訂正有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計方針に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。
②経営成績に関する説明
当社グループは、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」を2016-2018年度中期経営計画におけるグループ経営戦略の基本方針に据え、国内事業では、既存事業の集約化・効率化、及び蓄積技術・ノウハウを活かした新規有望事業の展開加速を図るとともに、海外事業では、既存拠点の設備増強、M&Aによる新規拠点の獲得を進め、進出地域と事業分野のさらなる拡大を図ってきました。
この取り組みの下、当連結会計年度の売上高は、海外事業の事業規模拡大やパルプ販売価格の上昇の影響、国内事業の価格修正効果等により増収となり、前期を651億円(+4.4%)上回る15,510億円となりました。「海外事業の拡大」は着実に進捗し、当社グループの海外売上高比率は、前期を+1.0ポイント上回る32.0%となりました。
営業利益は、国内事業、海外事業ともに増益となり、前期を394億円(+55.7%)上回る1,102億円となり、2016-2018年度中期経営計画の経営目標である連結営業利益1,000億円を達成しました。国内事業では、原燃料価格の高騰が減益要因となったものの製品の価格修正効果やコストダウン効果等が増益に寄与しました。また、海外事業では、事業規模拡大やパルプ販売価格上昇の影響等によって増益となり、海外所在会社合計で前期を300億円(+64.4%)上回る765億円の営業利益となりました。
営業外損益は、三菱製紙株式会社が当社の持分法適用会社になったことに伴って発生した負ののれん相当109億円を持分法による投資利益に計上した影響等により前期に対し130億円の増益となり、経常利益は、前期を524億円(+79.5%)上回る1,184億円となりました。
特別損益は、特別損失として当社の連結子会社である王子製紙株式会社の洋紙事業の固定資産に係る減損損失を296億円計上しました。日本での印刷用紙の需要は、ICT化の進展による構造的な減少が続いています。このような状況において、王子製紙株式会社では、日々あらゆる分野でのコストダウンに取り組みながら、再生産可能な収益確保のため、2019年1月より印刷用紙の価格修正を実施しましたが、現在の事業環境を踏まえ、将来の収益見込等を保守的に見積り、回収可能性を慎重に検討した結果、当連結会計年度において減損を実施することが適切であると判断しました。その他の特別損失として平成30年7月豪雨や台風、平成30年北海道胆振東部地震による災害損失が37億円発生したこと等もあり、特別利益として退職給付信託返還益112億円の計上があったものの、特別損益は、前期に対し266億円の減益となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は、前期を258億円(+39.7%)上回る908億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を158億円(+43.5%)上回る520億円となりました。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。なお、第1四半期連結会計期間より、社内管理区分を見直した結果、一部の事業について報告セグメントの区分を変更しており、前年比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。
生活産業資材・・・・・ 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、家庭紙事業、紙おむつ事業
機能材・・・・・・・・ 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業
資源環境ビジネス・・・ パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業
印刷情報メディア・・・ 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業
その他・・・・・・・・ 不動産事業、エンジニアリング、商事、物流 他
○生活産業資材
当連結会計年度は、売上高は、前期比4.6%増収の6,812億円、営業利益は、製品の価格修正効果により、同312.2%増益の224億円となりました。
国内事業では、段ボール原紙・段ボールは、台風等の影響により青果物向けが低調に推移しましたが、食品・通販向け等が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。白板紙は、国内販売はほぼ前年並みであり、輸出販売は東南アジア向けを中心に、販売量が前年に対し増加しました。包装用紙は、平成30年7月豪雨による工場操業停止影響等もあり、国内販売は販売量が前年に対し減少しましたが、輸出販売は東南アジア向けの販売増もあり販売量が前年に対し増加しました。紙おむつは、子供用・大人用ともに、販売量が前年に対し増加しました。家庭紙は、堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。
海外事業では、段ボール原紙は、東南アジア、オセアニアにおいて、販売価格の上昇により売上高が前年に対し増加しました。段ボールは、東南アジアでは、飲料・加工食品関連を中心に販売が堅調に推移しました。オセアニアでは、オーストラリアにおける新工場稼働やニュージーランドにおける農産物向け需要の伸び等により、販売量が増加しました。紙おむつは、新興国での需要伸長を背景に、マレーシアにおける自社ブランド品の浸透、インドネシアにおける配荷店舗の拡大、中国におけるネピアの知名度を活かした日本からの輸出品の拡販により、販売量が前年に対し大幅に増加しました。
連結売上高: 6,812億円(前期比 4.6%増収)
連結営業利益: 224億円(前期比 312.2%増益)
○機能材
当連結会計年度は、売上高は、前期比1.5%増収の2,241億円、営業利益は、拡販努力による販売量の増加影響が原燃料価格高騰の影響をカバーしましたが、同1.1%減益の184億円となりました。
国内事業では、国内販売向けは、特殊紙は、新製品開発・新規顧客開拓を進めましたが、平成30年北海道胆振東部地震による工場操業停止影響等により、販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。粘着製品は、感熱タック紙を中心に、販売量が前年に対し増加しました。輸出販売向けは、特殊紙は、価格修正効果等により売上高が前年に対し増加しました。
海外事業では、新たにグループ入りしたマレーシアのTele-Paper (M) Sdn. Bhd.が業績拡大に寄与したほか、感熱紙は全ての地域において販売が好調でした。特に東南アジア、南米等の新興諸国においては、販売量が前年に対し大幅に増加しました。
連結売上高: 2,241億円(前期比 1.5%増収)
連結営業利益: 184億円(前期比 1.1%減益)
○資源環境ビジネス
当連結会計年度は、売上高は、前期比9.4%増収の3,265億円、営業利益は、同65.9%増益の646億円となり、パルプ販売価格上昇の影響により、前年に対し大幅な増収・増益を達成しました。
国内事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、好調であり、販売量が前年に対し増加しました。エネルギー事業は、堅調に推移し、売電量がほぼ前年並みでした。
海外事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、中国向けを中心に販売が好調であり、販売量が前年に対し増加しました。
連結売上高: 3,265億円(前期比 9.4%増収)
連結営業利益: 646億円(前期比 65.9%増益)
○印刷情報メディア
当連結会計年度は、売上高は、前期比0.8%減収の3,029億円、営業利益は、原燃料価格の高騰等の影響により、同37億円減益の△48億円の損失となりました。
国内事業では、新聞用紙は、発行部数減及び頁数減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷・情報用紙は、販売量はほぼ前年並みでした。売上高は、第3四半期まで市況軟化影響もありましたが、第4四半期から実施した価格修正効果等により、ほぼ前年並みとなりました。
海外事業では、中国における印刷用紙の販売価格上昇の影響により、売上高が前年に対し増加しました。
連結売上高: 3,029億円(前期比 0.8%減収)
連結営業損失(△): △48億円(前期は12億円の連結営業損失)
○その他
当連結会計年度は、売上高は商事及び物流等の収入により前期比6.2%増収の2,942億円、営業利益は、同12.4%増益の98億円となりました。
連結売上高: 2,942億円(前期比 6.2%増収)
連結営業利益: 98億円(前期比 12.4%増益)
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注)1.生産高は自家使用分を含めて記載しています。
2.金額は販売価格によるものであり、消費税及び地方消費税を含みません。
(b)受注実績
当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税を含みません。
④財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に対して94億円減少し、19,514億円となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金等の増加により、前連結会計年度末に対して484億円増加し、固定資産は、前連結会計年度末に対して578億円減少しました。固定資産のうち、有形・無形固定資産は固定資産の減損損失等の影響で766億円減少し、投資その他の資産は三菱製紙株式会社との資本業務提携によって、同社の株式を議決権比率33.00%まで取得した影響等により188億円増加しました。
負債は、支払手形及び買掛金が増加しましたが、有利子負債が268億円減少した影響等により、前連結会計年度末に対して148億円減少し、11,360億円となりました。有利子負債残高は、2016-2018年度中期経営計画の経営目標7,000億円に対し、6,206億円となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物等を控除した純有利子負債残高は、5,350億円となり、前連結会計年度末に比し527億円減少しました。
純資産は、円高による為替換算調整勘定や株価の変動によるその他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して54億円増加し、8,154億円となりました。
(注)『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。
当社グループは、2018年度を最終年度とする中期経営計画で掲げた経営目標「連結営業利益1,000億円」「有利子負債7,000億円」の達成に向けて、海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく一方で、政策保有株式や遊休資産等の売却を進めて有利子負債の圧縮に努め、財務基盤の強化に取り組んで来ました。その結果、当期の連結営業利益は1,102億円、有利子負債残高は6,206億円と目標を達成し、ROEは7.7%、ネットD/Eレシオは0.7倍となりました。
2019年度から2021年度を最終年度とする新しい中期経営戦略では、「連結営業利益1,500億円以上」「海外売上高比率40%」「ROE10.0%」「ネットD/Eレシオ現状維持」をグループの経営目標に定め、資金計画としては、引き続き有利子負債残高を適正な水準に保ちつつ、営業キャッシュ・フローを配当、国内事業の収益力アップ及び海外事業の拡充等に充て、経営目標の達成を目指していきます。
⑤キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えたキャッシュ・インが1,603億円(前連結会計年度は1,369億円)となり、法人税等の支払い等を含めた合計は、前連結会計年度に対して174億円収入が増加し1,406億円の収入(前連結会計年度は1,232億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出が増加した一方で、固定資産の取得による支出の減少や投資有価証券の売却による収入の増加などにより、前連結会計年度に対して74億円支出が減少し、666億円の支出(前連結会計年度は740億円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の主な内容は、既存分野における設備維持・更新、品質改善、生産性向上、安全及び環境のために必要な投資の他、成長戦略投資としてGS Paperboard & Packaging Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシン増設、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙マシン設置等に関する支出によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリー・キャッシュ・フローは主として有利子負債の圧縮に充当し、その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは455億円の支出(前連結会計年度は418億円の支出)となり、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して268億円減少し、6,206億円となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して245億円増加し、828億円となりました。
⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金(製品製造のための原燃料の購入・製造費や人件費、製品の輸送・保管費等)や研究開発費等が主な内容です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等が主な内容です。
今後も海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、所要資金の調達については、自己資金と外部調達との最適なバランスを検討し実施していきます。
(b)財務政策
営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローは配当及び投資資金に充当し、有利子負債残高を適正水準に保ちながら、不足資金については借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等による資金調達を行い、余剰資金については有利子負債の削減に充当します。
なお、長期借入金や社債等の長期資金については、経営計画に基づく資金需要見通しや金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断して実施することとしています。
当社は、主要連結子会社との間でグループファイナンスを行い、資金の一元管理を行うことにより、運転資金の効率的な運用を図っています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計方針に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。
②経営成績に関する説明
当社グループは、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」を2016-2018年度中期経営計画におけるグループ経営戦略の基本方針に据え、国内事業では、既存事業の集約化・効率化、及び蓄積技術・ノウハウを活かした新規有望事業の展開加速を図るとともに、海外事業では、既存拠点の設備増強、M&Aによる新規拠点の獲得を進め、進出地域と事業分野のさらなる拡大を図ってきました。
この取り組みの下、当連結会計年度の売上高は、海外事業の事業規模拡大やパルプ販売価格の上昇の影響、国内事業の価格修正効果等により増収となり、前期を651億円(+4.4%)上回る15,510億円となりました。「海外事業の拡大」は着実に進捗し、当社グループの海外売上高比率は、前期を+1.0ポイント上回る32.0%となりました。
営業利益は、国内事業、海外事業ともに増益となり、前期を394億円(+55.7%)上回る1,102億円となり、2016-2018年度中期経営計画の経営目標である連結営業利益1,000億円を達成しました。国内事業では、原燃料価格の高騰が減益要因となったものの製品の価格修正効果やコストダウン効果等が増益に寄与しました。また、海外事業では、事業規模拡大やパルプ販売価格上昇の影響等によって増益となり、海外所在会社合計で前期を300億円(+64.4%)上回る765億円の営業利益となりました。
営業外損益は、三菱製紙株式会社が当社の持分法適用会社になったことに伴って発生した負ののれん相当109億円を持分法による投資利益に計上した影響等により前期に対し130億円の増益となり、経常利益は、前期を524億円(+79.5%)上回る1,184億円となりました。
特別損益は、特別損失として当社の連結子会社である王子製紙株式会社の洋紙事業の固定資産に係る減損損失を296億円計上しました。日本での印刷用紙の需要は、ICT化の進展による構造的な減少が続いています。このような状況において、王子製紙株式会社では、日々あらゆる分野でのコストダウンに取り組みながら、再生産可能な収益確保のため、2019年1月より印刷用紙の価格修正を実施しましたが、現在の事業環境を踏まえ、将来の収益見込等を保守的に見積り、回収可能性を慎重に検討した結果、当連結会計年度において減損を実施することが適切であると判断しました。その他の特別損失として平成30年7月豪雨や台風、平成30年北海道胆振東部地震による災害損失が37億円発生したこと等もあり、特別利益として退職給付信託返還益112億円の計上があったものの、特別損益は、前期に対し266億円の減益となりました。
その結果、税金等調整前当期純利益は、前期を258億円(+39.7%)上回る908億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を158億円(+43.5%)上回る520億円となりました。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。なお、第1四半期連結会計期間より、社内管理区分を見直した結果、一部の事業について報告セグメントの区分を変更しており、前年比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。
各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。
生活産業資材・・・・・ 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、家庭紙事業、紙おむつ事業
機能材・・・・・・・・ 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業
資源環境ビジネス・・・ パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業
印刷情報メディア・・・ 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業
その他・・・・・・・・ 不動産事業、エンジニアリング、商事、物流 他
○生活産業資材
当連結会計年度は、売上高は、前期比4.6%増収の6,812億円、営業利益は、製品の価格修正効果により、同312.2%増益の224億円となりました。
国内事業では、段ボール原紙・段ボールは、台風等の影響により青果物向けが低調に推移しましたが、食品・通販向け等が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。白板紙は、国内販売はほぼ前年並みであり、輸出販売は東南アジア向けを中心に、販売量が前年に対し増加しました。包装用紙は、平成30年7月豪雨による工場操業停止影響等もあり、国内販売は販売量が前年に対し減少しましたが、輸出販売は東南アジア向けの販売増もあり販売量が前年に対し増加しました。紙おむつは、子供用・大人用ともに、販売量が前年に対し増加しました。家庭紙は、堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。
海外事業では、段ボール原紙は、東南アジア、オセアニアにおいて、販売価格の上昇により売上高が前年に対し増加しました。段ボールは、東南アジアでは、飲料・加工食品関連を中心に販売が堅調に推移しました。オセアニアでは、オーストラリアにおける新工場稼働やニュージーランドにおける農産物向け需要の伸び等により、販売量が増加しました。紙おむつは、新興国での需要伸長を背景に、マレーシアにおける自社ブランド品の浸透、インドネシアにおける配荷店舗の拡大、中国におけるネピアの知名度を活かした日本からの輸出品の拡販により、販売量が前年に対し大幅に増加しました。
連結売上高: 6,812億円(前期比 4.6%増収)
連結営業利益: 224億円(前期比 312.2%増益)
○機能材
当連結会計年度は、売上高は、前期比1.5%増収の2,241億円、営業利益は、拡販努力による販売量の増加影響が原燃料価格高騰の影響をカバーしましたが、同1.1%減益の184億円となりました。
国内事業では、国内販売向けは、特殊紙は、新製品開発・新規顧客開拓を進めましたが、平成30年北海道胆振東部地震による工場操業停止影響等により、販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。粘着製品は、感熱タック紙を中心に、販売量が前年に対し増加しました。輸出販売向けは、特殊紙は、価格修正効果等により売上高が前年に対し増加しました。
海外事業では、新たにグループ入りしたマレーシアのTele-Paper (M) Sdn. Bhd.が業績拡大に寄与したほか、感熱紙は全ての地域において販売が好調でした。特に東南アジア、南米等の新興諸国においては、販売量が前年に対し大幅に増加しました。
連結売上高: 2,241億円(前期比 1.5%増収)
連結営業利益: 184億円(前期比 1.1%減益)
○資源環境ビジネス
当連結会計年度は、売上高は、前期比9.4%増収の3,265億円、営業利益は、同65.9%増益の646億円となり、パルプ販売価格上昇の影響により、前年に対し大幅な増収・増益を達成しました。
国内事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、好調であり、販売量が前年に対し増加しました。エネルギー事業は、堅調に推移し、売電量がほぼ前年並みでした。
海外事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、中国向けを中心に販売が好調であり、販売量が前年に対し増加しました。
連結売上高: 3,265億円(前期比 9.4%増収)
連結営業利益: 646億円(前期比 65.9%増益)
○印刷情報メディア
当連結会計年度は、売上高は、前期比0.8%減収の3,029億円、営業利益は、原燃料価格の高騰等の影響により、同37億円減益の△48億円の損失となりました。
国内事業では、新聞用紙は、発行部数減及び頁数減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷・情報用紙は、販売量はほぼ前年並みでした。売上高は、第3四半期まで市況軟化影響もありましたが、第4四半期から実施した価格修正効果等により、ほぼ前年並みとなりました。
海外事業では、中国における印刷用紙の販売価格上昇の影響により、売上高が前年に対し増加しました。
連結売上高: 3,029億円(前期比 0.8%減収)
連結営業損失(△): △48億円(前期は12億円の連結営業損失)
○その他
当連結会計年度は、売上高は商事及び物流等の収入により前期比6.2%増収の2,942億円、営業利益は、同12.4%増益の98億円となりました。
連結売上高: 2,942億円(前期比 6.2%増収)
連結営業利益: 98億円(前期比 12.4%増益)
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 生活産業資材 | 725,047 | 5.8 |
| 機能材 | 210,058 | 1.9 |
| 資源環境ビジネス | 241,680 | 6.4 |
| 印刷情報メディア | 288,308 | 2.1 |
| 報告セグメント計 | 1,465,094 | 4.6 |
| その他 | 8,849 | △1.9 |
| 計 | 1,473,944 | 4.6 |
(注)1.生産高は自家使用分を含めて記載しています。
2.金額は販売価格によるものであり、消費税及び地方消費税を含みません。
(b)受注実績
当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 生活産業資材 | 627,788 | 4.3 |
| 機能材 | 209,242 | 2.7 |
| 資源環境ビジネス | 270,713 | 10.3 |
| 印刷情報メディア | 257,557 | △2.4 |
| 報告セグメント計 | 1,365,302 | 3.8 |
| その他 | 185,689 | 8.6 |
| 計 | 1,550,991 | 4.4 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税を含みません。
④財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に対して94億円減少し、19,514億円となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金等の増加により、前連結会計年度末に対して484億円増加し、固定資産は、前連結会計年度末に対して578億円減少しました。固定資産のうち、有形・無形固定資産は固定資産の減損損失等の影響で766億円減少し、投資その他の資産は三菱製紙株式会社との資本業務提携によって、同社の株式を議決権比率33.00%まで取得した影響等により188億円増加しました。
負債は、支払手形及び買掛金が増加しましたが、有利子負債が268億円減少した影響等により、前連結会計年度末に対して148億円減少し、11,360億円となりました。有利子負債残高は、2016-2018年度中期経営計画の経営目標7,000億円に対し、6,206億円となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物等を控除した純有利子負債残高は、5,350億円となり、前連結会計年度末に比し527億円減少しました。
純資産は、円高による為替換算調整勘定や株価の変動によるその他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して54億円増加し、8,154億円となりました。
(注)『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。
当社グループは、2018年度を最終年度とする中期経営計画で掲げた経営目標「連結営業利益1,000億円」「有利子負債7,000億円」の達成に向けて、海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく一方で、政策保有株式や遊休資産等の売却を進めて有利子負債の圧縮に努め、財務基盤の強化に取り組んで来ました。その結果、当期の連結営業利益は1,102億円、有利子負債残高は6,206億円と目標を達成し、ROEは7.7%、ネットD/Eレシオは0.7倍となりました。
2019年度から2021年度を最終年度とする新しい中期経営戦略では、「連結営業利益1,500億円以上」「海外売上高比率40%」「ROE10.0%」「ネットD/Eレシオ現状維持」をグループの経営目標に定め、資金計画としては、引き続き有利子負債残高を適正な水準に保ちつつ、営業キャッシュ・フローを配当、国内事業の収益力アップ及び海外事業の拡充等に充て、経営目標の達成を目指していきます。
⑤キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えたキャッシュ・インが1,603億円(前連結会計年度は1,369億円)となり、法人税等の支払い等を含めた合計は、前連結会計年度に対して174億円収入が増加し1,406億円の収入(前連結会計年度は1,232億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出が増加した一方で、固定資産の取得による支出の減少や投資有価証券の売却による収入の増加などにより、前連結会計年度に対して74億円支出が減少し、666億円の支出(前連結会計年度は740億円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の主な内容は、既存分野における設備維持・更新、品質改善、生産性向上、安全及び環境のために必要な投資の他、成長戦略投資としてGS Paperboard & Packaging Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシン増設、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙マシン設置等に関する支出によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリー・キャッシュ・フローは主として有利子負債の圧縮に充当し、その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは455億円の支出(前連結会計年度は418億円の支出)となり、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して268億円減少し、6,206億円となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して245億円増加し、828億円となりました。
⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金(製品製造のための原燃料の購入・製造費や人件費、製品の輸送・保管費等)や研究開発費等が主な内容です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等が主な内容です。
今後も海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、所要資金の調達については、自己資金と外部調達との最適なバランスを検討し実施していきます。
(b)財務政策
営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローは配当及び投資資金に充当し、有利子負債残高を適正水準に保ちながら、不足資金については借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等による資金調達を行い、余剰資金については有利子負債の削減に充当します。
なお、長期借入金や社債等の長期資金については、経営計画に基づく資金需要見通しや金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断して実施することとしています。
当社は、主要連結子会社との間でグループファイナンスを行い、資金の一元管理を行うことにより、運転資金の効率的な運用を図っています。