四半期報告書-第102期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/02/12 13:18
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30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間においては、中国など新興国経済の減速、長期化する原油安、地政学的リスクの深刻化、米国のゼロ金利政策解除など諸情勢が目まぐるしく変化し、世界経済の不透明感が高まる中で、日本経済についても、昨年夏場以降、景気の足踏み状態が継続するなど正念場を迎えました。
このような情勢の下、当社グループは、新中期経営計画「NKC-Plan2015」のメインテーマである「安定的な収益基盤の実現」に向け、各種合理化、効率化、コスト削減、生産効率アップ、販売数量の確保、技術開発の迅速化等に全力を注いでまいりました。
こうした中で、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、合成石英粉、ウエハー用途向け電子工業用高純度薬品等が堅調に推移したものの、アンモニア系製品は、関連需要の落ち込みや小名浜工場硝酸系製造の停止等により販売数量が減少したほか、ホルマリン・木材加工用接着剤は、合板メーカーの減産の影響等により、またTAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)も、競争環境の激化等により厳しい状況が継続し、徐々に底打ち傾向が見られ始めたエンジニアリング事業についても、未だその立ち上がりが鈍いこと等から、全般的に好調だった前年同期との比較では、大幅な減収・減益となりました。
具体的には、当第3四半期連結累計期間の売上高は23,496百万円(前年同期比12.4%減)、営業利益は468百万円(前年同期比62.0%減)、経常利益は543百万円(前年同期比67.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は366百万円(前年同期比66.8%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(無機化学品事業)
アンモニア系製品は、主要顧客向け販売の減少に加え、硝酸系製造の黒崎工場集約化に伴う小名浜工場硝酸系製造の停止等により販売数量、売上高とも減少しました。合成石英粉は、半導体関連分野が堅調に推移したことから、販売数量、売上高とも増加傾向を継続しました。電子工業用高純度薬品は、半導体用途向けを中心に概ね堅調に推移する中で、販売数量、売上高とも増加し、ディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)も、激しい市場競争が継続する中、販売数量、売上高とも増加基調を維持しました。
その結果、全体の売上高は11,694百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
(機能化学品・化成品事業)
紫外線硬化性樹脂は、第2四半期以降急減した光学フィルム向け需要に回復傾向が見られましたが、フィルムコンデンサー向けが低調であったことから、全体としては販売数量、売上高とも大幅な減少となりました。TAIC®(ゴム、プラスチック架橋助剤)は、競争環境が激化する中、主要顧客向けの販売が低調であったこと等から、販売数量、売上高とも減少しました。脂肪酸アマイドは微増となりましたが、アクリレートを始めとするその他機能材等の減販により機能材全体としては販売数量、売上高とも減少しました。
メタノールは、販売数量は微増となりましたが、国際市況が昨年に比べ下落したこと等から売上高は減少しました。ホルマリン及び木材加工用接着剤は、合板メーカーの減産緩和効果も現れつつありますが、前年同期との比較では、販売数量、売上高とも減少する結果となりました。
その結果、全体の売上高は8,262百万円(前年同期比12.2%減)となりました。
(エンジニアリング事業)
熾烈な受注環境下、前年同期に比べ受注案件が大きく落ち込む中、徐々に底打ち傾向が見られ始めたものの、未だ立ち上がりが鈍い状態が継続しており、売上高は2,466百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
(貨物運送・荷役事業)
新規案件の獲得等により、売上高は869百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
(その他)
有機溶剤等の蒸留・精製業について、主要顧客向け販売減等により、売上高は82百万円(前年同期比44.2%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、439百万円であります。
なお、上記金額には次世代新規事業の推進組織「みらいプロジェクト」において発生した研究開発費72百万円も含まれております。
セグメント別の主要課題は次のとおりであります。
無機化学品セグメント:合成石英粉及びディーゼル車脱硝用高品位尿素水(AdBlue®)
機能化学品・化成品セグメント:TAIC®・TAIC®誘導品、紫外線硬化性樹脂及び新規接着剤
上記の他、全社費用に計上している「みらいプロジェクト」(光学材料の研究開発)があります。