び預金減少と有形固定資産が減少、負債の減少は、主に社債及び借入金の有利子負債が減少、純資産の減少は、主に為替換算調整勘定が減少したことによるものです。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
a.住宅建材設備事業
住宅建材では、従来品に加え、意匠性が高く個性豊かな住空間の提案を可能とする無垢の木の壁材「デザインウォール」や箱型収納・棚板・金物を自由に組み合わせてオリジナル収納がつくれる「無垢の木の収納」等の無垢商品の拡販に努めました。無垢の木の壁材「デザインウォール」は、一般的に使われる壁紙に代わる、意匠性が高く、個性豊かな住空間の提案が可能な無垢の木の壁材で、非住宅分野や一般住宅などでも上質なインテリア空間の演出にご活用いただいています。この無垢の木の壁材「デザインウォール」の新シリーズとして平成29年12月に、生命力に満ちた木目が印象的で自然な木の味わいと都会的なシャープさが調和された空間を演出することができる広葉樹のタウンサエット無垢集成基材を用いた「デザインウォール グランステージ」を発売しました。また、「セットオン階段」、「手すりジャストカットシステム」、「デザイン階段Light」等の省施工商品の拡販にも努めました。
住宅設備機器では、4つの樹種から無垢扉を選べる無垢の木のキッチン「スイージー」や黒の鉄と無垢の木の棚板を組み合わせたシンプルでスタイリッシュな新発想のキッチン「フレームキッチン」の売上が前年同期に比べ、増加しました。
また、FSCの森林認証材であるLVLの構造材を使用し、高い耐震性能を担保した大空間や次世代型高性能住宅を実現する新システム「ワンズキューボ」の普及や長期優良住宅等の各種認定申請支援業務を行うとともに、LVLの特徴を活かし、非住宅市場への拡販を進めました。主要都市において「ワンズキューボ1500セレクション説明会」を開催し、「ワンズキューボ」の性能や魅力をお取引先様等に知っていただける機会を設け、更なる普及に努めてきました。
この結果、当連結会計年度における住宅建材設備事業は、売上高が63,811百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益が1,595百万円(前年同期比39.4%減)となりました。
b.発電事業
発電事業では、本社敷地内に木質バイオマス発電設備を導入し、電気事業者に売電を行っています。木質バイオマス発電は、森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」を燃料として稼働しています。
この結果、当連結会計年度における発電事業は、売上高が1,147百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益が238百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により2,866百万円増加、投資活動により3,045百万円減少、財務活動により1,881百万円減少しました。
営業活動により増加した資金2,866百万円(前年同期は4,776百万円の資金増加)は、主に仕入債務が632百万円減少、法人税等の支払額801百万円により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益435百万円に、非資金項目である減価償却費2,641百万円や減損損失827百万円を加え、売上債権704百万円が減少したことによるものです。
投資活動により減少した資金3,045百万円(前年同期は1,795百万円の資金減少)は、主に国内及びニュージーランド子会社等における設備投資及び山林の投資等に2,117百万円支出、インドネシアの持分法適用会社の増資により子会社株式として851百万円を支出したことによるものです。連結子会社化により合弁企業であるIntegraグループが持つインドネシアビジネスのノウハウを活かしつつ、当社主導の経営による製造ノウハウの活用や新規設備投資を進めています。
財務活動により減少した資金1,881百万円(前年同期は1,310百万円の資金減少)は、主に有利子負債の調達及び返済による1,503百万円減少、配当金349百万円を支出したことによるものです。
この結果、現金及び現金同等物は2,095百万円の減少となり、期末残高は5,537百万円(前年同期比27.5%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.金額は製造原価により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注状況
当社グループの生産は見込み生産を主体とし一部受注生産を行っていますが、その比率は僅少であるため、記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4.SMB建材㈱は、平成29年1月1日に三井住商建材㈱と丸紅建材㈱を事業統合し、社名をSMB建材㈱に変更しました。よって、上記の金額にはSMB建材㈱及び事業統合前の三井住商建材㈱と丸紅建材㈱への売上高を含めて記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国におきまして一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたっては、当連結会計年度の財政状態、経営成績に影響を与える重要な会計方針の採用及び見積もりを行っています。
当社は、過去の実績や提出日現在時点での状況に基づく合理的な見積もりと判断を行っていますが、実際の結果は見積もりと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
住宅業界におきましては、マイナス金利政策による住宅ローンの金利低下の効果はあるものの、新設住宅着工戸数については、平成29年の夏ごろより連続して前年同期に比べ減少傾向となりました。全国的な国内経済全体の景気動向は決して悪くないと思っていますが、職人不足の深刻化、土地価格の上昇、運賃・資材等の上昇、またビルダー、工務店様のなかでも格差が現れてきたとも言われています。当社グループは、直接有力なお客様である、地域の有力ビルダー・工務店様等とのリレーションシップを強化し、加えて非住宅・商環境部門の販売強化をしてきました。
当社グループは、事業の拡大と安定的な収益を獲得するために、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。なお、当連結会計年度の連結売上高は64,959百万円でした。
a.経営成績
当連結会計年度は海外子会社のグループ会社以外への外販は増加したものの、新設住宅着工戸数減少の影響もあり国内の住宅建材設備事業の売上高は減少しました。その結果、連結売上高は、前年同期に比べ1,434百万円減少し、64,959百万円(前年同期比2.2%減)となりました。売上総利益は、前年同期に比べ売上高の減少と稼働率の減少により前年同期に比べ1,080百万円減少し19,500百万円(前年同期比5.2%減)となりました。「働き方改革」には積極的に取り組み販売費及び一般管理費は前年同期に比べ51百万円の減少となり、営業利益は前年同期に比べ1,029百万円減少し、1,833百万円(前年同期比35.9%減)となりました。営業外収益では、ニュージーランド子会社の山林が所有する排出権の一部を売却したことで、排出権収入243百万円を計上しましたが、経常利益は前年同期に比べ485百万円減少し、1,517百万円(前年同期比24.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期と比べ952百万円減少し、208百万円(前年同期比82.0%減)となりました。なお、特別損失には、主にニュージーランド連結子会社であるJuken New Zealand Ltd.ギスボン工場の合板製造ラインを停止し、合板事業を休止したことによる、合板製造設備の減損損失と人員削減のための退職金等の事業再編損を合わせ、約9億円を計上しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
住宅建材設備事業の顧客への売上高は、63,811百万円(前年同期比2.2%減)となり、営業利益が1,595百万円(前年同期比39.4%減)となりました。品目別では床材の売上高は、8,826百万円(前年同期比6.5%減)となり前年同期と比べ617百万円減少し、「コンビットワンダー」「コンビットグラードプラスランダム」などの高付加価値商品の増加と低採算商品の減少、コスト削減等に努めました。造作材の売上高は、30,686百万円(前年同期比3.9%減)となり前年同期と比べ1,239百万円減少し、ソフトアートシリーズの「シンプルセレクション」や無垢を基調とした高付加価値商品を中心に階段・ドア・収納などの販売に努めました。その他建材の売上高は、19,658百万円(前年同期比1.3%増)となり前年同期に比べ248百万円増加しました。海外子会社の外部販売は増加し、国内において内装壁材のデザインウォール販売による新チャネルの牽引とLVL構造材を使用したワンズキューボ、非住宅物件の販促効果もあり、前年同期と比べ増加しました。住宅設備機器の売上高は、4,640百万円(前年同期比4.0%増)と前年同期に比べ180百万円増加しました。全体的には主力の無垢扉のシステムキッチン「スイージー」や黒の鉄と無垢の木の棚板を組み合わせたシンプルでスタイリッシュな新発想のキッチン「フレームキッチン」、タイル貼り天板の「無垢の木の洗面」等の売上は増加し、低採算商品が減少しました。
発電事業では、本社敷地内に木質バイオマス発電設備を導入して電気事業者に売電し順調に推移しています。当連結会計年度の売上高が1,147百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は238百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における連結財政状態は、前連結会計年度に比べ資産が2,952百万円減少、負債が2,812百万円減少、純資産が140百万円減少しました。主な内訳として、資産の減少は、現金及び預金が2,095百万円減少、受取手形及び売掛金が638百万円減少、主にインドネシアの持分法適用会社の連結子会社化により土地が1,129百万円増加したものの有形固定資産全体は419百万円減少、投資その他の資産が257百万円減少したことによるものです。負債の減少は、主に支払手形及び買掛金が487百万円減少、未払法人税等が384百万円減少、社債及び借入金の有利子負債が1,016百万円減少によるものです。純資産の減少は、主に利益剰余金が151百万円減少、その他有価証券評価差額金が231百万円増加、為替換算調整勘定が413百万円減少したことによるものです。また、前連結会計年度に持分法適用の関連会社でありましたPT. Woodone Integra Indonesiaの株式を追加取得し連結子会社となったため、同社を連結の範囲に含めています。なお、みなし取得日を平成29年12月31日としているため、当連結会計年度は資産1,697百万円、負債614百万円、純資産1,082百万円の貸借対照表のみを連結しています。
c. キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要、② キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しています。
d.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要は、主に材料・外注費及び人件費などの商品の生産活動や販売及び一般管理費等の営業活動です。また、設備資金需要は、山林投資及び設備投資ですが、通常は減価償却費の範囲内を目安とし支出しています。当連結会計年度の設備投資は、主に国内及びニュージーランド子会社等における設備及び山林の投資等に加え、新たな投資としてインドネシアの持分法適用会社の増資に支出しました。
財務政策
当社グループは、運転資金と設備資金については、営業収支資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施しています。長期の借入金、社債などの長期資金の調達は、事業計画に基づいた調達計画を作成し、金利動向等の調達環境や既存の借入金の償還時期を考慮して調達しています。また、ニュージーランド子会社における設備及び山林の投資資金については資金需要を考慮した、年次資金計画を基に、現地法人が主に邦銀より調達を行っています。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の積極的な経済政策を背景に企業業績や雇用・所得環境の改善が見られ回復基調が続いているものの、目まぐるしく変化する北朝鮮情勢や米中の貿易摩擦が激化する懸念が再燃するなど、海外各国の諸政策が日本経済に及ぼす影響等もあり、いわゆる地政学的リスクの不透明な状況が続きました。
住宅業界におきましては、マイナス金利政策による住宅ローンの金利低下の効果はあるものの、新設住宅着工戸数については、平成29年の夏ごろより連続して前年同期に比べ減少傾向となりました。
当社グループは、平成26年度以降を『第三の創業』とし、これまで培ってきたDNAを土台として、無垢材を使った付加価値の高い新商品の開発等により品揃えを充実させ、かつ独創的な市場を創造することにより、グローバルな成長を目指してきました。LVL構造材から無垢のフローリング、内装ドアまでFSCの森林認証を取得した商品を幅広く揃え、他社にはない強みを活かした供給体制によって平成29年5月に施行された合法伐採木材の流通を促進する法律「クリーンウッド法」の適用下においても、幅広い事業者に認証製品を提供しています。このような先進的な取組みを形にした「ウッドワンプラザ金沢(石川県野々市市)」が、平成29年7月にオープンしました。この「ウッドワンプラザ金沢」には、絵画や書などの芸術品を無料で展示できるスペース「ウッドワンギャラリー金沢」を併設しており、地域の皆様に解放し、環境に配慮した当社グループの取組みを知っていただける機会としています。また、「木のぬくもりを活かした空間」をテーマとして、当社商品を使った「空間デザイン施工例コンテスト」を実施いたしました。建築家の伊東豊雄氏を審査委員長として作品を募集し、ブランドづくりにも力を入れました。
国内事業においては、少子化による需要の動向を見据えて、新設住宅着工戸数に影響されにくい強固な経営体質への更なる転換を進めてきました。新商品の浸透に重点を置きつつ、従来の新築住宅及びリフォーム向け商品の拡販に加え、LVL構造材を用いた非住宅分野の開拓、商環境市場向け商品の販売に力を入れています。また、「働き方改革」にも積極的に取り組み、法令遵守体制の強化はもとより、全社一丸となって、生産性向上のための施策や人材育成を進め、そのために必要な投資を行いました。
海外事業においては、ニュージーランドの連結子会社であるJuken New Zealand Ltd.が、1990年に山林の伐採権を取得し、当社グループが培ってきたノウハウで植林を開始してから約30年が経過します。これまで計画的に管理し育成してきた競争力のある良質なラジアータパインの原木がこれから伐採期を迎えます。このことは、当社グループの強みである「無垢材」という資源を豊富に獲得したことを意味します。今後、この良質な「無垢材」を活用し、付加価値の高い商品を効率的に生産することを目的として、事業を再編し、収益体制を再構築する方針としています。その一環として、製造資源の選択と集中を図るため、Juken New Zealand Ltd.ギスボン工場の合板製造ラインを停止し、合板事業を休止しました。これを受け、合板製造設備の減損損失と人員削減のための退職金等の再編費用を合わせ、約9億円を特別損失に計上しました。また、インドネシア現地法人であるPT.Woodone Integra Indonesiaはこれまで持分法適用会社でありましたが、平成30年3月28日に当社グループによる第三者割当増資の払込みが完了し連結子会社となりました。これにより合弁企業であるIntegraグループが持つインドネシアビジネスのノウハウを活かしつつ、当社主導の経営による製造ノウハウの活用や新規設備投資が可能となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績については、海外子会社による海外のグループ外売上高は増加したものの、国内の売上高は、新設住宅着工戸数減少の影響もあり減少しました。
当連結会計年度の連結売上高は、64,959百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は1,833百万円(前年同期比35.9%減)、経常利益は1,517百万円(前年同期比24.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は208百万円(前年同期比82.0%減)となりました。
当連結会計年度末における連結財政状態は、総資産は前年同期と比べ2,952百万円減少して86,575百万円となり、総負債は前年同期と比べ2,812百万円減少し45,725百万円となり、純資産は前年同期と比べ140百万円減少し40,850百万円となりました。資産の減少は、主に現金及び預金減少と有形固定資産が減少、負債の減少は、主に社債及び借入金の有利子負債が減少、純資産の減少は、主に為替換算調整勘定が減少したことによるものです。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
a.住宅建材設備事業
住宅建材では、従来品に加え、意匠性が高く個性豊かな住空間の提案を可能とする無垢の木の壁材「デザインウォール」や箱型収納・棚板・金物を自由に組み合わせてオリジナル収納がつくれる「無垢の木の収納」等の無垢商品の拡販に努めました。無垢の木の壁材「デザインウォール」は、一般的に使われる壁紙に代わる、意匠性が高く、個性豊かな住空間の提案が可能な無垢の木の壁材で、非住宅分野や一般住宅などでも上質なインテリア空間の演出にご活用いただいています。この無垢の木の壁材「デザインウォール」の新シリーズとして平成29年12月に、生命力に満ちた木目が印象的で自然な木の味わいと都会的なシャープさが調和された空間を演出することができる広葉樹のタウンサエット無垢集成基材を用いた「デザインウォール グランステージ」を発売しました。また、「セットオン階段」、「手すりジャストカットシステム」、「デザイン階段Light」等の省施工商品の拡販にも努めました。
住宅設備機器では、4つの樹種から無垢扉を選べる無垢の木のキッチン「スイージー」や黒の鉄と無垢の木の棚板を組み合わせたシンプルでスタイリッシュな新発想のキッチン「フレームキッチン」の売上が前年同期に比べ、増加しました。
また、FSCの森林認証材であるLVLの構造材を使用し、高い耐震性能を担保した大空間や次世代型高性能住宅を実現する新システム「ワンズキューボ」の普及や長期優良住宅等の各種認定申請支援業務を行うとともに、LVLの特徴を活かし、非住宅市場への拡販を進めました。主要都市において「ワンズキューボ1500セレクション説明会」を開催し、「ワンズキューボ」の性能や魅力をお取引先様等に知っていただける機会を設け、更なる普及に努めてきました。
この結果、当連結会計年度における住宅建材設備事業は、売上高が63,811百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益が1,595百万円(前年同期比39.4%減)となりました。
b.発電事業
発電事業では、本社敷地内に木質バイオマス発電設備を導入し、電気事業者に売電を行っています。木質バイオマス発電は、森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」を燃料として稼働しています。
この結果、当連結会計年度における発電事業は、売上高が1,147百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益が238百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動により2,866百万円増加、投資活動により3,045百万円減少、財務活動により1,881百万円減少しました。
営業活動により増加した資金2,866百万円(前年同期は4,776百万円の資金増加)は、主に仕入債務が632百万円減少、法人税等の支払額801百万円により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益435百万円に、非資金項目である減価償却費2,641百万円や減損損失827百万円を加え、売上債権704百万円が減少したことによるものです。
投資活動により減少した資金3,045百万円(前年同期は1,795百万円の資金減少)は、主に国内及びニュージーランド子会社等における設備投資及び山林の投資等に2,117百万円支出、インドネシアの持分法適用会社の増資により子会社株式として851百万円を支出したことによるものです。連結子会社化により合弁企業であるIntegraグループが持つインドネシアビジネスのノウハウを活かしつつ、当社主導の経営による製造ノウハウの活用や新規設備投資を進めています。
財務活動により減少した資金1,881百万円(前年同期は1,310百万円の資金減少)は、主に有利子負債の調達及び返済による1,503百万円減少、配当金349百万円を支出したことによるものです。
この結果、現金及び現金同等物は2,095百万円の減少となり、期末残高は5,537百万円(前年同期比27.5%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。
| 品目 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 床材 | 5,235 | 86.2 |
| 造作材 | 16,902 | 93.3 |
| その他建材 | 14,797 | 110.3 |
| 住宅設備機器 | 1,929 | 100.6 |
| 住宅建材設備事業 計 | 38,864 | 98.3 |
| 発電事業 | 809 | 95.7 |
| 合計 | 39,674 | 98.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2.金額は製造原価により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注状況
当社グループの生産は見込み生産を主体とし一部受注生産を行っていますが、その比率は僅少であるため、記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりです。
| 品目 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 床材 | 8,826 | 93.5 |
| 造作材 | 30,686 | 96.1 |
| その他建材 | 19,658 | 101.3 |
| 住宅設備機器 | 4,640 | 104.0 |
| 住宅建材設備事業 計 | 63,811 | 97.8 |
| 発電事業 | 1,147 | 99.5 |
| 合計 | 64,959 | 97.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| SMB建材㈱ | 11,276 | 16.9 | 10,671 | 16.4 |
| 住友林業㈱ | 9,494 | 14.3 | 9,011 | 13.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4.SMB建材㈱は、平成29年1月1日に三井住商建材㈱と丸紅建材㈱を事業統合し、社名をSMB建材㈱に変更しました。よって、上記の金額にはSMB建材㈱及び事業統合前の三井住商建材㈱と丸紅建材㈱への売上高を含めて記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国におきまして一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたっては、当連結会計年度の財政状態、経営成績に影響を与える重要な会計方針の採用及び見積もりを行っています。
当社は、過去の実績や提出日現在時点での状況に基づく合理的な見積もりと判断を行っていますが、実際の結果は見積もりと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
住宅業界におきましては、マイナス金利政策による住宅ローンの金利低下の効果はあるものの、新設住宅着工戸数については、平成29年の夏ごろより連続して前年同期に比べ減少傾向となりました。全国的な国内経済全体の景気動向は決して悪くないと思っていますが、職人不足の深刻化、土地価格の上昇、運賃・資材等の上昇、またビルダー、工務店様のなかでも格差が現れてきたとも言われています。当社グループは、直接有力なお客様である、地域の有力ビルダー・工務店様等とのリレーションシップを強化し、加えて非住宅・商環境部門の販売強化をしてきました。
当社グループは、事業の拡大と安定的な収益を獲得するために、グループ全体で連結売上高1,000億円を目指しています。なお、当連結会計年度の連結売上高は64,959百万円でした。
a.経営成績
当連結会計年度は海外子会社のグループ会社以外への外販は増加したものの、新設住宅着工戸数減少の影響もあり国内の住宅建材設備事業の売上高は減少しました。その結果、連結売上高は、前年同期に比べ1,434百万円減少し、64,959百万円(前年同期比2.2%減)となりました。売上総利益は、前年同期に比べ売上高の減少と稼働率の減少により前年同期に比べ1,080百万円減少し19,500百万円(前年同期比5.2%減)となりました。「働き方改革」には積極的に取り組み販売費及び一般管理費は前年同期に比べ51百万円の減少となり、営業利益は前年同期に比べ1,029百万円減少し、1,833百万円(前年同期比35.9%減)となりました。営業外収益では、ニュージーランド子会社の山林が所有する排出権の一部を売却したことで、排出権収入243百万円を計上しましたが、経常利益は前年同期に比べ485百万円減少し、1,517百万円(前年同期比24.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期と比べ952百万円減少し、208百万円(前年同期比82.0%減)となりました。なお、特別損失には、主にニュージーランド連結子会社であるJuken New Zealand Ltd.ギスボン工場の合板製造ラインを停止し、合板事業を休止したことによる、合板製造設備の減損損失と人員削減のための退職金等の事業再編損を合わせ、約9億円を計上しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
住宅建材設備事業の顧客への売上高は、63,811百万円(前年同期比2.2%減)となり、営業利益が1,595百万円(前年同期比39.4%減)となりました。品目別では床材の売上高は、8,826百万円(前年同期比6.5%減)となり前年同期と比べ617百万円減少し、「コンビットワンダー」「コンビットグラードプラスランダム」などの高付加価値商品の増加と低採算商品の減少、コスト削減等に努めました。造作材の売上高は、30,686百万円(前年同期比3.9%減)となり前年同期と比べ1,239百万円減少し、ソフトアートシリーズの「シンプルセレクション」や無垢を基調とした高付加価値商品を中心に階段・ドア・収納などの販売に努めました。その他建材の売上高は、19,658百万円(前年同期比1.3%増)となり前年同期に比べ248百万円増加しました。海外子会社の外部販売は増加し、国内において内装壁材のデザインウォール販売による新チャネルの牽引とLVL構造材を使用したワンズキューボ、非住宅物件の販促効果もあり、前年同期と比べ増加しました。住宅設備機器の売上高は、4,640百万円(前年同期比4.0%増)と前年同期に比べ180百万円増加しました。全体的には主力の無垢扉のシステムキッチン「スイージー」や黒の鉄と無垢の木の棚板を組み合わせたシンプルでスタイリッシュな新発想のキッチン「フレームキッチン」、タイル貼り天板の「無垢の木の洗面」等の売上は増加し、低採算商品が減少しました。
発電事業では、本社敷地内に木質バイオマス発電設備を導入して電気事業者に売電し順調に推移しています。当連結会計年度の売上高が1,147百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は238百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における連結財政状態は、前連結会計年度に比べ資産が2,952百万円減少、負債が2,812百万円減少、純資産が140百万円減少しました。主な内訳として、資産の減少は、現金及び預金が2,095百万円減少、受取手形及び売掛金が638百万円減少、主にインドネシアの持分法適用会社の連結子会社化により土地が1,129百万円増加したものの有形固定資産全体は419百万円減少、投資その他の資産が257百万円減少したことによるものです。負債の減少は、主に支払手形及び買掛金が487百万円減少、未払法人税等が384百万円減少、社債及び借入金の有利子負債が1,016百万円減少によるものです。純資産の減少は、主に利益剰余金が151百万円減少、その他有価証券評価差額金が231百万円増加、為替換算調整勘定が413百万円減少したことによるものです。また、前連結会計年度に持分法適用の関連会社でありましたPT. Woodone Integra Indonesiaの株式を追加取得し連結子会社となったため、同社を連結の範囲に含めています。なお、みなし取得日を平成29年12月31日としているため、当連結会計年度は資産1,697百万円、負債614百万円、純資産1,082百万円の貸借対照表のみを連結しています。
c. キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要、② キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しています。
d.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要は、主に材料・外注費及び人件費などの商品の生産活動や販売及び一般管理費等の営業活動です。また、設備資金需要は、山林投資及び設備投資ですが、通常は減価償却費の範囲内を目安とし支出しています。当連結会計年度の設備投資は、主に国内及びニュージーランド子会社等における設備及び山林の投資等に加え、新たな投資としてインドネシアの持分法適用会社の増資に支出しました。
財務政策
当社グループは、運転資金と設備資金については、営業収支資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施しています。長期の借入金、社債などの長期資金の調達は、事業計画に基づいた調達計画を作成し、金利動向等の調達環境や既存の借入金の償還時期を考慮して調達しています。また、ニュージーランド子会社における設備及び山林の投資資金については資金需要を考慮した、年次資金計画を基に、現地法人が主に邦銀より調達を行っています。