四半期報告書-第102期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/12 13:19
【資料】
PDFをみる
【項目】
31項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における経済諸情勢には、国内外ともに様々な変化が見られました。即ち、中国を始めとする新興国経済の減速や米国の利上げ観測等を背景に、金融市場が不安定化するなど世界経済の先行き不透明感が強まる中で、総じて緩やかな回復傾向を持続してきた日本経済への影響も懸念され始める等、予断を許さない状況が継続しました。
このような情勢の下、当社グループは、新中期経営計画「NKC-Plan2015」のメインテーマである「安定的な収益基盤の実現」に向け、各種合理化、効率化、コスト削減、生産効率アップ、販売数量の確保、技術開発の迅速化等に全力を注いでまいりました。
こうした中で、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、合成石英粉、ウエハー用途向け電子工業用高純度薬品等が堅調に推移したものの、アンモニア系製品は、関連需要の落ち込みや小名浜工場硝酸系製造の停止等により販売数量が減少したほか、ホルマリン・木材加工用接着剤は、合板メーカーの減産強化等により、またTAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)も、競争環境の激化等により苦戦するなど、事業間でのばらつきが拡大し、加えて、当期に入り競争環境が激化したエンジニアリング事業についても未だその立ち上がりが鈍いこと等から、全般的に好調だった前年同期に比べ大幅な減収・減益となりました。
具体的には、当第2四半期連結累計期間の売上高は14,686百万円(前年同期比14.8%減)、営業利益は131百万円(前年同期比78.7%減)、経常利益は204百万円(前年同期比77.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は122百万円(前年同期比79.1%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(無機化学品事業)
アンモニア系製品は、主要顧客向け販売の減少に加え、硝酸系製造の黒崎工場集約化に伴う小名浜工場硝酸系製造の停止等により販売数量、売上高とも減少しました。合成石英粉は、半導体関連分野が堅調に推移したことから、販売数量、売上高とも増加しました。ディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)は、激しい市場競争が継続する中、販売数量、売上高とも微増に留まりました。電子工業用高純度薬品は、半導体用途向けを中心に概ね堅調に推移し、販売数量、売上高とも前年同期並みを維持しました。
その結果、全体の売上高は7,798百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
(機能化学品・化成品事業)
紫外線硬化性樹脂は、堅調であった光学フィルム向け需要が第2四半期以降急減し、フィルムコンデンサー向け等も低調であったことから、販売数量、売上高とも大幅に減少しました。TAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)は、競争環境が激化する中、主要顧客向けの販売が減少したこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。脂肪酸アマイドは微増となりましたが、アクリレートを始めとするその他機能材等の減販により機能材全体としては販売数量、売上高とも減少しました。
メタノールは、販売数量は微増となりましたが、国際市況が昨年に比べ低下したこと等から売上高は減少しました。ホルマリン及び木材加工用接着剤は、合板メーカーの減産強化に伴う需要減少等により販売数量、売上高とも減少しました。
その結果、全体の売上高は5,428百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
(エンジニアリング事業)
熾烈な受注競争の中、前年同期に比べ受注案件が大きく落ち込む等、立ち上がりが鈍い状態が継続しており、売上高は759百万円(前年同期比56.5%減)となりました。
(貨物運送・荷役事業)
主要顧客向け運送量が減少したものの、新規案件の獲得等により、売上高は555百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
(その他)
有機溶剤等の蒸留・精製業について、主要顧客向け販売減等により、売上高は60百万円(前年同期比32.6%減)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、たな卸資産の増加及び短期借入金の返済等による支出が、売上債権の減少及び長期借入れによる収入等を上回り、その結果、資金残高は前連結会計年度末より68百万円減少(4.8%減)し、1,343百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フロ-の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,165百万円(前年同四半期比972百万円の収入増)となりました。これは、主に減価償却費及び売上債権の減少等による収入が、たな卸資産の増加及び仕入債務の減少等による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、233百万円(前年同四半期比103百万円の収入増)となりました。これは、主に短期貸付金の回収等による収入が、有形固定資産の取得による支出等を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,464百万円(前年同四半期比1,191百万円の支出増)となりました。これは、主に短期借入金の返済及び配当金の支払等による支出が、長期借入れによる収入を上回ったことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、294百万円であります。
なお、上記金額には次世代新規事業の推進組織「みらいプロジェクト」において発生した研究開発費51百万円も含まれております。
セグメント別の主要課題は次のとおりであります。
無機化学品セグメント:合成石英粉及びディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)
機能化学品・化成品セグメント:TAIC®・TAIC®誘導品、紫外線硬化性樹脂及び新規接着剤
上記の他、全社費用に計上している「みらいプロジェクト」(光学材料の研究開発)があります。