有価証券報告書-第37期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 11:26
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、米国経済が企業業績・個人消費ともに継続して堅調であったうえに、欧州経済も景気拡大が持続し、全体として好調に推移してまいりました。加えて、中国経済についても減速しつつも安定しており、その他新興国でも輸出を中心に堅調さが継続しました。一方で、地政学的リスクに緩和の兆しが出てきたとはいえ予断は許さず、加えて米国を起点とした貿易摩擦の懸念がグローバルに広がりつつあり、今後の世界経済の動向は、徐々に不透明さが増しております。
日本経済につきましては、輸出に回復基調が出てきたものの生産活動や個人消費に一服感も出ております。したがいまして、世界経済全体の状況も加味すれば、今後の更なる景気拡大を確信できる段階にはありません。
このように国内外経済が推移する中で、当社の属するファインケミカル業界は、原材料価格が原油価格や為替動向、加えてグローバルな生産体制に影響され流動的である上に販売価格競争も緩和されていないことから、収益環境の厳しい状況が継続しております。
当社も同様の環境に置かれておりますが、売上高については、紫外線吸収剤の販売が上期において前年同様堅調に推移したものの、下期からグローバルな生産状況の変化等を要因として急激に落ち込んだことから前年対比で大幅に減少した一方で、写真薬中間体や一部受託製造品の販売状況が年間を通して好調であったこと等から売上高は9,317百万円(前年同期比2.9%増)を計上いたしました。また、原材料価格の高騰を起因とした製造原価の上昇により、営業利益は367百万円(同18.8%減)、経常利益は274百万円(同23.3%減)、当期純利益は192百万円(同36.2%減)と減益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が販売数量減少等を主要因として売上高が前年同期比316百万円減の5,629百万円(前年同期比5.3%減)となる一方で、受託製造製品などを含むその他で同352百万円増の1,657百万円(同27.0%増)、写真薬中間体で同116百万円増の254百万円(同84.3%増)等となり、全体では同269百万円増の8,360百万円(同3.3%増)で着地いたしました。また、セグメント利益では682百万円(同7.0%減)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、木材保存薬剤が前年同期比15百万円減の830百万円(前年同期比1.8%減)となり、その他では前年同期比11百万円増の126百万円(前年同期比10.3%増)となったものの、全体では同3百万円減の956百万円(同0.4%減)となりました。また、セグメント利益では73百万円(同24.6%減)を計上いたしました。
品目別売上高の状況は、次のとおりです。
(品目別販売実績) (単位:千円、%)
セグメント別期別前事業年度当事業年度増減
平成29年3月期平成30年3月期
区分金額構成比金額構成比金額
化学品事業紫外線吸収剤5,945,83865.75,629,42660.4△ 316,412
写真薬中間体138,0091.5254,3232.7116,314
製紙用薬剤186,8552.1245,5982.658,743
酸化防止剤276,9533.1348,6393.771,686
電子材料237,8802.6225,4332.4△ 12,446
その他1,305,00614.41,657,10117.8352,096
(小 計)8,090,54289.48,360,52189.7269,980
ホーム産業事業木材保存薬剤845,6209.3830,4868.9△ 15,134
その他114,2321.3126,0011.411,769
(小 計)959,85310.6956,48710.3△ 3,366
合 計9,050,395100.09,317,009100.0266,614

(注)金額には消費税等を含んでおりません。
②資産、負債及び純資産の状況
当事業年度(以下「当期」という)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という)比131百万円増加し、14,531百万円となりました。流動資産は同302百万円減少の8,574百万円、固定資産は同433百万円増加の5,956百万円となりました。
流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金が1,863百万円減少した一方で、売掛金が201百万円、商品及び製品が1,195百万円、原材料及び貯蔵品が79百万円、その他の流動資産が92百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、建物(純額)が108百万円、機械及び装置(純額)が425百万円、リース資産(純額)が201百万円増加した一方で、相生工場増設プラントの完成に伴い建設仮勘定が369百万円減少したことなどによるものであります。
当期の負債は前期末比17百万円増加し10,194百万円となりました。流動負債は同126百万円減少の6,604百万円、固定負債は同144百万円増加の3,589百万円となりました。
流動負債の減少の主な要因は、支払手形が106百万円、未払金が153百万円、営業外電子記録債務が177百万円減少した一方で、電子記録債務が149百万円、リース債務が133百万円増加したことなどによるものであります。固定負債の増加の主な要因は、リース債務が90百万円、退職給付引当金が26百万円増加したことなどによるものであります。
当期の純資産は前期末比113百万円増加し、4,336百万円となりました。この増加の主な要因は、当期純利益192百万円を計上した一方で、配当金の支払82百万円があったことなどであります。
この結果、自己資本比率は、前期末の29.3%から29.8%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては723百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては911百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては229百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し1,864百万円減少し、1,471百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、723百万円(前年同期は700百万円の獲得)となりました。
これは主に、税引前当期純利益が274百万円計上されたこと、減価償却費が537百万円計上されたこと、受注動向の変化に伴い売上債権が193百万円、仕入債務が89百万円増加したこと、主力製品である紫外線吸収剤においてグローバルな生産状況の変化等により販売数量が減少したことを主要因とするたな卸資産の増加額1,228百万円などの要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、911百万円(前年同期比335.7%増)となりました。
これは主に、生産能力の向上や生産効率の強化を目的として設備投資を行ったことに伴う、有形固定資産の取得による支出が910百万円計上されたことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、229百万円(前年同期比56.3%減)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入1,150百万円、長期借入金の返済による支出1,175百万円、リース債務の返済による支出120百万円が計上されたこと、配当金の支払額82百万円が計上されたことなどによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)9,252,038103.9
ホーム産業事業(千円)768,66796.0
合計(千円)10,020,705103.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)5,17379.3
ホーム産業事業(千円)213,663108.3
合計(千円)218,837107.4

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3)受注実績
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)8,360,521103.3
ホーム産業事業(千円)956,48799.6
合計(千円)9,317,009102.9

(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に
対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
BASFジャパン㈱3,466,51938.33,035,76332.6
大塚化学㈱762,5408.41,024,80711.0

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。この見積り及び仮定設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りと異なる場合があります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、創業以来培ってきた有機化学合成の高い技術力を背景に、特定の大口取引先の協力を得ながら成長、発展してまいりました。しかしながら、主力販売製品のコモディティ化に伴うコンペティターの台頭や環境対応に関する国内外の法的規制の強化といった外部要因による停滞、産業の成熟化に伴う市場規模の成長の鈍化といった、事業環境の変化により引き起こされる数々の問題に直面しております。
このような状況下、持続的な発展を裏付ける磐石な経営を実現させるために、特定取引先との協力関係を維持する一方で、新たな柱の構築による第二の創業を目指し、当社は有機ELをはじめとする研究開発体制の強化と販売チャネルの多様化を目的とした受託ビジネスの強化を行ってまいりました。
しかしながら、現在、紫外線吸収剤をはじめとする化学品事業のうち、既存製品に関する売上高は化学品事業全体の80%程度と依然高い割合を占め、受託製品を含むその他及び有機ELをはじめとする新規ビジネスについては成長の半ばであり、更なる対応が急務でございます。
上記を踏まえ、当社は今後既存製品に関しては品質改善による顧客満足度の向上と生産効率の改善を軸に、既存の取引先との協力関係を維持・強化していく方針であります。
受託製品に関しては既存受託先との取引関係を強化する一方で、新規顧客を開拓する等、新たなビジネスチャンスを逃さないように外部機関等も活用し、持続的な工場稼働率の向上を実現していきます。
有機ELをはじめとする新規ビジネスに関しては、既成概念にとらわれず産学協同で研究開発・製造・販売の三位一体となった変革へのチャレンジを実践していきます。
当社は以上のような取り組みを通じて企業の永続的な発展を実現し、企業価値・株主価値向上を達成し、株主の皆様のご期待に応えるよう努める所存でございます。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、受託製造製品等の販売の増加等があるものの特定販売先への依存度が高く、依然として当社の業績に影響を受ける可能性があります。
また、有機ELをはじめとする新製品については将来の成長事業に育成すべく注力しておりますが、競合各社も新規製品開発に取り組んでおり、当社が開発した製品が中・長期的に販売できないケースがあります。
さらに、当社の継続事業にかかるたな卸資産は主として将来需要および市場動向に基づく見込み生産によるものでありますので、実需および予測せざる市場動向次第では在庫増加を要因とした生産調整を実施する場合があり、それに伴う生産休止費用が業績に与える影響も無視できません。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。
1)資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資つきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。銀行からの借入による資金調達に関しては、短期借入金に関しては変動金利により、長期借入金に関しては主として固定金利により行っております。
2)資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投資が主な内容であります。
今後も必要な設備投資や研究開発投資等を継続していく予定であります。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。
3)キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,864百万円減少し、1,471百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当事業年度は以下の通りとなりました。
ROE(株主資本利益率) 現状: 4.5% (目標:10.0%)
売上高経常利益率 現状: 2.9% (目標:10.0%)
自己資本比率 現状:29.8% (目標:40.0%)
当社といたしましては、創業以来の成長と実績を礎に上記指標を一層改善することを通じて、永続性のある更なる盤石な経営の実現を目指し、鋭意取り組んでいく所存でございます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
化学品事業
化学品事業における販売はOEM販売や受託製造製品等の販売が主流であり、特定販売先については総売上高の約3割の依存関係となっております。既存の販売先については安定的な供給を継続しつつ、有機合成技術を駆使した高品質な新規製品による海外販売を展開することにより、直販比率を向上させることで安定収益に繋げていきます。
ホーム産業事業
ホーム産業事業における販売は木材保存薬剤を主力とし、ホームセンター向け塗料、室内用および業務用塗料の新規開発・販売拡大を目指して安定収益に繋げていきます。

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