有価証券報告書-第156期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりが継続し、各国の政治・政策・通商問題の動向など依然として先行き不透明な状況が続きました。そのような状況下、欧州や中国及びその他のアジア新興国では弱さが見られましたが、米国の個人消費や政府支出に支えられ、鈍化しているものの総じて緩やかな回復が継続しました。わが国経済は、期初より雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しが見られ、回復傾向にありましたが、世界経済の減速を受け輸出を中心に弱さが見られ低調に推移しました。さらに、期末にかけて発生いたしました新型コロナウイルス感染症拡大から、国内外の景気は急速に悪化し、大変厳しい状況にあります。
当社グループの当連結会計年度における売上高は4,068億86百万円(前期比4.8%減)となり、営業利益は原材料価格の下落や販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高減少の影響により315億10百万円(前期比2.5%減)となりました。しかしながら、経常利益は為替差損が増加したものの、持分法投資利益が増加したことなどにより、348億74百万円(前期比0.1%増)となりました。また、投資有価証券売却益が減少したほか、アフリカにおいて、のれんの一時償却を行いました一方、中東地域における事業会社の株式を譲渡し、関係会社株式売却益を計上したほか、前年度には債務保証損失引当金を計上していたことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は184億77百万円(前期比6.2%増)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。
1)日本
自動車分野は、新車用分野では自動車生産台数が前年を下回ったほか、輸出が減少したことなどから売上は前年を下回りました。工業分野では、堅調に推移していた自動車部品向け塗料や産業機械向け塗料などが下期に入り低調に推移したことにより、売上は前年を下回りました。建築分野及び防食分野では、市況が堅調に推移するなか、売上は前年を僅かながら上回りました。船舶分野では、修繕船を中心に回復が見られるものの、売上は前年を僅かながら下回りました。自動車分野(補修用)では、市況が低調に推移するなか、高付加価値製品の拡販に努めましたが、売上は前年を下回りました。
これらの結果、売上高は1,550億78百万円(前期比2.7%減)、経常利益は181億53百万円(前期比7.2%減)となりました。
2)インド
自動車分野では自動車生産台数が前年を大幅に下回り、売上は前年を下回りました。建築分野では需要拡大継続のもと販売活動の促進に取組み、売上は前年を上回りましたが、自動車分野での売上の減少の影響が大きく、当セグメント全体では、売上は前年を下回りました。原材料価格は安定的に推移しましたが、売上高の減少を補えず利益は減少しました。さらに、円貨ベースでの業績は為替換算による押し下げの影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は816億97百万円(前期比6.0%減)、経常利益は102億68百万円(前期比7.1%減)となりました。
3)アジア
中国においては、自動車生産台数が前年を下回るなか、主要顧客の需要が伸びたものの、自動車分野での売上は前年を下回りました。工業分野では、建設機械向け塗料において、主要顧客の需要が減少し、売上は前年を下回りました。これらの結果、中国全体での売上は前年を下回りました。インドネシアにおいては、景気の減速感が強まるなか自動車生産台数が前年を下回り、自動車分野での売上は前年を下回りました。タイにおいても、自動車生産台数が前年を下回り売上は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は601億76百万円(前期比5.7%減)となりました。中国の持分法投資利益が減少したものの、原材料価格が下落したことや、中東地域における事業縮小・撤退により持分法投資損失が抑えられたことなどから、経常利益は54億56百万円(前期比1.1%増)となりました。
4)アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国の経済が低迷するなか、引き続き販売活動の促進に努めました。原材料価格は下落しているものの、通貨安が継続していることや、価格競争の激化などから、前年度から改善はしているものの収益は大きく圧迫されました。
これらの結果、当セグメントの売上高は357億42百万円(前期比9.4%減)、経常損益はのれんの償却を含め経常損失29億67百万円(前期比 - %)となりました。
5)欧州
トルコでは、現地通貨ベースでの売上は伸長しましたが、通貨安による原材料価格への影響等が収益を圧迫しました。一方、国内景気の低迷を受け、建築分野での需要の低迷が継続しているものの、持分法投資利益は増加しました。その他欧州各国においては、工業分野が堅調に推移し現地通貨ベースでは売上は増加しました。しかしながら、為替換算による押し下げの影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は681億68百万円(前期比5.2%減)、経常利益はのれんの償却を含め27億19百万円(前期比15.2%増)となりました。
6)その他
北米では、工業分野において自動車部品向け塗料などの拡販に努め売上は伸長し、また、持分法投資利益も増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は60億21百万円(前期比1.1%増)、経常利益は12億43百万円(前期比139.9%増)となりました。
(財政状態の状況)
1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、2,409億38百万円(前期末比252億33百万円減)となりました。
流動資産の減少は、主に1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還による現金及び預金の減少などによるものであります。
2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、3,031億85百万円(前期末比147億77百万円減)となりました。
固定資産の減少は、主に投資有価証券及びのれんなどの減少によるものであります。
3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,121億13百万円(前期末比456億97百万円減)となりました。
流動負債の減少は、主に1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債などの減少によるものであります。
4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、1,113億13百万円(前期末比56億49百万円増)となりました。
固定負債の増加は、主に長期借入金などの増加によるものであります。
5)純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,206億97百万円(前期末比36百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ196億12百万円減少し505億94百万円となりました。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比46億91百万円収入が増加し、403億24百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益344億90百万円及び減価償却費144億82百万円などの収入、法人税等の支払額125億61百万円の支出などによるものであります。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比45億84百万円支出が増加し、220億45百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額128億3百万円の支出などによるものであります。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比304億39百万円支出が増加し、374億3百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入額67億79百万円、短期借入金の純増減額65億79百万円などの収入、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出額400億円、配当金の支払額74億88百万円などの支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)受注実績
当社グループは、見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益
2.調整後ROE=(当期純利益+のれん償却費) / 株主資本(期首期末平均)
円高による為替換算影響及び新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響を控除した当連結会計年度の連結売上高は4,245億円(前期比0.6%減)と前年並みとなりました。また、低収益資産の整理、海外事業の収益性向上及び日本における品種構成の改善活動及び原価低減活動により、連結EBITDAマージンは13.5%(前期比0.9ポイント増)、調整後ROEは8.7%(前期比0.5ポイント増)となり、2021年度目標に向けて着実に進捗しております。
(マネジメント・サイクル)
上記目標を達成するために、当社はマネジメント・サイクルを活用して第16次中期経営計画にて策定した「資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長」、「事業競争力の向上」及び「グループ総合力の向上」の重点方針のもと、提出日現在までに次のような取り組みを行ってまいりました。
・低収益資産の整理
第1弾として5社+1Project撤退。第2弾として中東・ナイジェリア地域の事業撤退。
・業績改善分科会の設立
中長期視点での競争力強化及び企業文化改善の推進を目的に、デジタル化を核として規程、業務プロセス、人財育成等、経営課題の改善・改革活動を実施。
・組織変革
2020年4月経営推進本部及び内部統制室発足。両部門が連携し、ガバナンス強化を推進。
地域別セグメントの業績は次のとおりであります。
事業部別セグメントの当連結会計年度の売上高と対前期比増減率の内訳は次のとおりであります。
上記を踏まえた上での経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
1)売上高及び営業利益
当期の売上高は前期比4.8%減、205億39百万円減収の4,068億86百万円となり、営業利益は前期比2.5%減、7億95百万円減の315億10百万円となりました。国内、インド及びアジア諸国における自動車生産台数減少に伴う自動車用塗料及び中国をはじめとしたアジア諸国における工業用塗料の売上数量減少により売上高は減収となりました。各セグメントの詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。営業利益は原材料価格の下落及び原価・経費低減活動の取り組みがありましたが、売上高の減収を補うことができず減益となりました。その他の要因は次のとおりです。
(円高による為替換算の影響)売上高147億28百万円の減収、営業利益5億22百万円の減益
(新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響)
売上高29億80百万円の減収(日本セグメント 6億70百万円の減収、インドセグメント 23億10百万円の減収)
営業利益4億54百万円の減益(日本セグメント 1億59百万円の減益、インドセグメント 2億95百万円の減益)
(当社の売上高及び営業利益に影響を与える主要な指標)
出所:日本自動車工業会及びマークラインズ
(単位:円/kl)
上記数値は当社推定値であります。
2)営業外損益及び経常利益
当期の営業外損益は前期比8億31百万円増加の33億63百万円のプラスとなりました。主な増加要因は中東地域に対する貸倒引当金繰入額の減少及び同地域からの持分法による投資損失の減少によるものです。主な減少要因は、社債償還に伴う受取利息の減少及び為替差損の増加によるものです。
これらの結果、当期の経常利益は前期比0.1%増、36百万円増益の348億74百万円となりました。
3)特別損益及び税金等調整前当期純利益
当期の特別損益は前期比7億87百万円増加の3億84百万円のマイナスとなりました。主な増加要因は中東地域の株式売却による関係会社株式売却益の増加及び同地域への債務保証損失引当金繰入額の減少によるものです。主な減少要因は投資有価証券売却益の減少及びアフリカ地域で発生したのれんの一時償却によるものです。
これらの結果、当期の税金等調整前当期純利益は前期比2.4%増、8億23百万円増益の344億90百万円となりました。
4)法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益
当期の法人税等は、前期比11億1百万円減少の113億10百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億71百万円増加の184億77百万円となりました。
財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は次のとおりであります。
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組み等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大における当社グループの対応といたしましては、代表取締役専務執行役員 古川秀範を委員長とした新型コロナウイルス対策委員会を発足し、全社方針「社員と家族の安全第一」及び「会社機能を維持し事業を継続する」のもと、国内外の情報を集約かつ共有した上で、次のとおりの対応を実施しております。
・安全を確保しながら事業を継続
・在宅勤務とスプリット制の推進
・感染者発生を前提とした事業継続体制の構築
・直接部門でも、ソーシャルディスタンスを確保する業務体制の構築
・感染者発生時には政府・行政と連携し、事業所閉鎖・徹底した消毒の後最短で事業を再開
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。また、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
当社は機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の社債の未使用枠は、50,000百万円であります。
また、2016年6月に、当社は事業拡大に資する成長資金を低コストで調達することに加え、機動的な戦略投資を行っていくための強固で柔軟性の高い財務体質を維持することを目的に新株予約権付社債を発行いたしました。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動低迷等の不測の事態に備えて2020年5月に40,000百万円の借入による資金調達を実施いたしました。なお、さらなる長期化に備えるため、金融機関とのコミットメントラインの締結及びコマーシャルペーパー発行等の資金調達手段の拡充についても検討を開始しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点における入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(有形固定資産及び無形固定資産)
固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
その他有価証券のうち時価のあるものについては、時価が取得原価に比して50%以上下落した場合は、時価の回復可能性がないものとして一律に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には、時価の回復可能性の判定を行い、減損処理の要否を決定しております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる非上場株式の減損処理にあたっては、財政状態の悪化があり、かつ実質価額が取得原価に比して50%以上下落した場合は原則減損としますが、個別に回復可能性を判断し、最終的に減損処理の要否を決定しております。回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりが継続し、各国の政治・政策・通商問題の動向など依然として先行き不透明な状況が続きました。そのような状況下、欧州や中国及びその他のアジア新興国では弱さが見られましたが、米国の個人消費や政府支出に支えられ、鈍化しているものの総じて緩やかな回復が継続しました。わが国経済は、期初より雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しが見られ、回復傾向にありましたが、世界経済の減速を受け輸出を中心に弱さが見られ低調に推移しました。さらに、期末にかけて発生いたしました新型コロナウイルス感染症拡大から、国内外の景気は急速に悪化し、大変厳しい状況にあります。
当社グループの当連結会計年度における売上高は4,068億86百万円(前期比4.8%減)となり、営業利益は原材料価格の下落や販売費及び一般管理費が減少したものの、売上高減少の影響により315億10百万円(前期比2.5%減)となりました。しかしながら、経常利益は為替差損が増加したものの、持分法投資利益が増加したことなどにより、348億74百万円(前期比0.1%増)となりました。また、投資有価証券売却益が減少したほか、アフリカにおいて、のれんの一時償却を行いました一方、中東地域における事業会社の株式を譲渡し、関係会社株式売却益を計上したほか、前年度には債務保証損失引当金を計上していたことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は184億77百万円(前期比6.2%増)となりました。
各セグメントの状況は次のとおりであります。
1)日本
自動車分野は、新車用分野では自動車生産台数が前年を下回ったほか、輸出が減少したことなどから売上は前年を下回りました。工業分野では、堅調に推移していた自動車部品向け塗料や産業機械向け塗料などが下期に入り低調に推移したことにより、売上は前年を下回りました。建築分野及び防食分野では、市況が堅調に推移するなか、売上は前年を僅かながら上回りました。船舶分野では、修繕船を中心に回復が見られるものの、売上は前年を僅かながら下回りました。自動車分野(補修用)では、市況が低調に推移するなか、高付加価値製品の拡販に努めましたが、売上は前年を下回りました。
これらの結果、売上高は1,550億78百万円(前期比2.7%減)、経常利益は181億53百万円(前期比7.2%減)となりました。
2)インド
自動車分野では自動車生産台数が前年を大幅に下回り、売上は前年を下回りました。建築分野では需要拡大継続のもと販売活動の促進に取組み、売上は前年を上回りましたが、自動車分野での売上の減少の影響が大きく、当セグメント全体では、売上は前年を下回りました。原材料価格は安定的に推移しましたが、売上高の減少を補えず利益は減少しました。さらに、円貨ベースでの業績は為替換算による押し下げの影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は816億97百万円(前期比6.0%減)、経常利益は102億68百万円(前期比7.1%減)となりました。
3)アジア
中国においては、自動車生産台数が前年を下回るなか、主要顧客の需要が伸びたものの、自動車分野での売上は前年を下回りました。工業分野では、建設機械向け塗料において、主要顧客の需要が減少し、売上は前年を下回りました。これらの結果、中国全体での売上は前年を下回りました。インドネシアにおいては、景気の減速感が強まるなか自動車生産台数が前年を下回り、自動車分野での売上は前年を下回りました。タイにおいても、自動車生産台数が前年を下回り売上は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は601億76百万円(前期比5.7%減)となりました。中国の持分法投資利益が減少したものの、原材料価格が下落したことや、中東地域における事業縮小・撤退により持分法投資損失が抑えられたことなどから、経常利益は54億56百万円(前期比1.1%増)となりました。
4)アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国の経済が低迷するなか、引き続き販売活動の促進に努めました。原材料価格は下落しているものの、通貨安が継続していることや、価格競争の激化などから、前年度から改善はしているものの収益は大きく圧迫されました。
これらの結果、当セグメントの売上高は357億42百万円(前期比9.4%減)、経常損益はのれんの償却を含め経常損失29億67百万円(前期比 - %)となりました。
5)欧州
トルコでは、現地通貨ベースでの売上は伸長しましたが、通貨安による原材料価格への影響等が収益を圧迫しました。一方、国内景気の低迷を受け、建築分野での需要の低迷が継続しているものの、持分法投資利益は増加しました。その他欧州各国においては、工業分野が堅調に推移し現地通貨ベースでは売上は増加しました。しかしながら、為替換算による押し下げの影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は681億68百万円(前期比5.2%減)、経常利益はのれんの償却を含め27億19百万円(前期比15.2%増)となりました。
6)その他
北米では、工業分野において自動車部品向け塗料などの拡販に努め売上は伸長し、また、持分法投資利益も増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は60億21百万円(前期比1.1%増)、経常利益は12億43百万円(前期比139.9%増)となりました。
(財政状態の状況)
1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、2,409億38百万円(前期末比252億33百万円減)となりました。
流動資産の減少は、主に1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還による現金及び預金の減少などによるものであります。
2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、3,031億85百万円(前期末比147億77百万円減)となりました。
固定資産の減少は、主に投資有価証券及びのれんなどの減少によるものであります。
3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,121億13百万円(前期末比456億97百万円減)となりました。
流動負債の減少は、主に1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債などの減少によるものであります。
4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、1,113億13百万円(前期末比56億49百万円増)となりました。
固定負債の増加は、主に長期借入金などの増加によるものであります。
5)純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,206億97百万円(前期末比36百万円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ196億12百万円減少し505億94百万円となりました。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比46億91百万円収入が増加し、403億24百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益344億90百万円及び減価償却費144億82百万円などの収入、法人税等の支払額125億61百万円の支出などによるものであります。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比45億84百万円支出が増加し、220億45百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額128億3百万円の支出などによるものであります。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比304億39百万円支出が増加し、374億3百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入額67億79百万円、短期借入金の純増減額65億79百万円などの収入、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出額400億円、配当金の支払額74億88百万円などの支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 83,581 | △1.8 |
| インド | 50,829 | △14.8 |
| アジア | 45,580 | △7.3 |
| アフリカ | 22,681 | △19.1 |
| 欧州 | 50,049 | △6.1 |
| 報告セグメント計 | 252,721 | △8.2 |
| その他 | 2,797 | 0.2 |
| 合計 | 255,519 | △8.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)受注実績
当社グループは、見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 155,078 | △2.7 |
| インド | 81,697 | △6.0 |
| アジア | 60,176 | △5.7 |
| アフリカ | 35,742 | △9.4 |
| 欧州 | 68,168 | △5.2 |
| 報告セグメント計 | 400,865 | △4.9 |
| その他 | 6,021 | 1.1 |
| 合計 | 406,886 | △4.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。
| 指標 | 当連結会計年度(実績) | 2021年度目標 |
| 連結売上高(百万円) | 406,886 | 490,000 |
| 連結EBITDAマージン(%) | 13.5% | 15.5% |
| 調整後ROE(%) | 8.7% | 10%超 |
| 3カ年累計営業CF(百万円) | 40,324 | 140,000 |
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益
2.調整後ROE=(当期純利益+のれん償却費) / 株主資本(期首期末平均)
円高による為替換算影響及び新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響を控除した当連結会計年度の連結売上高は4,245億円(前期比0.6%減)と前年並みとなりました。また、低収益資産の整理、海外事業の収益性向上及び日本における品種構成の改善活動及び原価低減活動により、連結EBITDAマージンは13.5%(前期比0.9ポイント増)、調整後ROEは8.7%(前期比0.5ポイント増)となり、2021年度目標に向けて着実に進捗しております。
(マネジメント・サイクル)
上記目標を達成するために、当社はマネジメント・サイクルを活用して第16次中期経営計画にて策定した「資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長」、「事業競争力の向上」及び「グループ総合力の向上」の重点方針のもと、提出日現在までに次のような取り組みを行ってまいりました。・低収益資産の整理
第1弾として5社+1Project撤退。第2弾として中東・ナイジェリア地域の事業撤退。
・業績改善分科会の設立
中長期視点での競争力強化及び企業文化改善の推進を目的に、デジタル化を核として規程、業務プロセス、人財育成等、経営課題の改善・改革活動を実施。
・組織変革
2020年4月経営推進本部及び内部統制室発足。両部門が連携し、ガバナンス強化を推進。
地域別セグメントの業績は次のとおりであります。
| セグメント の名称 | 売上高 | 経常利益または経常損失 | EBITDA | EBITDA マージン | ||||
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 当連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (%) | |
| 日本 | 159,339 | 155,078 | △2.7 | 19,552 | 18,153 | △7.2 | 20,653 | 13.3 |
| インド | 86,922 | 81,697 | △6.0 | 11,051 | 10,268 | △7.1 | 12,470 | 15.3 |
| アジア | 63,828 | 60,176 | △5.7 | 5,398 | 5,456 | 1.1 | 8,856 | 14.7 |
| アフリカ | 39,446 | 35,742 | △9.4 | △4,043 | △2,967 | - | 2,734 | 7.6 |
| 欧州 | 71,934 | 68,168 | △5.2 | 2,360 | 2,719 | 15.2 | 8,135 | 11.9 |
| その他 | 5,954 | 6,021 | 1.1 | 518 | 1,243 | 139.9 | 2,034 | 33.8 |
| 合計 | 427,425 | 406,886 | △4.8 | 34,838 | 34,874 | 0.1 | 54,904 | 13.5 |
事業部別セグメントの当連結会計年度の売上高と対前期比増減率の内訳は次のとおりであります。
| セグメント の名称 | 自動車塗料 | 工業塗料 | 建築塗料 | 船舶・防食 塗料 | その他 | 合計 | ||||||
| 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 日本 | 59,614 | △2.8 | 41,284 | △3.4 | 22,076 | 1.7 | 18,801 | △0.6 | 13,302 | △9.1 | 155,078 | △2.7 |
| インド | 21,836 | △22.1 | 11,192 | △2.4 | 48,239 | 1.7 | - | - | 429 | - | 81,697 | △6.0 |
| アジア | 27,980 | 0.5 | 19,259 | △10.7 | 8,761 | △10.1 | 1,677 | 12.2 | 2,497 | △21.4 | 60,176 | △5.7 |
| アフリカ | 4,417 | △30.8 | 4,370 | △21.0 | 24,947 | △9.4 | 418 | - | 1,589 | - | 35,742 | △9.4 |
| 欧州 | 12,206 | △4.9 | 33,315 | △6.4 | 5,349 | △9.1 | 1,564 | △6.4 | 15,732 | △1.3 | 68,168 | △5.2 |
| その他 | 661 | △3.6 | 5,359 | 1.7 | - | - | - | - | - | - | 6,021 | 1.1 |
| 合計 | 126,716 | △7.6 | 114,782 | △6.1 | 109,374 | △2.6 | 22,462 | 1.7 | 33,550 | △0.6 | 406,886 | △4.8 |
上記を踏まえた上での経営成績の状況に関する分析は次のとおりであります。
1)売上高及び営業利益
当期の売上高は前期比4.8%減、205億39百万円減収の4,068億86百万円となり、営業利益は前期比2.5%減、7億95百万円減の315億10百万円となりました。国内、インド及びアジア諸国における自動車生産台数減少に伴う自動車用塗料及び中国をはじめとしたアジア諸国における工業用塗料の売上数量減少により売上高は減収となりました。各セグメントの詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。営業利益は原材料価格の下落及び原価・経費低減活動の取り組みがありましたが、売上高の減収を補うことができず減益となりました。その他の要因は次のとおりです。
(円高による為替換算の影響)売上高147億28百万円の減収、営業利益5億22百万円の減益
(新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響)
売上高29億80百万円の減収(日本セグメント 6億70百万円の減収、インドセグメント 23億10百万円の減収)
営業利益4億54百万円の減益(日本セグメント 1億59百万円の減益、インドセグメント 2億95百万円の減益)
(当社の売上高及び営業利益に影響を与える主要な指標)
| 国名 | 自動車生産台数(万台) | |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 日本 | 975 | 949 |
| インド | 514 | 418 |
| 中国 | 2,781 | 2,572 |
| タイ | 216 | 201 |
| インドネシア | 134 | 129 |
| マレーシア | 56 | 57 |
| トルコ | 153 | 143 |
出所:日本自動車工業会及びマークラインズ
(単位:円/kl)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 上期 | 下期 | 上期 | 下期 | |
| 国内ナフサ価格 | 51,200 | 47,700 | 42,800 | 43,100 |
上記数値は当社推定値であります。
2)営業外損益及び経常利益
当期の営業外損益は前期比8億31百万円増加の33億63百万円のプラスとなりました。主な増加要因は中東地域に対する貸倒引当金繰入額の減少及び同地域からの持分法による投資損失の減少によるものです。主な減少要因は、社債償還に伴う受取利息の減少及び為替差損の増加によるものです。
これらの結果、当期の経常利益は前期比0.1%増、36百万円増益の348億74百万円となりました。
3)特別損益及び税金等調整前当期純利益
当期の特別損益は前期比7億87百万円増加の3億84百万円のマイナスとなりました。主な増加要因は中東地域の株式売却による関係会社株式売却益の増加及び同地域への債務保証損失引当金繰入額の減少によるものです。主な減少要因は投資有価証券売却益の減少及びアフリカ地域で発生したのれんの一時償却によるものです。
これらの結果、当期の税金等調整前当期純利益は前期比2.4%増、8億23百万円増益の344億90百万円となりました。
4)法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益
当期の法人税等は、前期比11億1百万円減少の113億10百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億71百万円増加の184億77百万円となりました。
財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は次のとおりであります。
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組み等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大における当社グループの対応といたしましては、代表取締役専務執行役員 古川秀範を委員長とした新型コロナウイルス対策委員会を発足し、全社方針「社員と家族の安全第一」及び「会社機能を維持し事業を継続する」のもと、国内外の情報を集約かつ共有した上で、次のとおりの対応を実施しております。
・安全を確保しながら事業を継続
・在宅勤務とスプリット制の推進
・感染者発生を前提とした事業継続体制の構築
・直接部門でも、ソーシャルディスタンスを確保する業務体制の構築
・感染者発生時には政府・行政と連携し、事業所閉鎖・徹底した消毒の後最短で事業を再開
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。また、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
当社は機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の社債の未使用枠は、50,000百万円であります。
また、2016年6月に、当社は事業拡大に資する成長資金を低コストで調達することに加え、機動的な戦略投資を行っていくための強固で柔軟性の高い財務体質を維持することを目的に新株予約権付社債を発行いたしました。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動低迷等の不測の事態に備えて2020年5月に40,000百万円の借入による資金調達を実施いたしました。なお、さらなる長期化に備えるため、金融機関とのコミットメントラインの締結及びコマーシャルペーパー発行等の資金調達手段の拡充についても検討を開始しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点における入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(有形固定資産及び無形固定資産)
固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損テストを行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(投資有価証券)
その他有価証券のうち時価のあるものについては、時価が取得原価に比して50%以上下落した場合は、時価の回復可能性がないものとして一律に減損処理を実施し、下落率が30%以上50%未満の場合には、時価の回復可能性の判定を行い、減損処理の要否を決定しております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる非上場株式の減損処理にあたっては、財政状態の悪化があり、かつ実質価額が取得原価に比して50%以上下落した場合は原則減損としますが、個別に回復可能性を判断し、最終的に減損処理の要否を決定しております。回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。