有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 14:01
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157項目
(1)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
①経営成績に関する説明
当社グループは、2019年度から2021年度を対象とする中期経営計画において、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」をグループ経営戦略の基本方針に据え、「持続可能な社会への貢献」を通じ、連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指しています。
このような基本方針のもと、国内事業では、需要の構造的な変化に対応すべく、生産体制の再構築を行うことで資本の効率化を進める一方、有望事業には経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力の強化に取り組みました。また、海外事業では、海外拠点数の拡大に加え、既存のインフラを活用した新事業の展開等、既存拠点からの有機的拡大を図るとともに、事業・拠点間のシナジー創出を進めました。イノベーションの推進では、環境・社会ニーズに対応した新事業・新製品の開発推進と早期事業化を図り、「持続可能な社会への貢献」を進めました。
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大等に伴う経済活動の停滞の影響を受け、印刷情報用紙を中心に需要が落ち込んだことに加え、海外においてパルプの市況が軟化した影響等もあり、前期を1,486億円(△9.9%)下回る13,590億円となりました。なお、当社グループの海外売上高比率は前期を0.6ポイント下回る29.3%となりました。
営業利益は、コスト削減効果や原燃料価格の低下もありましたが、国内事業・海外事業ともに減益となり、前期を213億円(△20.1%)下回る848億円、営業外損益では為替差益が発生しましたが、経常利益は前期を182億円(△18.0%)下回る831億円となりました。税金等調整前当期純利益は前期を173億円(△17.6%)下回る809億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を85億円(△14.7%)下回る496億円となりました。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。
各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。
生活産業資材・・・・・ 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、家庭紙事業、紙おむつ事業
機能材・・・・・・・・ 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業
資源環境ビジネス・・・ パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業
印刷情報メディア・・・ 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業
その他・・・・・・・・ 不動産事業、エンジニアリング、商事、物流 他
○生活産業資材
当連結会計年度の売上高は前期比5.6%減収の6,475億円、営業利益は同7.0%減益の381億円となりました。
国内事業では、段ボール原紙・段ボールの国内販売は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛等により、一部加工食品向けや通販向けの販売は堅調に推移しましたが、全体では経済活動の制限等による需要減を受け、販売量が前年に対し減少しました。段ボール原紙の輸出販売は、前年に対し増加しました。白板紙は、同感染拡大防止のためのイベント中止や外出自粛による土産物・贈答関係の需要減等により、販売量が前年に対し減少しました。包装用紙は、外出自粛や経済活動の制限等を背景とした、手提袋や工業製品向け重包装袋等の需要減により、販売量が前年に対し減少しました。子供用紙おむつは、国内販売は減少しましたが、輸出販売は増加し、全体の販売量は前年並みとなりました。家庭紙は、同感染拡大に伴う衛生意識の高まり等から、使い捨て拭き取り商品の使用シーンが多様化し、キッチンタオルの販売量が増加しましたが、経済活動停滞の影響等により業務用製品の販売量が減少したため、全体の販売量は前年に対し減少しました。ウエットティシュ、マスク等加工品は販売量、売上高ともに前年に対し大幅に増加しました。
海外事業では、段ボール原紙は、東南アジアにおいて、ロックダウンを受けた顧客加工会社の生産活動制限により、販売量が前年に対し減少しました。オセアニアでは、同感染拡大に伴う経済活動停滞の影響により、アジア向け輸出が減少し、販売量が前年に対し減少しました。段ボールは、東南アジアでは、ゴム手袋などの衛生用品や通販用途を中心に、販売量が前年に対し増加しました。オセアニアでは、ニュージーランド、オーストラリアともに、国内向けの食品・通販用途が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。子供用紙おむつは、マレーシアでは、外出規制による大手小売店での販売不振により、販売量は前年に対し減少しましたが、中国でのドラえもんパッケージ品の新規販売やECサイトでの販売好調、インドネシアでのコンビニエンスストアへの拡販継続により、販売量が前年に対し大幅に増加しました。
連結売上高: 6,475億円(前期比 5.6%減収)
連結営業利益: 381億円(前期比 7.0%減益)
○機能材
当連結会計年度の売上高は前期比15.1%減収の1,823億円、営業利益は同25.2%減益の115億円となりました。
国内事業では、特殊紙は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、電動車(電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド車及び燃料電池車)向けのコンデンサ用フィルムや、スマートフォン向け電子部品の製造工程紙等で回復傾向も見られましたが、訪日観光客やイベントの減少により、乗車券や土産物用途の需要低迷は続いており、全体としては販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、外出自粛等の影響によりPOSレジ用途等の需要が減少し、販売量が前年に対し減少しました。
海外事業においても、各国での外出規制や経済活動停滞の影響を受け、感熱紙はPOSレジ・チケット用途等で需要が減少し、北米、南米、欧州、東南アジアで販売量が前年に対し減少しました。
連結売上高: 1,823億円(前期比 15.1%減収)
連結営業利益: 115億円(前期比 25.2%減益)
○資源環境ビジネス
当連結会計年度の売上高は前期比14.1%減収の2,453億円、営業利益は同42.3%減益の167億円となりました。
国内事業では、パルプ事業は、主に溶解パルプの中国向け輸出が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等を受け減少したことにより、販売量が前年に対し減少しました。エネルギー事業は、2019年9月に稼働したエム・ピー・エム・王子エコエネルギー株式会社が通期で寄与したことにより、売電量が前年に対し増加しました。
海外事業では、パルプ事業は、同感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等を受け、世界的に需要が減少したことにより、販売量が前年に対し減少しました。
連結売上高: 2,453億円(前期比 14.1%減収)
連結営業利益: 167億円(前期比 42.3%減益)
○印刷情報メディア
当連結会計年度の売上高は前期比16.6%減収の2,440億円、営業利益は同1.5%減益の112億円となりました。
国内事業では、新聞用紙は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等を受け、頁数及び発行部数の減少により、販売量が前年に対し減少しました。印刷用紙は、同感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷用紙の用途別では、出版用途においては、ヒット作の発売や外出自粛に伴う巣ごもり需要の高まりを受けたコミック需要の増加等があったものの、女性誌、旅行誌、スポーツ誌等の頁数及び発行部数の減少が大きく、販売量が前年に対し減少しました。また商業印刷用途においても、集客及びイベント自粛によるカタログ、ポスター、チラシ等の需要減を受け、販売量が前年に対し減少しました。情報用紙は、テレワークの普及によるオフィスでの需要減退等により、販売量が前年に対し減少しました。
海外事業では、江蘇王子製紙有限公司において、同感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等により、国内外で広告等の商業印刷需要が減退し、販売量が前年に対し減少しました。
連結売上高: 2,440億円(前期比 16.6%減収)
連結営業利益: 112億円(前期比 1.5%減益)
○その他
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動停滞の影響等を受け主に商事、物流及びホテル業で減収減益となった結果、当連結会計年度の売上高は前期比6.6%減収の2,702億円、営業利益は同24.8%減益の68億円となりました。
連結売上高: 2,702億円(前期比 6.6%減収)
連結営業利益: 68億円(前期比 24.8%減益)
②生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
生活産業資材695,197△4.6
機能材165,625△17.3
資源環境ビジネス186,199△11.3
印刷情報メディア260,914△3.1
報告セグメント計1,307,936△7.1
その他9,048△0.0
1,316,984△7.1

(注)1.生産高は自家使用分を含めて記載しています。
2.金額は販売価格によるものであり、消費税及び地方消費税を含みません。
(b)受注実績
当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
生活産業資材595,554△5.7
機能材170,020△15.3
資源環境ビジネス215,049△10.3
印刷情報メディア210,531△16.4
報告セグメント計1,191,155△10.0
その他167,829△8.7
1,358,985△9.9

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税を含みません。
③財政状態
2020年度の当社グループの業績は、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要構造の変化や経済活動が停滞した影響等により、国内外で製品需要が落ち込み、前年に対して大幅な減収減益となり、ROEも前年の8.5%から6.9%に落ち込みました。このような中、経費低減などのコストダウンに加えて、製品及び原材料の在庫を圧縮するなど、営業キャッシュ・フローの確保に取り組むとともに、資金面のリスク対応としては、前年度から開始した現預金の積み増しを継続し、手許流動性の確保に努めました。また、アフターコロナを見据え、将来の持続的な成長のために、中期経営計画で定めた重要な戦略について着実に進めています。
このような取り組みの結果、当連結会計年度末の純有利子負債残高(有利子負債-現金及び現金同等物等)は、前連結会計年度末に対して141億円増加し、5,114億円となりましたが、ネットD/Eレシオ(純有利子負債残高/純資産残高)は0.6倍と、経営数値目標の0.7倍以下の水準を維持しています。
また、当連結会計年度末の総資産は、たな卸資産が減少しましたが、現金及び預金、有形固定資産、及び退職給付に係る資産の増加等により、前連結会計年度末に対して962億円増加し、19,814億円となりました。負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に対して622億円増加し、11,158億円となり、純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して339億円増加し、8,656億円となりました。
④キャッシュ・フローの状況
当社グループでは、市場が縮小している新聞・印刷情報用紙事業では、生産体制再構築等によってコスト削減を徹底し、キャッシュ・フローの確保を図る一方、需要の伸びが期待できる国内事業や海外の経済発展が見込まれる地域へ投資を行い、ポートフォリオの拡充を図っています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して533億円増加し、1,357億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に対して26億円収入が増加し、1,271億円(前連結会計年度は1,245億円の収入)となりました。主なキャッシュの増加は、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えた1,436億円(前連結会計年度は1,615億円)、及びたな卸資産の減少202億円(前連結会計年度は20億円の増加)であり、主なキャッシュの減少は、仕入債務の減少119億円(前連結会計年度は426億円の減少)、及び法人税等の支払額392億円(前連結会計年度は299億円の支出)によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等により、916億円の支出(前連結会計年度は648億円の支出)となりました。有形及び無形固定資産の取得による支出は、設備能力増強・更新、新工場建設、設備設置、品質改善、生産性向上、安全及び環境のための投資等であり、主な内容は、GS Paperboard & Packaging Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシン増設、王子製紙株式会社の新聞用紙マシンから段ボール原紙マシンへの改造のための支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入、社債の発行による収入等により、199億円の収入(前連結会計年度は581億円の支出)となりました。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金(製品製造のための原燃料の購入・製造費や人件費、製品の輸送・保管費等)や研究開発費等が主な内容です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・省力化・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等が主な内容です。
今後も海外事業や有望な事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、所要資金の調達については、自己資金と外部調達との最適なバランスを検討し実施していきます。
(b)財務政策
営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローは配当及び投資資金に充当し、有利子負債残高を適正水準に保ちながら、不足資金については借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等による資金調達を行い、余剰資金については有利子負債の削減に充当します。
なお、長期借入金や社債等の長期資金については、中期経営計画に基づく資金需要見通しや金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断して実施することとしています。
当社は、主要連結子会社との間でグループファイナンスを行い、資金の一元管理を行うことにより、運転資金の効率的な運用を図っています。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響に備えて、従来から締結している取引銀行との貸出コミットメントライン契約に加え、現預金残高の積み上げにより一定程度の手許流動性を確保しています。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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