四半期報告書-第94期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/10 9:14
【資料】
PDFをみる
【項目】
30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成28年4月1日から平成28年9月30日)における、世界経済は、米国では企業業績の改善と堅調な個人消費を背景に景気の穏やかな拡大基調が続き、欧州でも緩やかに回復しました。一方、アジアでは、中国経済の減速などで力強さを欠く展開が続きました。日本経済は、雇用環境の改善が見られましたが、円高などにより企業業績が振るわず、停滞感が強まりました。
当社グループの主力事業を取り巻く市場環境は、酸化チタンでは、国内需要は主力用途である塗料の需要不振の影響を受けたものの、底堅さを維持し前年同期並みとなりました。海外では、中国を中心とした供給過多な需給環境は徐々に改善し、市況の一定の回復が見られました。農薬では、農業大国ブラジルでの不安定な経済状態と高い流通在庫の水準に加え、世界各地で発生した異常気象などが需要を抑制し、世界の農薬出荷額は引き続き低調に推移しました。
このような状況の下、当社グループは第6次中期経営計画の基本方針に基づき、海外販売の強化や高付加価値製品の拡販など既存事業の強化と、将来の成長基盤の構築に向けた研究開発などを着実に取り進めてまいりましたが、為替円高の進行に伴う海外事業への影響は避けがたく、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高512億円(前年同期比16億円減)、営業利益18億円(前年同期比16億円減)、営業外では為替差損が拡大するなどで経常利益3百万円(前年同期比23億円減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億円(前年同期は15億円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(無機化学事業)
酸化チタンは、ほぼ前年同期並みの販売量を維持しましたが、昨年下落した海外市況と円高による輸出価格低下の影響などを受け、売上高は176億円(前年同期比16億円減)となりました。
機能材料は、導電性材料や電子部品向けなど各種製品の販売は総じて堅調に推移しましたが、初期需要の一巡により前年同期にあった新製品の販売が無かったことなどから売上高は52億円(前年同期比10億円減)となりました。
損益面では、酸化チタンと機能材料の減収により減益となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は228億円(前年同期比27億円減)、営業利益は15億円(前年同期比12億円減)となりました。
(有機化学事業)
農薬の国内販売は、市場全体が伸び悩むなか新規混合剤を投入するなどで国内売上は前年同期を上回りました。
海外販売は、天候の影響を受け、アジアでは除草剤などが減収となる一方、欧州では殺菌剤、殺虫剤が増収となりました。また、昨年から北米で展開する新規の菌核・灰色かび病殺菌剤の登録国を追加した他、既存主力剤についても適用拡大や販売地域拡大などを推し進めたことなどで、海外売上は前年同期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は267億円(前年同期比11億円増)となりましたが、円高などの影響により営業利益は9億円(前年同期比4億円減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業は、売上高15億円(前年同期比9千万円減)、営業利益は1億円(前年同期は3千万円の営業損失)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて68億円減少し1,582億円となりました。流動資産は、61億円減少し1,043億円となりました。これは、受取手形及び売掛金が22億円増加し、たな卸資産が82億円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて6億円減少の539億円となりました。これは、投資有価証券が7億円増加し、有形固定資産が11億円減少したことなどによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べて44億円減少し990億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が31億円増加し、長短借入金が61億円、その他流動負債が5億円それぞれ減少したことなどによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比べて23億円減少し592億円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失7億円の計上と為替換算調整勘定が16億円減少したことなどによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1億円減少し、当第2四半期連結会計期間末における残高は291億円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各活動のキャッシュ・フローのうち主なものは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失が4億円(前年同期は税金等調整前四半期純利益21億円)となり、減価償却費及びその他の償却費の計上、たな卸資産の減少、仕入債務の増加などにより97億円の収入(前年同期比23億円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出があったことなどから27億円の支出(前年同期比19億円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金などの純減により66億円の支出(前年同期比26億円の支出減)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4,075百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。