有価証券報告書-第74期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、大幅なマイナス成長となりました。緊急事態宣言の解除以降は、経済活動は段階的に再開されつつあるものの、依然として感染は拡大を続けており、先行きは不透明な状況で推移しております。
また、化学工業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、自動車関連用途や化粧品などの幅広い分野において需要の減少が見られております。
このような状況の下で当社グループは、2020年11月期より、長期経営計画「Next Stage 10」の後半となる、第2次5ヶ年中期経営計画をスタートさせ、その目標達成に向けて、各種施策に取り組んでおります。化成品事業におきましては、選択と集中による製品の新陳代謝を図り、採算性の向上に努めるとともに、グローバルに市場が拡大するUVインクジェットプリンター向け特殊インク用原料の拡販に注力いたしました。電子材料事業におきましては、次世代半導体材料開発の強化によるトップシェアの確保及び新規ディスプレイ材料の拡販に努めてまいりました。機能化学品事業におきましては、機能性ポリマーの開発を促進するとともに、化粧品原料や高純度特殊溶剤の拡販に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は286億8千1百万円(対前年同期比0.1%増)、営業利益は44億4千2百万円(対前年同期比21.3%増)、経常利益は46億1千2百万円(対前年同期比20.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千3百万円(対前年同期比9.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおりません。)
化成品事業
化成品事業におきましては、アクリル酸エステルグループは、新型コロナウイルス感染症の影響による自動車産業の生産減少に伴う自動車塗料用や展示会の中止に伴う印刷インキ用の販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。メタクリル酸エステルグループは、アクリル酸エステルグループと同様の理由から販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。また、売上高の減少により、セグメント利益は減少いたしました。この結果、売上高は98億4千3百万円(対前年同期比15.4%減)、セグメント利益は6億4千8百万円(対前年同期比18.3%減)となりました。
電子材料事業
電子材料事業におきましては、半導体材料グループは、半導体市場の伸びに伴い需要が好調に推移し、売上高は大幅に増加いたしました。表示材料グループは、リモートワークの普及によるノートPCの需要増などにより、売上高は増加いたしました。また、売上高の増加により、セグメント利益は大幅に増加いたしました。この結果、売上高は125億6千8百万円(対前年同期比17.9%増)、セグメント利益は28億3百万円(対前年同期比33.6%増)となりました。
機能化学品事業
機能化学品事業におきましては、化粧品原料グループは、在宅勤務の増加や外出機会の減少により、化粧品の販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。機能材料グループは、受託品の販売減により売上高は減少いたしました。しかしながら、利益率の高い製品比率の増加によりセグメント利益は増加いたしました。この結果、売上高は62億6千8百万円(対前年同期比1.1%減)、セグメント利益は10億2千万円(対前年同期比29.7%増)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べて14億7千6百万円増加し、453億2千4百万円となりました。主として受取手形及び売掛金の減少5億8千7百万円、製品の増加4億5千5百万円、製造設備及び研究設備の新設に伴う有形固定資産の増加13億9千8百万円などによるものです。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べて10億2百万円減少し、102億9千9百万円となりました。主として支払手形及び買掛金の減少9億6千5百万円、設備代金の支払等に伴う未払金の減少6億8千7百万円、設備新設資金等の借入実施による長期借入金の増加2億1千2百万円などによるものです。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ24億7千8百万円増加し、350億2千5百万円となりました。主として利益剰余金の増加23億1千6百万円及びその他有価証券評価差額金の増加1億1千2百万円などによるものです。
有利子負債(短期借入金・長期借入金)は、設備新設に伴う長期借入の実施等により前連結会計年度に比べ3億6千9百万円増加し、株主資本は、利益剰余金の増加等により23億2千3百万円増加した結果、デット・エクイティ・レシオ(有利子負債/株主資本)は、9.2%(前年同期は8.6%)となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の73.5%から76.5%へと3.0ポイントの増加となりました。なお、1株当たり純資産額は、1,564円57銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した47億9千9百万円から、投資活動に39億7千6百万円投資し、財務活動において6億4千8百万円減少となったことなどにより、1億6千9百万円増加し、65億1千1百万円(対前年同期比2.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益45億9千万円、非資金損益項目である減価償却費20億8千5百万円及び法人税等の支払額11億3千2百万円などにより、47億9千9百万円の増加(前年同期は35億6百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、39億7千6百万円の減少となりました。これは、主に設備新設等に伴う有形固定資産の取得による支出43億7千9百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備新設資金等の長期借入れによる収入13億5千万円、長期借入金の返済による支出9億8千万円及び配当金の支払額9億9千6百万円などにより、6億4千8百万円の減少(前年同期は4億3千2百万円の増加)となりました。
当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社及び子会社は原則として見込生産を行っております。また、生産実績につきましても当社及び子会社の製品は多種多様にわたり、同種の製品でも仕様が一様でなく、通常の取引の単位が大幅に異なるものが混在するため、金額及び数量表示は妥当性を欠くので記載を省略いたします。
b. 販売実績
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の事項・項目が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識及び測定を行い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。将来の市況悪化や事業計画の変更等があった場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、事業計画等を考慮して将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を検討の上、回収可能額を計上しております。市況悪化や事業計画の変更等により将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産を取り崩し、当該会計期間において税金費用が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループの保有する株式について、時価のある有価証券は、連結会計年度末における時価が取得原価の50%以下に下落したときに、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。また、連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満であるときは、回復可能性があると認められる場合を除き、連結会計年度末以前1年間の時価の推移等を勘案して、減損処理を行っております。時価のない有価証券は、発行会社の財政状態の悪化等により実質価値が著しく低下した場合には、回復可能性があると認められる場合を除き、必要と認められた額について減損処理を行っております。
(退職給付に係る資産及び負債)
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づき退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用を計上しております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、化成品事業に関連する自動車産業の生産減少に伴う自動車塗料用や展示会の中止に伴う印刷インキ用の販売は2021年11月期には徐々に回復するものの、機能化学品事業に関連する化粧品国内需要の落ち込みは2021年11月期中も継続すると予想しております。現時点でのこれらの仮定は、会計上の見積りに重要な影響を与えるものではないと判断しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高と営業利益)
当連結会計年度における売上高は、電子材料事業の半導体材料グループで需要が好調に推移したものの、化成品事業及び機能化学品事業で減収となり、286億8千1百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。
当連結会計年度における営業利益は、売上高は横ばいであったものの、原油安などにより原燃料の価格が下がったこと等により、44億4千2百万円(前連結会計年度比21.3%増)となり、営業利益率は15.5%(前連結会計年度12.8%)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の減少やその他の収入の増加等により前連結会計年度より1百万円増加し、2億2千4百万円となりました。営業外費用は、為替差損の減少や寄付金の増加等により前連結会計年度より1百万円増加し、5千4百万円となりました。
その結果、当連結会計年度における経常利益は46億1千2百万円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。
(特別損益と税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の減少や受取保険金の減少等により前連結会計年度より2億7千万円減少し、1億1百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損の増加等により前連結会計年度より9千9百万円増加し、1億2千3百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は45億9千万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
(税金費用と非支配株主に帰属する当期純損益と親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税12億2百万円と法人税等調整額1千3百万円を計上し、12億1千6百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は6千万円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千3百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
主として設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は65億1千1百万円であり、十分な手元流動性は確保できているものと認識しております。
キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債(長期借入金)は29億9千8百万円であります。このうち金融機関からの長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が29億9千8百万円であります。
d. 財政政策について
事業の「選択と集中」を軸に収益力の強化、設備投資の選択的実施による資金効率化によるフリー・キャッシュ・フローの拡大を目指すとともに、次世代材料や新規分野開拓への戦略的研究開発投資を行い更なる高収益製品への拡大を図ってまいります。
資金調達活動につきましては、健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮と調達コスト・スピード等を考慮し、資金調達を行ってまいります。
当連結会計年度末において財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物等の流動資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等による資金調達により、事業拡大に必要な資金は十分に賄えると考えておりますが、引き続きこれらの政策を進めることにより、株主への利益還元と財務体質の一層強化を図ってまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、コロナ禍による世界経済の不確実性は大きく、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き予断を許さない厳しい状況にあります。しかし、そのような状況下においても、生産コスト及び経費の削減により競争力を高めるとともに、市場のニーズにマッチした新規製品を迅速に上市することにより、継続的な業績の向上を目指してまいります。
また、当社グループは、安全の確保を最優先と考え、災害対策の徹底、コンプライアンス及び情報セキュリティーの強化など、重大リスクの低減に努めております。また、品質管理の強化とサプライチェーンの強靭化によって安定供給を実現することで、お客様からの信頼を一層高めていくことに尽力いたします。
一方、環境への取り組みも当社グループの重要な使命と認識し、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギー原単位、廃物量、CO2排出量をKPIに定め、これらの削減に取り組んでおります。さらに、当社グループは、働き方改革によるワークライフバランスの実現や、ダイバーシティを推進するとともに、教育制度を拡充することで、次代を担う優秀な人材を確保し、育成してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、大幅なマイナス成長となりました。緊急事態宣言の解除以降は、経済活動は段階的に再開されつつあるものの、依然として感染は拡大を続けており、先行きは不透明な状況で推移しております。
また、化学工業界におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、自動車関連用途や化粧品などの幅広い分野において需要の減少が見られております。
このような状況の下で当社グループは、2020年11月期より、長期経営計画「Next Stage 10」の後半となる、第2次5ヶ年中期経営計画をスタートさせ、その目標達成に向けて、各種施策に取り組んでおります。化成品事業におきましては、選択と集中による製品の新陳代謝を図り、採算性の向上に努めるとともに、グローバルに市場が拡大するUVインクジェットプリンター向け特殊インク用原料の拡販に注力いたしました。電子材料事業におきましては、次世代半導体材料開発の強化によるトップシェアの確保及び新規ディスプレイ材料の拡販に努めてまいりました。機能化学品事業におきましては、機能性ポリマーの開発を促進するとともに、化粧品原料や高純度特殊溶剤の拡販に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は286億8千1百万円(対前年同期比0.1%増)、営業利益は44億4千2百万円(対前年同期比21.3%増)、経常利益は46億1千2百万円(対前年同期比20.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千3百万円(対前年同期比9.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおりません。)
化成品事業
化成品事業におきましては、アクリル酸エステルグループは、新型コロナウイルス感染症の影響による自動車産業の生産減少に伴う自動車塗料用や展示会の中止に伴う印刷インキ用の販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。メタクリル酸エステルグループは、アクリル酸エステルグループと同様の理由から販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。また、売上高の減少により、セグメント利益は減少いたしました。この結果、売上高は98億4千3百万円(対前年同期比15.4%減)、セグメント利益は6億4千8百万円(対前年同期比18.3%減)となりました。
電子材料事業
電子材料事業におきましては、半導体材料グループは、半導体市場の伸びに伴い需要が好調に推移し、売上高は大幅に増加いたしました。表示材料グループは、リモートワークの普及によるノートPCの需要増などにより、売上高は増加いたしました。また、売上高の増加により、セグメント利益は大幅に増加いたしました。この結果、売上高は125億6千8百万円(対前年同期比17.9%増)、セグメント利益は28億3百万円(対前年同期比33.6%増)となりました。
機能化学品事業
機能化学品事業におきましては、化粧品原料グループは、在宅勤務の増加や外出機会の減少により、化粧品の販売が低調に推移し、売上高は減少いたしました。機能材料グループは、受託品の販売減により売上高は減少いたしました。しかしながら、利益率の高い製品比率の増加によりセグメント利益は増加いたしました。この結果、売上高は62億6千8百万円(対前年同期比1.1%減)、セグメント利益は10億2千万円(対前年同期比29.7%増)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べて14億7千6百万円増加し、453億2千4百万円となりました。主として受取手形及び売掛金の減少5億8千7百万円、製品の増加4億5千5百万円、製造設備及び研究設備の新設に伴う有形固定資産の増加13億9千8百万円などによるものです。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べて10億2百万円減少し、102億9千9百万円となりました。主として支払手形及び買掛金の減少9億6千5百万円、設備代金の支払等に伴う未払金の減少6億8千7百万円、設備新設資金等の借入実施による長期借入金の増加2億1千2百万円などによるものです。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ24億7千8百万円増加し、350億2千5百万円となりました。主として利益剰余金の増加23億1千6百万円及びその他有価証券評価差額金の増加1億1千2百万円などによるものです。
有利子負債(短期借入金・長期借入金)は、設備新設に伴う長期借入の実施等により前連結会計年度に比べ3億6千9百万円増加し、株主資本は、利益剰余金の増加等により23億2千3百万円増加した結果、デット・エクイティ・レシオ(有利子負債/株主資本)は、9.2%(前年同期は8.6%)となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の73.5%から76.5%へと3.0ポイントの増加となりました。なお、1株当たり純資産額は、1,564円57銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した47億9千9百万円から、投資活動に39億7千6百万円投資し、財務活動において6億4千8百万円減少となったことなどにより、1億6千9百万円増加し、65億1千1百万円(対前年同期比2.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益45億9千万円、非資金損益項目である減価償却費20億8千5百万円及び法人税等の支払額11億3千2百万円などにより、47億9千9百万円の増加(前年同期は35億6百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、39億7千6百万円の減少となりました。これは、主に設備新設等に伴う有形固定資産の取得による支出43億7千9百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備新設資金等の長期借入れによる収入13億5千万円、長期借入金の返済による支出9億8千万円及び配当金の支払額9億9千6百万円などにより、6億4千8百万円の減少(前年同期は4億3千2百万円の増加)となりました。
当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンド
| 第70期 | 第71期 | 第72期 | 第73期 | 第74期 | |
| 自己資本比率(%) | 74.6 | 74.7 | 75.6 | 73.5 | 76.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 50.6 | 75.0 | 76.3 | 70.8 | 141.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 0.68 | 0.54 | 0.39 | 0.75 | 0.62 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 315.3 | 296.4 | 396.0 | 411.4 | 528.1 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社及び子会社は原則として見込生産を行っております。また、生産実績につきましても当社及び子会社の製品は多種多様にわたり、同種の製品でも仕様が一様でなく、通常の取引の単位が大幅に異なるものが混在するため、金額及び数量表示は妥当性を欠くので記載を省略いたします。
b. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業 | 9,843,741 | △15.4 |
| 電子材料事業 | 12,568,666 | +17.9 |
| 機能化学品事業 | 6,268,782 | △1.1 |
| 合計 | 28,681,191 | +0.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 三菱ケミカル株式会社 | 5,161,936 | 18.0 | 4,111,106 | 14.3 |
| JSR株式会社 | 2,933,658 | 10.2 | 3,806,573 | 13.3 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の事項・項目が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識及び測定を行い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。将来の市況悪化や事業計画の変更等があった場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、事業計画等を考慮して将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を検討の上、回収可能額を計上しております。市況悪化や事業計画の変更等により将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産を取り崩し、当該会計期間において税金費用が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループの保有する株式について、時価のある有価証券は、連結会計年度末における時価が取得原価の50%以下に下落したときに、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。また、連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満であるときは、回復可能性があると認められる場合を除き、連結会計年度末以前1年間の時価の推移等を勘案して、減損処理を行っております。時価のない有価証券は、発行会社の財政状態の悪化等により実質価値が著しく低下した場合には、回復可能性があると認められる場合を除き、必要と認められた額について減損処理を行っております。
(退職給付に係る資産及び負債)
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づき退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用を計上しております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、化成品事業に関連する自動車産業の生産減少に伴う自動車塗料用や展示会の中止に伴う印刷インキ用の販売は2021年11月期には徐々に回復するものの、機能化学品事業に関連する化粧品国内需要の落ち込みは2021年11月期中も継続すると予想しております。現時点でのこれらの仮定は、会計上の見積りに重要な影響を与えるものではないと判断しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高と営業利益)
当連結会計年度における売上高は、電子材料事業の半導体材料グループで需要が好調に推移したものの、化成品事業及び機能化学品事業で減収となり、286億8千1百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。
当連結会計年度における営業利益は、売上高は横ばいであったものの、原油安などにより原燃料の価格が下がったこと等により、44億4千2百万円(前連結会計年度比21.3%増)となり、営業利益率は15.5%(前連結会計年度12.8%)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の減少やその他の収入の増加等により前連結会計年度より1百万円増加し、2億2千4百万円となりました。営業外費用は、為替差損の減少や寄付金の増加等により前連結会計年度より1百万円増加し、5千4百万円となりました。
その結果、当連結会計年度における経常利益は46億1千2百万円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。
(特別損益と税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の減少や受取保険金の減少等により前連結会計年度より2億7千万円減少し、1億1百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損の増加等により前連結会計年度より9千9百万円増加し、1億2千3百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は45億9千万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
(税金費用と非支配株主に帰属する当期純損益と親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税12億2百万円と法人税等調整額1千3百万円を計上し、12億1千6百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は6千万円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千3百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
主として設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は65億1千1百万円であり、十分な手元流動性は確保できているものと認識しております。
キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債(長期借入金)は29億9千8百万円であります。このうち金融機関からの長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が29億9千8百万円であります。
d. 財政政策について
事業の「選択と集中」を軸に収益力の強化、設備投資の選択的実施による資金効率化によるフリー・キャッシュ・フローの拡大を目指すとともに、次世代材料や新規分野開拓への戦略的研究開発投資を行い更なる高収益製品への拡大を図ってまいります。
資金調達活動につきましては、健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮と調達コスト・スピード等を考慮し、資金調達を行ってまいります。
当連結会計年度末において財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物等の流動資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等による資金調達により、事業拡大に必要な資金は十分に賄えると考えておりますが、引き続きこれらの政策を進めることにより、株主への利益還元と財務体質の一層強化を図ってまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、コロナ禍による世界経済の不確実性は大きく、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き予断を許さない厳しい状況にあります。しかし、そのような状況下においても、生産コスト及び経費の削減により競争力を高めるとともに、市場のニーズにマッチした新規製品を迅速に上市することにより、継続的な業績の向上を目指してまいります。
また、当社グループは、安全の確保を最優先と考え、災害対策の徹底、コンプライアンス及び情報セキュリティーの強化など、重大リスクの低減に努めております。また、品質管理の強化とサプライチェーンの強靭化によって安定供給を実現することで、お客様からの信頼を一層高めていくことに尽力いたします。
一方、環境への取り組みも当社グループの重要な使命と認識し、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギー原単位、廃物量、CO2排出量をKPIに定め、これらの削減に取り組んでおります。さらに、当社グループは、働き方改革によるワークライフバランスの実現や、ダイバーシティを推進するとともに、教育制度を拡充することで、次代を担う優秀な人材を確保し、育成してまいります。