四半期報告書-第103期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/11 13:27
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28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における日本経済は、雇用情勢の改善が継続し、生産活動に持ち直しの兆しが見られる一方、企業収益や個人消費については弱含みで推移する等、踊り場の状態となる中、中国をはじめとする新興国経済の減速等の影響も懸念されるなど、先行き不透明感を払拭しきれない状況が継続しました。
このような情勢の下、当社グループは、新中期経営計画「NKC-Plan 20」に掲げている「安定的収益構造の確立」に向け、拡販、合理化・効率化、技術開発の迅速化等、収益向上諸施策に取り組んでおります。
こうした中で、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績について、電子工業用高純度薬品及び紫外線硬化性樹脂の販売増等があったものの主要原料であるアンモニア及びメタノール国際市況下落の影響等により前年同期に比べ売上高は減収となりました。一方、損益については、合成石英粉、紫外線硬化性樹脂の需要が引き続き堅調に推移したことに加え、電子工業用高純度薬品及びディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)の拡販、エンジニアリング事業における大型案件の検収及びコスト削減努力の影響等、加えて、一部受取配当金の時期ずれの影響から前年同期に比べ増益となりました。
具体的には、当第2四半期連結累計期間の売上高は14,564百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は652百万円(前年同期比397.7%増)、経常利益は752百万円(前年同期比268.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は496百万円(前年同期比306.6%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(無機化学品事業)
アンモニア系製品は、主要顧客向け販売の減少に加え、アンモニア国際市況が前年同期に比べ下落したこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。合成石英粉は、半導体関連分野が堅調に推移し、販売数量、売上高とも増加しました。電子工業用高純度薬品及びディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)は、需要が堅調に推移したことに加え、拡販に注力した結果、販売数量、売上高とも増加しました。
その結果、全体の売上高は6,760百万円(前年同期比13.3%減)となりました。
(機能化学品・化成品事業)
紫外線硬化性樹脂は、需要が堅調に推移したこと等から、販売数量、売上高とも増加しました。脂肪酸アマイドは前年同期並みとなりましたが、アクリレートをはじめとするその他機能材は売上高が増加しました。TAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)は、激しい市場競争が継続する中、主要顧客向けの販売が低調であったこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。
メタノールは、前年同期はスポット需要があったことの反動及び国際市況が前年同期に比べ下落したことから販売数量、売上高とも減少しました。ホルマリン及び木材加工用接着剤は、販売数量は前年同期並みとなりましたが、メタノール国際市況の下落の影響により、売上高は減少しました。
その結果、全体の売上高は4,943百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
(エンジニアリング事業)
前期からの大型繰越受注案件の検収及び一部工事の早期竣工・検収時期ずれの影響があったことから、売上高は2,127百万円(前年同期比180.2%増)となりました。
(貨物運送・荷役事業)
新規案件の獲得等により、売上高は590百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
(その他)
有機溶剤等の蒸留・精製業について、主要顧客向け販売増等により、売上高は62百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前四半期純利益及び売上債権の減少等による収入が、仕入債務の減少及び短期貸付金の増加等による支出を上回り、その結果、資金残高は前連結会計年度末に比し1,104百万円増加(101.8%増)し、2,188百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フロ-の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,875百万円(前年同四半期比1,710百万円の収入増)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益及び売上債権の減少等による収入が、仕入債務の減少等による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,376百万円(前年同四半期比1,609百万円の支出増)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出及び短期貸付金の増加等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、394百万円(前年同四半期比1,070百万円の支出減)となりました。これは、主に配当金の支払等による支出が、短期借入金の増加等による収入を上回ったことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、284百万円であります。
なお、上記金額には次世代新規事業の推進組織「みらいプロジェクト」において発生した研究開発費44百万円も含まれております。
セグメント別の主要課題は次のとおりであります。
無機化学品セグメント:合成石英粉及び電子工業用高純度薬品
機能化学品・化成品セグメント:TAIC®・TAIC®誘導品、紫外線硬化性樹脂及び新規接着剤
上記の他、全社費用に計上している「みらいプロジェクト」(光学材料の研究開発)があります。