四半期報告書-第103期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

【提出】
2016/08/10 13:33
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【項目】
25項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、雇用情勢の改善はみられるも、金融・為替市場の不安定化を受けての企業収益や個人消費の足踏み状態が続き、中国をはじめとする新興国経済の減速等の影響も懸念されるなど、停滞感を払拭しきれない状況が継続しました。
このような情勢の下、当社グループは、新中期経営計画「NKC-Plan 20」に掲げている「安定的収益構造の確立」に向け、拡販、合理化・効率化、技術開発の迅速化等、収益向上諸施策に取り組んでおります。
こうした中で、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、主要原料であるアンモニア及びメタノール国際市況下落の影響等の減収要因があったものの、合成石英粉、紫外線硬化性樹脂、ディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)の需要が概ね堅調に推移したことに加え、電子工業用高純度薬品の拡販努力による販売数量増、エンジニアリング事業における大型案件の検収、更には一部製品の前倒し需要対応等の影響もあり、前年同期比増収・増益となりました。
具体的には、当第1四半期連結累計期間の売上高は7,313百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は377百万円(前年同期比498.4%増)、経常利益は377百万円(前年同期比236.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は284百万円(前年同期比300.0%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(無機化学品事業)
アンモニア系製品は、主要顧客向け販売の減少に加え、アンモニア国際市況が前年同期に比べ下落したこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。合成石英粉は、半導体関連分野が堅調に推移し、販売数量、売上高とも増加しました。電子工業用高純度薬品は、半導体関連分野が堅調に推移したことに加え、拡販に注力した結果、販売数量、売上高とも増加しました。ディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)は、需要が堅調に推移したことから、販売数量、売上高とも増加しました。
その結果、全体の売上高は3,476百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
(機能化学品・化成品事業)
紫外線硬化性樹脂は、需要が堅調に推移したこと等から、販売数量、売上高とも増加しました。脂肪酸アマイド、アクリレート等の機能材は、販売数量、売上高とも概ね前年同期並みとなりましたが、TAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)は、激しい市場競争が継続する中、主要顧客向けの販売が低調であったこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。
メタノールは、前年同期はスポット需要があったことの反動及び国際市況が前年同期に比べ下落したことから販売数量、売上高とも減少しました。ホルマリン及び木材加工用接着剤は、販売数量が微減となったことに加え、メタノール国際市況の下落の影響等もあり、売上高は減少しました。
その結果、全体の売上高は2,519百万円(前年同期比10.5%減)となりました。
(エンジニアリング事業)
前期からの大型繰越受注案件の検収があったことから、売上高は967百万円(前年同期比138.8%増)となりました。
(貨物運送・荷役事業)
新規案件の獲得等により、売上高は286百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
(その他)
有機溶剤等の蒸留・精製業について、主要顧客向け販売減等により、売上高は24百万円(前年同期比27.3%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、141百万円であります。
なお、上記金額には次世代新規事業の推進組織「みらいプロジェクト」において発生した研究開発費22百万円も含まれております。
セグメント別の主要課題は次のとおりであります。
無機化学品セグメント:合成石英粉及び電子工業用高純度薬品
機能化学品・化成品セグメント:TAIC®・TAIC®誘導品、紫外線硬化性樹脂及び新規接着剤
上記の他、全社費用に計上している「みらいプロジェクト」(光学材料の研究開発)があります。