有価証券報告書-第93期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 15:49
【資料】
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【項目】
130項目

対処すべき課題


第6次中期経営計画は「強いケミカル・カンパニーに向けた変革と実行」をテーマに「既存事業の強化」と「成長基盤の強化」を骨子とした諸施策に取り組み、創立100周年の2020年に向け業績を安定化させ、利益ある成長軌道に乗せることを最大の目標にグループ一丸となって取り組んでおります。
無機化学事業では、付加価値の高い分野での販路開拓や顧客対応力の強化など強みを活かした既存事業の強化に引き続き取り組んでまいります。国内で順調に販売を伸ばしている超耐候性銘柄など付加価値のある酸化チタン製品の海外展開の加速と国内需要家のグローバル化に対応するため、国内と海外の営業組織を統合した他、海外支店における機能材料製品の営業体制を強化しました。また、次の柱となる新製品の創出力を高めるため、2016年2月に無機系材料の研究開発部門を再編するとともに、無機、有機の要素技術融合による既存の事業領域に捉われない新しい事業の立ち上げを目指し、新規事業企画開発部を設立しました。
有機化学事業では、主力の農薬販売が足元でブラジルなどの需要鈍化の影響を受け厳しい事業環境に直面する一方で、アジアでは農業生産が拡大し、農薬需要は堅調に推移しております。当事業の成長には、これら成長市場の需要を確実に取り込むことが不可欠で、その一環としてインドに開発・登録を主体とする現地法人を設立し、2016年4月から業務を開始しました。また、主力の欧州や日本、その他の地域においては、各地域のニーズに適合した新規混合剤を積極的に投入するなど、当社剤の地位の維持・強化に取り組む他、生産面では製造コストの一段の引き下げによる競争力強化に取り組んでおります。
農薬以外では、動物薬やライフサイエンス分野といった新たな事業領域の拡大・創出に向けた研究開発に引き続き精力的に取り組んでまいります。動物用医薬品の開発では、国内臨床試験が終了し、国内承認申請、商品化の段階に入っている他、今年から海外開発にも着手してまいります。ライフサイエンス分野では、大阪大学と共同開発中のHVJ-E抗がん剤は前立腺がん、悪性黒色腫及び悪性中皮腫の3がん種を対象に第Ⅰ相臨床試験に入っている他、人工関節固定用骨セメントは2016年3月に国内承認申請を行いました。