有価証券報告書-第101期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 10:10
【資料】
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【項目】
161項目
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当期の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレによる物価高の継続、各国の金融引き締め政策などにより、依然として景気の先行き不透明な状況が続きました。当社グループの主力事業を取り巻く環境は、有機化学事業においては、主力の農薬について、米州で殺菌剤が減少したものの、欧州では殺虫剤などの需要が増加し、アジアや国内販売も堅調に推移しました。無機化学事業においては、酸化チタンの自動車向けが堅調に推移したものの、国内建築用途向けや海外販売が低迷し、機能性材料も電子部品用材料の販売が積層セラミックコンデンサ(MLCC)業界の在庫調整の影響で減少しました。
このような状況下、当社グループは、長期ビジョンとして「Vision 2030 独創・加速・グローバル。化学の力で暮らしを変える。」を掲げ、2021年度から2023年度の3か年の中期経営計画「Vision 2030 StageⅠ」に取り組む中で、ESG、SDGs視点での経営強化や目標の具体化などを推進することにより、サステナブルな企業価値創造を目指しました。
この結果、当期の連結業績は、売上高1,384億円(前期比72億円増)、営業利益114億円(前期比28億円増)、営業外では為替差益を計上するなどで経常利益148億円(前期比45億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、硫酸法酸化チタンに関連する固定資産の減損損失67億円を特別損失に計上するなどで79億円(前期比10億円増)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(有機化学事業)
農薬は、海外販売について、米州では、除草剤が堅調に推移しましたが、ブラジルでの在庫調整の影響などにより殺菌剤の販売が大きく減少しました。欧州では、アフリカでの害虫発生などにより殺虫剤の需要が拡大したことなどで増収となりました。アジアでは、除草剤や殺菌剤などの販売が増加しました。国内販売については、殺虫剤や殺菌剤などの販売が前期を上回りました。
農薬以外では、動物用医薬品や医薬品原末などのヘルスケア事業の売上高が前期を上回りました。
この結果、有機化学事業の売上高は、671億円(前期比34億円増)、営業利益は113億円(前期比7億円増)となりました。
(無機化学事業)
酸化チタンは、自動車向けは需要が回復したものの、建築用途向けなどの需要回復が鈍かったことに加え、アジア市況の低迷などが長引き、販売数量は伸び悩みました。その一方で、前期に実施した価格改定の寄与や、為替円安の影響などで、売上高は532億円(前期比37億円増)となりました。機能性材料は、電子部品用材料の車載用と通信向けともに、MLCCメーカーの過剰在庫解消策の影響などにより販売が減少し、売上高は148億円(前期比1億円減)となりました。
損益面では、販売数量減少などに伴う稼働率の低迷などでコストが増加したものの、原料価格の高騰に伴う価格改善の取り組みが寄与したことにより、増益となりました。
この結果、無機化学事業の売上高は680億円(前期比35億円増)、営業利益は32億円(前期比22億円増)となりました。
(その他の事業)
売上高は32億円(前期比2億円増)、営業利益は2億円(前期比6千万円増)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比224億円増加の2,243億円となりました。これは、現金及び預金が23億円、受取手形が8億円、売掛金が31億円、棚卸資産が165億円、投資有価証券が15億円それぞれ増加しましたが、有形固定資産が51億円減少したことなどによるものです。 負債は、前連結会計年度末比137億円増加の1,182億円となりました。これは、長短借入金・社債が141億円、未払法人税等が10億円それぞれ増加しましたが、支払手形及び買掛金が17億円減少したことなどによるものです。 純資産は、利益剰余金が63億円、為替換算調整勘定が16億円それぞれ増加し、前連結会計年度末比86億円増加の1,061億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23億円増加し、199億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは28億円の支出(前期比32億円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益95億円、減価償却費及びその他の償却費53億円、減損損失69億円などの資金増加要因がありましたが、売上債権の増加38億円、棚卸資産の増加150億円、仕入債務の減少35億円などの資金減少要因があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、70億円の支出(前期比20億円の減少)となりました。これは、固定資産の取得などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、115億円の収入(前期比104億円の増加)となりました。これは、長短借入金・社債の純増141億円、リース債務及び割賦債務の返済9億円、配当金の支払16億円などがあったことによるものです。
当社グループは、事業の収益力を高めることで経営環境の変化に耐え得る強固な財務基盤の構築を目指しております。具体的には、安定した期間利益を計上し、着実に自己資本比率を高めるとともに、高いキャッシュ・フローの創出力を通じた有利子負債の削減を進めております。
当社グループの資金需要の主なものは、原料費、労務費、委託費など製品の製造にかかわる製造費用の他、販売費や農薬を中心とした研究開発費を含む一般管理費など事業活動に必要な運転資金に加えて、装置産業である酸化チタンを製造するための設備の新設や維持更新を中心とした設備資金であります。
原料鉱石価格の高止まりや設備投資、研究開発による高い資金需要が引き続き想定されることから、今後の資金調達については、手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、金融機関からより安定的で低コストの借入を実施していきます。さらに突発的な資金需要に備え、主要金融機関との間で250億円のコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期
自己資本比率(%)44.544.249.548.347.3
時価ベースの自己資本比率(%)12.820.223.221.130.1
債務償還年数(年)15.812.73.1--
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)5.58.330.8--

(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2 有利子負債にはリース債務等を含んでおります。
3 各指標は以下の算式により計算しております。
※自己資本比率:自己資本/総資産
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。)
※債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
4 2023年3月期及び2024年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、連結決算日における資産及び負債の連結貸借対照表上の金額及び連結会計年度における収益及び費用の連結損益計算書の金額の算定には、将来に関する判断、見積りを行う必要があり、当社グループは過去の実績や状況等を勘案し、合理的に判断しておりますが、今後の環境、条件等の変動により、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、以下に記載する会計上の見積りは当社グループにとって重要であると判断しております。
① 投資の減損
当社グループは、取引関係維持のために販売先や金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性の高い公開会社の株式と株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。公開会社の株式への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回収可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、非公開会社の株式への投資の場合、それらの会社の純資産額が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回収可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
② 繰延税金資産
当社グループは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。評価性引当額の算定においては、将来の課税所得と実現性の高いタックスプランニングに基づいて検討を行っております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年比(%)
有機化学事業49,12440.5
無機化学事業75,6146.0
合計124,73817.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
(2) 受注状況
当社グループは、主として見込み生産を行っております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年比(%)
有機化学事業67,1715.3
無機化学事業68,0435.5
その他の事業3,2418.2
合計138,4565.5

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、三井物産株式会社に対する販売割合は、10%未満であるため、記載を省略しております。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
三井物産株式会社16,16512.3

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