有価証券報告書-第33期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 13:30
【資料】
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【項目】
87項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度における世界経済は、米国では、雇用や個人消費が堅調に推移した上、企業の生産活動にも明るさが見えて参りました。欧州では、ソブリン債務問題が解消に向かう中で企業業績も緩やかに改善に向かいました。また、新興国では中国経済が堅調さを取り戻す一方で、その他の新興国では景気のスローダウン基調に変化は見られない状況が継続いたしました。このように世界経済全体としては年度を通じて回復基調にはありましたが、新興国経済を中心に不安定さも残りました。
一方、日本経済は一昨年来のアベノミクスによる株高・円安や景気刺激策などの効果から回復軌道に乗ってはおりますが、成長戦略の成否については予断を許さず、国内外経済全体としては、はっきりとした景気回復局面にあるとの確証をもてる状況には至っておりません。
当社の属するファインケミカル業界は、このように国内外経済が推移する中、懸念されていた欧州での自動車産業の業績も回復基調となったものの、原材料価格高騰に伴うコスト増、加えて中国・アジアマーケットを中心にグローバルな販売価格競争は継続しており収益環境は厳しい状況で継続推移いたしました。
このような状況の下、当社の業績は、紫外線吸収剤の主力製品であるベンゾトリアゾール系薬剤の海外向け販売数量は前年同期比増加し、紫外線吸収剤全体の売上高は増加しました。写真薬中間体の売上高は減少いたしましたが、製紙用薬剤や酸化防止剤、電子材料、受託製品などでは売上が増加し、ホーム産業事業での消費税率引上げ前の駆け込み需要もあり売上高全体では、前年同期比575百万円増の8,382百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
利益面は、引続き経費圧縮に努めましたものの、原材料価格の高騰やグローバルな販売価格競争の継続から、上記主力製品など添加剤を中心に利益率改善が進まず、営業利益は276百万円(同9.1%増)、経常利益は生産休止費用78百万円を営業外費用に計上したこともあり104百万円(同13.2%増)にとどまりました。当期純利益につきましては、法人税等49百万円を計上したことにより、54百万円(同55.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、欧州自動車産業の業績が回復基調となったことから、紫外線吸収剤の主力製品であるベンゾトリアゾール系薬剤の海外向け販売数量が増加し、紫外線吸収剤全体の売上高が前年同期比211百万円増の4,644百万円(前年同期比4.8%増)となる一方、製紙用薬剤が同96百万円増(同32.7%増)、電子材料が同93百万円増(同69.4%増)加えて受託製品などを含むその他で同159百万円増(同11.9%増)となり、写真薬中間体での売上減、同82百万円(同25.9%減)をカバーし、全体では同519百万円増の7,368百万円(同7.6%増)となりました。 また、セグメント利益では502百万円(同3.6%増)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、不採算であったDIY商品から前事業年度第3四半期に撤退した影響での減収がありましたが、消費税率引上げ前の駆け込み需要などの影響で木材保存薬剤が前年同期比71百万円増(前年同期比8.9%増)となり、全体では同56百万円増の1,013百万円(同5.9%増)となりました。また、セグメント利益では86百万円(同15.9%増)を計上いたしました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては451百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては166百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては173百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し111百万円増加し、3,431百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、451百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
これは主に税引前当期純利益が104百万円計上されたこと、減価償却費が285百万円計上されたこと、たな卸資産の減少額320百万円などの増加要因の他、売上債権の増加額210百万円、仕入債務の減少額80百万円、法人税等の支払額26百万円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、166百万円(前年同期は62百万円の獲得)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出が166百万円計上されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、173百万円(前年同期は210百万円の獲得)となりました。
これは主に長期借入による収入が1,050百万円、長期借入金の返済による支出1,094百万円とリース債務の返済による支出87百万円が計上されたことによるものであります。