有価証券報告書-第79期(2024/12/01-2025/11/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等を背景に緩やかな回復基調にありました。しかしながら、米国の通商政策の影響や、国内の物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響等が景気を下押しするリスクとなっており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の下で当社グループは、2024年11月期より2030年11月期までの新中期経営計画Progress & Development 2030(P&D 2030)をスタートいたしました。P&D 2030では、当社グループの経営理念のもと、「特殊アクリル酸エステルのリーディングカンパニーとして、グローバル市場に価値を提供する」という経営ビジョンを掲げ、ESGに配慮したサステナブル経営を推進し、企業価値の向上と持続的成長を目指してまいります。
化成品事業におきましては、製品の統廃合や生産効率の改善等による利益率の向上に努めるとともに、バイオマス由来等の環境に配慮した製品の拡販に注力いたしました。電子材料事業におきましては、最先端半導体材料の開発を加速し、フォトレジスト材料の新規用途への展開に努めてまいりました。機能化学品事業におきましては、化粧品原料の海外展開の強化や高純度特殊溶剤の拡販に取り組んでまいりました。2024年に設立した韓国現地法人に続き、2025年は北米に合弁会社を設立し、新規顧客の獲得や新市場の開拓により、海外販売体制の強化を図ってまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は362億6千5百万円(対前年同期比10.9%増)、営業利益は61億8千7百万円(対前年同期比34.2%増)、経常利益は65億5千7百万円(対前年同期比37.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億8千7百万円(対前年同期比70.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおりません。)
化成品事業
化成品事業におきましては、アクリル酸エステルグループは、自動車用塗料向けの販売は回復傾向となり、ディスプレイ用粘着剤向けやUVインクジェット用インク向けの販売が好調に推移いたしました。メタクリル酸エステルグループは、販売が低調に推移いたしました。この結果、売上高は133億2千6百万円(対前年同期比6.5%増)、セグメント利益は21億9千7百万円(対前年同期比11.1%増)となりました。
電子材料事業
電子材料事業におきましては、半導体材料グループは、最先端のEUVレジスト用原料の販売は減少いたしましたが、主力であるArFレジスト用原料の販売は回復し、グループ全体の売上高は大幅に増加いたしました。表示材料グループは、タッチパネル用絶縁膜向けの販売は堅調となりましたが、グループ全体の売上高は横ばいで推移いたしました。また、その他グループの販売は増加いたしました。この結果、売上高は166億7千6百万円(対前年同期比16.0%増)、セグメント利益は27億7千9百万円(対前年同期比48.7%増)となりました。
機能化学品事業
機能化学品事業におきましては、化粧品原料グループは、販売が横ばいで推移いたしました。機能材料グループは、販売が堅調に推移いたしました。子会社の高純度特殊溶剤の販売は堅調に推移いたしました。この結果、売上高は62億6千3百万円(対前年同期比7.8%増)、セグメント利益は12億3千3百万円(対前年同期比59.9%増)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べて37億4千9百万円増加し、637億1千3百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加28億7千4百万円、有形固定資産の減少15億8千6百万円及び保有株式の株価上昇等による投資有価証券の増加13億4千6百万円などによるものです。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べて6億4千7百万円減少し、131億7千7百万円となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金の減少16億5千4百万円、未払法人税等の増加12億2千2百万円及び長期借入金の減少5億3千4百万円などによるものです。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ43億9千6百万円増加し、505億3千6百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加54億4千9百万円、自己株式の増加21億9千7百万円、その他有価証券評価差額金の増加7億9千6百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加1億6千1百万円などによるものです。
有利子負債(リース債務を除く)は、長期借入金の返済等により前連結会計年度に比べ21億8千8百万円減少し、株主資本は、利益剰余金の増加等により32億5千2百万円増加した結果、デット・エクイティ・レシオ(有利子負債/株主資本)は、2.9%(前年同期は8.3%)となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の75.8%から2.2ポイント増加し78.0%となりました。なお、1株当たり純資産額は、2,443.82円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により70億9千4百万円増加し、投資活動により14億5千9百万円増加した一方で、財務活動により58億8千1百万円減少となったことなどから、27億4千7百万円増加いたしました。これに加え、韓国大阪有機化学工業株式会社を当連結会計年度から連結の範囲に含めたことによる新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額7千7百万円もあり、現金及び現金同等物の期末残高は158億7千2百万円(対前年同期比21.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益97億2千2百万円、減価償却費30億4百万円及び法人税等の支払額16億4千5百万円などにより、70億9千4百万円の増加(前年同期は86億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千9百万円の増加(前年同期は2億9千8百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出12億2千万円及び経済産業省へ交付申請を行った「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の受領による補助金の受取額31億4千万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出21億8千8百万円、自己株式の取得による支出22億2千6百万円及び配当金の支払額14億3千万円などにより、58億8千1百万円の減少(前年同期は31億2千7百万円の減少)となりました。
当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債(リース債務を除く)を対象としております。
(注4)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注5)利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社及び子会社は原則として見込生産を行っております。また、当社及び子会社の製品は多種多様にわたり、同種の製品でも仕様が一様でなく、通常の取引の単位が大幅に異なるものが混在することから、金額及び数量表示は妥当性を欠くため、生産実績につきましても記載を省略しております。
b. 販売実績
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の事項・項目が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、各顧客の厳格な品質要求に対応した製品供給が求められるとともに、品質要求充足後も顧客による長期の製品検証プロセスを経て販売が可能となる製品があります。また、多品種を少量販売する事業であるため、生産効率の観点から一定の見込み生産を行い、長期間をかけて製品を販売する特性もあります。そのため、製品の滞留が発生する他、最終製品に至る中間生産品として在庫する仕掛品や特定製品の製造のために保有する原材料及び貯蔵品についても滞留が発生します。長期滞留の棚卸資産の評価にあたって、一定の滞留期間を超える場合に規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、貸借対照表価額を算定しております。棚卸資産の評価にあたっては信頼性をもって見積もっておりますが、顧客による製品検証プロセスの進展状況や外部環境に重要な変動が生じた場合には、損益に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識及び測定を行い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。将来の市況悪化や事業計画の変更等があった場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、事業計画等を考慮して将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を検討の上、回収可能額を計上しております。市況悪化や事業計画の変更等により将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産を取り崩し、当該会計期間において税金費用が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループの保有する株式について、時価のある有価証券は、連結会計年度末における時価が取得原価の50%以下に下落したときに、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。また、連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満であるときは、回復可能性があると認められる場合を除き、連結会計年度末以前1年間の時価の推移等を勘案して、減損処理を行っております。時価のない有価証券は、発行会社の財政状態の悪化等により実質価値が著しく低下した場合には、回復可能性があると認められる場合を除き、必要と認められた額について減損処理を行っております。
(退職給付に係る資産及び負債)
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づき退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用を計上しております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高と営業利益)
当連結会計年度における売上高は、化成品事業及び電子材料事業において販売が回復し、機能化学品事業での販売が堅調に推移したこと等により、362億6千5百万円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。
当連結会計年度における営業利益は、上記の要因等により、61億8千7百万円(前連結会計年度比34.2%増)となり、営業利益率は17.1%(前連結会計年度14.1%)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取保険金及び為替差益の計上などにより前連結会計年度より1億7千5百万円増加し、3億8千1百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度において「令和6年能登半島地震」「令和6年7月山形県大雨災害」「令和6年9月能登半島豪雨」に対する災害義援金を寄付金として計上していたこともあり、前連結会計年度より4千9百万円減少し、1千万円となりました。
その結果、当連結会計年度における経常利益は65億5千7百万円(前連結会計年度比37.9%増)となりました。
(特別損益と税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益が減少したものの、経済産業省へ交付申請を行った「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の受領による補助金収入31億4千万円を計上したことにより、前連結会計年度より23億5千2百万円増加し、31億6千7百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損の増加により前連結会計年度より0百万円増加し、2百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は97億2千2百万円(前連結会計年度比74.6%増)となりました。
(税金費用と非支配株主に帰属する当期純損益と親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税28億2千4百万円と法人税等調整額△1億2千6百万円を計上し、26億9千8百万円(前連結会計年度比86.1%増)となりました。
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は1億3千6百万円(前連結会計年度比86.8%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は68億8千7百万円(前連結会計年度比70.3%増)となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
主として設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
(資金の源泉)
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は158億7千2百万円であり、十分な手元流動性は確保できているものと認識しております。
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(有利子負債)
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は13億3千7百万円であり、全て金融機関からの長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)であります。
d. 財政政策について
事業の「選択と集中」を軸に収益力の強化、設備投資の選択的実施による資金効率化によるフリー・キャッシュ・フローの拡大を目指すとともに、次世代材料や新規分野開拓への戦略的研究開発投資を行い更なる高収益製品への拡大を図ってまいります。
資金調達活動につきましては、健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮と調達コスト・スピード等を考慮し、資金調達を行ってまいります。
当連結会計年度末において財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物等の流動資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等による資金調達により、事業拡大に必要な資金は十分に賄えると考えておりますが、引き続きこれらの政策を進めることにより、株主への利益還元と財務体質の一層強化を図ってまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、長期化するウクライナ情勢等による世界経済の不確実性は大きく、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き予断を許さない厳しい状況にあります。しかし、そのような状況下においても、生産コスト及び経費の削減により競争力を高めるとともに、市場のニーズにマッチした新規製品を迅速に上市することにより、継続的な業績の向上を目指してまいります。
また、当社グループは、安全の確保を最優先と考え、災害対策の徹底、コンプライアンス及び情報セキュリティの強化など、重大リスクの低減に努めております。また、品質管理の強化とサプライチェーンの強靭化によって安定供給を実現することで、お客様からの信頼を一層高めていくことに尽力いたします。
一方、環境への取り組みも当社グループの重要な使命と認識し、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギー原単位、廃物量、CO2排出量をKPIに定め、これらの削減に取り組んでおります。さらに、当社グループは、働き方改革によるワークライフバランスの実現や、ダイバーシティを推進するとともに、教育制度を拡充することで、次代を担う優秀な人材を確保し、育成してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等を背景に緩やかな回復基調にありました。しかしながら、米国の通商政策の影響や、国内の物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響等が景気を下押しするリスクとなっており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の下で当社グループは、2024年11月期より2030年11月期までの新中期経営計画Progress & Development 2030(P&D 2030)をスタートいたしました。P&D 2030では、当社グループの経営理念のもと、「特殊アクリル酸エステルのリーディングカンパニーとして、グローバル市場に価値を提供する」という経営ビジョンを掲げ、ESGに配慮したサステナブル経営を推進し、企業価値の向上と持続的成長を目指してまいります。
化成品事業におきましては、製品の統廃合や生産効率の改善等による利益率の向上に努めるとともに、バイオマス由来等の環境に配慮した製品の拡販に注力いたしました。電子材料事業におきましては、最先端半導体材料の開発を加速し、フォトレジスト材料の新規用途への展開に努めてまいりました。機能化学品事業におきましては、化粧品原料の海外展開の強化や高純度特殊溶剤の拡販に取り組んでまいりました。2024年に設立した韓国現地法人に続き、2025年は北米に合弁会社を設立し、新規顧客の獲得や新市場の開拓により、海外販売体制の強化を図ってまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は362億6千5百万円(対前年同期比10.9%増)、営業利益は61億8千7百万円(対前年同期比34.2%増)、経常利益は65億5千7百万円(対前年同期比37.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億8千7百万円(対前年同期比70.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおりません。)
化成品事業
化成品事業におきましては、アクリル酸エステルグループは、自動車用塗料向けの販売は回復傾向となり、ディスプレイ用粘着剤向けやUVインクジェット用インク向けの販売が好調に推移いたしました。メタクリル酸エステルグループは、販売が低調に推移いたしました。この結果、売上高は133億2千6百万円(対前年同期比6.5%増)、セグメント利益は21億9千7百万円(対前年同期比11.1%増)となりました。
電子材料事業
電子材料事業におきましては、半導体材料グループは、最先端のEUVレジスト用原料の販売は減少いたしましたが、主力であるArFレジスト用原料の販売は回復し、グループ全体の売上高は大幅に増加いたしました。表示材料グループは、タッチパネル用絶縁膜向けの販売は堅調となりましたが、グループ全体の売上高は横ばいで推移いたしました。また、その他グループの販売は増加いたしました。この結果、売上高は166億7千6百万円(対前年同期比16.0%増)、セグメント利益は27億7千9百万円(対前年同期比48.7%増)となりました。
機能化学品事業
機能化学品事業におきましては、化粧品原料グループは、販売が横ばいで推移いたしました。機能材料グループは、販売が堅調に推移いたしました。子会社の高純度特殊溶剤の販売は堅調に推移いたしました。この結果、売上高は62億6千3百万円(対前年同期比7.8%増)、セグメント利益は12億3千3百万円(対前年同期比59.9%増)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べて37億4千9百万円増加し、637億1千3百万円となりました。これは、主に現金及び預金の増加28億7千4百万円、有形固定資産の減少15億8千6百万円及び保有株式の株価上昇等による投資有価証券の増加13億4千6百万円などによるものです。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べて6億4千7百万円減少し、131億7千7百万円となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金の減少16億5千4百万円、未払法人税等の増加12億2千2百万円及び長期借入金の減少5億3千4百万円などによるものです。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ43億9千6百万円増加し、505億3千6百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加54億4千9百万円、自己株式の増加21億9千7百万円、その他有価証券評価差額金の増加7億9千6百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加1億6千1百万円などによるものです。
有利子負債(リース債務を除く)は、長期借入金の返済等により前連結会計年度に比べ21億8千8百万円減少し、株主資本は、利益剰余金の増加等により32億5千2百万円増加した結果、デット・エクイティ・レシオ(有利子負債/株主資本)は、2.9%(前年同期は8.3%)となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の75.8%から2.2ポイント増加し78.0%となりました。なお、1株当たり純資産額は、2,443.82円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により70億9千4百万円増加し、投資活動により14億5千9百万円増加した一方で、財務活動により58億8千1百万円減少となったことなどから、27億4千7百万円増加いたしました。これに加え、韓国大阪有機化学工業株式会社を当連結会計年度から連結の範囲に含めたことによる新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額7千7百万円もあり、現金及び現金同等物の期末残高は158億7千2百万円(対前年同期比21.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益97億2千2百万円、減価償却費30億4百万円及び法人税等の支払額16億4千5百万円などにより、70億9千4百万円の増加(前年同期は86億円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千9百万円の増加(前年同期は2億9千8百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出12億2千万円及び経済産業省へ交付申請を行った「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の受領による補助金の受取額31億4千万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出21億8千8百万円、自己株式の取得による支出22億2千6百万円及び配当金の支払額14億3千万円などにより、58億8千1百万円の減少(前年同期は31億2千7百万円の減少)となりました。
当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンド
| 第75期 | 第76期 | 第77期 | 第78期 | 第79期 | |
| 自己資本比率(%) | 77.5 | 77.3 | 78.7 | 75.8 | 78.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 162.2 | 86.2 | 103.9 | 93.4 | 126.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 0.39 | 0.76 | 1.13 | 0.41 | 0.19 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 870.3 | 875.2 | 575.3 | 950.8 | 1,006.8 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債(リース債務を除く)を対象としております。
(注4)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注5)利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社及び子会社は原則として見込生産を行っております。また、当社及び子会社の製品は多種多様にわたり、同種の製品でも仕様が一様でなく、通常の取引の単位が大幅に異なるものが混在することから、金額及び数量表示は妥当性を欠くため、生産実績につきましても記載を省略しております。
b. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業 | 13,326,097 | 6.5 |
| 電子材料事業 | 16,676,004 | 16.0 |
| 機能化学品事業 | 6,263,589 | 7.8 |
| 合計 | 36,265,691 | 10.9 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| JSR株式会社 | 4,487,579 | 13.7 | 5,256,680 | 14.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の事項・項目が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、各顧客の厳格な品質要求に対応した製品供給が求められるとともに、品質要求充足後も顧客による長期の製品検証プロセスを経て販売が可能となる製品があります。また、多品種を少量販売する事業であるため、生産効率の観点から一定の見込み生産を行い、長期間をかけて製品を販売する特性もあります。そのため、製品の滞留が発生する他、最終製品に至る中間生産品として在庫する仕掛品や特定製品の製造のために保有する原材料及び貯蔵品についても滞留が発生します。長期滞留の棚卸資産の評価にあたって、一定の滞留期間を超える場合に規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、貸借対照表価額を算定しております。棚卸資産の評価にあたっては信頼性をもって見積もっておりますが、顧客による製品検証プロセスの進展状況や外部環境に重要な変動が生じた場合には、損益に影響を与える可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識及び測定を行い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。将来の市況悪化や事業計画の変更等があった場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、事業計画等を考慮して将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を検討の上、回収可能額を計上しております。市況悪化や事業計画の変更等により将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産を取り崩し、当該会計期間において税金費用が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループの保有する株式について、時価のある有価証券は、連結会計年度末における時価が取得原価の50%以下に下落したときに、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。また、連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満であるときは、回復可能性があると認められる場合を除き、連結会計年度末以前1年間の時価の推移等を勘案して、減損処理を行っております。時価のない有価証券は、発行会社の財政状態の悪化等により実質価値が著しく低下した場合には、回復可能性があると認められる場合を除き、必要と認められた額について減損処理を行っております。
(退職給付に係る資産及び負債)
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づき退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用を計上しております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
(売上高と営業利益)
当連結会計年度における売上高は、化成品事業及び電子材料事業において販売が回復し、機能化学品事業での販売が堅調に推移したこと等により、362億6千5百万円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。
当連結会計年度における営業利益は、上記の要因等により、61億8千7百万円(前連結会計年度比34.2%増)となり、営業利益率は17.1%(前連結会計年度14.1%)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取保険金及び為替差益の計上などにより前連結会計年度より1億7千5百万円増加し、3億8千1百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度において「令和6年能登半島地震」「令和6年7月山形県大雨災害」「令和6年9月能登半島豪雨」に対する災害義援金を寄付金として計上していたこともあり、前連結会計年度より4千9百万円減少し、1千万円となりました。
その結果、当連結会計年度における経常利益は65億5千7百万円(前連結会計年度比37.9%増)となりました。
(特別損益と税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益が減少したものの、経済産業省へ交付申請を行った「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の受領による補助金収入31億4千万円を計上したことにより、前連結会計年度より23億5千2百万円増加し、31億6千7百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損の増加により前連結会計年度より0百万円増加し、2百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は97億2千2百万円(前連結会計年度比74.6%増)となりました。
(税金費用と非支配株主に帰属する当期純損益と親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税28億2千4百万円と法人税等調整額△1億2千6百万円を計上し、26億9千8百万円(前連結会計年度比86.1%増)となりました。
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は1億3千6百万円(前連結会計年度比86.8%増)となりました。
その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は68億8千7百万円(前連結会計年度比70.3%増)となりました。
c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
主として設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
(資金の源泉)
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金により、必要とする資金を調達しております。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は158億7千2百万円であり、十分な手元流動性は確保できているものと認識しております。
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(有利子負債)
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は13億3千7百万円であり、全て金融機関からの長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)であります。
d. 財政政策について
事業の「選択と集中」を軸に収益力の強化、設備投資の選択的実施による資金効率化によるフリー・キャッシュ・フローの拡大を目指すとともに、次世代材料や新規分野開拓への戦略的研究開発投資を行い更なる高収益製品への拡大を図ってまいります。
資金調達活動につきましては、健全な財務体質の維持、資本効率の向上、株式価値の希薄化等への十分な配慮と調達コスト・スピード等を考慮し、資金調達を行ってまいります。
当連結会計年度末において財務状況は健全性を保っており、現金及び現金同等物等の流動資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等による資金調達により、事業拡大に必要な資金は十分に賄えると考えておりますが、引き続きこれらの政策を進めることにより、株主への利益還元と財務体質の一層強化を図ってまいります。
e. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、長期化するウクライナ情勢等による世界経済の不確実性は大きく、当社グループを取り巻く経営環境は引き続き予断を許さない厳しい状況にあります。しかし、そのような状況下においても、生産コスト及び経費の削減により競争力を高めるとともに、市場のニーズにマッチした新規製品を迅速に上市することにより、継続的な業績の向上を目指してまいります。
また、当社グループは、安全の確保を最優先と考え、災害対策の徹底、コンプライアンス及び情報セキュリティの強化など、重大リスクの低減に努めております。また、品質管理の強化とサプライチェーンの強靭化によって安定供給を実現することで、お客様からの信頼を一層高めていくことに尽力いたします。
一方、環境への取り組みも当社グループの重要な使命と認識し、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギー原単位、廃物量、CO2排出量をKPIに定め、これらの削減に取り組んでおります。さらに、当社グループは、働き方改革によるワークライフバランスの実現や、ダイバーシティを推進するとともに、教育制度を拡充することで、次代を担う優秀な人材を確保し、育成してまいります。