有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により社会経済活動が大幅に抑制され、企業収益が減少するなど景気は急速に悪化し、極めて厳しい状況が続いております。
このような環境の中、当社グループの連結経営成績は、売上高57,225百万円(前年同期比2,545百万円減少、4.3%減)、営業利益1,436百万円(前年同期比1,863百万円減少、56.5%減)、経常利益1,683百万円(前年同期比2,025百万円減少、54.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,248百万円(前年同期比1,384百万円減少、52.6%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、「第5 1.(1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、当連結会計年度より、報告セグメントの変更等を行っております。
以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較しております。
(地図データベース関連事業)
当社グループの主力事業であります地図データベース関連事業につきましては、企業・自治体向けの受託案件やストック型サービスのGISパッケージが堅調に推移したものの、オートモーティブ関連でカーナビゲーション用データの販売等が減少いたしました。損益面では、利益水準に応じた業績連動賞与やコロナ禍における営業活動費用が減少したものの、減収に加え、先行費用を計上したことなどにより、セグメント利益が減少いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は48,740百万円(前年同期比1,591百万円減少、3.2%減)、セグメント利益は1,101百万円(前年同期比1,831百万円減少、62.5%減)となりました。
(一般印刷関連事業)
一般印刷関連事業につきましては、チラシ印刷の受注減などの影響により売上高は2,235百万円(前年同期比738百万円減少、24.8%減)、セグメント利益は2百万円(前年同期比106百万円減少、97.7%減)となりました。
(その他)
その他につきましては、取引先のイベントや販促活動の縮小などの影響により売上高は6,249百万円(前年同期比215百万円減少、3.3%減)、セグメント利益は268百万円(前年同期比75百万円増加、39.3%増)となりました。
また、財政状態といたしまして、当連結会計年度末の総資産は、時価の上昇などにより投資有価証券、退職給付に係る資産がそれぞれ増加したことなどから71,320百万円(前連結会計年度末比1,751百万円増加、2.5%増)となりました。
負債は、支払いなどにより未払費用が、課税所得の減少により未払法人税等がそれぞれ減少したことなどから26,596百万円(前連結会計年度末比1,520百万円減少、5.4%減)となりました。
純資産は、剰余金の配当などにより減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、自己株式の処分などにより44,723百万円(前連結会計年度末比3,271百万円増加、7.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は16,529百万円(前連結会計年度末比1,292百万円増加、8.5%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1,611百万円となり、法人税等の支払額1,534百万円がありましたが、減価償却費5,173百万円、売上債権の減少1,382百万円などの増加要因により6,351百万円の収入(前年同期比1,643百万円減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出5,029百万円などがあったことにより5,041百万円の支出(前年同期比2,082百万円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の売却による収入4,569百万円がありましたが、自己株式の取得による支出2,024百万円、配当金の支払額1,356百万円、リース債務の返済による支出511百万円などがあったことにより8百万円の支出(前年同期比1,998百万円減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当社グループは、地図データベースを用いた各種情報の提供を主たる事業としており、生産実績を定義することが困難であることから、生産実績につきましては記載を省略しております。
2)受注実績
当社グループは、主に見込み生産を行っております。一般印刷物や地図関連の受託案件等、一部には受注生産も行っておりますが、その多くが短期間で販売するものであることから、受注状況につきましては記載を省略しております。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 地図データベース関連事業 | 48,740 | △3.2 |
| 一般印刷関連事業 | 2,235 | △24.8 |
| 報告セグメント計 | 50,975 | △4.4 |
| その他 | 6,249 | △3.3 |
| 合計 | 57,225 | △4.3 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主要な取引先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありませんので記載を省略しております。
3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループは、6ヵ年の中長期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2025(以下、ZGP25)」(2020年3月期~2025年3月期)を2019年4月よりスタートし、最終年度である2025年3月期には、連結売上高800億円、連結営業利益100億円、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を目指しております。
ZGP25では、2020年3月期から2022年3月期までの3期間を1stステージ「ビジネスモデル変革時期」と位置づけ、将来の安定成長を目指し、フロー型ビジネスからストック型ビジネスへの転換を図ります。この転換により、位置情報利用における顧客価値の増大を図り、効率的に顧客層を拡大していくことで、安定収益基盤を構築します。
ZGP25の2年目である2021年3月期につきましては、順調に進捗している部分はありますが、新型コロナウイルス感染症の影響による市況の悪化や営業活動の制限などにより、当社グループの取引減少や新規案件の開拓が当初計画よりも遅延いたしました。加えて、自動車産業におけるサプライチェーンの寸断による取引先の生産計画変更の影響もあり、ZGP25の当期数値目標は未達となりました。当社グループ全体の持続的利益成長の実現に向け、さらに実行力を高めて、引き続き取り組んでまいります。
当連結会計年度の経営成績につきましては、連結売上高は57,225百万円(前年同期比2,545百万円減少、4.3%減)、連結営業利益は1,436百万円(前年同期比1,863百万円減少、56.5%減)となりました。また、ROEは前連結会計年度に比べ3.6ポイント低下し3.0%となりました。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は71,320百万円(前連結会計年度末比1,751百万円増加、2.5%増)、負債は26,596百万円(前連結会計年度末比1,520百万円減少、5.4%減)となりました。純資産は、剰余金の配当1,358百万円などにより減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,248百万円、自己株式の処分4,590百万円などにより44,723百万円(前連結会計年度末比3,271百万円増加、7.9%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策については、前述の「第2 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの主力事業であります地図データベース関連事業につきましては、GISパッケージなどのストック型ビジネスの堅調な拡大や、日本電信電話㈱との資本業務提携など他社とのアライアンスを積極的に進めることにより、MaaS等の新規分野や、位置情報を活用したソリューションサービスの提供など一定の成果を積み上げております。一方で、オートモーティブ関連において、国内新車販売台数の減少などを背景に、カーナビゲーション用地図データの販売等が減少いたしました。損益面では、利益水準に応じた業績連動賞与やコロナ禍における営業活動費用が減少したものの、減収による影響のほか、新規サービスや製品開発などの先行費用が増加したことなどにより、セグメント利益は前年同期から1,831百万円減少し、1,101百万円となりました。
一般印刷関連事業につきましては、チラシ印刷の受注減などの影響によりセグメント利益は前年同期から106百万円減少し、2百万円となりました。
その他につきましては、取引先のイベントや販促活動の縮小などの影響はあったものの、のれん償却額が減少したことなどにより、セグメント利益は前年同期から75百万円増加し、268百万円となりました。
なお、セグメントごとの財政状態につきまして、地図データベース関連事業のセグメント資産は、業務・資本提携先への出資などにより投資有価証券が、新規連結により建物及び構築物(純額)がそれぞれ増加したものの、回収により受取手形及び売掛金が減少したことなどにより前連結会計年度末から77百万円減少し、42,297百万円となりました。一般印刷関連事業のセグメント資産は、前連結会計年度末から336百万円減少し、4,495百万円となりました。その他のセグメント資産は、前連結会計年度末から293百万円減少し、3,220百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症につきましては、収束時期が未だ不透明であり、当社グループへの影響は、予断を許さない状況が当面続くものと考えております。ZGP25の基本方針に基づく諸施策は、この影響を慎重に見極め、顧客や市況の変化に柔軟に対応させつつ引き続き推進してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)資本の財源及び資金の流動性
(ⅰ) 資金需要
当社グループの資金需要は、運転資金としては、各種地図データベースの構築のための調査業務費用などがあり、設備投資資金としては、主に各種データベース制作システムや地図情報流通基盤ソフトウエアなどへの投資があります。当連結会計年度につきましては5,263百万円の設備投資を行っております。
(ⅱ) 財務政策
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、自己資金を効率的に活用しております。
資金が不足する場合、短期的な運転資金の調達に関しましては、複数の金融機関より確保している融資枠からの短期借入金を基本とし、設備及びM&Aを中心とした投資資金の調達に関しましては、ファイナンス・リースの活用や金利変動リスクを考慮した固定金利の長期借入金を基本としております。なお、余剰資金が生じた場合は、借入金の返済に充当しております。
以上により、当社グループの今後の事業活動において必要な運転資金及び設備投資資金を確保することは可能と考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 1.(1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。