有価証券報告書-第39期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 11:38
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、米国経済が企業業況に下げ止まりの動きが現れてきたものの回復にはいたらず、欧州経済についても低成長の流れに変化が見られない状況でありました。また、中国経済も力強さを欠く状況で、新興国経済も軟調に推移いたしました。このように世界経済全体が不安定な状況で推移する中、2020年に入り新型コロナウイルス感染症が急激に拡大し全く先行きが見通せない状況となり、加えてブレグジットや地政学的リスクの増加等、今後の流動的な要素も多く極端に不安定な状況で推移しております。
また、安定推移してきた日本経済についても同様に先行きが全く見通せない中、急速に景況感が悪化してきております。
このように国内外経済が推移する中で、当社の属するファインケミカル業界につきましては、原材料の原油価格影響や供給元の減少にともなう価格変動、供給不安等が恒常化しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない需要や物流網等への大きな影響も発生しており、従来からの価格競争もあいまって売上・収益環境は、ますます厳しくなっております。
当社については主力製品である紫外線吸収剤の売上高が復調し、加えて製紙用薬剤や電子材料が増収となる一方で写真薬中間体や酸化防止剤は減収となり、受託製造製品も特定品目の需要減少を新規製品で一定程度カバーしたものの減収となりました。しかしながら、化学品事業全体では紫外線吸収剤等の復調が寄与し増収となりました。ホーム産業事業も販売の強化により増収で着地したことから売上高は10,596百万円(前年同期比13.0%増)となりました。利益面は、増収効果等により営業利益は386百万円(同18.7%増)、経常利益は生産調整の継続にともない営業外費用として生産休止費用を計上したことから161百万円(同103.7%増)となりました。また、期末にかけての大幅な株価下落にともない投資有価証券評価損26百万円を特別損失として計上したことなどから、当期純利益は90百万円(同44.1%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が主力取引先からの受注復調などを要因として売上高が前年同期比1,195百万円増の6,257百万円(前年同期比23.6%増)となったことに加えて、製紙用薬剤が同59百万円増の273百万円(同27.9%増)、電子材料が同154百万円増の375百万円(同69.8%増)等となり、全体では同1,168百万円増の9,533百万円(同14.0%増)で着地いたしました。また、セグメント利益では727百万円(同8.9%増)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、木材保存薬剤の売上高が前年同期比18百万円増の860百万円(前年同期比2.2%増)となり、その他でも同35百万円増の202百万円(同21.3%増)となったことから、全体では同54百万円増の1,062百万円(同5.4%増)となりました。また、セグメント利益では39百万円(同24.6%減)を計上いたしました。
品目別売上高の状況は、次のとおりです。
(品目別販売実績) (単位:千円、%)
セグメント別期別前事業年度当事業年度増減
2019年3月期2020年3月期
区分金額構成比金額構成比金額
化学品事業紫外線吸収剤5,062,16954.06,257,66459.11,195,495
写真薬中間体406,1284.3286,3602.7△ 119,768
製紙用薬剤213,6962.3273,3402.659,644
酸化防止剤409,4254.4363,6383.4△ 45,787
電子材料221,1322.4375,4013.5154,269
受託製造製品1,952,87520.81,909,14518.0△ 43,730
その他99,3721.167,8980.6△ 31,472
(小 計)8,364,79889.29,533,44990.01,168,650
ホーム産業事業木材保存薬剤841,8289.0860,4758.118,646
その他166,6811.8202,2001.935,519
(小 計)1,008,50910.81,062,67510.054,166
合 計9,373,308100.010,596,125100.01,222,816

注)1.金額には消費税等を含んでおりません。
2.従来、「その他」に含めていた「受託製造製品」は、当事業年度より独立掲記することといたしております。
②資産、負債及び純資産の状況
当事業年度(以下「当期」という。)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という。)比169百万円減少し、13,776百万円となりました。流動資産は同57百万円増加の8,206百万円、固定資産は同227百万円減少の5,570百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が766百万円、売掛金が374百万円、仕掛品が34百万円増加した一方で、受取手形が67百万円、商品及び製品が1,024百万円、原材料及び貯蔵品が29百万円減少したことによるものであり、固定資産の減少の主な要因は、建物(純額)が57百万円、機械及び装置(純額)が76百万円、リース資産(純額)が116百万円、投資有価証券が45百万円減少した一方で、構築物(純額)が26百万円、繰延税金資産が24百万円増加したことなどによるものであります。
当期の負債は前期末比195百万円減少し9,416百万円となりました。流動負債は同140百万円増加の6,278百万円、固定負債は同336百万円減少の3,138百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が60百万円、未払金が52百万円、未払法人税等が64百万円、リース債務が34百万円、営業外電子記録債務が50百万円、その他の流動負債が75百万円増加した一方で、買掛金が126百万円減少したことなどによるものであります。固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が199百万円、リース債務が155百万円減少したことなどによるものであります。
当期の純資産は前期末比26百万円増加し、4,360百万円となりました。この増加の主な要因は、当期純利益90百万円を計上した一方で、その他有価証券評価差額金が14百万円減少したこと、配当金の支払49百万円があったことなどであります。
この結果、自己資本比率は、前期末の31.1%から31.6%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては1,271百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては171百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては333百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し766百万円増加し、1,887百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,271百万円(前年同期比389.9%増)となりました。
これは主に、税引前当期純利益が135百万円計上されたこと、減価償却費が476百万円計上されたこと、売上債権の増加額△306百万円、仕入債務の減少額△176百万円、在庫の削減を目的とした生産調整に伴うたな卸資産の減少額1,019百万円などの要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、171百万円(前年同期比14.6%減)となりました。
これは主に、生産能力の向上や生産効率の強化を目的として設備投資を行ったことに伴う、有形固定資産の取得による支出が170百万円計上されたことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、333百万円(前年同期比18.6%減)となりました。
これは主に長期借入れによる収入1,050百万円、長期借入金の返済による支出1,189百万円、リース債務の返済による支出144百万円、配当金の支払い49百万円が計上されたことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)9,087,799108.8
ホーム産業事業(千円)705,269111.8
合計(千円)9,793,068109.0

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)6,150120.6
ホーム産業事業(千円)293,737120.4
合計(千円)299,888120.4

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3)受注実績
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)9,533,449114.0
ホーム産業事業(千円)1,062,675105.4
合計(千円)10,596,125113.0

(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に
対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
BASFジャパン㈱2,333,02724.93,026,00128.6
大塚化学㈱(注)31,224,41613.1--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度の大塚化学㈱への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。この見積り及び仮定設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っております。特に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業収益等の減少の影響は1年程度で概ね回復するという前提に基づき会計上の見積りを行っておりますが、その解消時期について合理的な見通しを立てることは極めて困難であり、見積り特有の不確実性が非常に高く、実際の結果は当初の見積りと大きく異なる場合があります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を含めた重要な会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 注記事項(追加情報)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、創業以来培ってきた有機化学合成の高い技術力を背景に、特定の大口取引先の協力を得ながら成長、発展してまいりました。しかしながら、主力販売製品のコモディティ化に伴うコンペティターの台頭や環境対応に関する国内外の法的規制の強化といった外部要因による停滞、産業の成熟化に伴う市場規模の成長の鈍化といった、事業環境の変化により引き起こされる数々の問題に直面しております。
このような状況下、持続的な発展を裏付ける磐石な経営を実現させるために、特定取引先との協力関係を維持する一方で、新たな柱の構築による第二の創業を目指し、当社は有機ELをはじめとする研究開発体制の強化と販売チャネルの多様化を目的とした受託ビジネスの強化を行ってまいりました。
しかしながら、受託ビジネスについては徐々に成果が見えてきたものの、紫外線吸収剤をはじめとする化学品事業のうち、既存製品に関する売上高は化学品事業全体の80%程度と依然高い割合を占め、有機ELをはじめとする新規ビジネスについては成長の半ばであり、更なる対応が急務でございます。また、いまだ大きな影響が顕在化していないとはいえ、いわゆるコロナ禍に伴う原材料調達リスクや受注急落リスク等への対応は、事業活動を継続していくうえでの必須の事項であります。
上記を踏まえ、当社は今後既存製品に関しては品質改善による顧客満足度の向上と生産効率の改善、要請されている新たな生活様式を踏まえたうえでの対面にとらわれない革新的な対話を軸に、既存の取引先との協力関係を維持・強化していく方針であります。
受託製品に関しては既存受託先との取引関係を強化する一方で、新規顧客を開拓する等、コロナ禍の環境下限られた新たなビジネスチャンスを逃さないように外部機関等も活用し、持続的な工場稼働率の向上を実現していきます。
有機ELをはじめとする新規ビジネスに関しては市場拡大局面にあり、新たなステージにおける販売シェア獲得を必達するために、既成概念にとらわれず産学協同で研究開発・製造・販売の三位一体となった変革へのチャレンジを実践していきます。
当社は以上のような取り組みを通じて企業の永続的な発展を実現し、企業価値・株主価値向上を達成し、株主の皆様のご期待に応えるよう努める所存でございます。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、受託製造製品等の販売の増加等があるものの特定販売先への依存度が高く、依然として当社の業績に影響を受ける可能性があります。
また、有機ELをはじめとする新製品については将来の成長事業に育成すべく注力しておりますが、競合各社も新規製品開発に取り組んでおり、当社が開発した製品が中・長期的に販売できないケースがあります。
さらに、当社の継続事業にかかるたな卸資産は主として将来需要および市場動向に基づく見込み生産によるものでありますので、現在国内にて懸念されているコロナ禍や南海トラフ地震等に伴う実需および予測せざる市場動向次第では在庫増加を要因とした生産調整を実施する場合があり、それに伴う生産休止費用が業績に与える影響も無視できません。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。
1)資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資につきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。銀行からの借入による資金調達に関しては、短期借入金に関しては変動金利により、長期借入金に関しては主として固定金利により行っております。
2)資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投資が主な内容であります。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う資金面での影響は現段階では不透明ではございますが、成長の原資たる設備投資や研究開発投資等については当期も継続していく所存です。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向を注視しつつ、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。
3)キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比766百万円増加し、1,887百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当事業年度は以下の通りとなりました。
ROE(株主資本利益率) 現状: 2.1% (中長期目標:10.0%)
売上高経常利益率 現状: 1.5% (中長期目標:10.0%)
自己資本比率 現状:31.6% (中長期目標:40.0%)
当社といたしましては、創業以来の成長と実績を礎に上記指標を一層改善することを通じて、永続性のある更なる盤石な経営の実現を目指し、鋭意取り組んでいく所存でございます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
化学品事業
化学品事業における販売はOEM販売や受託製造製品等の販売が主流であり、特定販売先については総売上高の約3割の依存関係となっております。既存の販売先については安定的な供給を継続しつつ、有機合成技術を駆使した高品質な新規製品による海外販売を展開することにより、直販比率を向上させることで安定収益に繋げていきます。
ホーム産業事業
ホーム産業事業における販売は木材保存薬剤を主力とし、ホームセンター向け塗料、室内用および業務用塗料の新規開発・販売拡大を目指して安定収益に繋げていきます。

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