有価証券報告書-第151期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 10:47
【資料】
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【項目】
121項目

研究開発活動

当社グループは、5研究所1センターを中核とし、グループ各社の技術部門と連携をとりながら、市場ニーズに適応した技術・製品をタイムリーに開発するべく、効率的で幅広い研究開発活動を目指しております。また、グローバル展開を加速していくなかで、グループ各社との連携をより一層強化し、各国市場に適合した新技術の開発及び世界に通用する人材育成に取り組んでおります。
当連結会計年度に支出した当社グループ全体の研究開発費の総額は53億23百万円であり、当社グループ全体の研究開発活動に関わる技術員数は総計633人であります。
主な研究開発活動状況は次のとおりであります。
当社の基礎研究は、塗料に有用な基盤技術の蓄積を目的としております。基盤技術として高分子合成、新規架橋反応、顔料分散、界面制御、レオロジーコントロール及び環境改善技術等を主な研究対象として、グローバルに対応可能な新しい材料の創製を目指しております。基礎分析・解析面では、評価技術の確立が非常に困難な塗膜の形成過程における諸現象や塗膜の諸性能及び諸機能に関し、新規の分析・解析技術を確立し、精確な考察により製品開発に貢献しております。得られた技術はグループ各社との共有化を図り、品質管理や環境・安全面に関する指導、お客様に対するコンサルティングなどのサービスに努め、信頼性の高いグローバル体制の確立をすすめております。
色彩研究においては、自動車塗料分野では、国内外のモーターショーでのカラー調査や最新の流行色動向を調査・分析し、その結果を反映させたアドバンスカラー提案色群を開発・提案いたしました。また、アジア諸国でも色彩動向調査を継続的に実施し、色彩提案活動を行いました。建築・工業分野では、住宅設備向けの意匠提案により新製品開発に貢献いたしました。色彩適用技術としては、水性塗料における耐候性及び色安定性向上の技術開発を推進しております。また、色彩光学分野では、コンピューターを利用したカラーマッチングシステムの適用研究を行い、塗料の調色工程の効率化を推進しております。
塗料・塗装システム開発においては、社会への持続的な貢献を目指し、地球環境に配慮した塗料や塗装を実現する技術の開発、具体的には温室効果ガスや揮発性有機化合物・有害物の削減を目指した研究開発を推進しております。自動車塗料分野では、省工程・省エネルギーの環境対応技術として評価の高い水性3ウェット塗装システムの拡大・多様化の研究開発を一層推進するとともに、さらなる高仕上り性を追求すべくレオロジーコントロール、顔料分散等の基本技術開発を行っております。また、耐擦り傷性付与などの塗料の付加価値を高める開発を行っております。工業塗料分野では、鋼板の前処理に非クロム系プライマーを開発し適用を図っております。建築塗料及び防食塗料分野においては、塗料の水性化を推進するとともに、遮熱、抗菌、多彩模様化などの高機能化に関する研究と商品化に努めました。これらの塗料開発に必要な評価技術や評価装置の開発もあわせて行い、塗料開発の効率化、開発品の完成度向上を図っております。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「日本」43億30百万円、「インド」3億34百万円、「アフリカ」74百万円、「その他」5億83百万円であります。