有価証券報告書-第92期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
対処すべき課題
当社グループは、Challenge For 2020 をスローガンとして創立100周年の2020年に“強くて、信頼されるケミカル・カンパニーとしてのブランド力のある会社”を目指しております。このたび、その達成に向けて2015年度からの3ヵ年を対象とする「第6次中期経営計画(2015~2017年度)」(以下、本中計という。)を策定いたしました。
① 創立100周年(2020年)に向け目指す企業グループ像(あるべき姿)
“強くて、信頼されるケミカル・カンパニーとしてのブランド力のある会社”
「強いケミカル・カンパニー」
・ 自社技術によりグローバル競争力ある事業を展開
・ 技術革新に支えられた持続的成長と安定的収益を実現する、高付加価値・高収益事業を展開
「信頼されるケミカル・カンパニー」
・ 良き企業市民として環境活動や社会貢献活動を行い、地域住民との対話、ステークホルダーへの価値増大を重視する、従業員が誇りを持てる会社
② 本中計での取り組み方針
本中計では、「既存事業の強化」と「成長基盤の強化」を骨子とした施策に取り組み、速やかに業績を安定させ利益ある成長軌道に乗せることを最大の目標とします。
無機化学事業は、採算が悪化していた酸化チタンの海外販売縮小や機能材料の好調な販売などにより2014年度は営業黒字に転じましたが、チタン鉱石価格が未だ高い水準にあって、汎用用途では依然厳しい事業環境が継続しています。本中計では「強みを活かした既存事業の強化」として、酸化チタン事業は、国内トップシェアと技術力の強みを活かし、品質(付加価値品)にこだわった販売を徹底し、市況など外部環境に左右されにくい事業構造への転換を目指します。機能材料事業は、今後も成長が見込める電子材料、導電材料、化粧品を含む生活・環境・エネルギーの各分野で販売攻勢をかけ、付加価値を高めた製品の販売比率を高めてまいります。そして、これまで培ってきた技術を駆使した「新規商材の早期戦力化と将来に向けた新技術の仕込み」に取り組み、事業を力強く牽引し成長の原動力となる新規商材の創出に繋げます。
有機化学事業は、世界的な農業生産高の増加に伴って中長期的に農薬需要の拡大が見込まれる一方、より安全で環境負荷の低い農薬を求めて登録制度が強化され、これに伴い開発コストが増加しています。さらに市場では、安価なジェネリック農薬の普及拡大が進み、大きなシェアを占め、コスト競争力がますます重要となっています。本中計では「既存事業の収益力の強化」として、既存剤の価値最大化を図るために、新しい混合剤を投入するなど日本や欧州の主力市場での当社剤の地位の維持・強化を進める他、アジアなど開発が遅れている地域での販売拡大、新興成長市場での競争力強化に向けた製造コストの一段の引き下げなどに取り組んでまいります。そして「成長基盤の強化・定着」として、新規自社開発剤を確実に上市するなど将来の利益ある成長に向けた布石を打つとともに、ライフサイエンス分野での研究開発に積極的に経営資源を投入し、バイオ医薬品、医療機器での展開加速を梃子に有機化学事業の事業領域の拡大に挑んでまいります。
③ 経営数値目標(連結ベース)
(金額:億円) | 2015年度 計画 | 2016年度 計画 | 2017年度 計画 | |||
売上高 | 1,100 | 1,150 | 1,190 | |||
営業利益(営業利益率) | 82 | (7%) | 94 | (8%) | 111 | (9%) |
経常利益 | 61 | 80 | 100 | |||
親会社株主に帰属する当期純利益 | 52 | 70 | 80 | |||
ROE(自己資本当期利益率) | 9% | 11% | 11% | |||
為替レート(期中平均) | 115円/US$、130円/Eur |