訂正有価証券報告書-第68期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/12/25 16:45
【資料】
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【項目】
120項目

研究開発活動

当社グループは『我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。』という経営理念のもと、エレクトロニクス分野で高度情報化社会や快適な環境に貢献する各種絶縁材料、導電性材料等の研究開発を行っています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,594百万円となり、前連結会計年度に比べ394百万円増加しています。
注力した研究内容と成果は以下のとおりです。
① ソルダーレジスト
主力製品であるSRではお客様とのコミュニケーションを第一にあらゆる要求に素早く確実に応えるべく研究開発を推進しています。
小型、高密度化が進展するスマートフォンに代表される情報端末機器では、配線の微細化に適したダイレクト露光方式が広まっています。当社ではこの露光方式に適合させたPWB材料を早くから開発しお客様に利用していただいています。今後とも最適化を進めた高感度SRの開発に注力してまいります。PKG用途でも、やはり微細化に有利なドライフィルムタイプのSRの採用が年ごとに増えています。高い絶縁信頼性をドライフィルムで実現することによりスマートフォンの最先端PKG基板に採用されました。ドライフィルムタイプは従来の液状タイプに比較し加工中の溶剤の揮発が少なく環境に優しい特性も有しています。今後の需要の増加に応えるべく着実に開発を進めています。また信頼性の観点から、搭載する半導体素子との応力を低減できる、半導体素子と熱膨張係数が近いSRをお客様と共に開発しています。
省エネルギーの観点から注目されているLEDランプの特性を最大限に発揮するための高反射白色SRを開発しご使用いただいています。更なる高性能化を目指して開発を進めています。
自動車の電動化に貢献する車載用基板に注力しています。車載用基板は高温や振動など過酷な環境に曝されます。これに十分に耐えうる従来よりも高耐熱性を向上し、さらに強度も50%アップした高耐熱SRを開発し、市場展開中です。
環境に貢献する研究開発を進めています。植物油を原料とするインキを開発し、このたび「ベジタブルオイルインキマーク」(印刷インキ工業連合会)を取得しました。今後各種用途への展開を進めていきます。
② 導電材料
お客様の要求、市場や技術の変化を的確にとらえた研究開発を行っています。
スマートフォン、タブレットPCを中心に市場拡大が著しいタッチパネル向け電極材料の開発を積極的に進めています。スクリーン印刷用銀ペーストを開発し採用いただきました。さらに高精細パターン形成が可能なフォトタイプの材料開発をお客様とともに進めています。また、将来材料として貴金属を使用しない導電ペーストの研究も進めています。
③ 層間絶縁材
PKG基板に採用される層間絶縁材料のうち、ドライフィルムタイプの絶縁材料を開発しています。PKG基板製造に新規参入されるお客様、新しい工法で基板を製造しようとしているお客様の声を聞きながら、そのニーズに合致した製品を開発しています。現在 エンドユーザー様にて採用に向けて認定試験を受けている段階です。今後はドライフィルムタイプだけに留まらず、お客様の新しい要求に沿った製品を開発していく計画です。
④ 感光性カバーレイ
スマートフォンやタブレットPCの軽量薄型化により、基板を搭載する内蔵スペースが狭小化してきました。その為従来の硬質の基板構成から柔軟で折りたたみ収納できるような基板構成が増えてきています。当社は市場のニーズである微細加工性と耐熱性・折り曲げ性などの機械特性の両立に応えるために、感光性カバーレイを新規に開発・発表しました。現在 この新材料の実用化と用途拡大に向けてお客様と共に開発を進めています。
⑤ 導電性接着剤
スマートフォンに代表される情報端末機器などは、メインボードにリジッド基板をその他にはフレキシブル基板が多く使用されています。これらの基板を接合する方法として一般的にコネクターが使用されていますが、高密度化に伴う狭ピッチ接続対応や軽量化に寄与するため、低温かつ短時間硬化が可能な異方導電性接着剤が求められており、その開発を進めています。