四半期報告書-第11期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、IFRSの適用にあたり、会社の経常的な収益性を示す段階利益として「コア営業利益」を導入し、経営管理等の重要指標と位置付けております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下、非経常項目)を除外したものです。非経常項目として、事業譲渡による収益、構造改革費用、製品に係る無形資産の減損損失、災害による損失等を想定しております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2017年4月1日~2017年12月31日)の連結業績は以下のとおりとなりました。
<研究開発費>
①売上収益
売上収益は、前年同期比+4.6%、149億円増収の3,393億円となりました。
・国内医療用医薬品は、2017年10月のジェネリック医薬品事業の譲渡による減収はあったものの、関節リウマチ治療剤「シンポニー」、2型糖尿病治療剤「テネリア」、同「カナグル」等の重点品の売上が伸長し、前年同期比2.6%増収の2,496億円となりました。
・海外医療用医薬品は、2017年8月の米国でのALS治療剤「ラジカヴァ」の発売や円安による為替の影響などにより、前年同期比59.1%増収の257億円となりました。
・ロイヤリティ収入等は、ノバルティス社に導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア」に係るロイヤリティ収入の伸長や為替の影響はあったものの、ヤンセンファーマシューティカルズ社に導出した2型糖尿病治療剤「インヴォカナ」および同剤とメトホルミンの合剤に係るロイヤリティ収入の減少により、前年同期比1.7%減収の595億円となりました。
②コア営業利益
コア営業利益は、売上収益は増収となったものの、開発のステージアップやNeuroDerm Ltd.の買収などによる研究開発費の増加や米国販売子会社ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ社における販売費及び一般管理費の増加などにより、前年同期比△12.8%、102億円減益の697億円となりました。
③営業利益
営業利益は、前年同期比△14.2%、113億円減益の684億円となりました。
コア営業利益において除外された非経常項目は、ジェネリック医薬品等の販売子会社であった田辺製薬販売株式会社(現 ニプロESファーマ株式会社)株式の売却益、固定資産の売却益、減損損失、製造子会社である株式会社バイファの事業終息等の構造改革費用、HCV訴訟損失引当金繰入額などであります。
④税引前四半期利益・親会社の所有者に帰属する四半期利益
税引前四半期利益は、前年同期比△13.8%、112億円減益の702億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比△13.4%、80億円減益の521億円となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前期末比433億円増加の1兆278億円となりました。前期末と比較した連結財政状態計算書上の主な変動要因は以下のとおりです。
・非流動資産は、連結子会社としたNeuroDerm Ltd.の株式取得、持分法適用会社とした株式会社BIKENの株式取得、製品に係る無形資産の増加などにより、前期末比1,456億円増加の4,464億円となりました。
・流動資産は、営業債権の増加、現金及び現金同等物やその他の金融資産の減少等により、前期末比1,023億円減少の5,814億円となりました。
・負債は、未払法人所得税や営業債務の増加、その他の金融負債の減少等により、前期末比129億円増加の1,260億円となりました。
・資本は、四半期利益の計上および年金資産の公正価値評価による増加、剰余金の配当による減少などにより、前期末比304億円増加の9,018億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは211億円の支出となり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は920億円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権の増加額332億円や法人所得税の支払額135億円などの支出要因を税引前四半期利益702億円などの収入要因が上回り、451億円の収入となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは、NeuroDerm Ltd.の買収もあり、334億円の支出となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フローは、発足10周年記念配当の実施による配当金支払の増加もあり、337億円の支出となりました。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は561億円となり、売上収益に対する比率は16.5%となりました。当第3四半期連結累計期間の主な臨床開発活動の進捗状況は、以下のとおりです。
承認取得
・2017年5月、MCI-186(エダラボン/米国製品名:ラジカヴァ、国内製品名:ラジカット)の筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)について、米国で承認を取得しました。
・2017年5月、「レミケード」のクローン病における用法・用量の変更(投与間隔の短縮)について、日本で承認を取得しました。
・2017年7月、MT-2412(DPP-4阻害剤「テネリア」とSGLT2阻害剤「カナグル」の合剤/国内製品名:カナリア配合錠)の2型糖尿病について、日本で承認を取得しました。
・2017年12月、「ノバスタン」の虚血性脳梗塞急性期について、中国で承認を取得しました。
承認申請
・2017年8月、TA-7284(カナグリフロジン/国内製品名:カナグル)の2型糖尿病について、インドネシアで申請しました。
・2017年12月、MP-214(ドパミンD3/D2受容体パーシャルアゴニスト)の統合失調症について、韓国および台湾で申請しました。
・2017年12月、MCI-186のALSについて、スイスで申請しました。
臨床試験の開始
・2017年8月、MT-5199(小胞モノアミントランスポーター2阻害剤)の遅発性ジスキネジアについて、第2/3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年8月、MT-2271(植物由来VLPワクチン)の季節性インフルエンザの予防について、第3相臨床試験を米国、欧州、カナダ他で開始しました。
・2017年8月、MT-8554の糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛について、第2相臨床試験を欧州で開始しました。
・2017年11月、MT-5547(完全ヒト型抗ヒトNGFモノクローナル抗体製剤)の変形性関節症について、第2/3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年11月、MT-8554の更年期に伴う血管運動神経症状について、第2相臨床試験を米国で開始しました。
・2017年11月、MT-6548(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害剤)の腎性貧血について、第3相臨床試験を日本で開始しました。
導出品の状況
・2017年4月、MT-4580(カルシウム受容体作動剤)の維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症について、導出先の協和発酵キリン株式会社が日本で申請しました。
・TA-7284(カナグリフロジン/製品名:インヴォカナ)の心血管疾患の既往がある、または心血管疾患リスクがある2型糖尿病における死亡リスク低減(CANVAS/CANVAS-R)について、導出先のヤンセンファーマシューティカルズ社が2017年9月に米国で、2017年10月に欧州で申請しました。
・2017年10月、MT-4580の副甲状腺がんおよび原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症について、導出先の協和発酵キリン株式会社が第3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年11月、FTY720(フィンゴリモド塩酸塩/製品名:ジレニア)の小児・多発性硬化症について、導出先のノバルティス社が米国および欧州で申請しました。
・2017年12月、MT-210(セロトニン2A/シグマ2受容体拮抗剤)の統合失調症について、導出先のミネルバ・ニューロサイエンス社が第3相臨床試験を米国および欧州で開始しました。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2017年4月1日~2017年12月31日)の連結業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円) |
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
売上収益 | 324,352 | 339,313 | +14,961 | +4.6% |
コア営業利益 | 79,946 | 69,700 | △10,246 | △12.8% |
営業利益 | 79,777 | 68,473 | △11,304 | △14.2% |
税引前四半期利益 | 81,488 | 70,236 | △11,252 | △13.8% |
親会社の所有者に帰属 する四半期利益 | 60,196 | 52,108 | △8,088 | △13.4% |
<研究開発費>
(単位:百万円) |
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
研究開発費 | 45,068 | 56,119 | +11,051 | +24.5% |
①売上収益
売上収益は、前年同期比+4.6%、149億円増収の3,393億円となりました。
(単位:百万円) |
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率 | |
医薬品事業 | 324,352 | 339,313 | +14,961 | +4.6% |
国内医療用医薬品 | 243,378 | 249,622 | +6,244 | +2.6% |
海外医療用医薬品 | 16,188 | 25,748 | +9,560 | +59.1% |
ロイヤリティ収入等 | 60,603 | 59,545 | △1,058 | △1.7% |
一般用医薬品 | 2,890 | 3,155 | +265 | +9.2% |
その他 | 1,293 | 1,243 | △50 | △3.9% |
・国内医療用医薬品は、2017年10月のジェネリック医薬品事業の譲渡による減収はあったものの、関節リウマチ治療剤「シンポニー」、2型糖尿病治療剤「テネリア」、同「カナグル」等の重点品の売上が伸長し、前年同期比2.6%増収の2,496億円となりました。
・海外医療用医薬品は、2017年8月の米国でのALS治療剤「ラジカヴァ」の発売や円安による為替の影響などにより、前年同期比59.1%増収の257億円となりました。
・ロイヤリティ収入等は、ノバルティス社に導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア」に係るロイヤリティ収入の伸長や為替の影響はあったものの、ヤンセンファーマシューティカルズ社に導出した2型糖尿病治療剤「インヴォカナ」および同剤とメトホルミンの合剤に係るロイヤリティ収入の減少により、前年同期比1.7%減収の595億円となりました。
②コア営業利益
コア営業利益は、売上収益は増収となったものの、開発のステージアップやNeuroDerm Ltd.の買収などによる研究開発費の増加や米国販売子会社ミツビシ タナベ ファーマ アメリカ社における販売費及び一般管理費の増加などにより、前年同期比△12.8%、102億円減益の697億円となりました。
③営業利益
営業利益は、前年同期比△14.2%、113億円減益の684億円となりました。
コア営業利益において除外された非経常項目は、ジェネリック医薬品等の販売子会社であった田辺製薬販売株式会社(現 ニプロESファーマ株式会社)株式の売却益、固定資産の売却益、減損損失、製造子会社である株式会社バイファの事業終息等の構造改革費用、HCV訴訟損失引当金繰入額などであります。
④税引前四半期利益・親会社の所有者に帰属する四半期利益
税引前四半期利益は、前年同期比△13.8%、112億円減益の702億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比△13.4%、80億円減益の521億円となりました。
(2)財政状態の状況
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (2017年3月末) | 当第3四半期 連結会計期間末 (2017年12月末) | 増減 | |
非流動資産 | 300,778 | 446,433 | +145,655 |
流動資産 | 683,759 | 581,457 | △102,302 |
資産合計 | 984,537 | 1,027,890 | +43,353 |
負債 | 113,107 | 126,046 | +12,939 |
資本 | 871,430 | 901,844 | +30,414 |
負債及び資本合計 | 984,537 | 1,027,890 | +43,353 |
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前期末比433億円増加の1兆278億円となりました。前期末と比較した連結財政状態計算書上の主な変動要因は以下のとおりです。
・非流動資産は、連結子会社としたNeuroDerm Ltd.の株式取得、持分法適用会社とした株式会社BIKENの株式取得、製品に係る無形資産の増加などにより、前期末比1,456億円増加の4,464億円となりました。
・流動資産は、営業債権の増加、現金及び現金同等物やその他の金融資産の減少等により、前期末比1,023億円減少の5,814億円となりました。
・負債は、未払法人所得税や営業債務の増加、その他の金融負債の減少等により、前期末比129億円増加の1,260億円となりました。
・資本は、四半期利益の計上および年金資産の公正価値評価による増加、剰余金の配当による減少などにより、前期末比304億円増加の9,018億円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円) |
前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
営業キャッシュ・フロー | 33,912 | 45,174 | +11,262 | |
投資キャッシュ・フロー | 65,247 | △33,485 | △98,732 | |
財務キャッシュ・フロー | △24,994 | △33,719 | △8,725 | |
現金・現金同等物増減額 | 74,150 | △21,199 | △95,349 | |
現金・現金同等物期首残高 | 88,919 | 113,215 | +24,296 | |
現金・現金同等物期末残高 | 163,069 | 92,024 | △71,045 |
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは211億円の支出となり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は920億円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権の増加額332億円や法人所得税の支払額135億円などの支出要因を税引前四半期利益702億円などの収入要因が上回り、451億円の収入となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは、NeuroDerm Ltd.の買収もあり、334億円の支出となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フローは、発足10周年記念配当の実施による配当金支払の増加もあり、337億円の支出となりました。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は561億円となり、売上収益に対する比率は16.5%となりました。当第3四半期連結累計期間の主な臨床開発活動の進捗状況は、以下のとおりです。
承認取得
・2017年5月、MCI-186(エダラボン/米国製品名:ラジカヴァ、国内製品名:ラジカット)の筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)について、米国で承認を取得しました。
・2017年5月、「レミケード」のクローン病における用法・用量の変更(投与間隔の短縮)について、日本で承認を取得しました。
・2017年7月、MT-2412(DPP-4阻害剤「テネリア」とSGLT2阻害剤「カナグル」の合剤/国内製品名:カナリア配合錠)の2型糖尿病について、日本で承認を取得しました。
・2017年12月、「ノバスタン」の虚血性脳梗塞急性期について、中国で承認を取得しました。
承認申請
・2017年8月、TA-7284(カナグリフロジン/国内製品名:カナグル)の2型糖尿病について、インドネシアで申請しました。
・2017年12月、MP-214(ドパミンD3/D2受容体パーシャルアゴニスト)の統合失調症について、韓国および台湾で申請しました。
・2017年12月、MCI-186のALSについて、スイスで申請しました。
臨床試験の開始
・2017年8月、MT-5199(小胞モノアミントランスポーター2阻害剤)の遅発性ジスキネジアについて、第2/3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年8月、MT-2271(植物由来VLPワクチン)の季節性インフルエンザの予防について、第3相臨床試験を米国、欧州、カナダ他で開始しました。
・2017年8月、MT-8554の糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛について、第2相臨床試験を欧州で開始しました。
・2017年11月、MT-5547(完全ヒト型抗ヒトNGFモノクローナル抗体製剤)の変形性関節症について、第2/3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年11月、MT-8554の更年期に伴う血管運動神経症状について、第2相臨床試験を米国で開始しました。
・2017年11月、MT-6548(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害剤)の腎性貧血について、第3相臨床試験を日本で開始しました。
導出品の状況
・2017年4月、MT-4580(カルシウム受容体作動剤)の維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症について、導出先の協和発酵キリン株式会社が日本で申請しました。
・TA-7284(カナグリフロジン/製品名:インヴォカナ)の心血管疾患の既往がある、または心血管疾患リスクがある2型糖尿病における死亡リスク低減(CANVAS/CANVAS-R)について、導出先のヤンセンファーマシューティカルズ社が2017年9月に米国で、2017年10月に欧州で申請しました。
・2017年10月、MT-4580の副甲状腺がんおよび原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症について、導出先の協和発酵キリン株式会社が第3相臨床試験を日本で開始しました。
・2017年11月、FTY720(フィンゴリモド塩酸塩/製品名:ジレニア)の小児・多発性硬化症について、導出先のノバルティス社が米国および欧州で申請しました。
・2017年12月、MT-210(セロトニン2A/シグマ2受容体拮抗剤)の統合失調症について、導出先のミネルバ・ニューロサイエンス社が第3相臨床試験を米国および欧州で開始しました。