有価証券報告書-第94期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、厳しい状況で推移いたしました。各国の財政支援策やワクチン接種などによる持ち直しの動きもみられたものの、感染症の収束には至っておらず、依然として先行きの不透明感が残る状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体向け製品や光学樹脂ポリマーの需要が堅調に推移しました。新型コロナウイルスの影響で、上半期は自動車関連製品を中心に需要が減退し、汎用製品の市況も低水準で推移したものの、下半期においては全般的に需要が回復し、メタノールの市況も上昇しました。
このような環境下において、当社グループは、当連結会計年度が最終年度であった中期経営計画「MGC Advance2020」の基本方針に基づき、企業価値の向上を図るべく、「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「新規事業の創出と育成」、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」等の施策を推進いたしました。
当社グループの売上高は、汎用芳香族化学品および発泡プラスチックの販売数量が減少したことなどから、減収となりました。
営業利益は、修繕費など固定費の増加があったものの、半導体向け製品や光学樹脂ポリマーの販売数量増加や、原燃料安などにより、増益となりました。
経常利益は、営業利益の増加に加え、前期に計上したサウジアラビア合弁事業での一過性費用(78億円)の剥落により海外メタノール生産会社の持分法による投資損益が改善したことなどから、増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の増加や、投資有価証券売却益の減少などがあったものの、経常利益が増加したことなどから、増益となりました。
以上の結果、売上高5,957億円(前期比176億円減(2.9%減))、営業利益445億円(前期比102億円増(29.9%増))、持分法による投資利益51億円(前期比64億円改善)、経常利益502億円(前期比191億円増(61.5%増))、親会社株主に帰属する当期純利益360億円(前期比149億円増(70.5%増))となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較においては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[基礎化学品事業部門]
メタノールは、下半期に市況が上昇したことなどから、損益は改善しました。
メタノール・アンモニア系化学品は、MMA系製品の市況下落に加え、修繕費の増加などもあり、減益となりました。
特殊芳香族化学品は、芳香族アルデヒドの販売が堅調に推移したほか、上半期に需要が減少したメタキシレンジアミンの販売数量が下半期に大きく回復したことなどから、前期並みの損益となりました。
汎用芳香族化学品は、原燃料安があったものの、メタキシレンおよび高純度イソフタル酸の販売数量減少・販売価格下落などにより、減収減益となりました。
発泡プラスチック事業は、上半期に需要低下がみられた自動車分野が下半期に回復したほか、食品・土木分野での需要増加などもあり、前期並みの損益となりました。
以上の結果、売上高3,150億円(前期比422億円減(11.8%減))、営業利益96億円(前期比16億円減(14.7%減))、経常利益110億円(前期比62億円増(131.3%増))となりました。
[機能化学品事業部門]
無機化学品は、半導体向け薬液の販売数量が増加したことなどから、前期を上回る損益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、上半期に自動車向けを中心にポリカーボネート、ポリアセタールの需要が減少したものの、下半期に同分野で需要が回復したことなどから、前期並みの損益となりました。
光学材料は、半導体不足や顧客の在庫調整の影響などにより第4四半期の販売数量に減速感が生じたものの、スマートフォン用カメラレンズの複眼化の進展や2019年10月の生産能力増強により、光学樹脂ポリマーの販売数量が増加したことなどから、増収増益となりました。
電子材料は、データセンターなどのICT関連需要の高まりや、5G対応スマートフォン用アンテナ・イン・パッケージ基板向けの立ち上がりなどにより、主力の半導体パッケージ用BT材料の販売数量が増加したことなどから、増収増益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、土産などの観光需要が減少したものの、輸出が堅調に推移したことなどから、前期を上回る損益となりました。
以上の結果、売上高2,674億円(前期比123億円増(4.8%増))、営業利益348億円(前期比92億円増(36.2%増))、経常利益375億円(前期比93億円増(33.3%増))となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、第4四半期における電力高騰によるエネルギー関連事業での収益増加があったことなどから、売上高は132億円(前期比123億円増)、営業利益は32億円(前年同期比31億円増)、経常利益は32億円(前年同期比32億円増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ646億円増加し8,363億円となりました。
流動資産は、434億円増加し4,021億円となりました。増加の要因は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の増加などであります。
固定資産は211億円増加し4,342億円となりました。増加の要因は、投資有価証券の増加などであります。
負債合計は、313億円増加し2,549億円となりました。流動負債は、短期借入金の増加などにより、43億円増加しました。固定負債は、社債の増加などにより、269億円増加しました。
純資産は、332億円増加し5,814億円となりました。増加の要因は、利益剰余金の増加などであります。
この結果、自己資本比率は62.7%になりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ210億円増加し910億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ187億円収入が減少し554億円の収入となりました。減少の要因は、売上債権の増加などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ64億円支出が増加し403億円の支出となりました。増加の要因は、貸付による支出の増加などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ547億円収入が増加し51億円の収入となりました。増加の要因は、社債の発行による収入の増加などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、その他の事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、日本ユピカ㈱を連結子会社化したこと等によるものであります。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、その他の事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、日本ユピカ㈱を連結子会社化したこと等によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
中期経営計画「MGC Advance2020」3年目にあたる当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであり、最終年度(2020年度)の目標値に対しては未達に終わりました。
※ 2019年5月13日修正値
計画の未達には、販売数量の未達に加え、メタノール、高純度イソフタル酸、ポリカーボネート等の汎用化学品市況の低迷など、外部環境の前提が当初計画策定時から相当変化したことが大きく影響しております。
今後も、新型コロナウイルス感染拡大による影響を含む経済状況の変化・市況の変動により経営成績が影響を受ける可能性もありますが、新中期経営計画「Grow UP 2023」の最終年度目標を達成すべく、各施策を進めてまいります。具体的な取り組みについては、セグメント毎に後述いたします。
中長期的な課題への対処としては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画において2つの目標とそれぞれについて3つの施策を掲げるとともに、3か年の累計投融資額2,400億円、研究開発費730億円を計画しております。差異化事業への戦略投資を積極的に実行するとともに、新たな研究開発部門体制のもとグループ内外の技術・人員を最大限活用し、特に最重要課題である、「環境変化に強い収益構造への転換」及び「社会的価値と経済的価値の両立」に向け、グループ一体となりまい進していきます。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[基礎化学品事業部門]
基礎化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
※1 2019年5月13日修正値
※2 セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
世界的な需要減退によるメタノール市況の低迷、トリニダード・トバゴのメタノール新工場の稼働遅れ、新型コロナウイルス感染拡大による発泡プラスチック等の需要減退、高純度イソフタル酸の販売数量の減少・販売価格の下落などにより、中期経営計画の目標値は未達となりました。
今後は、環境循環型製品としてのメタノールの製造技術開発推進、物流・生産の効率化によるコスト削減、海外メタノール生産会社の安定運転の実現、メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドといった特殊芳香族化学品の製造設備の新設検討や拡販戦略を進めるとともに、㈱JSPにおける差異化・成長戦略の推進などに取り組んでまいります。
[機能化学品事業部門]
機能化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
光学樹脂ポリマーや半導体パッケージ用BT材料の販売が堅調に推移し、計画を上回ったものの、無機化学品の販売計画未達やポリカーボネートの市況低迷、新型コロナウイルス感染拡大によるエンジニアリングプラスチックや脱酸素剤の需要減退などにより、中期経営計画の目標値は未達となりました。
今後は、ポリカーボネートの高付加価値品の拡販、ポリアセタールの市場プレゼンス向上、超純過酸化水素の既存・新規生産拠点のグローバル展開の強化、光学樹脂ポリマーの生産能力増強、原料モノマープラント新設等によるさらなる需要増への対応、電子材料の新規需要の取り込み・海外製造子会社の生産能力増強等によるBT材料の拡販、脱酸素剤における海外販売比率向上・用途拡大などに取り組んでまいります。
② 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルスの世界・日本での感染拡大による経済活動への影響とその収束に関して、ワクチン普及や各国の財政刺激策等による回復・成長が期待されるものの、新たな変異株の発生による感染の再拡大が起きるなど、依然として先行き不透明感が極めて強い状況にあります。
新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、自動車関連、住宅・インフラ、電気・電子機器など幅広い分野で需要が減退し、これらの分野で原材料として使用される当社グループ製品へ悪影響を及ぼすことも考えられます。基礎化学品事業部門においては、発泡プラスチック、特殊芳香族化学品、メタノールなどへの影響が懸念されます。機能化学品事業部門においては、エンジニアリングプラスチックス、脱酸素剤などへの影響が懸念されます。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、社債等を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は984億円、現金及び現金同等物の残高は910億円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。事業に対する投資や撤退判断等、経営の意思決定を迅速に行うため、売上規模や利益額に加え、資本効率を分析値に加えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、厳しい状況で推移いたしました。各国の財政支援策やワクチン接種などによる持ち直しの動きもみられたものの、感染症の収束には至っておらず、依然として先行きの不透明感が残る状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体向け製品や光学樹脂ポリマーの需要が堅調に推移しました。新型コロナウイルスの影響で、上半期は自動車関連製品を中心に需要が減退し、汎用製品の市況も低水準で推移したものの、下半期においては全般的に需要が回復し、メタノールの市況も上昇しました。
このような環境下において、当社グループは、当連結会計年度が最終年度であった中期経営計画「MGC Advance2020」の基本方針に基づき、企業価値の向上を図るべく、「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「新規事業の創出と育成」、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」等の施策を推進いたしました。
当社グループの売上高は、汎用芳香族化学品および発泡プラスチックの販売数量が減少したことなどから、減収となりました。
営業利益は、修繕費など固定費の増加があったものの、半導体向け製品や光学樹脂ポリマーの販売数量増加や、原燃料安などにより、増益となりました。
経常利益は、営業利益の増加に加え、前期に計上したサウジアラビア合弁事業での一過性費用(78億円)の剥落により海外メタノール生産会社の持分法による投資損益が改善したことなどから、増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の増加や、投資有価証券売却益の減少などがあったものの、経常利益が増加したことなどから、増益となりました。
以上の結果、売上高5,957億円(前期比176億円減(2.9%減))、営業利益445億円(前期比102億円増(29.9%増))、持分法による投資利益51億円(前期比64億円改善)、経常利益502億円(前期比191億円増(61.5%増))、親会社株主に帰属する当期純利益360億円(前期比149億円増(70.5%増))となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較においては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[基礎化学品事業部門]
メタノールは、下半期に市況が上昇したことなどから、損益は改善しました。
メタノール・アンモニア系化学品は、MMA系製品の市況下落に加え、修繕費の増加などもあり、減益となりました。
特殊芳香族化学品は、芳香族アルデヒドの販売が堅調に推移したほか、上半期に需要が減少したメタキシレンジアミンの販売数量が下半期に大きく回復したことなどから、前期並みの損益となりました。
汎用芳香族化学品は、原燃料安があったものの、メタキシレンおよび高純度イソフタル酸の販売数量減少・販売価格下落などにより、減収減益となりました。
発泡プラスチック事業は、上半期に需要低下がみられた自動車分野が下半期に回復したほか、食品・土木分野での需要増加などもあり、前期並みの損益となりました。
以上の結果、売上高3,150億円(前期比422億円減(11.8%減))、営業利益96億円(前期比16億円減(14.7%減))、経常利益110億円(前期比62億円増(131.3%増))となりました。
[機能化学品事業部門]
無機化学品は、半導体向け薬液の販売数量が増加したことなどから、前期を上回る損益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、上半期に自動車向けを中心にポリカーボネート、ポリアセタールの需要が減少したものの、下半期に同分野で需要が回復したことなどから、前期並みの損益となりました。
光学材料は、半導体不足や顧客の在庫調整の影響などにより第4四半期の販売数量に減速感が生じたものの、スマートフォン用カメラレンズの複眼化の進展や2019年10月の生産能力増強により、光学樹脂ポリマーの販売数量が増加したことなどから、増収増益となりました。
電子材料は、データセンターなどのICT関連需要の高まりや、5G対応スマートフォン用アンテナ・イン・パッケージ基板向けの立ち上がりなどにより、主力の半導体パッケージ用BT材料の販売数量が増加したことなどから、増収増益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、土産などの観光需要が減少したものの、輸出が堅調に推移したことなどから、前期を上回る損益となりました。
以上の結果、売上高2,674億円(前期比123億円増(4.8%増))、営業利益348億円(前期比92億円増(36.2%増))、経常利益375億円(前期比93億円増(33.3%増))となりました。
[その他の事業]
その他の事業は、第4四半期における電力高騰によるエネルギー関連事業での収益増加があったことなどから、売上高は132億円(前期比123億円増)、営業利益は32億円(前年同期比31億円増)、経常利益は32億円(前年同期比32億円増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ646億円増加し8,363億円となりました。
流動資産は、434億円増加し4,021億円となりました。増加の要因は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の増加などであります。
固定資産は211億円増加し4,342億円となりました。増加の要因は、投資有価証券の増加などであります。
負債合計は、313億円増加し2,549億円となりました。流動負債は、短期借入金の増加などにより、43億円増加しました。固定負債は、社債の増加などにより、269億円増加しました。
純資産は、332億円増加し5,814億円となりました。増加の要因は、利益剰余金の増加などであります。
この結果、自己資本比率は62.7%になりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ210億円増加し910億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ187億円収入が減少し554億円の収入となりました。減少の要因は、売上債権の増加などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ64億円支出が増加し403億円の支出となりました。増加の要因は、貸付による支出の増加などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ547億円収入が増加し51億円の収入となりました。増加の要因は、社債の発行による収入の増加などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業部門(百万円) | 182,361 | △22.4 |
| 機能化学品事業部門(百万円) | 234,077 | 10.1 |
| その他の事業(百万円) | 11,443 | 303,929.3 |
| 合計(百万円) | 427,882 | △4.4 |
(注)1.生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、その他の事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、日本ユピカ㈱を連結子会社化したこと等によるものであります。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業部門(百万円) | 315,034 | △11.8 |
| 機能化学品事業部門(百万円) | 267,457 | 4.8 |
| その他の事業(百万円) | 13,226 | 1,372.7 |
| 合計(百万円) | 595,718 | △2.9 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、その他の事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、日本ユピカ㈱を連結子会社化したこと等によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
中期経営計画「MGC Advance2020」3年目にあたる当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであり、最終年度(2020年度)の目標値に対しては未達に終わりました。
| 連結指標 | 2020年度実績 | 2020年度目標 ※ | 差異 |
| 売上高 | 5,957億円 | 7,500億円 | △1,543億円 |
| 営業利益 | 445億円 | 650億円 | △205億円 |
| 経常利益 | 502億円 | 800億円 | △298億円 |
| ROE(自己資本利益率) | 7.1% | 12%以上 | △4.9%ポイント |
※ 2019年5月13日修正値
計画の未達には、販売数量の未達に加え、メタノール、高純度イソフタル酸、ポリカーボネート等の汎用化学品市況の低迷など、外部環境の前提が当初計画策定時から相当変化したことが大きく影響しております。
今後も、新型コロナウイルス感染拡大による影響を含む経済状況の変化・市況の変動により経営成績が影響を受ける可能性もありますが、新中期経営計画「Grow UP 2023」の最終年度目標を達成すべく、各施策を進めてまいります。具体的な取り組みについては、セグメント毎に後述いたします。
中長期的な課題への対処としては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画において2つの目標とそれぞれについて3つの施策を掲げるとともに、3か年の累計投融資額2,400億円、研究開発費730億円を計画しております。差異化事業への戦略投資を積極的に実行するとともに、新たな研究開発部門体制のもとグループ内外の技術・人員を最大限活用し、特に最重要課題である、「環境変化に強い収益構造への転換」及び「社会的価値と経済的価値の両立」に向け、グループ一体となりまい進していきます。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[基礎化学品事業部門]
基礎化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
| 連結指標 | 2020年度実績 | 2020年度目標 ※1 | 差異 |
| 売上高 ※2 | 3,228億円 | 4,500億円 | △1,272億円 |
| 営業利益 | 96億円 | 300億円 | △204億円 |
| 経常利益 | 110億円 | 370億円 | △260億円 |
※1 2019年5月13日修正値
※2 セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
世界的な需要減退によるメタノール市況の低迷、トリニダード・トバゴのメタノール新工場の稼働遅れ、新型コロナウイルス感染拡大による発泡プラスチック等の需要減退、高純度イソフタル酸の販売数量の減少・販売価格の下落などにより、中期経営計画の目標値は未達となりました。
今後は、環境循環型製品としてのメタノールの製造技術開発推進、物流・生産の効率化によるコスト削減、海外メタノール生産会社の安定運転の実現、メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドといった特殊芳香族化学品の製造設備の新設検討や拡販戦略を進めるとともに、㈱JSPにおける差異化・成長戦略の推進などに取り組んでまいります。
[機能化学品事業部門]
機能化学品事業部門の経営成績は以下のとおりであります。
| 連結指標 | 2020年度実績 | 2020年度目標 | 差異 |
| 売上高 ※ | 2,678億円 | 3,000億円 | △322億円 |
| 営業利益 | 348億円 | 360億円 | △12億円 |
| 経常利益 | 375億円 | 440億円 | △65億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
光学樹脂ポリマーや半導体パッケージ用BT材料の販売が堅調に推移し、計画を上回ったものの、無機化学品の販売計画未達やポリカーボネートの市況低迷、新型コロナウイルス感染拡大によるエンジニアリングプラスチックや脱酸素剤の需要減退などにより、中期経営計画の目標値は未達となりました。
今後は、ポリカーボネートの高付加価値品の拡販、ポリアセタールの市場プレゼンス向上、超純過酸化水素の既存・新規生産拠点のグローバル展開の強化、光学樹脂ポリマーの生産能力増強、原料モノマープラント新設等によるさらなる需要増への対応、電子材料の新規需要の取り込み・海外製造子会社の生産能力増強等によるBT材料の拡販、脱酸素剤における海外販売比率向上・用途拡大などに取り組んでまいります。
② 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルスの世界・日本での感染拡大による経済活動への影響とその収束に関して、ワクチン普及や各国の財政刺激策等による回復・成長が期待されるものの、新たな変異株の発生による感染の再拡大が起きるなど、依然として先行き不透明感が極めて強い状況にあります。
新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、自動車関連、住宅・インフラ、電気・電子機器など幅広い分野で需要が減退し、これらの分野で原材料として使用される当社グループ製品へ悪影響を及ぼすことも考えられます。基礎化学品事業部門においては、発泡プラスチック、特殊芳香族化学品、メタノールなどへの影響が懸念されます。機能化学品事業部門においては、エンジニアリングプラスチックス、脱酸素剤などへの影響が懸念されます。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、社債等を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は984億円、現金及び現金同等物の残高は910億円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。事業に対する投資や撤退判断等、経営の意思決定を迅速に行うため、売上規模や利益額に加え、資本効率を分析値に加えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。