四半期報告書-第136期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

【提出】
2017/02/08 15:29
【資料】
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【項目】
33項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。
(1) 業績の状況
当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同四半期連結累計期間(以下、「前年同四半期」)に比べ1,880億円減少し、1兆3,898億円となった。損益面では、営業利益は863億円、経常利益は1,150億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は553億円となり、それぞれ前年同四半期を下回った。
当第3四半期連結累計期間のセグメント別の業績の概況は、次のとおりである。
(石油化学)
石油化学品や合成樹脂は原料価格の下落により、市況が下落した。また、千葉工場の石油化学事業再構築の影響により、石油化学品の出荷も減少した。更に円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前年同四半期に比べ、1,044億円減少し4,140億円となり、営業利益は前年同四半期に比べ83億円減少し175億円となった。
(エネルギー・機能材料)
アルミニウムは円高等の影響により販売価格が下落した。一方、レゾルシン(接着剤用原料)やエンジニアリングプラスチックスは需要の増加により、出荷が増加した。この結果、売上高は前年同四半期に比べ、111億円減少し1,460億円となったが、営業利益は前年同四半期に比べ16億円増加し51億円となった。
(情報電子化学)
偏光フィルムは販売価格が下落した。タッチセンサーパネルも、販売価格は下落したが、需要の増加により出荷は増加した。また、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前年同四半期に比べ、349億円減少し2,698億円となり、営業利益は前年同四半期に比べ120億円減少し89億円となった。
(健康・農業関連事業)
メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となった。農薬は海外での出荷が減少した。更に円高による影響もあり、この結果、売上高は前年同四半期に比べ、364億円減少し1,919億円となり、営業利益は前年同四半期に比べ243億円減少し166億円となった。
(医薬品)
国内では、アイミクス(高血圧症治療剤)やトレリーフ(パーキンソン病治療剤)等の販売が拡大したが、薬価改定や長期収載品の出荷減少の影響が大きく、減収となった。北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)を中心に堅調に販売が拡大した。一方、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響があった。この結果、売上高は前年同四半期に比べ、12億円増加し3,297億円となった。北米での販売拡大により営業利益は前年同四半期に比べ111億円増加し461億円となった。
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析等を行っている。これらの売上高は前年同四半期に比べ、24億円減少し383億円となり、営業利益は前年同四半期に比べ24億円減少し37億円となった。
※第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分方法を変更しており、当四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいている。
なお、持分法投資利益は前年同四半期に比べ、37億円減少し、258億円となった。
ペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート)リミテッドは好調な業績が続いたが、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーは石油化学製品の販売価格の下落による交易条件の悪化に加え、エタンクラッカー一時停止の影響による出荷の減少等により、業績が悪化した。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末に比べ1,756億円増加し2兆8,378億円となった。子会社の大日本住友製薬株式会社によるシナプサス社(現:サノビオンCNSカナダ社)の買収により、無形固定資産が増加したことが主な要因である。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,232億円増加し1兆6,946億円となった。有利子負債(短期借入金、1年内償還予定の社債、コマーシャル・ペーパー、社債および長期借入金の合計でリース債務を除く)が前連結会計年度末に比べ1,197億円増加し、9,512億円となったことが主な要因である。
純資産(非支配株主持分を含む)は、その他の包括利益累計額が減少したものの、利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ524億円増加し1兆1,431億円となった。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて0.9ポイント低下し、27.9%となった。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はない。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,137億円である。
また、当第3四半期連結累計期間における、当社グループの研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりである。
(エネルギー・機能材料)
平成28年4月1日の組織改正により、スーパーエンジニアリングプラスチックスとリチウムイオン二次電池用部材の研究組織を、情報電子化学品研究所からエネルギー・機能材料研究所に移管した。これにより研究開発のシナジーをさらに高め、より幅広い分野で環境負荷の低減や省資源・省エネルギーに貢献する、付加価値の高い機能化学品の研究開発に取り組むこととした。
平成28年10月31日における株式会社田中化学研究所の子会社化に伴い、エネルギー・機能材料研究所に二次電池用正極材の開発グループを新設し、当該製品の開発力強化・事業化推進を図っている。
(医薬品)
平成28年10月に、大日本住友製薬株式会社の米国子会社であるサノビオン社がシナプサス社(現:サノビオンCNSカナダ社)を買収し、パーキンソン病治療剤として開発中(フェーズ3段階)のAPL-130277(一般名:アポモルヒネ塩酸塩)を獲得した。
(全社共通およびその他の研究分野)
次世代事業の早期戦列化に向け、より効率的な運営を図るため、平成28年4月1日付けで、筑波開発研究所と先端材料探索研究所を統合して先端材料開発研究所とした。