有価証券報告書-第98期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力がやや鈍化し、緩やかな回復傾向が見られた一方で、米国大統領選後の政策変更や、米欧主要国における金融政策の見直しなどを背景に、為替を含め金融・資本市場においてボラティリティの高い状況が継続しました。また、中国経済の停滞や、中東地域およびロシア・ウクライナにおける紛争長期化による地政学リスクに加えて、米国による関税措置など政策的リスクに晒され、経済およびサプライチェーンのさらなる分断が懸念される状況が継続しました。
当社グループにおいては、世界経済の緩やかな回復に伴い、製品需要全般に前期比では回復傾向にありましたが、先端材料を除く半導体市場の回復ペースの遅れや、中国経済低迷の長期化等の下振れ要因もあり、取り巻く事業環境としては不確実性の高い状況が継続しました。
このような中、当社グループは当期よりスタートした中期経営計画「Grow UP 2026」のもと、新たな目標として「事業ポートフォリオの強靭化」を掲げ、「Uniqueness & Presence事業へのフォーカス」「イノベーションによる新しい価値の創造」「重点管理事業の再構築」等の施策を進め、資本効率を強く意識した事業ポートフォリオ改革を徹底しております。
当社グループの売上高は、円安に加え、メタノール市況の上昇やスマートフォン向け光学材料などの販売数量増加等が増収要因となりましたが、2023年12月に(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどにより、減収となりました。
営業利益は、(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどが減益要因となりましたが、ポリカーボネートやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックスや、光学材料、メタノール事業の損益が前期を上回ったことや、円安などにより、増益となりました。
経常利益は、営業利益の増加に加え、前期に計上されたトリニダード・トバゴのメタノール生産会社における減損損失の剥落や、メタノール市況の上昇等により、持分法損益が改善したことなどから、増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上された三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の連結化に伴う段階取得差益の剥落が減益要因となりましたが、経常利益の増加に加え、繰延税金資産の回収可能性を判断する際の会社分類を変更したことにより一時的に法人税等調整額が改善したことなどから、増益となりました。
以上の結果、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお今期より、従来「基礎化学品事業部門」としていた報告セグメントの名称を「グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門」に変更しております。
また、前期まではセグメント別の売上高には「外部顧客への売上高」を記載しておりましたが、今期より「セグメント間の内部売上高または振替高」を含めた売上高を記載しております。前期のセグメント情報についても変更後の売上高を記載しております。
[グリーン・エネルギー&ケミカル]
メタノールは、前期に計上したトリニダード・トバゴのメタノール生産会社における減損損失の剥落や、市況が前期に比べ上昇したことなどから増収増益となりました。
メタノール・アンモニア系化学品は、MMA系製品の販売数量は回復傾向にあるものの、修繕費の増加等により減益となりました。
エネルギー資源・環境事業は、発電用LNGの販売数量の増加や、ヨウ素の販売数量増加ならびに市況の上昇等により増収増益となりました。
メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドは、欧米向けの需要が回復傾向にあるものの、中国向けの誘導品の販売数量減少や固定費の増加等により減益となりました。
キシレン分離/誘導品は、高純度イソフタル酸の市況は低迷しているものの、円安等もあり増収増益となりました。
[機能化学品]
無機化学品は、半導体向け薬液において、高機能メモリ向けに使用されるハイブリッドケミカルなどの販売数量が増加したことから増益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、ポリカーボネート、ポリアセタール共に、高付加価値品をはじめとして販売数量が増加したことに加え、製造コストの改善等もあり増収増益となりました。
光学材料は、スマートフォンにおけるカメラの高機能化トレンドや新興国向け需要の増加等により、光学樹脂ポリマーの販売数量が増加し増収増益となりました。
電子材料は、主力の半導体パッケージ用BT材料において、スマートフォン向け材料の販売が堅調であったことに加え、AIサーバー向け基板材料OPE®の販売数量が増加したことなどの増益要因はありましたが、BT材料の顧客向け品質対応の強化に伴うコスト増加等により、前年同期並みの損益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、円安による輸出価格改善や海外向け販売数量の増加により増収増益となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ516億円増加し11,196億円となりました。
流動資産は、28億円減少し4,602億円となりました。減少の要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少などであります。
固定資産は、545億円増加し6,594億円となりました。増加の要因は、機械装置及び運搬具の増加などであります。
負債合計は、391億円増加し4,223億円となりました。流動負債は、短期借入金の増加などにより、334億円増加しました。固定負債は、長期借入金の増加などにより、56億円増加しました。
純資産は、125億円増加し6,973億円となりました。増加の要因は、利益剰余金の増加などであります。
この結果、自己資本比率は59.7%になりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ84億円減少し569億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ19億円収入が増加し754億円の収入となりました。増加の要因は、仕入債務の増減額の増加などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ148億円支出が増加し909億円の支出となりました。増加の要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入の減少などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ453億円収入が増加し47億円の収入となりました。増加の要因は、短期借
入金の純増減額の増加による収入の増加などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度において、その他の事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、一部連結子会社のシステム改修に伴いより精緻な集計が可能になったことから、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため、当連結会計年度より、各報告セグメントへの配分方法を変更したことによるものであります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
中期経営計画「Grow UP 2026」初年度にあたる当連結会計年度の経営成績ならびに最終年度(2026年度)の目標値は以下のとおりであります。
※ ROIC= (営業利益-法人税等+持分法損益)/投下資本
当連結会計年度の経営成績に関する状況の認識は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
中長期的な課題への対処としては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「Grow UP 2026」において2つの目標とそれぞれについて3つの施策を掲げるとともに、3か年の累計投融資額3,000億円を計画しております。成長ドライバーであるICT領域への積極投資、R&D資源の積極投入や重点管理事業の再構築等、「事業ポートフォリオの強靭化」及び「サステナビリティ経営の推進」に向け、グループ一体となりまい進していきます。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門]
グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、2024年度実績は、円安に加え、メタノール市況の上昇などが増収要因となったものの、(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどにより、減収減益となりました。前期に計上された海外メタノール生産会社における減損損失の剥落や、メタノール市況の上昇等により、持分法損益が改善したことなどから、経常利益は増益となりました。
今後は、メタキシレンジアミン新規製造設備の早期立ち上げ、環境循環型メタノール構想Carbopath™の実現やCCS実用化に向けた取り組み、物流・生産の効率化によるコスト削減など、引き続き高付加価値化・効率化に向けた施策を推進してまいります。また、重点管理事業に位置付けるキシレン分離/誘導品については、オルソキシレン系チェーンの撤退を進めました。今後も更なる構造改革に取り組んでまいります。
[機能化学品事業部門]
機能化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、2024年度実績は、円安に加え、スマートフォン向け光学材料などの販売数量増加等により増収となりました。営業利益、経常利益はポリカーボネートやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックスや、光学材料が前期を上回ったことや、円安などにより、増益となりました。
今後は、エレクトロニクスケミカルズの国内外での生産体制の強化、電子材料の海外製造子会社の生産能力増強、レンズモノマープラントの新設など、成長が期待されるICT分野を中心に、U&P事業の成長に向けた各種施策を引き続き進めてまいります。また、重点管理事業に位置付けているポリカーボネート系事業は、シートフィルム生産拠点の集約化など各種コスト削減に取り組んでおります。今後も差別化できる高付加価値分野へのシフトを加速するとともに、事業環境に合わせた生産能力の見直しを推進することで、収益性・資本効率性の改善を図ってまいります。
② 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、社債等を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,139億円、現金及び現金同等物の残高は569億円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。事業に対する投資や撤退判断等、経営の意思決定を迅速に行うため、売上規模や利益額に加え、資本効率を分析値に加えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力がやや鈍化し、緩やかな回復傾向が見られた一方で、米国大統領選後の政策変更や、米欧主要国における金融政策の見直しなどを背景に、為替を含め金融・資本市場においてボラティリティの高い状況が継続しました。また、中国経済の停滞や、中東地域およびロシア・ウクライナにおける紛争長期化による地政学リスクに加えて、米国による関税措置など政策的リスクに晒され、経済およびサプライチェーンのさらなる分断が懸念される状況が継続しました。
当社グループにおいては、世界経済の緩やかな回復に伴い、製品需要全般に前期比では回復傾向にありましたが、先端材料を除く半導体市場の回復ペースの遅れや、中国経済低迷の長期化等の下振れ要因もあり、取り巻く事業環境としては不確実性の高い状況が継続しました。
このような中、当社グループは当期よりスタートした中期経営計画「Grow UP 2026」のもと、新たな目標として「事業ポートフォリオの強靭化」を掲げ、「Uniqueness & Presence事業へのフォーカス」「イノベーションによる新しい価値の創造」「重点管理事業の再構築」等の施策を進め、資本効率を強く意識した事業ポートフォリオ改革を徹底しております。
当社グループの売上高は、円安に加え、メタノール市況の上昇やスマートフォン向け光学材料などの販売数量増加等が増収要因となりましたが、2023年12月に(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどにより、減収となりました。
営業利益は、(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどが減益要因となりましたが、ポリカーボネートやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックスや、光学材料、メタノール事業の損益が前期を上回ったことや、円安などにより、増益となりました。
経常利益は、営業利益の増加に加え、前期に計上されたトリニダード・トバゴのメタノール生産会社における減損損失の剥落や、メタノール市況の上昇等により、持分法損益が改善したことなどから、増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上された三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の連結化に伴う段階取得差益の剥落が減益要因となりましたが、経常利益の増加に加え、繰延税金資産の回収可能性を判断する際の会社分類を変更したことにより一時的に法人税等調整額が改善したことなどから、増益となりました。
以上の結果、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。
| 単位:億円 |
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 差異 | 増減率 | |
| 売上高 | 7,735 | 8,134 | △398 | △4.9% |
| 営業利益 | 508 | 473 | +35 | +7.4% |
| 持分法損益 | 109 | △56 | +166 | - |
| 経常利益 | 603 | 460 | +142 | +31.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 455 | 388 | +67 | +17.3% |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお今期より、従来「基礎化学品事業部門」としていた報告セグメントの名称を「グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門」に変更しております。
また、前期まではセグメント別の売上高には「外部顧客への売上高」を記載しておりましたが、今期より「セグメント間の内部売上高または振替高」を含めた売上高を記載しております。前期のセグメント情報についても変更後の売上高を記載しております。
| <売上高> | 単位:億円 |
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 差異 | 増減率 | |
| グリーン・エネルギー&ケミカル | 3,231 | 4,128 | △896 | △21.7% |
| 機能化学品 | 4,441 | 4,092 | +349 | +8.5% |
| その他 | 191 | 1 | +190 | - |
| 調整額 | △129 | △88 | △41 | - |
| 計 | 7,735 | 8,134 | △398 | △4.9% |
| <営業利益> | 単位:億円 |
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 差異 | 増減率 | |
| グリーン・エネルギー&ケミカル | 127 | 177 | △50 | △28.2% |
| 機能化学品 | 413 | 330 | +82 | +25.0% |
| その他 | 11 | 0 | +10 | - |
| 調整額 | △44 | △36 | △8 | - |
| 計 | 508 | 473 | +35 | +7.4% |
| <経常利益> | 単位:億円 |
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 差異 | 増減率 | |
| グリーン・エネルギー&ケミカル | 205 | 101 | +103 | +102.4% |
| 機能化学品 | 439 | 386 | +52 | +13.5% |
| その他 | 11 | 1 | +10 | +916.0% |
| 調整額 | △52 | △28 | △23 | - |
| 計 | 603 | 460 | +142 | +31.0% |
[グリーン・エネルギー&ケミカル]
メタノールは、前期に計上したトリニダード・トバゴのメタノール生産会社における減損損失の剥落や、市況が前期に比べ上昇したことなどから増収増益となりました。
メタノール・アンモニア系化学品は、MMA系製品の販売数量は回復傾向にあるものの、修繕費の増加等により減益となりました。
エネルギー資源・環境事業は、発電用LNGの販売数量の増加や、ヨウ素の販売数量増加ならびに市況の上昇等により増収増益となりました。
メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドは、欧米向けの需要が回復傾向にあるものの、中国向けの誘導品の販売数量減少や固定費の増加等により減益となりました。
キシレン分離/誘導品は、高純度イソフタル酸の市況は低迷しているものの、円安等もあり増収増益となりました。
[機能化学品]
無機化学品は、半導体向け薬液において、高機能メモリ向けに使用されるハイブリッドケミカルなどの販売数量が増加したことから増益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、ポリカーボネート、ポリアセタール共に、高付加価値品をはじめとして販売数量が増加したことに加え、製造コストの改善等もあり増収増益となりました。
光学材料は、スマートフォンにおけるカメラの高機能化トレンドや新興国向け需要の増加等により、光学樹脂ポリマーの販売数量が増加し増収増益となりました。
電子材料は、主力の半導体パッケージ用BT材料において、スマートフォン向け材料の販売が堅調であったことに加え、AIサーバー向け基板材料OPE®の販売数量が増加したことなどの増益要因はありましたが、BT材料の顧客向け品質対応の強化に伴うコスト増加等により、前年同期並みの損益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、円安による輸出価格改善や海外向け販売数量の増加により増収増益となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ516億円増加し11,196億円となりました。
流動資産は、28億円減少し4,602億円となりました。減少の要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少などであります。
固定資産は、545億円増加し6,594億円となりました。増加の要因は、機械装置及び運搬具の増加などであります。
負債合計は、391億円増加し4,223億円となりました。流動負債は、短期借入金の増加などにより、334億円増加しました。固定負債は、長期借入金の増加などにより、56億円増加しました。
純資産は、125億円増加し6,973億円となりました。増加の要因は、利益剰余金の増加などであります。
この結果、自己資本比率は59.7%になりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ84億円減少し569億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ19億円収入が増加し754億円の収入となりました。増加の要因は、仕入債務の増減額の増加などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ148億円支出が増加し909億円の支出となりました。増加の要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入の減少などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ453億円収入が増加し47億円の収入となりました。増加の要因は、短期借
入金の純増減額の増加による収入の増加などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門(百万円) | 182,467 | △27.0 |
| 機能化学品事業部門(百万円) | 370,117 | 15.8 |
| その他の事業(百万円) | 42 | - |
| 合計(百万円) | 552,626 | △3.0 |
(注)生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門(百万円) | 313,392 | △22.5 |
| 機能化学品事業部門(百万円) | 443,728 | 8.6 |
| その他の事業(百万円) | 16,470 | 12,568.1 |
| 合計(百万円) | 773,591 | △4.9 |
(注)当連結会計年度において、その他の事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、一部連結子会社のシステム改修に伴いより精緻な集計が可能になったことから、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため、当連結会計年度より、各報告セグメントへの配分方法を変更したことによるものであります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
中期経営計画「Grow UP 2026」初年度にあたる当連結会計年度の経営成績ならびに最終年度(2026年度)の目標値は以下のとおりであります。
| 連結指標 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2026年度目標 |
| 売上高 | 8,134億円 | 7,735億円 | 8,500億円 |
| 営業利益 | 473億円 | 508億円 | 850億円 |
| 経常利益 | 460億円 | 603億円 | 950億円 |
| ROIC ※ | 3.3% | 6.4% | 8%以上 |
| ROE | 6.1% | 6.9% | 9%以上 |
※ ROIC= (営業利益-法人税等+持分法損益)/投下資本
当連結会計年度の経営成績に関する状況の認識は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
中長期的な課題への対処としては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「Grow UP 2026」において2つの目標とそれぞれについて3つの施策を掲げるとともに、3か年の累計投融資額3,000億円を計画しております。成長ドライバーであるICT領域への積極投資、R&D資源の積極投入や重点管理事業の再構築等、「事業ポートフォリオの強靭化」及び「サステナビリティ経営の推進」に向け、グループ一体となりまい進していきます。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門]
グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
| 連結指標 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2026年度目標 |
| 売上高 ※ | 4,128億円 | 3,231億円 | 3,500億円 |
| 営業利益 | 177億円 | 127億円 | 220億円 |
| 経常利益 | 101億円 | 205億円 | 320億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、2024年度実績は、円安に加え、メタノール市況の上昇などが増収要因となったものの、(株)JSPが連結子会社から持分法適用会社へ異動したことなどにより、減収減益となりました。前期に計上された海外メタノール生産会社における減損損失の剥落や、メタノール市況の上昇等により、持分法損益が改善したことなどから、経常利益は増益となりました。
今後は、メタキシレンジアミン新規製造設備の早期立ち上げ、環境循環型メタノール構想Carbopath™の実現やCCS実用化に向けた取り組み、物流・生産の効率化によるコスト削減など、引き続き高付加価値化・効率化に向けた施策を推進してまいります。また、重点管理事業に位置付けるキシレン分離/誘導品については、オルソキシレン系チェーンの撤退を進めました。今後も更なる構造改革に取り組んでまいります。
[機能化学品事業部門]
機能化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
| 連結指標 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2026年度目標 |
| 売上高 ※ | 4,092億円 | 4,441億円 | 4,900億円 |
| 営業利益 | 330億円 | 413億円 | 650億円 |
| 経常利益 | 386億円 | 439億円 | 650億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、2024年度実績は、円安に加え、スマートフォン向け光学材料などの販売数量増加等により増収となりました。営業利益、経常利益はポリカーボネートやポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックスや、光学材料が前期を上回ったことや、円安などにより、増益となりました。
今後は、エレクトロニクスケミカルズの国内外での生産体制の強化、電子材料の海外製造子会社の生産能力増強、レンズモノマープラントの新設など、成長が期待されるICT分野を中心に、U&P事業の成長に向けた各種施策を引き続き進めてまいります。また、重点管理事業に位置付けているポリカーボネート系事業は、シートフィルム生産拠点の集約化など各種コスト削減に取り組んでおります。今後も差別化できる高付加価値分野へのシフトを加速するとともに、事業環境に合わせた生産能力の見直しを推進することで、収益性・資本効率性の改善を図ってまいります。
② 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、社債等を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,139億円、現金及び現金同等物の残高は569億円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。事業に対する投資や撤退判断等、経営の意思決定を迅速に行うため、売上規模や利益額に加え、資本効率を分析値に加えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。