有価証券報告書-第161期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 14:43
【資料】
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【項目】
117項目
当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。但し、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略・経営指標等
当社グループの企業ビジョンは、KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」です。中期的な事業ビジョンとして「生命と健康を守り、豊かなくらしを支える最良の製品・技術・サービスを提供し続ける」を掲げ、KAYAKU spirit のもと、すべてのステークホルダーの信頼に応えるため、中期CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)アクションプランを策定しCSR経営に取り組みます。私たちは、中期CSRアクションプランの継続的な取り組みを、当社グループの「価値創造プロセス」と位置づけております。この価値創造プロセスの実践による経営資本の増大を通じて、企業価値の最大化と持続的な成長を図ることにより、事業ビジョンを達成するとともに持続可能な社会・環境に貢献してまいります。
当社グループの経営基本戦略は、「事業ビジョンの達成に向け、自社の得意な要素技術や経営資源を用いてニッチ市場をターゲットにスピーディに戦略を実行すること」であり、重点的に取り組む事業領域として「生命と健康を守り、豊かなくらしを支えるファインケミカル分野」を定めております。当社グループは、コーポレートスローガンとして「世界的すきま発想。」を掲げております。100年の歴史で培った要素技術を進化させながら、安全・環境に配慮し特徴のある製品を提供する「スマート ケミカルズ カンパニー」として社会に必要とされる存在であり続けることを目指しております。効率の良いモノづくりのノウハウや、優秀な人材、堅実な財務力等を複数の事業で共有することが当社グループの価値の源泉となっております。事業間、グループ会社間の融合を促進して一体的に経営することが、当社グループ企業価値の増大につながるものと考えており、中長期の数値目標として定めた、売上高2,000億円、ROE10%の早期達成に向けて挑戦してまいります。
2016年4月からはじまった3ヵ年中期事業計画をTake a New Step 2016 とし、成長のための重点テーマとして、①CSR経営の遂行、②研究開発の強化、③知的付加価値の創造・提供、④グローバル化、⑤経営資源の効率化、⑥社外との協業による事業強化、の6点を定めています。最終年となる2018年度においても引き続き各事業ともこれらの課題に取り組み、事業ビジョンの達成に向け注力してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度(2017年4月1日から2018年3月31日まで)の世界経済は、総じて緩やかな回復基調が続きました。米国では着実な個人消費と設備投資の増加が続き、欧州では輸出の増加等を下支えに回復基調を維持しました。中国では堅調な国内需要を受けて安定した成長が続きました。日本経済は、世界経済の回復を背景に企業収益の改善が持続するとともに雇用・所得環境の改善も持続し、緩やかな回復基調にありました。
機能性材料に関わる化学品産業においては、ビッグデータの活用やIoT時代の到来によって半導体メモリーや電子デバイス向けの材料市場が拡大しています。また印刷産業においては、高速で精細な産業用インクジェットプリンタが開発されデジタル化が進展しつつあり、印刷用の各種色素材料のニーズが高まってきています。更には、世界的な省エネルギー・省資源の流れの中で新たな高強度・軽量化構造材料や高耐熱材料が求められています。
医薬品産業においては、医療費が高騰する中で、ジェネリック医薬品の使用促進施策等により、後発医薬品市場は大きく成長しています。しかしながらジェネリック専業メーカーが規模を拡大し、外資メーカーの参入もあり競争が激化しています。また、高額なバイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーが注目されています。
自動車産業においては、日本や米国に加えて、ASEAN等の新興国では伸び悩みがあったものの、欧州は堅
調に推移しました。また、中国では販売台数は大きく伸長しました。
Take a New Step 2016 では各事業の事業ビジョンを以下の通り定め、解決すべき課題に注力し成長を目指しております。
<機能化学品事業>本事業の事業ビジョンは、「樹脂・色素・触媒をコア技術に、情報・通信、省エネルギー・省資源分野へ、特徴のある機能化学品材料を提供し、『超スマート社会』の実現に貢献する」ことです。IoT時代の到来と共に、日常生活ではあらゆる場所で情報のやり取りが行われるようになり、その手段としての電子デバイスや通信技術はこれからもさらに進化・拡大していきます。本中期事業計画においては、この成長著しい領域へ向けて、当事業のコア技術を基盤にした特徴のある製品の開発を進めてまいります。
<医薬事業>本事業の事業ビジョンは、「得意技術によるイノベーションの推進、高品質な医薬品の安定供給により、医療の向上と医療費の効率化を通じて社会に貢献する」ことです。本中期事業計画においては、抗がん薬内包高分子ミセルの研究・開発、バイオシミラーの市場におけるポジションの確立とバイオ医薬品の国内製造に向けた事業基盤の整備、ジェネリック医薬品を含め、がん関連領域での製品ラインナップの拡充を3つの重点領域として、市場での優位性の確保に注力することにより社会に貢献してまいります。
<セイフティシステムズ事業>本事業の事業ビジョンは、「火薬安全技術をコアコンピタンスとして、自動車安全部品を中心に、世界中のより多くの人々に安全を提供する」ことです。本中期事業計画においては、エアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、点火用スクイブ等の新製品の開発に努めてまいります。また、日本・北米・欧州・中国・ASEANの5拠点体制でグローバルビジネスとして事業拡大を図ってまいります。
<その他>アグロ事業の事業ビジョンは、「有効性、安全性、環境適合性に優れた農薬を、使いやすく且つ性能を活かす製剤技術と共に提供する」ことです。本中期事業計画においては、新規殺虫剤を上市予定であり、さらに市場環境や顧客ニーズに適合した農薬を提供し、安定した農業生産に寄与し続けることで事業を拡大してまいります。不動産事業は、顧客との関係を重視しつつ、安定的な収益の獲得を目指します。
KAYAKU spiritのもと、全員がベクトルを合わせ主体的に事業活動に取り組むことによって、企業価値の最大化を達成してまいります。また、女性の活躍促進を含めた人材の活用・育成とダイバーシティ&インクルージョンを推進する取り組み、エネルギー低消費型企業を目指した取り組みを進め、社員にとって働きやすく環境にも優れた事業運営を行ってまいります。併せて、コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底等内部統制の充実に努め、健全で透明性の高い経営を行うことで、企業の経済的責任、社会的責任、環境責任を果たし、すべてのステークホルダーの信頼に応えるCSR経営に取り組んでまいります。

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