有価証券報告書-第103期(2025/04/01-2026/03/31)
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、緩やかな回復基調が続きました。個人消費及び設備投資には持ち直しの動きがみられた一方、生産は横ばい圏で推移しました。企業収益は、米国の通商政策の影響が残る中で期後半に改善の動きがみられ、物価は上昇が続くものの、そのテンポは鈍化しました。また、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格や金融市場への影響も、景気の下押し要因となりました。海外においては、世界経済は一部地域に弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続きました。一方で、米国の通商政策や中東情勢、金融資本市場の変動等により、先行きの不透明感が継続しました。
このような経済環境下において、当社グループの事業環境は、米国の通商政策や中東情勢を背景とした環境変化の影響を受けました。有機化学事業では、農薬の販売が為替相場や天候要因にも支えられ、成長戦略剤及び既存剤ともに好調に推移しました。無機化学事業では、ファインケミカルは市況の低迷や競争環境の影響を受け厳しい状況が継続した一方、電子材料及び機能性色材の販売は引き続き底堅く推移しました。
この結果、当期の連結業績は、売上高1,548億円(前期比97億円増)、営業利益190億円(前期比85億円増)、経常利益217億円(前期比103億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益166億円(前期比82億円増)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(有機化学事業)
農薬においては、成長戦略剤では米州で除草剤が伸長し、アジアでは除草剤及び殺虫剤の販売が増加しました。既存剤では、殺虫剤が欧州及び米州で販売を伸ばし、欧州では天候要因もあり殺菌剤の販売が好調に推移しました。これにより、欧州市場が収益面で大きく寄与し、米州及びアジアでも市場開拓の進展に伴い成長がみられました。
農薬以外では、動物用医薬品や医薬品原薬などのヘルスケア事業の売上高は前年同期比で増加したものの、全体に対する影響は限定的でした。
この結果、有機化学事業の売上高は826億円(前期比148億円増)、営業利益は183億円(前期比58億円増)となりました。
(無機化学事業)
無機化学事業においては、電子材料は国内販売が大きく伸長し、機能性色材では導電性材料が国内外ともに堅調に推移しました。ファインケミカルでは、建築用途を中心に汎用品の販売が引き続き低調でしたが、採算重視に努めた結果、前年同期比では収益性が改善しました。
この結果、無機化学事業の売上高は682億円(前期比50億円減)、営業利益は49億円(前期比33億円増)となりました。
(その他の事業)
売上高は40億円(前期比1億円減)、営業利益は6億円(前期比1億円減)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比153億円増加の2,404億円となりました。これは、棚卸資産が26億円減少しましたが、現金及び預金が44億円、売掛金が63億円、有形固定資産が69億円、投資有価証券が21億円増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末比5億円増加の1,112億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が33億円、電子記録債務が3億円減少しましたが、長短借入金・社債が17億円、未払法人税等が24億円増加したことなどによるものです。
純資産は、利益剰余金が124億円、為替換算調整勘定が16億円増加し、前連結会計年度末比147億円増加の1,291億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ44億円増加し、294億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、172億円の収入(前期は183億円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益202億円、減価償却費及びその他の償却費48億円、棚卸資産の減少42億円などの資金増加要因がありましたが、売上債権の増加48億円、仕入債務の減少57億円などの資金減少要因があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、100億円の支出(前期は114億円の支出)となりました。これは、固定資産の取得などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、38億円の支出(前期は23億円の支出)となりました。これは、長短借入金・社債の純増17億円、リース債務及び割賦債務の返済11億円、配当金の支払44億円などがあったことによるものです。
当社グループは、事業の収益力を高めることで経営環境の変化に耐え得る強固な財務基盤の構築を目指しております。具体的には、安定した期間利益を計上し、適切な自己資本比率の維持を前提に、収益力強化のための投資に資金を振り向ける方針であります。
当社グループの資金需要の主なものは、原料費、労務費、委託費など製品の製造にかかわる製造費用の他、販売費や農薬を中心とした研究開発費を含む一般管理費など事業活動に必要な運転資金に加えて、四日市工場操業設備の維持更新、有機研究開発施設の新設及び合弁会社における生産能力増強のための2期工事などの設備資金であります。
設備投資、研究開発並びに導入剤の共同開発や販売権の取得などの成長投資による高い資金需要が引き続き想定されることから、今後の資金調達については、手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、金融機関からより安定的で低コストの借入を実施していきます。さらに突発的な資金需要に備え、主要金融機関との間で140億円のコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2 有利子負債にはリース債務等を含んでおります。
3 各指標は以下の算式により計算しております。
※自己資本比率:自己資本/総資産
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。)
※債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
4 2023年3月期及び2024年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
(2) 受注状況
当社グループは、主として見込み生産を行っております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、三井物産株式会社及び長瀬産業株式会社に対する販売割合は、10%未満であるため、記載を省略しております。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における国内経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、緩やかな回復基調が続きました。個人消費及び設備投資には持ち直しの動きがみられた一方、生産は横ばい圏で推移しました。企業収益は、米国の通商政策の影響が残る中で期後半に改善の動きがみられ、物価は上昇が続くものの、そのテンポは鈍化しました。また、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格や金融市場への影響も、景気の下押し要因となりました。海外においては、世界経済は一部地域に弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続きました。一方で、米国の通商政策や中東情勢、金融資本市場の変動等により、先行きの不透明感が継続しました。
このような経済環境下において、当社グループの事業環境は、米国の通商政策や中東情勢を背景とした環境変化の影響を受けました。有機化学事業では、農薬の販売が為替相場や天候要因にも支えられ、成長戦略剤及び既存剤ともに好調に推移しました。無機化学事業では、ファインケミカルは市況の低迷や競争環境の影響を受け厳しい状況が継続した一方、電子材料及び機能性色材の販売は引き続き底堅く推移しました。
この結果、当期の連結業績は、売上高1,548億円(前期比97億円増)、営業利益190億円(前期比85億円増)、経常利益217億円(前期比103億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益166億円(前期比82億円増)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(有機化学事業)
農薬においては、成長戦略剤では米州で除草剤が伸長し、アジアでは除草剤及び殺虫剤の販売が増加しました。既存剤では、殺虫剤が欧州及び米州で販売を伸ばし、欧州では天候要因もあり殺菌剤の販売が好調に推移しました。これにより、欧州市場が収益面で大きく寄与し、米州及びアジアでも市場開拓の進展に伴い成長がみられました。
農薬以外では、動物用医薬品や医薬品原薬などのヘルスケア事業の売上高は前年同期比で増加したものの、全体に対する影響は限定的でした。
この結果、有機化学事業の売上高は826億円(前期比148億円増)、営業利益は183億円(前期比58億円増)となりました。
(無機化学事業)
無機化学事業においては、電子材料は国内販売が大きく伸長し、機能性色材では導電性材料が国内外ともに堅調に推移しました。ファインケミカルでは、建築用途を中心に汎用品の販売が引き続き低調でしたが、採算重視に努めた結果、前年同期比では収益性が改善しました。
この結果、無機化学事業の売上高は682億円(前期比50億円減)、営業利益は49億円(前期比33億円増)となりました。
(その他の事業)
売上高は40億円(前期比1億円減)、営業利益は6億円(前期比1億円減)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比153億円増加の2,404億円となりました。これは、棚卸資産が26億円減少しましたが、現金及び預金が44億円、売掛金が63億円、有形固定資産が69億円、投資有価証券が21億円増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末比5億円増加の1,112億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が33億円、電子記録債務が3億円減少しましたが、長短借入金・社債が17億円、未払法人税等が24億円増加したことなどによるものです。
純資産は、利益剰余金が124億円、為替換算調整勘定が16億円増加し、前連結会計年度末比147億円増加の1,291億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ44億円増加し、294億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、172億円の収入(前期は183億円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益202億円、減価償却費及びその他の償却費48億円、棚卸資産の減少42億円などの資金増加要因がありましたが、売上債権の増加48億円、仕入債務の減少57億円などの資金減少要因があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、100億円の支出(前期は114億円の支出)となりました。これは、固定資産の取得などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、38億円の支出(前期は23億円の支出)となりました。これは、長短借入金・社債の純増17億円、リース債務及び割賦債務の返済11億円、配当金の支払44億円などがあったことによるものです。
当社グループは、事業の収益力を高めることで経営環境の変化に耐え得る強固な財務基盤の構築を目指しております。具体的には、安定した期間利益を計上し、適切な自己資本比率の維持を前提に、収益力強化のための投資に資金を振り向ける方針であります。
当社グループの資金需要の主なものは、原料費、労務費、委託費など製品の製造にかかわる製造費用の他、販売費や農薬を中心とした研究開発費を含む一般管理費など事業活動に必要な運転資金に加えて、四日市工場操業設備の維持更新、有機研究開発施設の新設及び合弁会社における生産能力増強のための2期工事などの設備資金であります。
設備投資、研究開発並びに導入剤の共同開発や販売権の取得などの成長投資による高い資金需要が引き続き想定されることから、今後の資金調達については、手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、金融機関からより安定的で低コストの借入を実施していきます。さらに突発的な資金需要に備え、主要金融機関との間で140億円のコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 49.5 | 48.3 | 47.3 | 50.8 | 53.7 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 23.2 | 21.1 | 30.1 | 30.3 | 43.9 |
| 債務償還年数(年) | 3.1 | - | - | 3.9 | 4.3 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 30.8 | - | - | 23.8 | 20.5 |
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2 有利子負債にはリース債務等を含んでおります。
3 各指標は以下の算式により計算しております。
※自己資本比率:自己資本/総資産
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。)
※債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
4 2023年3月期及び2024年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年比(%) |
| 有機化学事業 | 70,992 | 47.1 |
| 無機化学事業 | 66,115 | 5.1 |
| 合計 | 137,108 | 23.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
(2) 受注状況
当社グループは、主として見込み生産を行っております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年比(%) |
| 有機化学事業 | 82,619 | 21.9 |
| 無機化学事業 | 68,247 | △6.8 |
| その他の事業 | 4,030 | △3.5 |
| 合計 | 154,897 | 6.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、三井物産株式会社及び長瀬産業株式会社に対する販売割合は、10%未満であるため、記載を省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 三井物産株式会社 | 15,573 | 10.7 | ― | ― |
| 長瀬産業株式会社 | 15,195 | 10.5 | ― | ― |