有価証券報告書-第92期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 12:33
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、全体としては緩やかな回復基調が続きましたが、通商問題の動向や中国経済の減速、金融資本市場が与える影響が懸念され、先行きへの不透明感が高まりました。国内経済は、人手不足により生産・物流コストが上昇したほか、足元では輸出や生産の一部で弱さもみられましたが、雇用・所得環境の改善が継続するなど、全般的には緩やかな回復の動きを見せました。
当社グループを取り巻く経営環境は、原燃料価格の上昇に加え、これまで高い水準を維持してきたポリカーボネート、高純度イソフタル酸等の市況が下落し、特に下半期に市況下落の影響が強まるなど厳しい状況が続きました。
このような経営環境において、当社グループは、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、当期より新たにスタートした中期経営計画「MGC Advance2020」の基本方針に基づき、基本施策「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「新規事業の創出と育成」、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」等を進め、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社グループの売上高は、メタノールの市況が昨年11月以降に下落したものの前期に比べ高水準であったことや、販売数量が全体として堅調に推移したことなどから、増収となりました。
営業利益は、特殊ポリカーボネートの販売数量が増加しましたが、高純度イソフタル酸およびポリカーボネートの市況が大幅に下落したほか、原燃料価格が上昇するなかで、発泡プラスチック事業の採算が悪化したこともあり、減益となりました。
経常利益は、海外メタノール生産会社の持分法利益が増加したものの、営業利益が減少したことにより、減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、カナダ シェールガス・LNGプロジェクトに関する投資有価証券評価損を計上した前期に比べ特別損失が減少しましたが、営業利益が減少したことにより、減益となりました。
以上の結果、売上高6,489億円(前期比130億円増(2.1%増))、営業利益413億円(前期比213億円減(34.0%減))、持分法利益284億円(前期比101億円増(55.4%増))、経常利益691億円(前期比115億円減(14.3%減))、親会社株主に帰属する当期純利益550億円(前期比55億円減(9.1%減))となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に評価管理するため、セグメント間取引の調整方法及び当社の共通費等の配賦方法を見直し、事業セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。そのため、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を当該変更後の数値で比較しております。
[天然ガス系化学品事業]
メタノールは、市況が前期に比べ上昇したことなどから、増収となりました。
メタノール・アンモニア系化学品は、全般的な販売数量の増加などにより増収となりましたが、原料価格の上昇に加え、ネオペンチルグリコールの市況下落や修繕費等の固定費増加もあり、減益となりました。
原油その他のエネルギー販売は、原油価格が上昇したものの、原油販売数量が減少したことなどから、前期並みの利益となりました。
以上の結果、売上高1,805億円(前期比135億円増(8.1%増))、営業利益33億円(前期比20億円減(37.9%減))となりました。また、海外メタノール生産会社を中心とする持分法利益を194億円計上した結果、経常利益は226億円(前期比83億円増(58.7%増))となりました。
[芳香族化学品事業]
特殊芳香族化学品は、原燃料価格の上昇があったものの、メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドの販売が堅調に推移したことなどから、増収増益となりました。
汎用芳香族化学品は、高純度イソフタル酸が市況下落や原燃料高により採算が悪化したことなどにより、大幅な減益となりました。
発泡プラスチック事業は、原燃料価格の上昇などにより減益となりました。
以上の結果、売上高2,111億円(前期比9億円減(0.4%減))、営業利益146億円(前期比109億円減(42.8%減))、経常利益139億円(前期比106億円減(43.2%減))となりました。
[機能化学品事業]
無機化学品は、販売数量の増加により売上高は増加したものの、半導体・液晶向け薬液の競争環境の激化や北米新工場立ち上げに伴う固定費の増加などもあり、減益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、スマートフォンのカメラレンズ等に使用される特殊ポリカーボネートの販売数量が増加したものの、ポリカーボネートの採算悪化やフラットパネルディスプレイ向けフィルムの販売数量の減少もあり、減益となりました。
以上の結果、売上高2,046億円(前期比10億円増(0.5%増))、営業利益212億円(前期比83億円減(28.2%減))となりました。また、エンジニアリングプラスチックス関連会社を中心とする持分法利益を78億円計上した結果、経常利益は282億円(前期比97億円減(25.7%減))となりました。
[特殊機能材事業]
電子材料は、上期の販売数量は堅調に推移したものの、下期にスマートフォンやメモリー向けの需要が減退し、主力の半導体パッケージ用BT材料の販売数量が減少したことなどから、前期並みの利益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、国内食品市場における競争激化などにより、減益となりました。
以上の結果、売上高519億円(前期比7億円減(1.4%減))、営業利益39億円(前期比3億円減(7.6%減))となりました。また、持分法利益を7億円計上した結果、経常利益は44億円(前期比10億円減(19.5%減))となりました。
[その他の事業]
その他の事業の売上高は6億円(前期比1億円増(30.4%増))、営業利益は1億円(前期比0億円減(9.0%減))、経常利益は4億円(前期比2億円増(84.0%増))となりました。
②財政状態の状況
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ183億円増加し8,040億円となりました。
流動資産は、54億円減少し3,788億円となりました。減少の要因は、受取手形及び売掛金や現金及び預金の減少などであります。
固定資産は237億円増加し4,251億円となりました。増加の要因は、投資有価証券の増加などであります。
負債合計は、157億円減少し2,507億円となりました。流動負債は、短期借入金の減少などにより、184億円減少しました。固定負債は、長期借入金の増加などにより、26億円増加しました。
純資産は、341億円増加し5,532億円となりました。増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などであります。
この結果、自己資本比率は62.6%になりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ99億円減少し803億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ266億円収入が減少し640億円の収入となりました。減少の要因は、営業利益の減少や持分法適用会社からの配当金の受取額の減少などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ91億円支出が増加し427億円の支出となりました。増加の要因は、投資有価証券の売却による収入の減少などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ16億円支出が減少し313億円の支出となりました。減少の要因は、自己株式の取得による支出の減少などであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
天然ガス系化学品事業(百万円)57,4986.1
芳香族化学品事業(百万円)171,7030.7
機能化学品事業(百万円)188,0232.2
特殊機能材事業(百万円)28,5431.2
その他の事業(百万円)--
合計(百万円)445,7692.0

(注)1.生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
天然ガス系化学品事業(百万円)180,5548.1
芳香族化学品事業(百万円)211,123△0.4
機能化学品事業(百万円)204,6340.5
特殊機能材事業(百万円)51,986△1.4
その他の事業(百万円)68630.4
合計(百万円)648,9862.1

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度における経営成績等の状況に影響を与える見積り及び仮定が必要となります。当社グループは、過去の実績やその他の合理的と考えられる様々な要素に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの売上高及び営業利益は、メタノール市況の上昇などにより売上高は増加したものの、高純度イソフタル酸やポリカーボネートの市況下落、原燃料価格上昇などにより営業利益は減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ130億円増加の6,489億円、営業利益は前連結会計年度に比べ213億円減少の413億円となりました。
営業外収益は、持分法利益の増加などにより前連結会計年度に比べ102億円増加の346億円となりました。営業外費用は前連結会計年度に比べ4億円増加の68億円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ115億円減少の691億円となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の減少などにより前連結会計年度に比べ4億円減少の24億円となりました。特別損失は、カナダ シェールガス・LNGプロジェクトに関する投資有価証券評価損を計上した前連結会計年度に比べ75億円減少の26億円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ43億円減少の690億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ55億円減少の550億円となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
天然ガス系化学品事業は、メタノール市況の上昇などにより売上高及び経常利益が増加しました。
芳香族化学品事業は、高純度イソフタル酸の市況下落や原燃料価格の上昇などにより減収減益となりました。
機能化学品事業は、売上高は前年同期をやや上回ったものの、ポリカーボネートの採算悪化などにより減益となりました。
特殊機能材事業は、脱酸素剤の競争激化などにより、減収減益となりました。
③経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、当社の持分法適用関連会社である日本・サウジアラビアメタノール株式会社(以下、「JSMC」)とサウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corp.(以下、「SABIC」)は、合弁契約期限を迎えた合弁会社Saudi Methanol Company(以下、「AR-RAZI」)について、JSMCが所有するAR-RAZI株式の50%(AR-RAZI総株式の25%相当)を150百万米ドルにてSABICに売却(以下、「本株式売却」)し出資比率を25:75にすること、JSMCからSABICに合弁事業延長対価(1,350百万米ドル)を支払うことなどを含めた、新たな枠組みによる合弁事業を20年間継続する契約の締結を完了いたしました。本株式売却に伴い発生する一時的な損失、JSMCのAR-RAZIへの持分比率の減少、及びJSMCがSABICに支払う合弁事業延長対価(1,350百万米ドル)の償却費用等は、当社グループの次連結会計年度以降の経営成績等に重要な影響を与える要因となります。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は957億円、現金及び現金同等物の残高は803億円となっております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。なお、数値目標の進捗状況は以下のとおりであります。
連結指標2018年度実績2020年度目標
売上高6,489億円7,500億円
営業利益413億円650億円
経常利益691億円800億円
ROE(自己資本利益率)11.3%12%以上

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