有価証券報告書-第154期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 9:06
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりや、各国の政治・政策動向など依然として不確実性が見られますが、米国の好調な企業マインドや雇用の改善、欧州の底堅い個人消費などに加え、中国を始めアジア新興国も各種政策の効果により景気の持ち直しの動きが継続しました。わが国経済は、世界景気や雇用所得環境の改善を受け、景気は緩やかに回復しました。
当社グループの当連結会計年度における売上高は4,019億77百万円(前期比21.7%増)となりましたが、営業利益は原材料価格高騰や販売費及び一般管理費が増加したことにより358億2百万円(前期比1.4%増)となりました。経常利益は為替差損が減少したものの、アジアでの持分法投資利益が減少したことや、貸倒引当金を計上したことなどにより332億41百万円(前期比16.9%減)となりました。また、日本において退職給付制度改定益の計上がありました一方、土地の減損損失を計上しました。さらに、アフリカにおいて早期割増退職金を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は177億1百万円(前期比26.8%減)となりました。
各セグメントの状況は以下のとおりであります。
1)日本
自動車分野は、新車用分野では自動車生産台数が前年を上回り、売上は伸長しました。工業分野では、建設機械向け塗料などが堅調に推移し、売上は前年を上回りました。防食分野においては市況に回復の動きが見られ、売上は前年を上回りました。自動車分野(補修用)では、市況が低調に推移するなか、高付加価値製品の拡販に努めましたが、売上は前年を僅かながら下回りました。建築分野及び船舶分野においては、市況の本格的回復にはいたらず、売上は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメント全体の売上は前年を上回りました。しかしながら、為替差損が減少したものの原材料価格の高騰や、業績が低迷している中東地域の関連会社向けの債権について貸倒引当金を計上したことなどにより利益は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,555億52百万円(前期比2.7%増)、経常利益は190億51百万円(前期比19.1%減)となりました。
2)インド
引き続き経済が伸長するなか、自動車分野では自動車生産台数の増加が続き、売上は伸長しました。建築分野においても、需要拡大が継続するなか販売活動の促進に取組み、売上は伸長しました。原材料価格高騰の影響を受けたもののコスト低減に努め、利益は増加しました。また、円貨ベースでの業績は、為替換算による押し上げの影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は834億32百万円(前期比11.7%増)、経常利益は133億66百万円(前期比15.0%増)となりました。
3)アジア
中国においては、自動車生産は堅調に推移し、自動車分野での売上は前年並みを維持しました。工業分野の売上は建設機械向け塗料などが伸長し、中国全体での売上は前年を上回りました。一方、ローカル自動車メーカー向けの販売が振るわなかったことから持分法投資利益は減少しました。インドネシアにおいては、経済が堅調に推移するなか、自動車分野及び建築分野において売上は前年を上回りました。タイにおいては、自動車生産に回復の動きが見られたものの、業績は前年を下回りました。中東地域においては、積極的に販売活動の促進に努めましたが、業績は低調に推移しました。また、事業計画が当初の予定よりも遅延しており収益性が低下していることから、のれん相当額の減損処理を行い、持分法投資利益は大きく減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は633億円(前期比11.8%増)となりましたが、経常利益は原材料価格高騰の影響や販売費及び一般管理費が増加したこと、さらに持分法投資利益が大幅に減少したことなどにより4億31百万円(前期比93.4%減)となりました。
4)アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国の経済が低迷するなか、引き続き販売活動の促進に努めました。また、2017年8月に連結子会社化した、東アフリカ地域各社の業績が寄与し、売上は前年を上回りました。しかしながら、通貨安による原材料価格の高騰及び価格競争の激化、また株式取得関連費用を計上したことなどから、収益は大きく圧迫され、業績は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は351億32百万円(前期比25.4%増)、経常損益はのれんの償却を含め経常損失49億65百万円(前期比 - %)となりました。
5)欧州
トルコでは、自動車生産の増加を受け、自動車用及び自動車部品向け塗料が好調に推移し、現地通貨ベースでは売上は大きく増加し、各種コスト低減にも努めました結果、利益も大きく増加しました。しかしながら、円貨ベースでの業績は為替換算による押し下げの影響を受けました。
なお、2016年12月に持分法適用会社とした、トルコのPolisan Kansai Boya Sanayi Ve Ticaret A.S.の業績を、のれん相当額の償却を含め、持分法投資利益に計上しております。また、2017年3月に連結子会社化した、Kansai Helios Groupの業績を、のれんの償却を含め計上しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は590億98百万円(前期比251.1%増)、経常利益は43億95百万円(前期比329.1%増)となりました。
6)その他
北米では、自動車生産は低調に推移し、競争の激化等の影響もあり、持分法投資利益は減少しました。
なお、2016年8月に連結子会社化した、米国のU.S. Paint Corporationの業績を、のれんの償却を含め計上しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は54億61百万円(前期比106.6%増)、経常利益は9億63百万円(前期比4.1%減)となりました。
(財政状態の状況)
1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、2,662億14百万円(前期末比322億61百万円増)となりました。
流動資産の増加は、主に現金及び預金及び受取手形及び売掛金などの増加によるものであります。
2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、3,375億51百万円(前期末比293億40百万円増)となりました。
固定資産の増加は、主に有形固定資産及びのれんなどの増加によるものであります。
3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,363億10百万円(前期末比368億37百万円増)となりました。
流動負債の増加は、主に支払手形及び買掛金及び短期借入金などの増加によるものであります。
4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、1,450億29百万円(前期末比14億96百万円減)となりました。
固定負債の減少は、主に長期借入金及び退職給付に係る負債などの減少によるものであります。
5)純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,224億25百万円(前期末比262億60百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ88億57百万円増加し611億71百万円となりました。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比43億63百万円収入が増加し、335億9百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益342億58百万円及び仕入債務の増加額116億91百万円の収入、法人税等の支払額154億20百万円の支出などによるものであります。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比632億63百万円支出が減少し、337億56百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出154億86百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出133億67百万円などによるものであります。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比522億4百万円収入が減少し、80億59百万円の収入となりました。これは主に、短期借入金の増加額186億78百万円の収入、長期借入金の返済による支出22億48百万円、配当金の支払額63億26百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
日本80,2173.6
インド54,09310.9
アジア47,42814.1
アフリカ22,51622.3
欧州42,851462.4
報告セグメント計247,10727.5
その他2,136168.9
合計249,24328.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、欧州におけるKansai Helios Groupの連結子会社化などによるものであります。
2)受注実績
当社グループは、見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
日本155,5522.7
インド83,43211.7
アジア63,30011.8
アフリカ35,13225.4
欧州59,098251.1
報告セグメント計396,51621.0
その他5,461106.6
合計401,97721.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、欧州におけるKansai Helios Groupの連結子会社化などによるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組み等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
(資本の財源及び資金の流動性)
・資金需要
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。
・財務政策
当社グループは、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
当社は機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の社債の未使用枠は、50,000百万円であります。
また、2016年6月に、当社は事業拡大に資する成長資金を低コストで調達することに加え、機動的な戦略投資を行っていくための強固で柔軟性の高い財務体質を維持することを目的に新株予約権付社債を発行いたしました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、成長性と収益性の両立を図りながら、企業価値の向上を目指しております。主な経営指標として、EBITDAの拡大とともに、継続的にROE10%超を目標としております。
当連結会計年度におけるEBITDAは、564億円(前期比6.3%増)、ROEは、6.7%(前期比2.8ポイント減)、のれんの償却の影響を除いた調整後ROEは9.5%(前期比0.6ポイント減)となりました。

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