有価証券報告書-第40期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 13:34
【資料】
PDFをみる
【項目】
120項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく減速した後、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、変異ウイルスの出現やワクチン接種の進捗への不安等から、引き続き感染拡大への警戒感は強く、今後の経済動向には予断を許す状況とはなっておりません。
米国経済は、企業業績の改善と個人消費の拡大から徐々に上向いてきたものの、欧州経済は停滞傾向が続いております。一方、中国経済は回復傾向を維持したものの力強さはなく、新興国経済も一進一退で推移しました。日本経済についても、海外経済の影響等もあり輸出の鈍化が依然として継続し、個人消費の落ち込みもあり厳しい環境となっております。
このような経済環境の中で、当社の属するファインケミカル業界につきましても不透明感は強く、加えて原材料の価格変動や供給不安また販売価格競争の継続もあり、売上・収益環境の厳しさに変化はありません。
具体的な当社の当事業年度における業績は、主力製品である紫外線吸収剤の売上高が大きく減収となり、電子材料や写真薬中間体等も減収となる一方で受託製造製品等が、相応に増収を確保したものの化学品事業全体では減収となりました。ホーム産業事業も、木材保存薬剤の販売は堅調であったものの、シロアリ駆除工事等が抑制されたことから減収となりました。売上高全体では、前年同期比1,042百万円減収の9,553百万円(前年同期比9.8%減)となりました。利益面については、受託製造製品等の積極的取り込みや経費圧縮等で減収の影響をおぎなったものの営業利益は349百万円(同9.8%減)、経常利益は営業外費用として生産休止費用を176百万円計上した結果110百万円(同31.6%減)となりました。税引前当期純利益につきましては、特別利益として土地売却益6百万円、保険解約返戻金43百万円、特別損失として訴訟関連損失4百万円、減損損失5百万円を計上したことから150百万円となりました。当期純利益につきましては、法人税、住民税及び事業税が8百万円、税効果会計における課税所得の見積り期間を拡大したことから法人税等調整額が△37百万円となり180百万円(同98.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤が前年同期比963百万円減の5,294百万円(前年同期比15.4%減)となったことに加えて、電子材料が同159百万円減の216百万円(同42.4%減)、写真薬中間体が同128百万円減の157百万円(同44.9%減)となり、受託製造製品が同214百万円増の2,123百万円(同11.2%増)、製紙用薬剤が同35百万円増の309百万円(同13.1%増)、酸化防止剤が同3百万円増の366百万円(同0.8%増)であったものの、全体では同1,001百万円減の8,531百万円(同10.5%減)で着地いたしました。また、セグメント利益では682百万円(同6.1%減)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、木材保存薬剤の売上高が前年同期比9百万円増の870百万円(前年同期比1.1%増)となる一方で、その他が同50百万円減の151百万円(同25.2%減)となったことから、全体では同41百万円減の1,021百万円(同3.9%減)となりました。また、セグメント利益では62百万円(同56.0%増)を計上いたしました。
品目別売上高の状況は、次のとおりです。
(品目別販売実績) (単位:千円、%)
セグメント別期別前事業年度当事業年度増減
2020年3月期2021年3月期
区分金額構成比金額構成比金額
化学品事業紫外線吸収剤6,257,66459.15,294,50555.4△ 963,159
写真薬中間体286,3602.7157,6851.7△ 128,674
製紙用薬剤273,3402.6309,0243.235,683
酸化防止剤363,6383.4366,7203.83,082
電子材料375,4013.5216,3862.3△ 159,015
受託製造製品1,909,14518.02,123,46022.2214,315
その他67,8980.664,0920.7△ 3,806
(小 計)9,533,44990.08,531,87589.3△ 1,001,574
ホーム産業事業木材保存薬剤860,4758.1870,1309.19,655
その他202,2001.9151,3171.6△ 50,882
(小 計)1,062,67510.01,021,44810.7△ 41,227
合 計10,596,125100.09,553,323100.0△ 1,042,801

(注)金額には消費税等を含んでおりません。
②資産、負債及び純資産の状況
当事業年度(以下「当期」という。)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という。)比133百万円減少し、13,643百万円となりました。流動資産は同332百万円減少の7,874百万円、固定資産は同198百万円増加の5,769百万円となりました。
流動資産の減少の主な要因は、売掛金が262百万円、商品及び製品が214百万円、原材料及び貯蔵品が85百万円減少した一方で、現金及び預金が247百万円増加したことなどによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、リース資産(純額)が238百万円増加したことなどによるものであります。
当期の負債は前期末比298百万円減少し9,118百万円となりました。流動負債は同308百万円減少の5,970百万円、固定負債は同9百万円増加の3,147百万円となりました。
流動負債の減少の主な要因は、電子記録債務が64百万円、未払法人税等が77百万円、営業外電子記録債務が46百万円、その他の流動負債が145百万円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が87百万円増加したことなどによるものであります。固定負債の増加の主な要因は、長期借入金が25百万円、リース債務が240百万円、退職給付引当金が20百万円増加した一方で、未払役員退職慰労金が300百万円減少したことなどによるものであります。
当期の純資産は前期末比164百万円増加し、4,525百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、当期純利益180百万円を計上したことに加え、その他有価証券評価差額金が32百万円増加した一方で、配当金の支払57百万円があったことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は、前期末の31.6%から33.2%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては588百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては222百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては118百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し246百万円増加し、2,134百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、588百万円(前年同期比53.7%減)となりました。
これは主に、減価償却費が503百万円計上されたこと、売上債権の減少額268百万円、在庫の削減を目的とした生産調整に伴うたな卸資産の減少額319百万円、未払役員退職慰労金の減少額△300百万円などの要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、222百万円(前年同期比29.9%増)となりました。
これは主に、生産能力の向上や生産効率の強化を目的として設備投資を行ったことに伴う、有形固定資産の取得による支出が320百万円計上されたこと、保険積立金の解約による収入92百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、118百万円(前年同期比64.5%減)となりました。
これは主に長期借入れによる収入1,350百万円、長期借入金の返済による支出1,236百万円、リース債務の返済による支出174百万円、配当金の支払い57百万円が計上されたことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)8,271,45191.0
ホーム産業事業(千円)745,905105.8
合計(千円)9,017,35692.1

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)9,074147.5
ホーム産業事業(千円)251,98485.8
合計(千円)261,05887.1

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3)受注実績
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
(%)
化学品事業(千円)8,531,87589.5
ホーム産業事業(千円)1,021,44896.1
合計(千円)9,553,32390.2

(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に
対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
BASFジャパン㈱3,026,00128.62,402,45325.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2021年3月31日)現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。この見積り及び仮定設定に関しては、過去の実績や状況に応じた合理的かつ妥当な判断を行っております。特に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業収益等の減少の影響から回復するには、さらに1年程度の期間を要するという前提に基づき会計上の見積りを行っておりますが、その解消時期について依然合理的な見通しを立てることは極めて困難であり、見積り特有の不確実性が非常に高く、実際の結果は当初の見積りと大きく異なる場合があります。
なお、当社の採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を含めた重要な会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、創業以来培ってきた有機化学合成の高い技術力を背景に、特定の大口取引先の協力を得ながら成長、発展してまいりました。しかしながら、主力販売製品のコモディティ化に伴うコンペティターの台頭や環境対応に関する国内外の法的規制の強化といった外部要因による停滞、産業の成熟化に伴う市場規模の成長の鈍化といった、事業環境の変化により引き起こされる数々の問題に直面しております。
このような状況下、持続的な発展を裏付ける磐石な経営を実現させるために、特定取引先との協力関係を維持する一方で、新たな柱の構築による第二の創業を目指し、当社は有機ELをはじめとする研究開発体制の強化と販売チャネルの多様化を目的とした受託ビジネスの強化を行ってまいりました。
しかしながら、受託ビジネスについては徐々に成果が見えてきたものの、紫外線吸収剤をはじめとする化学品事業のうち、既存製品に関する売上高は化学品事業全体の80%程度と依然高い割合を占め、有機ELをはじめとする新規ビジネスについては成長の半ばであり、更なる対応が急務でございます。また、いわゆるコロナ禍に伴う原材料調達リスクや受注急落リスク等への対応は、依然として事業活動を継続していくうえでの必須の事項と考えております。
上記を踏まえ、当社は今後既存製品に関しては品質改善による顧客満足度の向上と生産効率の改善、要請されている新たな生活様式を踏まえたうえでの対面にとらわれない革新的な対話を軸に、既存の取引先との協力関係を維持・強化していく方針であります。
受託ビジネスに関しては既存受託先との取引関係を強化する一方で、新規顧客を開拓する等、コロナ禍の環境下限られた新たなビジネスチャンスを逃さないように外部機関等も活用し、持続的な工場稼働率の向上を実現していきます。
有機ELをはじめとする新規ビジネスに関しては市場拡大局面にあり、新たなステージにおける販売シェア獲得を必達するために、既成概念にとらわれず産学協同で研究開発・製造・販売の三位一体となった変革へのチャレンジを実践していきます。
当社は以上のような取り組みを通じて企業の永続的な発展を実現し、企業価値・株主価値向上を達成し、株主の皆様のご期待に応えるよう努める所存でございます。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、受託製造製品等の販売の増加等があるものの特定販売先への依存度が高く、依然として当社の業績に影響を受ける可能性があります。
また、有機ELをはじめとする新製品については将来の成長事業に育成すべく注力しておりますが、競合各社も新規製品開発に取り組んでおり、当社が開発した製品が中・長期的に販売できないケースがあります。
さらに、当社の継続事業にかかるたな卸資産は主として将来需要および市場動向に基づく見込み生産によるものでありますので、現在国内にて懸念されているコロナ禍や南海トラフ地震等に伴う実需および予測せざる市場動向次第では在庫増加を要因とした生産調整を実施する場合があり、それに伴う生産休止費用が業績に与える影響も無視できません。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、以下の通りであります。
1)資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資につきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。銀行からの借入による資金調達については、短期借入金に関しては変動金利により、長期借入金に関しては主として固定金利により行っております。
2)資金需要の主な内容
当社の資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投資が主な内容であります。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う資金面での影響は今なお不透明ではございますが、成長の原資たる設備投資や研究開発投資等については当期も継続していく所存です。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向を注視しつつ、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。
3)キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローにつきましては、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比246百万円増加し、2,134百万円となりました。当事業年度における状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当事業年度は以下の通りとなりました。
ROE(株主資本利益率) 現状: 4.1% (中長期目標:10.0%)
売上高経常利益率 現状: 1.2% (中長期目標:10.0%)
自己資本比率 現状:33.2% (中長期目標:40.0%)
当社といたしましては、創業以来の成長と実績を礎に上記指標を一層改善することを通じて、永続性のある更なる盤石な経営の実現を目指し、鋭意取り組んでいく所存でございます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
化学品事業
化学品事業における販売はOEM販売や受託製造製品等の販売が主流であり、特定販売先については総売上高の約3割の依存関係となっております。既存の販売先については安定的な供給を継続しつつ、有機合成技術を駆使した高品質な新規製品による海外販売を展開することにより、直販比率を向上させることで安定収益に繋げていきます。
ホーム産業事業
ホーム産業事業における販売は木材保存薬剤を主力とし、ホームセンター向け塗料、室内用および業務用塗料の新規開発・販売拡大を目指して安定収益に繋げていきます。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。