有価証券報告書-第145期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 15:00
【資料】
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【項目】
115項目

研究開発活動

当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を基本方針に、化学品事業である機能性材料と精密有機合成技術を活用した各種有機化学品、および新規農薬開発を目指す農業化学品事業での研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新規事業、新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ会社全体の技術力強化、新しい技術分野への参入、保有技術との融和による新規事業の創生を目指しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
なお、研究開発費の総額は64億8千万円(連結売上高比4.6%)であり、グループ全体で327名(総従業員比13.1%)体制であります。
[化学品事業]
機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、薄膜潤滑材料・塗装下地材料及びエポキシ樹脂硬化用包接触媒、可視光型光触媒等の分野で開発を推進しております。また、当社の特徴ある製品であるセルロース誘導体、ポリブダジエン製品、顕色剤、ポリシラン製品、エコケア製品等について競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。
精密有機合成分野では、ホスゲン、青酸等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しています。
なお、[化学品事業]における研究開発費は16億7百万円であります。
[農業化学品事業]
「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し低残留性の園芸•畑作農薬を中心とした研究に取組んでおります。
平成22年4月にEU登録を取得した殺菌剤の「シフルフェナミド」は、欧州では麦用での販売が好調なことに加え、果樹•野菜分野へ適用拡大されたことにより大幅に販売が増加しています。
新規殺菌剤「ファンタジスタ」については各種作物の灰色かび病、菌核病等の防除効果に優れ、国内で平成24年10月に上市し、拡販を図るとともに、韓国での混合剤の上市を目指しています。
また、べと病、疫病、ピシウム病に卓効を示す新規殺菌剤については平成26年上期中に登録申請予定で、新規の作用性を持つ殺ダニ剤についても昨年から委託試験を開始しております。さらに、これに続くパイプライン中の有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意努力中です。
化学農薬以外では、当社初の生物農薬「アグロケア」を平成22年から販売しておりますが、平成26年2月には細菌病害に有効な「マスタピース」を上市し、今後とも微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れていきます。
なお、[農業化学品事業]における研究開発費は48億3千7百万円であります。
[その他]
非鉄金属事業では、新合金の特性改善研究、環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。
なお、[その他]における研究開発費は3千6百万円であります。