有価証券報告書-第154期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/18 14:34
【資料】
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【項目】
156項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」ことを基本方針としております。そのためには、益々よい薬を創り、かつ製造するとともに、多くの方々に知らせ使って頂くことが必要であります。このことを成し遂げるために、シオノギのあらゆる人々が日々技術を向上させることが、顧客、株主、取引先、社会、従業員などシオノギに関係するすべてのステークホルダーの利益の拡大に貢献できるものと考えております。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
■医薬品産業を取り巻く環境変化
近年、医薬品業界を取り巻く環境は、ますます激しく変化してきており、当社グループが重要であると認識している環境変化として、大きく以下の4点があげられます。
・医療費や薬剤費抑制の機運の高まり
各国における医療保険財政の悪化に伴う費用対効果の追求と、医薬品に対する価格プレッシャー
・健康寿命延伸へのニーズの高まり
医療ニーズの拡大と細分化、高い有効性、安全性、経済性を兼ね備えた新薬への期待、セルフメディケーションの重要性の高まり
・イノベーション創出への高いハードル
研究開発パイプラインの拡充、オープンイノベーションの推進、異業種連携によるイノベーションの創出、イノベーションと医療経済性の両立
・ヘルスケアビジネスの多様化
ヘルスケアデータの増大やそれらデータの活用体制整備への対応、異業種参入によるヘルスケアビジネスのボーダーレス化
これらの変化に柔軟に対応していくことが、ますます必要になってきております。
■シオノギが取り組む社会課題
医薬品産業を取り巻く環境が激しく変化する中で、“社会とともに”成長し続けることをビジョンに掲げる当社グループは、「感染症」と「疼痛・神経」をコア疾患領域に定め、イノベーションの創出や適切な情報提供活動、医療アクセスの向上等を通じて、社会課題の解決に注力しております。
感染症領域においては「世界を感染症の脅威から守る」こと、また疼痛・神経領域においては、「個人が生き生きとした社会創り」を目指し、これらの実現に向けてグループ一丸で取り組んでまいります。
・感染症
多剤耐性菌の地球レベルでの広がりが、現在大きな社会課題となっております。「世界を感染症の脅威から守る」ために、いまだ治療法が確立していない新興・再興感染症に対する新薬を生み出し、また薬剤の適正使用を推進することにより、新たな耐性菌・ウイルスの発生を防ぎつつ、患者様を治療することが求められています。
これらの社会ニーズに応えるため、当社グループは、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルの開発推進、3大感染症(HIV、結核、マラリア)に対する研究開発に積極的に取り組むとともに、サーベイランスによる正確な疫学情報の把握、各種ガイドライン文献の精査等、感染症薬の適正使用・管理に必要な情報を整理・提供してまいります。また、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの適正使用に向けて、ウイルス変異株や安全性に関する追加解析等にも鋭意取り組み、それらの情報を正確に提供してまいります。以上の活動により、今後もより一層、感染症領域における貢献を高めてまいります。さらに、抗菌薬の製造建屋からの排水に対しては、引き続き、抗菌薬の不活化処理を実施し、監視を徹底することにより、自然環境の保全に努めてまいります。
・疼痛・神経
「個人が生き生きとした社会創り」への貢献としては、悩み・苦しみ・痛みにより社会から遠ざかっている方々が元気に復帰するための手助け、「生きにくさ」から解放し、個人の本来の能力を発揮して活躍するための手助け、さらには人生の最後のステージを凛として過ごすための手助けを通じて貢献することを目指します。
注意欠如・多動症(ADHD)治療薬インチュニブの成人に対する効能・効果の追加申請(日本)や、小児ADHDの治療では、Akili社からデジタル治療用アプリの導入、ビバンセの承認取得など、新たな治療選択肢を提供することで、個人が生き生きとした社会創りに貢献してまいります。
■積み残した課題と強化すべきポイント
当社グループが、中長期かつグローバルで社会課題の解決に貢献を果たしていくためには、当連結会計年度の成果と事業環境の変化、課題への対応状況を踏まえ、継続的あるいは新たに強化すべきポイントを設定し、これに最優先で取り組む必要があります。
現在、当社グループは、研究開発、国内・海外事業、ビジネスイノベーションにおいて、「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ために以下のような課題を認識しております。
・研究開発における課題
次世代成長ドライバーの開発進展
・国内・海外事業における課題
国内事業強化とグローバルプレゼンス確立
・ビジネスイノベーションに関する課題
新たな価値提供と経営基盤強化
■2019年度の対処すべき課題
当社グループは、現在、研究開発、国内・海外事業、ビジネスイノベーションのそれぞれにおいて対処すべき課題を認識しており、これらの課題への対応を踏まえ、2019年度も、そして中長期的に「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことの具現化に継続して取り組んでまいります。
研究開発におきましては、ゾフルーザ、セフィデロコルに次ぐ次世代成長ドライバーとなりうる優先8品目を着実に進展させるとともに、デジタル治療用アプリなど新たなモダリティの拡充にも挑戦してまいります。
国内事業におきましては、クレストールとイルベタン類の後発品参入の影響が緩やかになりました。全社一体となって、「市場の拡大とシェアの獲得」ならびに「製品の価値最大化」を推進することで、サインバルタ、インチュニブ、ゾフルーザ等を中心とした新製品をさらに拡大してまいります。また、海外事業におきましては、米国でQIDP*1指定を受けたセフィデロコルを上市させることにより、Mulpletaと併せて、病院市場に特化した生産性の高い事業運営を進めてまいります。
ビジネスイノベーションの創出に向けては、IT活用を加速しヘルスケアへの新たな貢献を生み出すとともに、原動力たる人材の育成とダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでまいります。その実現には、継続的な業務効率化により、新たな成長余資を捻出することが不可欠と考えております。また、2019年度からの国際財務報告基準(IFRS)での開示に向け準備を進めてまいります。さらに、ESG*2への取り組みを強化し、リスク低減と機会創出を意識した経営を推進してまいります。
*1 QIDP(Qualified Infectious Disease Product):重篤で生命を脅かす感染症に対する抗菌薬・抗真菌薬に適用され、優先
審査の対象になるとともに、最終的にFDAの承認を受けた場合に米国市場における独占期間が5年間延長されます。
*2 ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。企業の長期的な成長のた
めには、ESGが示す3つの観点が必要であり、ESGの観点が薄い企業は、大きなリスクを抱え、長期的な成長ができない企業
と考えられるようになってきています。
当社グループは、経営理念である基本方針「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」ことをグローバルに実現するため、創薬型製薬企業としての成長を目指します。そして、世界中の患者様やそのご家族、医療関係者の方々等、あらゆるステークホルダーの皆様に信頼されるグローバル企業を目指し、日本経済の成長・発展に貢献していきます。

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