四半期報告書-第70期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)当期の経営成績の概況
米国・中国を中心に海外経済が回復傾向にあることや、わが国でも新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が始まったことなどから、当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は持ち直しの動きを示していますが、海外での急速な景気回復に伴う品不足や物価上昇、変異型コロナウイルスの感染拡大など、依然として先行きに留意が必要な状況となっています。
新型コロナウイルス感染症の収束は依然、見通せない状況ではあるものの、住宅業界においては、経済活動の回復に伴い、当社グループの主力販売分野である持家や分譲戸建住宅の着工戸数については前年度から回復してきています。しかしながら、米国での住宅需要の拡大や中国での旺盛な木材需要などによる木材、木製品の供給不足や価格の高騰、いわゆる「ウッドショック」により、国内での建築着工の遅れや資材価格の高騰が徐々に顕在化してきており、今後、当社グループの業績に影響を与えることが懸念されます。
当社グループはこのような事業環境のもと、無垢商品や省施工商品といった付加価値が高い商品を核とした内装建材等の拡販に注力するとともに、国内のリフォーム・非住宅市場や海外市場といった新たな市場のさらなる開拓を進めています。また、デジタル技術などを活用した労働生産性の向上や経費の削減に継続的に取り組み、成長力と収益力の強化に努めています。
国内販売については、2021年度のテーマを「新規開拓は企業成長のバロメーター」とし新規開拓に注力するとともに、「商品にサービスを加えて提供する建材サービス業」を目指し、省施工商品のようにお客様にとって付加価値のある商品の開発・拡販に取り組んでいます。また、ニューノーマル(コロナ禍後の新常態)下での営業プロセスとして「オンライン型営業」による顧客接点強化を継続し、営業を支援するITツールの整備、活用、定着化を進め、生産性の向上や経費削減に努めながら、「訪問型営業」と併せた営業活動の高効率化に取り組んでいます。
商品開発については、木材の特性を活かした本物の無垢商品や、サイズ・カラーが豊富で組み合わせ自由な収納商品、職人不足など建築現場での課題に対応した省施工商品といった新商品を「創って」、「作って」、「伝えて」、「売る」サイクルを、スピード感をもって回すことを目的として、2021年4月に戦略統括本部内に設置していた商品企画室を発展的に解消し、独立部門として商品企画開発部を立ち上げました。
リフォーム市場については、昨年専担部署として立ち上げた開発営業部が、ショールームを起点にオンライン相談やバーチャルショールームなども活用して新たな顧客の開拓を進めています。また、非住宅市場については、構造システム営業部、商環境開発部といった各専担部署がオンラインセミナーなども活用し、中大規模木造建築の新規物件獲得や施設・店舗向け内装材案件の獲得に取り組んでいます。
海外部門については、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、原木及び木製品を米国やニュージーランド国内市場、アジア市場などへ販売しています。また、昨年12月に新工場に移転したインドネシア子会社では、インドネシア国内や欧米市場向けの販路開拓を続け、拡販に努めています。
こうした状況の中、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、15,867百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益は451百万円(同103.4%増)、経常利益は296百万円(同49.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は137百万円(前年同期は8百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
①住宅建材設備事業
住宅建材設備事業では、「ウッドショック」を収益獲得のチャンスに変えるため、全国の営業拠点と特需営業部(大手ハウスメーカーやフランチャイズ(FC)/ボランタリーチェーン(VC)本部等担当)や構造システム営業部(構造材担当)などの専担部署との連携を強化し、ターゲット顧客や見積案件の見える化(情報共有)、バックオフィス業務の可視化・最適化などに取り組みました。また、「第1回新築戸建オンラインセミナー」の開催(5月)や住まい手の生活スタイルに合わせた空間を提案するスタイルブック「木づかい、戸そだて、家づくり。」のリニューアルなど、新たな営業手法をタイムリーに織り込みながら、顧客接点の増強に努めました。
当第1四半期連結累計期間における新商品については、無垢商品では「ピノアースオーダーペイントドア」に自然塗料2色を追加し、リニューアルしました(6月)。収納商品では豊富なカラーとサイズを揃え、木口までしっかり仕上げることで施工現場の時間短縮を可能とする「仕上げてる棚板」に、従来に比べ耐荷重性能が高く、間口の広いクローゼットでも仕切りなしで収納可能な「27ミリタイプ」を加えました(4月)。また、シート内装・建具では従来の「ソフトアートシリーズ」を「DOORETUS(ドレタス)シリーズ」に一新しました。豊富な素材・色柄・デザインの中からライフスタイルに合ったものが簡単に選択でき、イメージに合う理想の空間を実現できる商品ラインナップとしています(6月)。このほか、非住宅向け商品では「デザインウォール」に、無垢ならではの木の温かみとシンプルなデザインで、和洋問わず色々なインテリアスタイルにマッチする4種のデザインを追加しました(5月)。
重点商品(無垢商品・収納商品・省施工商品)については、無垢商品では「無垢の木の洗面」、収納商品では「仕上げてる棚板」、「無垢の木の棚板」、「無垢の木の収納」が、また、建設現場で課題となっている職人不足に対応する省施工商品では「ジャストカット階段」や「天井野縁システム」が好調に推移しています。
リフォームの分野では、開発営業部が、無垢の木のキッチン・洗面・収納を武器に、4月に移転リニューアルオープンした「ウッドワンプラザ名古屋」などの旗艦ショールーム(新宿・名古屋・大阪・福岡のウッドワンプラザ)を最大限に活用し、マンションリノベーション・戸建てリフォームの顧客開拓を推進し、重点商品取引施工店数が前年同期比増加しました。
非住宅においては、構造システム営業部が、鉄骨造の特徴を木造で実現する独自の高耐久フレーム「JWOOD新工法」を利用した中大規模建築物の木造化の普及と販促のため、「中大規模木造建築オンラインセミナー」を開催しました(6月)。JWOOD新工法による中大規模木造建築の工法・事例・設計面でのサポートをご案内し、非住宅における新規物件の獲得強化を図りました。また、商環境開発部では施設・店舗向け床材・壁材、特に「KITOIRO」の拡販に努め、設計事務所や幼児施設案件への提案を強化して、非住宅物件向け内装材案件の獲得に努めました。
海外部門については、ニュージーランド子会社では、米国やニュージーランド国内市場、アジア市場などで原木及び木製品の需要が高まっていることからこれらの市場向けの販売が好調に推移しました。また、インドネシア子会社では、新工場移転により突板ドアの生産体制が強化されたことで生産数量が増加しました。コロナ禍による工事進捗の遅れによりインドネシア国内物件向けの販売量は落ちたものの、欧米市場への販売は好調に推移しました。
こうした活動の結果、当第1四半期連結累計期間における住宅建材設備事業の売上高は15,580百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は396百万円(同145.7%増)となりました。
②発電事業
発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備が安定的に稼働し、電気事業者に計画通り売電を行いました。前連結会計年度末において5年間の激変緩和措置が終了したことにより、電力取引価格が低下して売上、営業利益とも減少しました。
木質バイオマス発電において排出されるCO₂は、木が成長する過程で大気から吸収したものであり、大気中のCO₂量の実質的な増加には繋がらない(「カーボンニュートラル」)とされるものです。森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」、加えてフィリピン子会社の端材等も燃料用に加工して輸入するなど安定的に燃料の調達を行っています。
この結果、当第1四半期連結累計期間における発電事業は、売上高が299百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益が55百万円(同9.1%減)となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
当第1四半期連結会計期間における連結財政状態は、前連結会計年度に比べ資産が930百万円減少、負債が511百万円減少、純資産が419百万円減少しました。
資産930百万円の減少は、流動資産が1,338百万円減少、固定資産が408百万円増加したことによるものです。流動資産1,338百万円の減少は、主に受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は受取手形及び売掛金で表示)が899百万円、その他流動資産が410百万円増加したものの現金及び預金が2,673百万円減少したことによるものです。また、固定資産408百万円の増加は、主に有形固定資産が増加したことによるものです。
負債511百万円の減少は、主に「収益認識に関する会計基準」を当第1四半期連結会計期間の期首から適用したことなどによりその他流動負債が928百万円増加したものの、借入金が1,391百万円減少したことによるものです。
純資産419百万円の減少は、主に期首から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響などにより利益剰余金が463百万円減少したことによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
株式会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
上場会社である当社の株式は、株主及び投資家による自由な取引が認められており、当社取締役会は、特定の者による大規模な買付けに応じるか否かの判断は、最終的には、株主によってなされるべきと考えます。
しかしながら、昨今の上場株式の大規模な買付けの中には、株式を買い集め、濫用的な会社運営を行い、多数派株主として自己の利益を追求することのみを目的とするもの又は株主に当社の株式の売却を事実上強要し、または、株主を真の企業価値を反映しない廉価で株式を売却せざるを得ない状況におくような態様によるもの等の企業価値ひいては株主の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けも見受けられます。
当社の経営に関しては、当社グループが永年に亘り築きあげた林業及び総合木質建材製造並びに住宅設備機器製造の経験、知識及び情報についての適切な理解及び顧客、取引先や地域社会からの信頼が不可欠であり、かかる理解や利害関係者からの信頼なくしては、当社の企業価値の正確な把握及び今後の企業価値向上のための施策の策定、並びにその成果の予測等は困難であると考えています。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、そのような当社の企業価値の源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解したうえで、当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を中長期的に確保または向上させることを真摯に目指す者でなければならないと当社は考えています。従って、当社の企業価値の源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解せずに、上記のような当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を著しく損なうおそれのある株式の大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、上記①の当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)の実現に資する取組みとして、以下の各取組みを実施しています。
(a) 中期経営計画等
当社は、子会社とともに、「業界一流のメーカーとして、本業を極め、本業に徹し、一流の商品をお客様にご提供することを通じて、社会の発展に貢献する」を経営理念として、林業、並びに、建材の加工・製造、住宅設備機器の加工・製造及び建築部材の設計・生産を行う総合木質建材製造業に従事し、顧客ニーズに沿った商品開発に注力するとともに、自然環境の保護と社会の発展に貢献すべく企業活動を展開しています。
近年、環境問題に対する意識が高まるにつれて、木の伐採に対する否定的な意見が多くなっており、確かに、二酸化炭素を吸収する森林の減少は大きな問題です。しかしながら、正しい林業とは、森林を減少させるものではなく、定期的な植林・間伐・伐採を繰り返す「輪伐施業」によって森林を若々しく保つ行為です。当社グループはこうした理念の下、常に正しい林業のあり方を実践してきました。まさに、林業とはエコロジー産業であるという自負とともに、当社は企業活動を続けてきたものといえます。
また、当社は、伐った木を無駄なく使いたいという思いから、建材の加工・製造や建築部材の設計・生産を行う総合木質建材製造業としても事業を発展させてきました。ここでも、地域共生や高齢化社会、シックハウス症候群というさまざまな社会的課題に直面しましたが、常に積極的な姿勢で問題解決に取組み、時代に先駆けた解決策を提示してきました。
そして、当社は、これからの厳しい競争時代に着実に業績を伸展させるべく、中長期的経営戦略として、(Ⅰ)森林資源を保全する法正林施業(植林、育林、間伐、伐採)を採用したニュージーランドの育林事業により安定した品質と量の原材料確保を図り、(Ⅱ)貴重な資源を更に活かす為、高度な木材加工技術の更なる向上を図り、(Ⅲ)木が持つ潜在能力を梃子(てこ)に、新成長市場であるアジア市場や国内のリフォーム・非住宅・商環境市場などで、“勝てる市場×勝てる仕掛け”を創造し、(Ⅳ)変化する市場の本質を見極め、魅力ある商品・サービスを提案し、新たなファンを創造し、(Ⅴ)新たな戦略を全社で迅速に推進するため、国内外の製造ネットワークをさらに整備し、効率的な運営とコスト低減を図るとともに、社内の仕組みを再構築し、(Ⅵ)認証材を活用した国内外のニーズに応えていきます。
(b) コーポレート・ガバナンスの状況
(コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方)
当社の経営理念を実践していくため、経営に対する考え方、仕事への取組み姿勢、判断の基準等をまとめ経営トップを含めた全従業員の日々の規範とし、高い企業倫理の育成と健全な企業風土の醸成に努めており、今後さらにこの規範等の充実、整備を進めていく方針です。
(コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況)
(ア)会社の経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況
当社は、監査役制度を採用しています。4名の監査役(内社外監査役2名)により、取締役及び執行役員の職務執行につきまして、厳正な監視を行っています。
また、当社取締役会は、2021年6月30日現在11名の取締役(内社外取締役2名)で構成され、重要な業務執行の決定及び取締役の職務の執行状況の監督を行うため、原則月一回の定例の当社取締役会を開催しています。また、経営効率を向上させ、取締役及び使用人の職務の執行を効率的かつ機動的に行うために、関係取締役及び関係各部署の幹部をメンバーとする経営統括会議を原則毎週開催しています。
毎事業年度の経営計画につきましては、全社計画を策定し、各部署におきまして具体策を立案及び実行しています。また、業務執行の強化及び経営効率の向上を図るため、執行役員制度を導入しています。
内部統制につきましては、取締役及び全ての使用人の職務が適法かつ適正に行われるため及び高い企業倫理の育成と健全な企業風土の醸成を図るため、職務権限、情報管理、コンプライアンスやリスクに関する各種規程やルール等を整備運用し、当社監査役等と連携して推進しています。さらに、財務報告の正確性と信頼性を確保するための内部統制の仕組みの強化の一環として、内部監査室の設置を行う等、体制面の充実を図っています。
当社は、2007年3月期より晄和監査法人と監査契約を締結し、定期的な監査の他、会計上の課題につきましては随時確認を行い、会計処理の適正性の確保に努めています。また、顧問契約に基づく顧問弁護士より法律問題全般について必要に応じて助言と指導を受けています。
なお当社と当社の社外監査役の人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
(イ)リスク管理体制整備の状況
当社の全体のリスク管理を推進するため、リスク管理担当の役員を置いています。担当役員は総務担当取締役がこれにあたり、総務人事部が中心となり全社的なリスク管理体制の構築、運営、リスク管理に関する内部監査の実施等を行っています。各部門におきましては、顕在的リスク及び潜在的リスクの検証を行い、リスク現実化の未然防止策及びリスク現実化の際の対応策等を策定しています。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、又は向上させるために2020年6月25日開催の株主総会におきまして、第七回事前警告型買収防衛策(以下「事前警告型防衛策」)について承認を得て導入しています。
事前警告型防衛策の導入の目的及びスキームに関しては当社のウェブサイトのIR情報に掲載しています。
・2020年5月27日付「第七回事前警告型買収防衛策の導入に関するお知らせ」
https://www.woodone.co.jp/company/wp-content/uploads/sites/8/2020/05/20200527_baishuboueisaku.pdf
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、57百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第1四半期連結累計期間における当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しは、重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(1)当期の経営成績の概況
米国・中国を中心に海外経済が回復傾向にあることや、わが国でも新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が始まったことなどから、当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は持ち直しの動きを示していますが、海外での急速な景気回復に伴う品不足や物価上昇、変異型コロナウイルスの感染拡大など、依然として先行きに留意が必要な状況となっています。
新型コロナウイルス感染症の収束は依然、見通せない状況ではあるものの、住宅業界においては、経済活動の回復に伴い、当社グループの主力販売分野である持家や分譲戸建住宅の着工戸数については前年度から回復してきています。しかしながら、米国での住宅需要の拡大や中国での旺盛な木材需要などによる木材、木製品の供給不足や価格の高騰、いわゆる「ウッドショック」により、国内での建築着工の遅れや資材価格の高騰が徐々に顕在化してきており、今後、当社グループの業績に影響を与えることが懸念されます。
当社グループはこのような事業環境のもと、無垢商品や省施工商品といった付加価値が高い商品を核とした内装建材等の拡販に注力するとともに、国内のリフォーム・非住宅市場や海外市場といった新たな市場のさらなる開拓を進めています。また、デジタル技術などを活用した労働生産性の向上や経費の削減に継続的に取り組み、成長力と収益力の強化に努めています。
国内販売については、2021年度のテーマを「新規開拓は企業成長のバロメーター」とし新規開拓に注力するとともに、「商品にサービスを加えて提供する建材サービス業」を目指し、省施工商品のようにお客様にとって付加価値のある商品の開発・拡販に取り組んでいます。また、ニューノーマル(コロナ禍後の新常態)下での営業プロセスとして「オンライン型営業」による顧客接点強化を継続し、営業を支援するITツールの整備、活用、定着化を進め、生産性の向上や経費削減に努めながら、「訪問型営業」と併せた営業活動の高効率化に取り組んでいます。
商品開発については、木材の特性を活かした本物の無垢商品や、サイズ・カラーが豊富で組み合わせ自由な収納商品、職人不足など建築現場での課題に対応した省施工商品といった新商品を「創って」、「作って」、「伝えて」、「売る」サイクルを、スピード感をもって回すことを目的として、2021年4月に戦略統括本部内に設置していた商品企画室を発展的に解消し、独立部門として商品企画開発部を立ち上げました。
リフォーム市場については、昨年専担部署として立ち上げた開発営業部が、ショールームを起点にオンライン相談やバーチャルショールームなども活用して新たな顧客の開拓を進めています。また、非住宅市場については、構造システム営業部、商環境開発部といった各専担部署がオンラインセミナーなども活用し、中大規模木造建築の新規物件獲得や施設・店舗向け内装材案件の獲得に取り組んでいます。
海外部門については、ニュージーランド子会社では、当社グループ向けの生産数量を確保した上で、原木及び木製品を米国やニュージーランド国内市場、アジア市場などへ販売しています。また、昨年12月に新工場に移転したインドネシア子会社では、インドネシア国内や欧米市場向けの販路開拓を続け、拡販に努めています。
こうした状況の中、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は、15,867百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益は451百万円(同103.4%増)、経常利益は296百万円(同49.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は137百万円(前年同期は8百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
①住宅建材設備事業
住宅建材設備事業では、「ウッドショック」を収益獲得のチャンスに変えるため、全国の営業拠点と特需営業部(大手ハウスメーカーやフランチャイズ(FC)/ボランタリーチェーン(VC)本部等担当)や構造システム営業部(構造材担当)などの専担部署との連携を強化し、ターゲット顧客や見積案件の見える化(情報共有)、バックオフィス業務の可視化・最適化などに取り組みました。また、「第1回新築戸建オンラインセミナー」の開催(5月)や住まい手の生活スタイルに合わせた空間を提案するスタイルブック「木づかい、戸そだて、家づくり。」のリニューアルなど、新たな営業手法をタイムリーに織り込みながら、顧客接点の増強に努めました。
当第1四半期連結累計期間における新商品については、無垢商品では「ピノアースオーダーペイントドア」に自然塗料2色を追加し、リニューアルしました(6月)。収納商品では豊富なカラーとサイズを揃え、木口までしっかり仕上げることで施工現場の時間短縮を可能とする「仕上げてる棚板」に、従来に比べ耐荷重性能が高く、間口の広いクローゼットでも仕切りなしで収納可能な「27ミリタイプ」を加えました(4月)。また、シート内装・建具では従来の「ソフトアートシリーズ」を「DOORETUS(ドレタス)シリーズ」に一新しました。豊富な素材・色柄・デザインの中からライフスタイルに合ったものが簡単に選択でき、イメージに合う理想の空間を実現できる商品ラインナップとしています(6月)。このほか、非住宅向け商品では「デザインウォール」に、無垢ならではの木の温かみとシンプルなデザインで、和洋問わず色々なインテリアスタイルにマッチする4種のデザインを追加しました(5月)。
重点商品(無垢商品・収納商品・省施工商品)については、無垢商品では「無垢の木の洗面」、収納商品では「仕上げてる棚板」、「無垢の木の棚板」、「無垢の木の収納」が、また、建設現場で課題となっている職人不足に対応する省施工商品では「ジャストカット階段」や「天井野縁システム」が好調に推移しています。
リフォームの分野では、開発営業部が、無垢の木のキッチン・洗面・収納を武器に、4月に移転リニューアルオープンした「ウッドワンプラザ名古屋」などの旗艦ショールーム(新宿・名古屋・大阪・福岡のウッドワンプラザ)を最大限に活用し、マンションリノベーション・戸建てリフォームの顧客開拓を推進し、重点商品取引施工店数が前年同期比増加しました。
非住宅においては、構造システム営業部が、鉄骨造の特徴を木造で実現する独自の高耐久フレーム「JWOOD新工法」を利用した中大規模建築物の木造化の普及と販促のため、「中大規模木造建築オンラインセミナー」を開催しました(6月)。JWOOD新工法による中大規模木造建築の工法・事例・設計面でのサポートをご案内し、非住宅における新規物件の獲得強化を図りました。また、商環境開発部では施設・店舗向け床材・壁材、特に「KITOIRO」の拡販に努め、設計事務所や幼児施設案件への提案を強化して、非住宅物件向け内装材案件の獲得に努めました。
海外部門については、ニュージーランド子会社では、米国やニュージーランド国内市場、アジア市場などで原木及び木製品の需要が高まっていることからこれらの市場向けの販売が好調に推移しました。また、インドネシア子会社では、新工場移転により突板ドアの生産体制が強化されたことで生産数量が増加しました。コロナ禍による工事進捗の遅れによりインドネシア国内物件向けの販売量は落ちたものの、欧米市場への販売は好調に推移しました。
こうした活動の結果、当第1四半期連結累計期間における住宅建材設備事業の売上高は15,580百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は396百万円(同145.7%増)となりました。
②発電事業
発電事業では、本社敷地内に設置している木質バイオマス発電設備が安定的に稼働し、電気事業者に計画通り売電を行いました。前連結会計年度末において5年間の激変緩和措置が終了したことにより、電力取引価格が低下して売上、営業利益とも減少しました。
木質バイオマス発電において排出されるCO₂は、木が成長する過程で大気から吸収したものであり、大気中のCO₂量の実質的な増加には繋がらない(「カーボンニュートラル」)とされるものです。森林から直接産出する「間伐材等由来の木質バイオマス」、当社グループ内も含め製材所や木材加工所から生じる端材などの「一般木質バイオマス」、建築解体現場から排出される「建設資材廃棄物」、加えてフィリピン子会社の端材等も燃料用に加工して輸入するなど安定的に燃料の調達を行っています。
この結果、当第1四半期連結累計期間における発電事業は、売上高が299百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益が55百万円(同9.1%減)となりました。
(2) 当期の財政状態の概況
当第1四半期連結会計期間における連結財政状態は、前連結会計年度に比べ資産が930百万円減少、負債が511百万円減少、純資産が419百万円減少しました。
資産930百万円の減少は、流動資産が1,338百万円減少、固定資産が408百万円増加したことによるものです。流動資産1,338百万円の減少は、主に受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は受取手形及び売掛金で表示)が899百万円、その他流動資産が410百万円増加したものの現金及び預金が2,673百万円減少したことによるものです。また、固定資産408百万円の増加は、主に有形固定資産が増加したことによるものです。
負債511百万円の減少は、主に「収益認識に関する会計基準」を当第1四半期連結会計期間の期首から適用したことなどによりその他流動負債が928百万円増加したものの、借入金が1,391百万円減少したことによるものです。
純資産419百万円の減少は、主に期首から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響などにより利益剰余金が463百万円減少したことによるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
株式会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
上場会社である当社の株式は、株主及び投資家による自由な取引が認められており、当社取締役会は、特定の者による大規模な買付けに応じるか否かの判断は、最終的には、株主によってなされるべきと考えます。
しかしながら、昨今の上場株式の大規模な買付けの中には、株式を買い集め、濫用的な会社運営を行い、多数派株主として自己の利益を追求することのみを目的とするもの又は株主に当社の株式の売却を事実上強要し、または、株主を真の企業価値を反映しない廉価で株式を売却せざるを得ない状況におくような態様によるもの等の企業価値ひいては株主の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けも見受けられます。
当社の経営に関しては、当社グループが永年に亘り築きあげた林業及び総合木質建材製造並びに住宅設備機器製造の経験、知識及び情報についての適切な理解及び顧客、取引先や地域社会からの信頼が不可欠であり、かかる理解や利害関係者からの信頼なくしては、当社の企業価値の正確な把握及び今後の企業価値向上のための施策の策定、並びにその成果の予測等は困難であると考えています。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、そのような当社の企業価値の源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解したうえで、当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を中長期的に確保または向上させることを真摯に目指す者でなければならないと当社は考えています。従って、当社の企業価値の源泉及び当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解せずに、上記のような当社の企業価値ひいては株主の共同の利益を著しく損なうおそれのある株式の大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、上記①の当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)の実現に資する取組みとして、以下の各取組みを実施しています。
(a) 中期経営計画等
当社は、子会社とともに、「業界一流のメーカーとして、本業を極め、本業に徹し、一流の商品をお客様にご提供することを通じて、社会の発展に貢献する」を経営理念として、林業、並びに、建材の加工・製造、住宅設備機器の加工・製造及び建築部材の設計・生産を行う総合木質建材製造業に従事し、顧客ニーズに沿った商品開発に注力するとともに、自然環境の保護と社会の発展に貢献すべく企業活動を展開しています。
近年、環境問題に対する意識が高まるにつれて、木の伐採に対する否定的な意見が多くなっており、確かに、二酸化炭素を吸収する森林の減少は大きな問題です。しかしながら、正しい林業とは、森林を減少させるものではなく、定期的な植林・間伐・伐採を繰り返す「輪伐施業」によって森林を若々しく保つ行為です。当社グループはこうした理念の下、常に正しい林業のあり方を実践してきました。まさに、林業とはエコロジー産業であるという自負とともに、当社は企業活動を続けてきたものといえます。
また、当社は、伐った木を無駄なく使いたいという思いから、建材の加工・製造や建築部材の設計・生産を行う総合木質建材製造業としても事業を発展させてきました。ここでも、地域共生や高齢化社会、シックハウス症候群というさまざまな社会的課題に直面しましたが、常に積極的な姿勢で問題解決に取組み、時代に先駆けた解決策を提示してきました。
そして、当社は、これからの厳しい競争時代に着実に業績を伸展させるべく、中長期的経営戦略として、(Ⅰ)森林資源を保全する法正林施業(植林、育林、間伐、伐採)を採用したニュージーランドの育林事業により安定した品質と量の原材料確保を図り、(Ⅱ)貴重な資源を更に活かす為、高度な木材加工技術の更なる向上を図り、(Ⅲ)木が持つ潜在能力を梃子(てこ)に、新成長市場であるアジア市場や国内のリフォーム・非住宅・商環境市場などで、“勝てる市場×勝てる仕掛け”を創造し、(Ⅳ)変化する市場の本質を見極め、魅力ある商品・サービスを提案し、新たなファンを創造し、(Ⅴ)新たな戦略を全社で迅速に推進するため、国内外の製造ネットワークをさらに整備し、効率的な運営とコスト低減を図るとともに、社内の仕組みを再構築し、(Ⅵ)認証材を活用した国内外のニーズに応えていきます。
(b) コーポレート・ガバナンスの状況
(コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方)
当社の経営理念を実践していくため、経営に対する考え方、仕事への取組み姿勢、判断の基準等をまとめ経営トップを含めた全従業員の日々の規範とし、高い企業倫理の育成と健全な企業風土の醸成に努めており、今後さらにこの規範等の充実、整備を進めていく方針です。
(コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況)
(ア)会社の経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況
当社は、監査役制度を採用しています。4名の監査役(内社外監査役2名)により、取締役及び執行役員の職務執行につきまして、厳正な監視を行っています。
また、当社取締役会は、2021年6月30日現在11名の取締役(内社外取締役2名)で構成され、重要な業務執行の決定及び取締役の職務の執行状況の監督を行うため、原則月一回の定例の当社取締役会を開催しています。また、経営効率を向上させ、取締役及び使用人の職務の執行を効率的かつ機動的に行うために、関係取締役及び関係各部署の幹部をメンバーとする経営統括会議を原則毎週開催しています。
毎事業年度の経営計画につきましては、全社計画を策定し、各部署におきまして具体策を立案及び実行しています。また、業務執行の強化及び経営効率の向上を図るため、執行役員制度を導入しています。
内部統制につきましては、取締役及び全ての使用人の職務が適法かつ適正に行われるため及び高い企業倫理の育成と健全な企業風土の醸成を図るため、職務権限、情報管理、コンプライアンスやリスクに関する各種規程やルール等を整備運用し、当社監査役等と連携して推進しています。さらに、財務報告の正確性と信頼性を確保するための内部統制の仕組みの強化の一環として、内部監査室の設置を行う等、体制面の充実を図っています。
当社は、2007年3月期より晄和監査法人と監査契約を締結し、定期的な監査の他、会計上の課題につきましては随時確認を行い、会計処理の適正性の確保に努めています。また、顧問契約に基づく顧問弁護士より法律問題全般について必要に応じて助言と指導を受けています。
なお当社と当社の社外監査役の人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
(イ)リスク管理体制整備の状況
当社の全体のリスク管理を推進するため、リスク管理担当の役員を置いています。担当役員は総務担当取締役がこれにあたり、総務人事部が中心となり全社的なリスク管理体制の構築、運営、リスク管理に関する内部監査の実施等を行っています。各部門におきましては、顕在的リスク及び潜在的リスクの検証を行い、リスク現実化の未然防止策及びリスク現実化の際の対応策等を策定しています。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、又は向上させるために2020年6月25日開催の株主総会におきまして、第七回事前警告型買収防衛策(以下「事前警告型防衛策」)について承認を得て導入しています。
事前警告型防衛策の導入の目的及びスキームに関しては当社のウェブサイトのIR情報に掲載しています。
・2020年5月27日付「第七回事前警告型買収防衛策の導入に関するお知らせ」
https://www.woodone.co.jp/company/wp-content/uploads/sites/8/2020/05/20200527_baishuboueisaku.pdf
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、57百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第1四半期連結累計期間における当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しは、重要な変更及び新たに生じたものはありません。