有価証券報告書-第59期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、個人消費の持ち直しなどもあり緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループの連結経営成績は、売上高63,747百万円(前年同期比2,415百万円増加、3.9%増)、営業利益5,824百万円(前年同期比382百万円増加、7.0%増)、経常利益6,200百万円(前年同期比337百万円増加、5.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、連結子会社であるAbalta Technologies, Inc.に係るのれんの減損損失428百万円を特別損失に計上したことなどにより3,206百万円(前年同期比129百万円減少、3.9%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(地図データベース関連事業)
当社グループの主力事業であります地図データベース関連事業につきましては、企業・自治体向け住宅地図データサービスが堅調に推移したことに加え、開発受託などのIoT関連の売上も増加いたしました。費用面では、増収に伴い支払手数料や外注費などの売上原価が増加いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は52,705百万円(前年同期比1,352百万円増加、2.6%増)、セグメント利益は5,277百万円(前年同期比290百万円増加、5.8%増)となりました。
(一般印刷関連事業)
一般印刷関連事業の売上高は3,916百万円(前年同期比182百万円増加、4.9%増)、セグメント利益は149百万円(前年同期比67百万円増加、83.3%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、売上高は7,124百万円(前年同期比880百万円増加、14.1%増)、セグメント利益は317百万円(前年同期比24百万円増加、8.4%増)となりました。
また、財政状態といたしまして、当連結会計年度末の総資産は、回収により受取手形及び売掛金が、償却及び減損によりのれんがそれぞれ減少したことなどにより69,932百万円(前連結会計年度末比1,736百万円減少、2.4%減)となりました。
負債は、課税所得の減少により未払法人税等が、支払いなどにより支払手形及び買掛金がそれぞれ減少したことなどにより28,209百万円(前連結会計年度末比2,636百万円減少、8.5%減)となりました。
純資産は、剰余金の配当、自己株式の取得などにより減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより41,722百万円(前連結会計年度末比900百万円増加、2.2%増)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は12,240百万円(前連結会計年度末比697百万円増加、6.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が5,519百万円となり、法人税等の支払額2,395百万円がありましたが、減価償却費5,472百万円、売上債権の減少908百万円などの増加要因により9,035百万円の収入(前年同期比1,747百万円減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の純減による収入250百万円がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出5,077百万円などがあったことにより5,016百万円の支出(前年同期比375百万円減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出1,520百万円、配当金の支払額1,250百万円、リース債務の返済による支出703百万円などがあったことにより3,287百万円の支出(前年同期比2,619百万円増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当社グループは、地図データベースを用いた各種情報の提供を主たる事業としており、生産実績を定義することが困難であることから、生産実績につきましては記載を省略しております。
2)受注実績
当社グループは、主に見込み生産を行っております。一般印刷物や地図関連の受託案件等、一部には受注生産も行っておりますが、その多くが短期間で販売するものであることから、受注状況につきましては記載を省略しております。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 地図データベース関連事業 | 52,705 | 2.6 |
| 一般印刷関連事業 | 3,916 | 4.9 |
| 報告セグメント計 | 56,622 | 2.8 |
| その他 | 7,124 | 14.1 |
| 合計 | 63,747 | 3.9 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主要な取引先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありませんので記載を省略しております。
3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債、繰延税金資産の回収可能性の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を必要としております。決算日における収益及び費用並びに資産及び負債等の計上額にはこれらの見積り、将来の予測が含まれておりますが、実際の結果は、将来の不確定な要因により異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績の分析
(ⅰ) 売上高
当連結会計年度の売上高は、企業・自治体向け住宅地図データサービスが堅調に推移したことに加え、開発受託などのIoT関連の売上も増加したことなどにより63,747百万円(前年同期比2,415百万円増加、3.9%増)となりました。
(ⅱ) 売上原価
売上原価は36,874百万円(前年同期比1,528百万円増加、4.3%増)となりました。また、当連結会計年度における原価率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し57.8%となりました。
(ⅲ) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、人件費が増加したことなどにより21,048百万円(前年同期比504百万円増加、2.5%増)となりました。
(ⅳ) 営業利益
営業利益は5,824百万円(前年同期比382百万円増加、7.0%増)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し9.1%となりました。
(ⅴ) 営業外収益及び営業外費用
営業外収益は496百万円(前年同期比11百万円減少、2.3%減)となりました。また、営業外費用は、為替差損27百万円の影響などにより120百万円(前年同期比33百万円増加、39.2%増)となりました。
(ⅵ) 経常利益
経常利益は6,200百万円(前年同期比337百万円増加、5.7%増)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇し9.7%となり、総資産経常利益率(ROA)も0.2ポイント上昇し8.8%となりました。
(ⅶ) 特別利益及び特別損失
特別利益は18百万円(前年同期比3百万円増加、20.8%増)となりました。また、特別損失は、固定資産除売却損が減少したものの、減損損失が増加したことなどにより699百万円(前年同期比347百万円増加、98.6%増)となりました。
(ⅷ) 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は5,519百万円(前年同期比7百万円減少、0.1%減)となりました。
(ⅸ) 法人税等
法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は2,205百万円(前年同期比126百万円増加、6.1%増)となりました。また、当連結会計年度における法人税等の負担率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の割合)は40.0%となり、法定実効税率30.4%に比べ9.6ポイント高くなりました。法人税等の負担率と法定実効税率との差は、主に交際費等永久に損金に算入されない項目及び住民税均等割などの影響によるものであります。
(ⅹ) 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は107百万円(前年同期比4百万円減少、3.6%減)となりました。
(ⅺ) 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は3,206百万円(前年同期比129百万円減少、3.9%減)となりました。その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント低下し8.1%となりました。
2) 財政状態の分析
(ⅰ) 総資産
総資産は、回収により受取手形及び売掛金が925百万円、償却及び減損によりのれんが900百万円、それぞれ減少したことなどにより69,932百万円(前連結会計年度末比1,736百万円減少、2.4%減)となりました。
(ⅱ) 負債
負債は、課税所得の減少により未払法人税等が891百万円、支払いなどにより支払手形及び買掛金が454百万円、それぞれ減少したことなどにより28,209百万円(前連結会計年度末比2,636百万円減少、8.5%減)となりました。
(ⅲ) 純資産
純資産は、剰余金の配当1,251百万円、自己株式の取得1,520百万円などにより減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益3,206百万円の計上などにより41,722百万円(前連結会計年度末比900百万円増加、2.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.8ポイント上昇し56.7%となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
4)経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
5) 資本の財源、資金の流動性
(ⅰ) 資金需要
当社グループの資金需要は、運転資金としては、各種地図データベースの構築のための調査業務費用などがあり、設備投資資金としては、主に各種データベース制作システムやソフトウエアプログラムなどへの投資があります。当連結会計年度につきましては5,214百万円の設備投資を行っております。
(ⅱ) 財務政策
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。
資金が不足する場合、短期的な運転資金の調達に関しましては、複数の金融機関より確保している融資枠からの短期借入金を基本とし、設備及びM&Aを中心とした投資資金の調達に関しましては、ファイナンス・リースの活用や金利変動リスクを考慮した固定金利の長期借入金を基本としております。なお、余剰資金が生じた場合は、借入金の返済に充当しております。
以上により、当社グループの今後の事業活動において必要な運転資金及び設備投資資金を確保することは可能と考えております。
6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは中長期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2020」において、持続的な企業価値向上を目指し、資本効率及び財務健全性のバランスを考慮しつつも、収益基盤である地図データベース整備やビジネス開発に注力することで、営業利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し9.1%となり、ROEは前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少し8.1%となりました。
なお、「第2 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新たな中長期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2025(以下「ZGP25」という。)」を策定いたしました。
ZGP25においては、資本効率及び財務健全性のバランスを考慮しつつ、位置情報ビジネス分野への積極的な開発投資又は効果的なM&A等による新規ビジネスの創造や生産性向上により、引き続き、営業利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の向上に取り組んでまいります。
7) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主力事業であります地図データベース関連事業につきましては、企業・自治体向けの住宅地図データサービスを活用したGISパッケージや住宅地図データ配信が堅調に推移したことに加え、大手企業向けのソリューションビジネスやスマートフォンサービス等の受託開発案件が増加いたしました。費用面では、増収に伴う支払手数料や外注費などの売上原価が増加いたしましたが、セグメント利益は前年同期から290百万円増加し、5,277百万円となりました。一般印刷関連事業につきましては、印刷業界における受注競争は厳しい状況が続いておりますが、セグメント利益は前年同期から67百万円増加し、149百万円となりました。その他につきましては、セグメント利益が前年同期から24百万円増加し、317百万円となりました。
なお、セグメントごとの財政状態につきまして、地図データベース関連事業のセグメント資産は、前連結会計年度末から578百万円増加し、44,570百万円となりました。一般印刷関連事業のセグメント資産は、前連結会計年度末から342百万円減少し、6,050百万円となりました。その他のセグメント資産は、前連結会計年度末から12百万円増加し、3,311百万円となりました。