有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 当社のコーポレートガバナンスの基本的な考え方
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考えます。また、コーポレートガバナンスの充実に向け、経営の監督をはじめとする社外取締役の機能を最大限に活用していきます。
当社は、次の基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスプリンシプル」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実を実現していきます。
「コーポレートガバナンスプリンシプル」は、当社ウェブサイト(https://www.eisai.co.jp/company/governance/cgregulations/cgguideline/index.html)をご参照ください。
コーポレートガバナンスの基本的な考え方
1 ステークホルダーズとの価値の共創
・当社は、ステークホルダーズの権利を尊重する。
・当社は、ステークホルダーズと共に、その価値の増大と創造に取り組む。
・当社は、ステークホルダーズとの対話を通じて、良好・円滑な関係を維持し、信頼関係を構築する。
・当社は、会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
・当社は、持続可能な社会の実現に積極的に貢献する。
2 コーポレートガバナンスの体制
・当社は指名委員会等設置会社とする。
・取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定を執行役に大幅に委任し、経営の監督機能を発揮する。
・取締役会の過半数は、独立性・中立性のある社外取締役とする。
・執行役を兼任する取締役は、代表執行役CEO 1名のみとする。
・経営の監督機能を明確にするため、取締役会の議長と代表執行役CEOとを分離する。
・指名委員会および報酬委員会の委員は、全員を社外取締役とし、監査委員会の委員は、その過半数を社外取締役とする。
・指名委員会、監査委員会および報酬委員会の各委員長は社外取締役とする。
・社外取締役のみで構成するhhcガバナンス委員会を設置する。
・財務報告の信頼性確保をはじめとした内部統制の体制およびその運用を充実する。
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
(a) 当社コーポレートガバナンスの特長
イ) 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活かし、取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定権限を執行役に大幅に委任し、経営の監督に専念しています。
これにより、執行役は激しい環境変化のもとでも迅速かつ機動的な意思決定と業務執行が可能となります。また、経営の監督と業務執行を明確に分離するため、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役を代表執行役CEO1名のみとしています。このように経営の監督と業務執行を明確に分離することにより、経営の活力を増大させるとともに、取締役会はステークホルダーズの視点で監督機能を発揮し、経営の公正性・透明性を確保しています。
また、取締役会は、会社法に基づき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
取締役および執行役のそれぞれが職務を執行し、その責任を果たしながらも相互に意思疎通をはかって信頼関係を構築し、ともに企業価値を向上させ、社会価値の創造に貢献していく、このような仕組みが当社のコーポレートガバナンスの特長です。
ロ) 独立社外取締役を中心としたコーポレートガバナンス充実に向けた継続的、自律的な仕組み
当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役の存在です。このため、ステークホルダーズの期待に応え、経営の監督機能を高めるために、社外取締役の選任においてはその独立性・中立性を最重視しています。
そして、独立社外取締役を中心として、①指名委員会における独立性・中立性のある社外取締役の選任システム、②社外取締役である取締役会の議長のリーダーシップによる取締役会等の運営、③ステークホルダーズとの対話やサクセッションプランの検討など、幅広くコーポレートガバナンスに関する議論が行われるhhcガバナンス委員会、④取締役会および各委員会のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すコーポレートガバナンス評価など、継続的かつ自律的なコーポレートガバナンス充実の仕組みを構築し、これを運用しています。

ハ) 取締役と執行役の多様性
指名委員会等設置会社の役員は、経営の監督を担う取締役と業務執行を担う執行役です。2023年度における役員(取締役および執行役)の多様性は以下の表のとおりです。
指名委員会は、取締役会がステークホルダーズの幅広い視点や外部の視点で経営の監督を行い、企業価値を向上させ、社会価値創造に貢献するためには、多様なスキル、経験やバックグラウンドに加え、国籍、性別、年齢、就任年数等の多様性を有する役員(取締役および執行役)による経営を行うことが枢要であると考えています。
取締役会は、企業理念を実現し、企業価値の向上を担う執行役をグローバルな視点で選任し、執行役の機能が効果的、効率的に発揮できるように配置しています。執行役は、製薬企業である当社の役員として、研究開発および医薬品の製造や品質ならびに安全性等の高い専門性を有する者、世界の各地域の医療制度や医療市場に習熟した者をはじめ、経営管理等の各分野において業務に精通した者を選任しています。
2024年3月31日時点
ニ) 機動的な意思決定と業務執行を担う執行部門の体制
i. 執行役会とアドバイザリーボード等
当社は、業務執行の最高意思決定機関として執行役会を設置するとともに、中長期的な研究開発の方向性、ポートフォリオ戦略・戦術等を検討するエーザイ サイエンティフィック アドバイザリーボード(世界的に著名な研究機関の教授・研究者で構成)、およびESG、SDGsを中心とする非財務資本への取り組み向上について検討するサステナビリティ アドバイザリーボード(国際政策に精通した国内外の外部専門家で構成)など、CEOの意思決定をサポートする仕組みを構築しています。そのほか、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会、全社環境安全委員会、人権啓発推進委員会等の会議体を設置しています。
ⅱ. グローバルな内部統制システムの構築と運用
取締役会は、執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則を定め、執行役は、これに基づき自らが担当する職務において内部統制システムを整備・運用しています。また、当社はグローバルに執行役を配置し、海外子会社における内部統制システムを担当執行役が直接的に構築し、その運営を行っています。
ⅲ. 説明責任とステークホルダーズを意識した経営の浸透
3カ月に1度、執行役全員が取締役会に出席し、執行部門での意思決定や各執行役の業務執行の状況を取締役会に報告しています。それ以外に重要な事案や報告事項が生じた場合には適宜取締役会に報告しています。執行役が取締役会への報告、説明責任を負うことにより、執行部門での意思決定や政策・施策の合理性や透明性が高まり、ステークホルダーズを意識した経営が浸透しています。
2024年3月31日時点
ホ) 取締役会による意思決定と経営の監督
取締役会は、最良のコーポレートガバナンスの構築を通して企業理念の実現をめざし、その監督機能を発揮するとともに、公正な判断により最善の意思決定を行う任務を負っています。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行いますが、一方で、業務執行の機動性と柔軟性を高めて経営の活力を増大させるため、前述以外の業務執行の意思決定の権限を大幅に執行役に委任しています。
業務執行を担う執行役は、取締役会に適時適切な報告を行う義務を有しており、取締役会は、執行役の報告に基づき業務執行のプロセスの適正性や効率性を検証するとともに、業務執行の結果である業績を評価することにより執行役を信任し、経営の妥当性や効率性を確保することで、経営の監督を行っています。
また、指名委員会等設置会社の指名委員会、監査委員会および報酬委員会は、取締役の選解任、監査、役員報酬の決定という重要な経営の監督の権限と責任を担っています。そして、取締役会は、各委員会からの報告に基づいて、各委員会の職務の執行についても監督を行っています。

ⅰ. 取締役会による意思決定事項
取締役会の決議事項は、「取締役会規則・細則」において定め、これを開示しています。
「取締役会規則・細則」は、当社ウェブサイト
(https://www.eisai.co.jp/company/governance/cgregulations/boardmtg/index.html)をご参照ください。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決議を行いますが、議案によっては複数回にわたり取締役会において審議を重ね意思決定しています。
例えば、年度毎の事業計画の決定については、中長期経営計画における進捗状況のレビュー、事業計画の基本方針およびその中間報告、その他事業計画大綱の決議に必要な事項等の報告を経たうえで決議しています。また、剰余金の配当の決定については、中長期的な資本コストを上回るROEの確保、持続的・安定的な株主還元、成長のための投資採択基準を軸とする資本政策の基本的な方針を審議・決定のうえ決議しています。その他、決算に関する事項や執行役の選任など、ステークホルダーズへの説明責任を意識し、議論を尽くして意思決定をしています。
ⅱ. 取締役会による経営の監督
1) 執行部門の機動的な意思決定を監督する仕組み
取締役会は、執行部門より業務執行の意思決定事項に係る報告を適時適切に受け、当該報告に基づいて経営の監督を行っています。また、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しています。これにより、執行部門における意思決定プロセス、および計画外や緊急な意思決定の状況等についても、適時にその内容を把握し、監督することが可能となります。加えて、取締役会は、取締役会が経営の監督を行うために必要な情報や判断材料を得るために、外部専門家や外部機関から意見や情報を収集する仕組みを有しています。
2) 委員会を活用した経営の監督
当社は、指名委員会等設置会社として法定の3委員会(指名委員会、監査委員会、報酬委員会)の他に社外取締役のみで構成するhhcガバナンス委員会を取締役会内委員会として設置しています。
hhcガバナンス委員会は、サクセッションプランの情報共有とディスカッション、取締役会の実効性の評価のとりまとめといった当社のコーポレートガバナンスにおける重要な役割の他、当社のコーポレートガバナンスおよびビジネスに関する事項等について幅広く議論し、取締役会の監督機能の強化、ひいては当社のコーポレートガバナンスの継続的な充実を図る責任を担っています。

hhcガバナンス委員会は、指名委員会、監査委員会、報酬委員会において検討がなされる各委員会の諸課題を検討するなど、3委員会における情報の共有をタイムリーに実施することで、各委員会の委員間における情報格差の解消にも取り組んでいます。
また、取締役会およびhhcガバナンス委員会における議論をより効率的、効果的に実施するために、専門性が高いテーマの検討を行うサブコミッティをhhcガバナンス委員会内に設置しています。
・サステナビリティへの取り組み状況の点検
・アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応状況の点検
3) 経営の監督にステークホルダーズの意見等を反映
社外取締役が中心となり、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との対話を積極的に実施しています。そして、年に一度、hhcガバナンス委員会においてステークホルダーズとの対話、エンゲージメントについて振り返り、次年度に向けた対応事項や課題を確認するとともに、ステークホルダーズから得られた知見を取締役会における議論や監督に活かしています。
ヘ) コーポレートガバナンスに関する取り組み
i. ステークホルダーズとの対話
2023年度は、当社の主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主・機関投資家の皆様および社員との対話を以下のとおり行いました。また、年度末に開催したhhcガバナンス委員会では、こうした対話を振り返り、対話の結果を取締役会の監督機能に活かすべく議論を行いました。
1) 患者様との対話
・ 若年性アルツハイマー型認知症の方にご自身の経験やその時々の喜怒哀楽について具体的に伺うとともに、対話を通じて、外見ではわからない認知症の方の日常における困難な状況や社会の現状、そうした環境においても抱く喜びや希望を知り、当社の社会的使命をあらためて強く認識しました。この対話を通じて、患者様の喜怒哀楽に共感する重要性や、企業理念であるhhcとその実践への理解を深めました。
2) 機関投資家の皆様との対話
・ 2023年度は機関投資家の皆様とより深く、経営の監督機能の向上にむけた議論を行うために個別による対話を実施しました。アナリスト、ファンドマネージャーを中心に6社とウェブ会議システムにて、情報共有と意見交換を行いました。
・ 経営の課題、機関投資家の皆様が社外取締役に期待している役割等、双方が踏み込んだ意見交換ができ、対話で得た指摘や知見は取締役会における議論や経営の監督機能向上に活かしています。
3) 社員との対話
・ 社員の代表である労働組合の代表メンバーとの対話の会を対面で開催し、人事制度変更1年目の状況、社員の働き方、企業風土、経営への期待や要望等について情報共有と意見交換を行いました。
・ 鹿島事業所を訪問し、鹿島事業所の概要や原薬研究開発活動、原薬製造部の安定供給への取り組み、品質管理部のQCラボのデータインテグリティ対応の説明を受け、質疑応答を行った後、施設内を見学し、研究開発および商業生産機能を有する原薬拠点への理解を深めました。
・ 筑波研究所を訪問し、施設内の見学および研究開発体制DHBL(Deep Human Biology Learning)について説明を受け、創薬概念および組織体制について理解を深めました。また、創薬仮説の構築から承認までの創薬の実行に責任を持つドメインヘッドや、ドメインを効率的に支援する研究開発機能であるファンクション、データ解析により創薬ターゲットの特定やバイオロジー仮説の構築を担うファンデーションのヘッドとの対話の場において、各取締役から組織や社員への期待のコメント、経験に基づくアドバイスがなされ、活発なディスカッションを行いました。また、取締役三和裕美子は女性経営職5名と女性社員についての課題等、率直な意見交換を行いました。
・ 川島工園を訪問し、川島工園や製剤研究部の概要、また、治験薬注射剤製造エリア、「レケンビ」(一般名:レカネマブ)の二次包装工程の立ち上げについて説明を受け、質疑応答、意見交換を行いました。その後、製剤・包装工程を見学するとともに、最新の注射剤棟/研究棟EMITS (Eisai Medicine Innovation Technology Solutions)、くすり博物館を見学し、当社の生産環境および生産体制への理解を深めました。
・ 東京コミュニケーションオフィスを訪問し、「レケンビ」による患者様貢献に向け、認知症診療の現状や「レケンビ」投与への課題とその対応状況、首都圏本部で実施している各種研修や組織力向上に向けたプロジェクト活動についても説明を受け、質疑応答、意見交換によりエーザイ・ジャパンのMR活動への理解を深めました。
ⅱ. サクセッションプランの情報共有とディスカッション
CEO選定は取締役会の決議事項です。当社は、取締役会における当該決議を公正性高く、かつ適切、円滑に行うため、社外取締役7名で構成するhhcガバナンス委員会において、継続的にCEOサクセッションプランの議論を行っています。
1) 経営トップ(CEO)選定の考え方
経営トップ(CEO)の選定は、取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつです。特に独立社外取締役が、CEOが策定するサクセッションプランについて適切に監督機能を発揮するとともに、次期CEOの育成に助言等を行うなど、そのプロセスに関与することで、CEOによる後継候補者提案の客観性を高め、取締役会におけるCEO選定の決議の公正性を合理的に確保できると考えています。
2) CEO選定に係る手続き
CEOの策定するサクセッションプランに関する取締役との情報共有のあり方や、突発的事態への備えについて、手続き等を含むルールを定めています。その概要は以下のとおりです。
・サクセッションプランの情報共有
‐ CEOにより提案されるサクセッションプランの情報共有は、hhcガバナンス委員会において、年2回実施する。
‐ このhhcガバナンス委員会には、CEOをはじめ社内取締役も参加し、取締役全員でサクセッションプランの情報共有を行う。
・サクセッションプランのディスカッション
‐ 候補者を評価するための基準(クライテリア)は、経営環境等に応じて変化することが想定される。このため、CEOが候補者を提案する時点においてこれを適切に設定する。
‐ CEOは、これに基づいて候補者を評価し、サクセッションプランにおいてその評価結果を示す。
‐ 取締役は、サクセッションプランに関する助言を行い、CEOは取締役からの助言を考慮し、適宜、サクセッションプランに反映させる。
3) 突発的事態に対する備え
不慮の事故などにより、急遽、取締役会として新たなCEOを選定しなければならない事態も想定されます。このような突発的事態に対する備えについても、上記サクセッションプランの検討の中で確認されています。
・[取締役議長からのサクセッションプランの運用に関する~メッセージ](社外取締役 池 史彦)
‐ サクセッションプラン検討の経緯
2004年に指名委員会等設置会社に移行後、サクセッションプランはCEOの毎年の業績目標のひとつとして設定され、当該目標を全取締役が情報共有していました。また、社外取締役の求めに応じて、随時、社外取締役ミーティング(現hhcガバナンス委員会)にCEOより詳細な報告がなされていました。その後、2017年に当時の取締役議長(社外取締役)のリードにより、サクセッションプランの運用ルールが取りまとめられ、このルールに基づき、年2回、継続的にサクセッションプランに係る情報共有とディスカッションを実施しております。
加えて、候補者と取締役との接点や対話の機会の意識的な拡充、および社外の第三者(複数)による候補者の客観的評価のヒアリングとディスカッションを実施するなどの取り組みも継続的に行っています。
‐ サクセッションプランの情報共有とディスカッションの現状
hhcガバナンス委員会は、CEOより、当社の経営全般の状況、次期CEO候補者の状況と評価(複数の評価項目で多面的に評価)、およびサクセッションに向けたストーリー等、詳細な報告を継続的に受けています。取締役からは、現CEOが30年以上にわたり経営トップとして全社を率いてきたことから、候補者の育成だけでなく、新CEO下における経営マネジメント体制のあるべき姿についても提案を求め、ディスカッションを行っています。
また、取締役会をはじめhhcガバナンス委員会や研修会など様々な場における候補者との接点を増やしたり執行役会等の会議体を傍聴するなど、取締役が、候補者に係る情報を直接得られる工夫も行っています。このような取り組みにより、候補者の育成についてもCEOへの助言や要望等を行っています。
‐ 社外取締役の役割
CEOのサクセッションプランは当社の企業価値に大きな影響を持つ重要な課題であり、秘匿性や機密性が高いこと、そしてその決定においては公正性が求められることを認識しています。特に、当社の社外取締役は、全員、独立社外取締役であり、CEOが策定するサクセッションプランのプロセスに強く関与することで、将来、取締役会の決議するCEO選定の公正性を合理的に確保できるものと考えています。従って、社外取締役の一人ひとりが、当社の更なる発展を企図して忌憚のない意見を述べ、助言を行うことで当社のステークホルダーズの皆様の期待に応えていかなくてはならないと認識しています。
ⅲ. 「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
2023年度は取締役会評価で確認された課題として、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」をテーマに、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性を検討することとし、複数回にわたり、hhcガバナンス委員会にて議論を重ねました。
業務執行の意思決定の公正性、透明性を更に高めるために、執行役会等の執行部門の意思決定会議の傍聴の仕組みを導入するとともに、取締役会への業務執行報告内容をより充実させること、必要に応じて外部専門家などの意見を聴取できるような仕組みを導入しました。
その他、リスクマネジメントと内部統制の充実など継続して点検することを確認しました。
ⅳ. サブコミッティの活動内容
2023年度は次の2つのテーマについて情報共有とディスカッションを行いました。それぞれの検討内容は、hhcガバナンス委員会に報告するとともに、取締役会においても活動について報告しました。
1) サステナビリティへの取り組み状況の点検
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)や生物多様性の対応状況を含む地球環境に配慮した事業活動の取り組み、サステナビリティ全般の開示、女性活躍推進、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)への対応状況に関する報告など、担当執行役から報告を受け、議論を行いました。
2) アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応状況の点検
継続的な企業価値の向上と株主様の利益の確保に向けた取り組みについて、執行部門における取り組み状況や有事における備え等を点検するとともに、外部機関を通じた情報収集や議論を行いました。
ⅴ. その他各種研修会等の実施
当社の事業活動や経営環境への理解をより深め、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮を企図し、様々な研修会や執行部門(執行役や社員等)との交流の場を企画・実施しています。
1) 社外取締役を対象とする研修会
2) 執行役とのコミュニケーション
・ 新任社外取締役研修は対面での説明を基本とし、執行役が個別に担当職務について説明の上、当社の事業内容や活動について情報共有を行うとともに活発にディスカッションを行いました。
・ これらの研修は、対面に加え、ウェブ会議も活用し、新任以外の社外取締役も任意で参加しました。また、執行役の説明、質疑応答の様子を録画することで、取締役がオンデマンドで視聴できる仕組みにしています。
ⅵ. コーポレートガバナンス評価の実施
hhcガバナンス委員会では、毎年、取締役会の経営の監督機能の実効性を評価し、運営等の課題を抽出するとともに、取締役会および執行部門に改善の要請や提案を行っています。コーポレートガバナンス評価では、前年度の課題認識等に基づき、取締役会等の活動状況を点検・評価し、次年度に向けた課題抽出および改善策等を示すことでPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回しています。なお、2017年度より、継続的、安定的にコーポレートガバナンス評価の妥当性を確保するために、そのプロセスおよび評価結果について外部機関による点検、レビューを3年に1回実施することとしており、2023年度は本点検とレビューを実施しました。
1) 2023年度コーポレートガバナンス評価
2024年4月25日、当社取締役会は、hhcガバナンス委員会がとりまとめた「取締役会評価」、「コーポレートガバナンスプリンシプルの自己レビュー」および「内部統制関連規則の自己レビュー」の結果について審議し、「2023年度コーポレートガバナンス評価」を決議しました。

2) 外部機関を活用した「取締役会評価」の改善および適正性の担保の仕組み
・ 外部機関による評価プロセスの調査、評価、改善提案、評価結果の点検等を3年に1回実施し、取締役会評価の適正性を担保するとともに評価の改善を図る仕組みを導入しています。
・ 外部機関は、当社の過去の評価方法、評価の決定プロセス、各取締役の評価、最終評価等を分析の上、制度およびその運用について、指摘や助言を行います。
・ 外部機関の指摘、助言に基づき、hhcガバナンス委員会および取締役会は、制度および運用の改善を行います。
・ 外部機関は、hhcガバナンス委員会がとりまとめる取締役会評価について、評価プロセス、評価結果等を点検し、取締役会に報告書を提出します。
・ 取締役会は、hhcガバナンス委員会がとりまとめた評価と外部機関による報告書に基づき、当該年度のコーポレートガバナンス評価を決定します。
※2023年度は外部機関による点検、レビューを実施しました。

(b) 当社の各機関について
当社は、指名委員会等設置会社として法定機関である取締役会、指名・監査・報酬の各委員会および取締役会で選任された執行役を設置しています。
当社の取締役会議長および指名・監査・報酬の3委員会の委員長は社外取締役が務めており、透明性の高い経営を確保する仕組みを構築しています。
また、法定機関ではありませんが、社外取締役だけで構成されるhhcガバナンス委員会を設置し、委員長も社外取締役が務めています。
当社の2023年度における各機関の人員構成、主な任務および活動内容は、次のとおりです。
イ) 取締役会(11名(うち女性2名):社外取締役7名、社内取締役4名、議長:社外取締役、任期1年)
[取締役会の任務]
・経営の基本方針、執行役の選任、剰余金の配当等の決定など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行う。
・執行役からの報告、ならびに指名委員会、監査委員会、報酬委員会、hhcガバナンス委員会からの報告に基づき、取締役および執行役の職務の執行を監督する。
[取締役議長からのメッセージ](社外取締役 池 史彦)
・2023年度は社会的価値が非常に大きいアルツハイマー病治療薬「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、新発売に向けた準備状況から発売後の進捗状況などの現状と課題など、適宜、執行役から詳細な報告を受け、十分な時間を使って取締役会で議論を行いました。
・特に、価格設定の妥当性や如何に「レケンビ」を必要とされている患者様に早くお届けするかなどについて、活発な議論を重ねました。また、中長期計画「EWAY Future & Beyond」の進捗状況のレビュー、hhcecoシステムの推進計画と進捗確認について報告を受け、喫緊の課題から中長期の事業展望まで、多様かつ幅広い視点から経営の監督に努めました。
・さらに今年度より、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しました。
・今後も、社外取締役がリーダーシップを発揮して、常に最良のガバナンスを追求しながら、企業価値の向上をはかり、ステークホルダーズの皆様のご期待に応えてまいります。
[2023年度における取締役会の活動内容]
i.中長期を含む事業戦略関連
・取締役会は、「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、年度を通じ、必要に応じてその都度、執行部門より詳細な報告を受けました。特に、日米における新発売に向けた準備状況、「レケンビ」を投与するまでに必要なプロセス、売上の進捗などの現状と課題に関する報告を受け、投与可能な患者様数や年度の目標投与患者様数の妥当性をはじめ、「レケンビ」を必要としている患者様に如何にお届けするかについて活発に議論を行いました。
・取締役会は、中長期計画「EWAY Future& Beyond」の進捗状況のレビューや「hhcecoシステムの推進計画と進捗確認」について報告を受け、取締役からは、プレクリニカルAD(発症していないが脳内にすでにアミロイド蓄積が認められる健常者)への取り組み、hhcecoシステムの全体構想や将来像、認知症エコシステム構築に向けたデジタル事業会社であるTheoria technologies株式会社の役割やプラットフォームビジネスの収益化等について意見が述べられ、議論を行いました。
・取締役会は、持続的・安定的な株主還元および政策保有株式の売却状況を含む資本政策について報告を受け、リスク資産比率の状態やフリーキャッシュ・フローに関する考え方等について意見が述べられ、議論を行いました。
・その他に報告を受け議論を行った事項
‐抗がん剤「レンビマ」について、適応拡大を企図した臨床試験の結果および高純度製剤の特許
‐全社のサステナビリティへの取り組み状況(四半期毎)
‐社員エンゲージメントを含む人的資本経営に対する取り組み
‐hhcガバナンス委員会のサブコミッティにおいて検討を行った事項(気候関連財務情報開示タスクフォースや生物多様性の対応状況を含む地球環境に配慮した事業活動の取り組み、サステナビリティ全般の開示、女性活躍推進、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)への対応状況)
ⅱ.コーポレートガバナンス・内部統制・リスクマネジメント関連
・取締役会は、ランサムウェア被害が発生したことを受け、被害の概要とその対応状況およびサイバーセキュリティ強化対策に関して、必要に応じその都度、執行部門より詳細な報告を受けました。取締役からは、グローバルなIT体制の強化、人材確保や社員教育の徹底などの対応策およびその対応に係る費用などについて意見が述べられ、議論を行いました。
・内部統制の構築・整備・運用状況、リスクの発生可能性と影響度に基づく継時的なリスクマップおよびリスクの特徴(コントロールされたリスクとリスク低減が必要なリスク)に基づく対応状況などについて報告を受けました。
・「内部統制の現状および課題ならびに当社内部統制のめざす方向性」について報告を受け、インテグリティへの社会的関心が高まる中、役員から現場社員に至るまで浸透をはかることが重要である等の意見が述べられるなど議論を行いました。
・取締役会は、第111回定時株主総会における議決権行使結果の分析、招集通知電子化対応の結果報告および第112回定時株主総会開催の方向性について報告を受け、取締役からは、議決権行使結果、招集通知電子化対応の結果を踏まえ、株主様の満足度向上に繋がる検討を進めるよう意見が述べられるなど議論を行いました。
・2023年度コーポレートガバナンス評価について議論を行い決議しました。
ロ) 指名委員会(3名:社外取締役3名(うち女性1名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[指名委員会の任務]
・取締役の選任および解任に関する株主総会議案の内容を決定する。
・当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは取締役会の過半数を占める社外取締役の存在であるとの認識に基づき、独立性・中立性のある社外取締役を選任するために「社外取締役の独立性・中立性の要件」を定める。
・取締役会が、様々なステークホルダーズの期待に応え、監督機能を発揮できるよう、多様なバックグラウンドを有する取締役候補者を決定する。
・指名委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
[指名委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 森山 透)
・当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役の存在であり、そして様々なステークホルダーズの期待に応え、経営の監督機能を高めるために、①厳格に独立性・中立性のある社外取締役候補者を選ぶこと、②取締役会を多様なバックグラウンドの取締役で構成することの2点が指名委員会の重要なミッションであると考えています。
・当社指名委員会には、経営陣から独立した社外取締役を選任する手続きとルールが確立されています。社外取締役候補者のリストは、現役の社外取締役だけではなく、当社取締役およびその経験者を含め、幅広いリソースから情報収集を行い、その充実をはかっています。リストから絞り込んだ候補者の方々には、当社の企業理念やコーポレートガバナンスの考え方等を情報提供し、就任の可能性を早い段階から把握するようにしています。こうした社外取締役の選任プロセスに、経営陣は関与しない仕組みになっており、指名委員会の役割はコーポレートガバナンスの実効性を支えるために非常に重要であると考えています。
・2023年度は、社外取締役および社内取締役に期待する役割を改めて検討するとともに、取締役の員数および各委員会の構成に関する基本的な考え方や2030年までに女性役員30%達成に向けた検討などに関して、hhcガバナンス委員会において情報共有とディスカッションを行ったうえで指名委員会において検討を行いました。
・また、指名委員会では、取締役候補者選任に関する説明責任をこれまで以上に果たすために、参考書類における取締役候補者選任基準や取締役の多様性の考え方などの記載を拡充するとともに、各取締役候補者の特長や個性が想像できる記載内容にするなど、当社らしい開示ができるよう検討を行いました。
・指名委員会は今後も、当社のコーポレートガバナンスの向上に資するべく、社外取締役の在任期間の中長期的なシミュレーションなども行いながら、取締役会の構成や多様性の検討等、取締役会の機能発揮に結びつく取締役候補者の選任を進めてまいります。
[2023年度における指名委員会の活動状況]
・取締役候補者選任に係る諸課題として、社外取締役および社内取締役に期待する役割、取締役の員数および各委員会の構成に関する基本的な考え方や2030年までに女性役員30%達成に向けた検討、および取締役の多様性・バックグラウンドの考え方に関して、hhcガバナンス委員会において情報共有とディスカッションを行いました。その後、指名委員会においても議論を行いました。
・指名委員会として、取締役候補者選任に関する説明責任をこれまで以上に果たすことを企図し、株主総会招集ご通知の参考書類において、取締役候補者選任基準や取締役の多様性の考え方などの記載を拡充するとともに、取締役候補者の個別頁においては、各候補者の特長や個性をより反映した記載内容としました。
・社外取締役候補者として医学・薬学の専門家を選任することに関し、調査と検討、議論を行った結果、社外取締役としての独立性・中立性が確保でき、かつ利益相反がないことを前提に、取締役会の経営の監督機能向上への貢献が期待できる医学・薬学の専門家等の選任を引き続き検討することを確認しました。
・将来を見通した社外取締役の就退任に係るシミュレーションを行いました。シミュレーションの実施にあたり、取締役議長のサクセッションが将来において円滑に行われること、取締役会および委員会の継続性の観点から同時に多くの社外取締役が交代しないことに留意しました。また、女性の社外取締役を複数、継続して選任すること等について検討しました。
・再任となる社外取締役候補者6名および新任となる社外取締役候補者1名について、独立性・中立性の調査を行い、審議の結果、いずれの候補者にも問題がないことを確認しました。
・2024年度の新任取締役候補者2名(社外取締役候補者1名、社内取締役候補者1名)を含む11名の取締役候補者および取締役会体制案を決定しました。
・2025年度以降の新任社外取締役候補者についても具体的な検討および審議・決定を行いました。

ハ) 監査委員会(5名(うち女性1名):社外取締役3名、社内取締役2名、委員長:社外取締役、任期1年)
[監査委員会の任務]
・取締役および執行役の職務執行の監査ならびに監査報告の作成、会計監査その他法令により定められた事項を実施する。
・株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定する。
・会計監査人の独立性の確保および監査の品質管理のための組織的業務運営について確認するとともに、当社会計監査人以外の監査法人に関する情報収集に努める。
・当社グループの役員、使用人ならびに当社の会計監査人から適時・適切にその職務の執行に関する事項の報告を受けるとともに、当社グループの業務および財産の状況を調査し、会計監査人および内部監査部門と必要な情報を共有するなど、監査の質の向上と効率的な監査の実現に努める。
・監査委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則、手続き等を定め、毎年見直しを行う。
・監査委員会の決議および監査委員の指示に基づき職務を遂行する経営監査部は、監査の客観性を確保するために、業務の指揮命令および人事評価等について執行役からの独立性が保障される。
[監査委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 内山 英世)
・監査委員会は、事業年度ごとに重要なリスクを検討の上、そのリスクに応じた監査計画を定めて、これに従って監査を実施しています。今年度の主な監査等の活動は次のとおりです。
‐執行役の職務執行の監査として、取締役会の定めた規則に基づく報告を月次で全ての執行役から受領したほか、個別の重要事項については、関係する執行役を監査委員会へ招請し報告を受けるなどしました。また、事業年度ごとに定める重要監査テーマとして、(1)製造委託先に対するマネジメントおよびその課題と対応、(2)医療用医薬品事業におけるポートフォリオマネジメントと中短期の計画管理、(3)グローバルでのコンプライアンス推進体制の3件について、それぞれの担当執行役から報告を受け監査しました。
‐会計監査人の活動を監視・検証して、会計監査人の独立性や品質を担保する仕組みの運用状況を確認するとともに、会計監査人との間で必要な情報を共有しました。
‐グループの内部監査部門の活動状況の報告を定期的に受け、その相当性を確認しました。
・これらの監査等の活動を行った結果、いずれにおきましても問題を認めませんでした。
・また、監査委員会が受領した執行部門からの報告などから、重要と認められた事項については、適時に取締役会へ共有し、当社のガバナンス強化に資する活動を行いました。
[2023年度における監査委員会の活動状況]
1) 取締役・執行役の職務執行に係る監査活動
・取締役の職務執行の状況を、取締役会の議案の審議等を通じて、監視し検証しました。
・取締役会の定めた規則に基づき、執行役からの報告を月次・随時に受領しました。また、必要に応じて、執行役を監査委員会へ招請するなどして報告を求めました。
・執行役会など執行役が主催する会議に出席して、その審議内容等を確認しました。
・執行役による内部統制の整備・運用状況について、取締役会の定めた規則に基づくリスク管理等の体制に関する執行役からの年度・半期単位の報告、および上記の執行役の業務執行状況に係る監査活動などにより、監視し検証しました。
・事業報告およびその附属明細書、ならびに計算関係書類について、担当執行役より受領し説明を受け、その内容の相当性を確認しました。
当社における監査委員会の体制は以下のとおりです。
2) 会計監査人に係る監視・検証の活動
・「(3) 監査の状況 ①監査委員会の状況 (a)監査委員会の会計監査人に係る監視・検証の活動」に記載しています。
3) 内部監査部門等に係る監査活動
・「(3) 監査の状況 ①監査委員会の状況 (b)監査委員会の内部監査部門等に係る監査活動」に記載しています。
ニ) 報酬委員会(3名:社外取締役3名(うち女性1名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[報酬委員会の任務]
・取締役および執行役の報酬等の内容にかかる決定に関する方針および個人別の報酬等の内容を公正性および透明性をもって決定する。
・取締役の報酬等については、取締役が、ステークホルダーズの共同の利益と長期的な企業価値の向上に向けて、その職務である経営の監督機能を充分に発揮するのに相応しい報酬として決定する。
・執行役の報酬等については、執行役の担う職務の重要度、責任の重さを十分に反映した競争力のある報酬とし、経営者報酬としての納得性を高めるとともに、中長期の当社企業価値の向上および社会善の実現ならびに社会のサステナビリティへの貢献に対し、執行役が強く動機付けられる内容として決定する。
・取締役および執行役の報酬等を決定するにあたり、その客観性を確保するために社外の調査データ等を積極的に取り入れるとともに、報酬等の決定プロセスの妥当性についても審議し、これを決定する。
・報酬委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
[報酬委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 リチャード・ソーンリー)
・報酬委員会は、取締役や執行役の報酬等の内容を決定するという重要な経営の監督責任を有しており、その役割として報酬決定の「公正性と透明性の確保」、「株主を含むステークホルダーズの皆様への説明責任」を重視しています。また、報酬委員会は、経営の監督機能を十分に発揮するために適切な取締役の報酬等を決定しており、執行役の報酬等については、当社の中長期的な企業価値を向上させ、社会の利益とサステナビリティに貢献することを強く動機付けるとともに、優れたグローバル人財を惹きつける競争力のある報酬とすることを決定しています。
・2023年度の報酬委員会は、取締役および執行役の新たな報酬制度の運用を開始し、運用上における課題などを点検し、内規を含む制度を整備、改正しました。特に、業績連動型株式報酬制度については、中長期的な企業価値向上に向けたコミットメントを発揮することを企図した制度であることを、執行役一人ひとりにその趣旨や仕組みを丁寧に説明することにより、理解を促すとともに、文書によるメッセージを発信しました。しかしながら、新たな報酬制度は導入間もないため、2024年度も引き続き、報酬制度の運用を進め、改善を重ねてまいります。
・報酬委員会は、今後とも、報酬決定の公正性と透明性を実現するために審議を尽くし、これまで以上に開示の充実を果たすことで、株主を含むステークホルダーズの皆様への説明責任を果たしてまいります。
[2023年度における報酬委員会の活動状況]
・2023年度の報酬委員会は、取締役および執行役の新たな報酬制度の運用を開始し、課題などを点検するとともに、以下の制度の整備、規程の改正等に取り組みました。
‐執行役の株式報酬制度の理解を促進するため、株式報酬は、中長期的な業績やESGへの貢献など企業価値向上に向けたコミットメントを発揮することを企図したLTI(Long Term Incentive)であることをメッセージとして発信しました。
‐在任時交付部分(業績連動部分)は、その評価指標を、ESG EBIT、相対PBR、全社マテリアリティとすることを決定し、報酬委員会が決定した要件を満たした時のみ100%以上の株式報酬が得られるインセンティブ性が高い評価と交付の仕組みとしました。
‐退任時交付部分(固定交付部分)の交付条件として、役員としての勤務条件を3年以上とし、3年未満で退任する役員には交付しないこと、およびマルス・クローバック条項の設定を決定しました。
‐株式報酬制度の変更(役員報酬BIP信託)、株式交付規程を改正しました。
・2023年5月に開催の報酬委員会において、2022年度の各執行役の業績評価のプロセスおよび評価結果の内容の妥当性を審議し、2022年度の全社業績目標(財務および非財務)達成度を決定のうえ、全社業績と執行役の個人別業績評価に基づいて、執行役の業績連動型報酬である賞与および株式報酬を決定しました。また、 2020〜2022年度の3年間を対象に設定した海外子会社出身の執行役のSpecial LTI(LongTerm Incentive)の評価および支給額に関して審議し、決定しました。
・2023年6月開催の報酬委員会において、取締役の個人別の報酬等を決定しました。2023年6月21日に選任した全執行役の職務グレードを決定しました。この職務グレード決定に基づき、執行役の個人別報酬を決議しました。
・2023年9月開催の報酬委員会において、執行役の業績連動型報酬を決定するための2023年度の個人別業績目標について、その策定プロセスを確認し、個々の業績目標の妥当性について審議のうえ決定しました。
・2023年12月に開催した報酬委員会において、役員報酬制度についてレビューを行い、報酬等の水準の見直しに関する基準を検討することを確認しました。
・2024年3月に開催した報酬委員会において、報酬水準の見直しに関する基準の検討および事業報告における役員報酬の情報開示について審議のうえ決定しました。
ホ) hhcガバナンス委員会(7名:社外取締役7名(うち女性2名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[hhcガバナンス委員会の任務]
・ステークホルダーズとの対話に積極的に取り組み、得られた知見を取締役会における議論の充実に活かす。
・代表執行役CEOから提案される将来の代表執行役CEOの育成計画について情報を共有するとともに助言等を行う。
・取締役会の経営の監督機能の実効性を評価する。取締役会等の運営に関し課題がある場合、取締役会にその改善について提案する。
・当社のコーポレートガバナンスおよびビジネスに関する事項等について幅広く議論し、もってコーポレートガバナンスの継続的な充実を図る。
[hhcガバナンス委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 池 史彦)
・hhcガバナンス委員会は社外取締役のみで構成する取締役会内委員会として、コーポレートガバナンス充実に向けた取り組みを行っています。
・2023年度は昨年度の取締役会評価で確認された課題として、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」を大きなテーマに、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性を検討することとし、複数回にわたり、hhcガバナンス委員会において議論を重ねました。取締役会評価による「PDCAサイクル」を回して継続的に課題の解決とガバナンスの充実に取り組むことに変わりはありませんが、更なる経営の監督機能の強化に向けて、どのような仕組みを構築、運用していく必要があるかなどの検討をいたしました。
・検討の結果のひとつとして、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しました。また、取締役会が経営の監督を行うために必要な情報や判断材料を得るために、外部専門家や外部機関から意見や情報を収集する仕組みも導入しました。これにより、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」に向け、前進することができたと考えております。
・その他、hhcガバナンス委員会ではCEOのサクセッションプランの検討や取締役会の実効性評価、指名委員会の諸課題の共有と検討など、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論と検討を行いました。
・引き続き、社外取締役のみで構成されるhhcガバナンス委員会の活動の活性化をはかり、取締役会の経営の監督機能を高めて、コーポレートガバナンスおよび企業価値の向上に取り組んでまいります。
[2023年度におけるhhcガバナンス委員会の活動状況]
1) ステークホルダーズとの対話
hhcガバナンス委員会では、年に一度、実施したステークホルダーズとの対話の実施を振り返り、次年度に向けた対応事項や実施に向けた検討事項等を審議の上で確認しています。2023年度は以下の取り組みを実施しました。
・若年性アルツハイマー型認知症の方との対話
・機関投資家(のべ6社)と社外取締役との対話
・労働組合代表メンバーと社外取締役との情報共有とディスカッション
・工場、研究所および営業拠点への訪問、および社員と社外取締役との情報共有とディスカッション
2) CEOサクセッションプランの検討
・サクセッションプランの情報共有と検討(3回実施)
3) 取締役会の実効性評価
・コーポレートガバナンス評価(コーポレートガバナンスプリンシプルと内部統制関連規則の自己レビューと取締役一人ひとりが評価する取締役会評価)の実施
・外部機関による過去2年間の取締役会評価プロセスのレビュー(3年に1回実施)および2023年度取締役会評価のとりまとめ結果の点検、分析
4) 取締役会の「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
2022年度取締役会評価において、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」が課題であることが確認され、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性について、複数回に渡り議論を行うとともに外部講師(弁護士)から講演を受けるなど検討を進めました。
5) サブコミッティの活動
hhcガバナンス委員会のサブコミッティにおいて、次のテーマについて執行部門からの報告を受け、hhcガバナンス委員会の充実に向けた議論を行いました。
・サステナビリティへの取り組み状況の点検
・アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応の点検
6) その他
・取締役会およびhhcガバナンス委員会の議題の選定
・指名委員会における諸課題(社外取締役および社内取締役に期待する役割、取締役候補者選任の基本的な考え方、取締役の員数および各委員会の構成、女性役員30%達成に向けた検討、取締役の多様性・バックグラウンドの考え方、社外取締役の独立性・中立性の要件等)の情報共有とディスカッション
・外部専門家を招き、「サイバーセキュリティに関する知見の習得」および「経営の監督」に関する情報共有とディスカッションの実施取締役会の「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
<2023年度に設置していた機関と構成員の氏名、役職および2023年度の出席状況>
(注1) 表中の◎および○は各委員会における委員長および委員を示しています。
(注2) 2023年6月21日に退任した加藤泰彦氏、海堀周造氏は、同日前までの出席状況を記載しています。
(注3) 2023年6月21日に就任した森山透氏、安田結子氏は同日以降の出席状況を記載しています。
(注4) 取締役会議長は、2023年6月21日前までは加藤泰彦氏が務め、同日以降は池史彦氏が務めています。
(注5) 指名委員会委員長は、2023年6月21日前までは海堀周造氏が務め、同日以降は森山透氏が務めています。
(注6) 報酬委員会委員長は、2023年6月21日前までは池史彦氏が務め、同日以降はリチャード・ソーンリー氏が務めています。
(注7) hhcガバナンス委員会委員長は、2023年6月21日前までは加藤泰彦氏が務め、同日以降は池史彦氏が務めています。
(注8) 池史彦氏は2023年6月21日前までは指名委員会委員を務め、同日以降は委員ではなくなりました。
(注9) hhcガバナンス委員会には、サクセッションプランの情報共有など、テーマにより社内取締役が参加する場合もありますが、hhcガバナンス委員会委員の出席状況についてのみ記載しています。
<有価証券報告書提出日時点で設置している機関と構成員の氏名および役職>
(注1) 表中の◎および○は各委員会における委員長および委員を示しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況
イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況
当社は、会社法第416条および会社法施行規則第112条に基づき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」(以下、本規則)の運用状況
ⅰ) 当社監査委員会の職務を補助すべき当社の取締役および使用人に関する事項
当社は、監査委員会の職務を補助すべき部署として経営監査部を設置しています。経営監査部員は、監査委員会の指示ならびに監査委員会が定める規則および年度ごとの監査計画に従い業務を遂行しており、服務については就業規定の定めに従っています。また、監査委員会の職務を補助すべき取締役は置いていません。
ⅱ) 経営監査部の当社執行役からの独立性に関する事項および経営監査部に対する当社監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部長および部員は、本規則の定めに従い、監査委員会の指揮命令に基づき業務を実施しています。また、経営監査部長および部員の評価は、監査委員会がすべて実施し、経営監査部員の任命、異動についても、監査委員会の同意を得て実施しています。
ⅲ) ENW*企業の役員および使用人が監査委員会に報告するための体制
監査委員会は、すべての執行役から本規則で定めた項目について、毎月1回、報告を受領しています。重要事項に関しては、随時に報告を受けています。また、監査委員会監査計画に重要な社内会議を定め、その議論や決議の状況について監視しています。
チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手したコンプライアンスに関する事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会へ報告する体制を構築しています。また、当社執行役に関する事項については、監査委員会が設置する内部通報窓口へ直接連絡することもできます。さらに、監査委員会は、ENW企業の監査役との情報共有によりENWの内部統制についての情報を入手しています。
* ENW(Eisai Network Companies)とは、当社および子会社と関連会社で構成されている企業グループのことです。
ⅳ) 前項の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
コンプライアンス・ハンドブックではコンプライアンス上の懸念を報告することをENW企業の役員および従業員に求めるとともに、当該報告者への報復行為を禁止しています。コンプライアンス・カウンターでは、報告者の保護を含む運用規則を整備・運用しています。また、就業規定においても、報告者への報復行為等を固く禁じています。監査委員会は、月次にコンプライアンス・カウンターの運用状況について不利な取り扱いの有無を含めて確認しています。
ⅴ) 監査委員の職務執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査委員会の職務執行のためのすべての費用は、執行部門から制限を受けることなく処理されています。
ⅵ) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、会計監査人および内部監査部門からそれぞれの監査計画および監査結果を入手し、監査委員会の監査が実効的に行われるようにしています。また、その監査活動の中で、会計監査人および内部監査部門等と必要な情報を共有しています。
「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況
ⅰ) 当社執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
情報の保存と管理を担当する執行役を任命し、当該執行役が執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する規則として、「ENW秘密情報セキュリティポリシー」および「情報セキュリティ規程」をはじめとする規則を整備し、研修会を継続的に実施し、情報の取り扱いの徹底をはかっており、これらの状況が取締役会および監査委員会に報告されています。
ⅱ) ENWの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
内部統制担当執行役は、ENWの損失の危険を管理し、自ら評価するための仕組みとしてCSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を導入し、執行役から各組織レベルに至るリスクマネジメント、内部統制の整備・評価を支援しています。このCSAを活用するなどして、各執行役は、担当職務(国内外)における重要な損失の危険(重要リスク)および子会社(国内外)における重要リスクを認識し、適切な管理体制を整備・運用しています。
特に会社に重大な損失を及ぼしうる複数の部門に関係する損失の危険に関しては、チーフフィナンシャルオフィサー(財務)、ゼネラルカウンセル(法務)、総務・環境安全担当執行役(環境、災害)、チーフプロダクトクオリティオフィサー(製品品質)、グローバルセーフティオフィサー(副作用)が責任を担っており、連結決算業務に関する規則、インサイダー取引を防止するための規則、事業継続計画、製品の品質を保証するための手順書や副作用情報の管理に関する規則等、必要な文書・規則を作成・運用し、社内ウェブへの掲載や対象者への研修等を通じて徹底をはかり、対策を講じるとともにこれらを運用しています。
また、ENWの損失の危険およびその対応の状況は、内部統制担当執行役が委員長を務めるリスクマネジメント委員会で一元管理し、内部統制の整備を推進しています。
ⅲ) ENWの職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社取締役会は業務執行の意思決定を大幅に執行役に委任するとともに、執行役の職務分掌と相互の関係を適切に決議しています。チーフHRオフィサーは、ENWにおける重要事項の意思決定手続きを定め、徹底しています。本手続きでは、ENWとして重要な事項に関する起案者、協議先、実施責任者、結果責任者等を定め、効率的な意思決定が行われる体制を整備しており、適宜、見直しが行われています。また、各執行役は、自らの担当職務における意思決定手続きを定めて、担当職務の効率的運用に努めています。執行役による重要な意思決定の状況については、取締役会に適宜報告されています。
ⅳ) 当社を除くENW企業の取締役ならびにENW企業の執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役が、コンプライアンスおよび内部統制の構築を推進しています。
コンプライアンスについては、コンプライアンス・プログラムを整備し、実践しています。反社会的勢力との対決方針に関しては、企業行動憲章およびコンプライアンス・ハンドブックに掲載するとともに、コンプライアンス研修を通じ、ENWに周知しています。
内部統制については、内部統制担当執行役が定めるENW内部統制ポリシーに基づき、すべての執行役が、自らの責任範囲において内部統制を構築・整備、運用しています。
コンプライアンス・リスク管理推進部では、各執行役が構築・整備、運用する内部統制を支援することを目的とし、日常的な業務リスクの低減に取り組む仕組みとして、①全執行役を対象にした全社的な重要リスクの把握、②ENWの全組織長を対象にしたCSAを推進しています。CSAでは、日本、米州、欧州、中国、アジアの各リージョンに推進組織もしくは推進担当者を設置し、リスク管理の支援を通じてグローバルに内部統制の推進を行っています。
内部監査は、コーポレートIA部および各リージョンの内部監査部門が、被監査組織とは、独立的、客観的な立場で実施しています。なお、すべての内部監査の結果を監査委員会/取締役会、執行役会へ定期的に報告しています。
また、製薬企業特有の専門分野については、法令、定款に適合していることを確認する執行役を適切に任命しています。
ⅴ) 当社を除くENW企業の役員および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、ENW企業を統轄、管轄または管掌する執行役を職務分掌で定めています。ENW企業を担当する執行役は、各ENW企業の意思決定手続きの制定、重要な会議への出席、定期的な報告書等により、ENWから報告を受ける体制を整備しています。ENW企業の状況については、担当執行役から取締役会および監査委員会に適宜報告されています。
ロ) コンプライアンス・リスク管理
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役がコンプライアンス・リスク管理推進部を指揮し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。
ⅰ) コンプライアンスの推進
コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義して経営の根幹に据え、トップマネジメントのメッセージ発信、コンプライアンス推進体制の整備、啓発活動、研修体制や相談・通報窓口の整備・運用等からなるコンプライアンス・プログラムを実践しています。
このコンプライアンス・プログラムは、社外専門家で組織されたコンプライアンス委員会による客観的なレビューを定期的に受けています。
1) コンプライアンス意識を醸成する啓発活動
2) コンプライアンス・カウンター、お取引先コンプライアンス通報窓口の活用と監査委員会への報告
コンプライアンス・カウンターは、ENWにおける内部通報制度の窓口です。コンプライアンス・カウンターでは、通報だけでなく、法令・ルールの解釈や日々の活動に関する疑問などコンプライアンスに関するあらゆる相談を受け付けています。日本国内では、本社であるエーザイをはじめENW各社に設置されています。また、ENW各社の従業員は、エーザイ本社のコンプライアンス・カウンターに直接連絡することも可能です。社内窓口への通報に抵抗がある従業員のために、独立した社外弁護士による社外相談窓口を設けるほか、コンプライアンスに限定せず、職場や仕事の問題を中立的な立場で扱うオンブズパーソンが運営する社外相談窓口も設置し、コンプライアンス推進のための環境を整備しています。
グローバルでも各リージョンに独自の内部通報窓口を設置するとともに、アジア圏についてはエーザイ本社直通の通報窓口も設置しており、各国の法令等に基づいた対応を行っています。お取引先の役員および従業員の方々にも、エーザイ関係者による不正行為や法令違反、さらにお取引先自身における当社事業に関わる不正行為や法令違反等について相談・通報いただけるようコンプライアンス通報窓口を設けています。また、これらの窓口に寄せられた通報対応業務に従事する者については、公益通報者保護法に準じ、通報者保護のため、通報者を特定させる情報についての守秘義務を課しています。
コンプライアンス・カウンターやお取引先様コンプライアンス通報窓口への相談・通報の受付件数の状況は、毎月、監査委員会に報告しています。また、チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手した情報のうち、重大なものについては、秘匿性を確保した上で直ちに監査委員会に報告する体制も構築しています。
なお、エーザイ本社のコンプライアンス・カウンターでは、コンプライアンス違反認定を行った事案について、役員および従業員がこれを自分事化し、自らの行動を顧みることにより、同種・類似の違反行為をとることがないよう、行為者および被害者等が特定されないよう配慮を行ったうえで、社内ウェブに公表をしております。社内アクセス数も高く、コンプライアンス違反行為の未然防止に効果を発揮しています。
3) コンプライアンスに関する意識調査を実施
コンプライアンス・組織風土の状況および個別課題の有無を把握するため、国内および海外グループの全従業員を対象とした「コンプライアンスに関する意識調査」を毎年実施しています。その調査結果から、全社および各部署の個別課題を把握しコンプライアンス意識醸成のための取り組みを検討します。また各部門の管理職とその課題を共有し、自主的な課題解決のアクションにつなげています。
4) 関連当事者間の取引
誠実なビジネス活動の推進を目的に、2012年1月に「ENW贈収賄・汚職の防止に関するポリシー」を定めました(2018年10月全面改定)。これは、社外関係者と接する際のENW共通のルールであり、すべてのENWにおいて贈収賄・汚職のないビジネス活動を推進しています。また、2022年には新たに同ポリシーに準拠した贈収賄防止に関する規定を整備し、取引先に対するデュー・デリジェンス機能をグローバルに強化しました。
具体的な取り組みの一つに、エーザイが新規に取引を予定している企業へ、ウェブシステムを活用して事前にグローバル共通の贈収賄・汚職の可能性に関する質問書への回答を得るABAC(Anti-Bribery and Anti-Corruption: 贈収賄・汚職の防止)デュー・デリジェンスシステムを導入しており、新規取引に伴うリスクの低減に一定の成果を得ています。本システムは、リスクアプローチの考えのもと、メキシコ、ブラジル、カナダを含むアメリカ地域、ロシアや東欧を含む欧州地域、中国、インドやアジア諸国で稼働させています。当社取引先企業においても、デュー・デリジェンスの結果、贈収賄・汚職防止の取り組みについて当社と同等レベルでの実施を要請しており、この基準を満たさない場合には取引しない、もしくは必要な策を講じた後に取引を開始するなどの措置を講じています。当社従業員に対しては毎年贈収賄・汚職防止に関するトレーニング受講を必須としており、業務における贈収賄・汚職防止への意識を高めています。
当社と主要株主との取引の有無およびその内容については、当社取締役会によって適切に監督するとともに、監査委員会は定期的な監査対象事項として監査しています。また、当社取締役会は、当社や株主の利益に反する行為を行うことを防止するため、役員による自己取引および利益相反取引については当社取締役会の承認を必要とすることを取締役会細則に規定し、開示しています。なお、この取引については、重要な事実を適切に取締役会に報告することとしています。
5) コンプライアンスに則ったプロモーション
グローバルにコンプライアンスに則ったプロモーション活動を行っています。また、企業活動が高い倫理性のもとに行われていることを広く社会にご理解いただくため、日本製薬工業協会(製薬協)や各国で定める法令・ガイドラインに則り、医療機関等および患者団体に対する支払いを公開しています。
ⅱ) リスク管理の推進
当社では、会社法に基づき、取締役会が「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を制定し、すべての執行役が担当職務のリスクを識別し、内部統制を構築・整備、運用することを定めています。内部統制担当執行役はグローバル共通の「ENW内部統制ポリシー」を定め、グループ全体で内部統制の構築・整備、運用を推進し、リスクを許容範囲に管理すべく取り組んでいます。
当社では、全社におけるリスク管理を適正に行うため、リスク管理のツールの一つとして、CSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を実施しています。CSAでは、毎年、ENWの組織長が自組織のリスクについて識別・評価を行い、対応を進めていました。また、全執行役による識別・評価を通して全社的な重要リスクを把握し、リスク対応の実施状況を確認することでリスク管理の実効性を高めています。なお、2024年度からは、各執行役が中心となってCSAを実施することにより、識別された一つ一つのリスクのより一層の深耕およびその対策立案・実施の充実化を図ることにしています。
このCSAを通して識別されたリスクの内、全社に共通するリスクは、リスクマネジメント委員会で検討されます。リスクマネジメント委員会は、内部統制担当執行役を委員長とし、取締役会の助言を受け、エーザイにおける特に重要な全社におけるリスクの共有およびその対応の検討を行う委員会です。リスクマネジメント委員会では、CSAから得られたリスクの把握と迅速かつ効率的なリスク対応を推進するとともに、社外の企業不祥事等の事案を参考に自社における潜在的なリスクを早期に感知し、リスクの顕在化防止に努めています。2023年度は、計9回のリスクマネジメント委員会を開催し(グローバル開催4回)、「サイバー・セキュリティ」、「長時間労働」などの重要リスクについて状況報告、議論、その後の対応の進捗確認が行われました。
ハ) 内部監査活動
当社では、独立性強化を目的として、内部監査担当執行役のもとに当社グループの内部監査を管理するエグゼクティブインターナルオーディターを設置し、当社の内部監査を担うコーポレートIA部をはじめ、米国、欧州、中国等の各地域の内部監査部門と協力しながら、グローバルな内部監査を実施しています。このグローバルな監査活動では、定款で定めた企業理念の実現に向けた重要なリスクが、当社グループとしてどのように管理され、どこに課題があるのかを把握し、改善を促すことに努め、その結果を執行役会だけでなく、監査委員会/取締役会に報告しています。また、金融商品取引法が求める財務報告に係る内部統制の整備・運用の評価を担うとともに、労働安全衛生法等を含む多様な法規制遵守の観点から研究所や工場等に対する環境安全監査を実施しています。
そして当社グループの監査品質を高めるため、会計監査人との定期的な情報共有の場を設定し、的確かつ効率的な内部監査の実施に向けた連携に努めるとともに、社外有識者で構成された外部評価委員会を定期的に開催し、主要な内部監査の報告書や内部監査活動の自己評価結果等について幅広く評価いただいています。
(b) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
「③ 企業統治に関するその他の事項 (a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況 イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況 「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況 ⅳ)およびⅴ)」に記載しています。
(c) 責任限定契約の内容の概要
当社は、10名の取締役(業務執行取締役等である者を除く)との間で、会社法第427条に基づき定めた当社定款第38条第2項にもとづく責任限定契約を締結しています。当社の取締役が職務を遂行するにあたり善意にしてかつ重大な過失なくして当社に損害を与えた場合は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
(d) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社では、以下の内容を概要とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、2024年度中に更新する予定です。
・被保険者の実質的な保険料負担割合
保険料は特約部分も含め会社負担としており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。
・填補の対象となる保険事故の概要
特約部分も合わせ、被保険者である役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと、または当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害について填補します。ただし、法令違反の行為であることを認識して行った場合等一定の免責事由があります。
(e) 取締役の定数および選解任の決議要件
以下のとおり定款で定めています。なお、取締役の資格制限および解任に関する決議要件について会社法と異なる定款の定めはありません。
(f) 取締役会で決議できる株主総会事項
以下のとおり定款に定めています。なお、取締役会決議事項を株主総会では決議できないこととした事項はありません。
(g) 株主総会の特別決議要件
以下のとおり定款に定めています。
(h) 株式会社の支配に関する基本方針
イ) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、「患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する」との企業理念(hhc理念:ヒューマン・ヘルスケア理念)を定款に規定し、ステークホルダーズの皆様と共有してきました。
当社は、2021年4月よりスタートした中期経営計画「EWAY Future & Beyond」において、視点を転換し、貢献先を従来の「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に大きく拡大して、「生ききるを支える」をビジョンとして人々に貢献するsolutionの創出に取り組んでいます。
上記の理念や考え方を実現するビジネスモデルとしてエコシステムモデルを志向しています。エコシステムとは、様々な異なる生体が一定の環境下で共存し、互いに連携して発展していくことができる仕組みであり、当社はその中核として、アカデミア、ベンチャーとのコラボレーションによる創薬のみならず、臨床データやバイオマーカー等のデータに基づき、様々なsolutionが造られ提供されるプラットフォームとしてEUP(Eisai Universal Platform)を構築しています。
EUPの生み出すsolutionは他産業にも大きな相乗効果をもたらします。当社が価値を提供し貢献する人々を大きく拡大し、エコシステムを構築することで、当社のみならず、他産業においても、提供される商品の高度化やサービスの向上が可能となり、価値の提供による貢献拡大につながるものと考えます。企業理念であるhhcと、このエコシステムを統合したビジネスモデルを実現するhhceco企業をめざします。
さらに、当社は「医療較差の是正」に注力し、リンパ系フィラリア症治療薬の無償提供をはじめとした医薬品アクセスの改善に向けた取り組みを継続しています。熱帯病治療薬の研究開発においても、さまざまなパートナーシップにより豊富なパイプラインを構築しています。当社は、「日常と医療の領域で生活する人々」へ我々の製品と希望を届ける努力を惜しみません。
しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。
もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。
以上より、当社は、日本発のイノベーション企業として、hhc理念とそれを実現することに動機付けられた社員の存在、理念実現のための知の創造活動(hhc活動)、そして社会善(人々の健康憂慮の解消と医療較差の是正)を効率的に実現するビジネス展開などが当社の企業価値の源泉であると考えており、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、中長期的に当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努める前提において、このような源泉を十分に理解する必要があります。
ロ) 基本方針の実現に資する取組みおよび基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
ⅰ) 基本方針の実現に資する取り組み
当社は、前記イ)のとおり、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」に基づいた取り組みを進めています。これらの具体的な内容については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」をご参照ください。
また、当社は、2004年に委員会等設置会社(現指名委員会等設置会社)に移行し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考えています。当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。
ⅱ) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある買収提案や買付がなされた場合には、株主の皆様が検討のために必要な時間と情報を確保するとともに、必要に応じて、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するために、その時点において採用可能な適切と考えられるあらゆる施策(いわゆる買収防衛策を含む)を講じていきます。
ハ) ロ)の取り組みに関する当社取締役会の判断およびその理由
当社としては、前記イ)記載のとおり、企業価値・株主共同の利益の向上は、患者様と生活者の皆様のベネフィット向上により実現できるものと考えているところ、上記ロ)ⅰ)記載の取り組みは、そのような患者様と生活者の皆様のベネフィット向上に資すると考えています。
また、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えない買付をはじめとする不適切な買付や、当社が患者様と生活者の皆様のベネフィット向上を実現するために必要不可欠な新薬の研究・開発体制、疾患の啓発や予防に資する情報・サービスの提供、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保などを含む、長期的な視野での大胆な企業施策を妨げるような買付がなされれば、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。このため、当社としては、そのような買付を防止するために上記ロ)ⅱ)記載の措置をとることは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保の観点から適切であると考えています。
以上を踏まえ、当社取締役会は、上記ロ)記載の各取り組みは、前記イ)記載の基本方針に沿ったものであるとともに、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に適うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
① 当社のコーポレートガバナンスの基本的な考え方
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考えます。また、コーポレートガバナンスの充実に向け、経営の監督をはじめとする社外取締役の機能を最大限に活用していきます。
当社は、次の基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスプリンシプル」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実を実現していきます。
「コーポレートガバナンスプリンシプル」は、当社ウェブサイト(https://www.eisai.co.jp/company/governance/cgregulations/cgguideline/index.html)をご参照ください。
コーポレートガバナンスの基本的な考え方
1 ステークホルダーズとの価値の共創
・当社は、ステークホルダーズの権利を尊重する。
・当社は、ステークホルダーズと共に、その価値の増大と創造に取り組む。
・当社は、ステークホルダーズとの対話を通じて、良好・円滑な関係を維持し、信頼関係を構築する。
・当社は、会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
・当社は、持続可能な社会の実現に積極的に貢献する。
2 コーポレートガバナンスの体制
・当社は指名委員会等設置会社とする。
・取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定を執行役に大幅に委任し、経営の監督機能を発揮する。
・取締役会の過半数は、独立性・中立性のある社外取締役とする。
・執行役を兼任する取締役は、代表執行役CEO 1名のみとする。
・経営の監督機能を明確にするため、取締役会の議長と代表執行役CEOとを分離する。
・指名委員会および報酬委員会の委員は、全員を社外取締役とし、監査委員会の委員は、その過半数を社外取締役とする。
・指名委員会、監査委員会および報酬委員会の各委員長は社外取締役とする。
・社外取締役のみで構成するhhcガバナンス委員会を設置する。
・財務報告の信頼性確保をはじめとした内部統制の体制およびその運用を充実する。
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
(a) 当社コーポレートガバナンスの特長
イ) 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活かし、取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定権限を執行役に大幅に委任し、経営の監督に専念しています。
これにより、執行役は激しい環境変化のもとでも迅速かつ機動的な意思決定と業務執行が可能となります。また、経営の監督と業務執行を明確に分離するため、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役を代表執行役CEO1名のみとしています。このように経営の監督と業務執行を明確に分離することにより、経営の活力を増大させるとともに、取締役会はステークホルダーズの視点で監督機能を発揮し、経営の公正性・透明性を確保しています。
また、取締役会は、会社法に基づき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
取締役および執行役のそれぞれが職務を執行し、その責任を果たしながらも相互に意思疎通をはかって信頼関係を構築し、ともに企業価値を向上させ、社会価値の創造に貢献していく、このような仕組みが当社のコーポレートガバナンスの特長です。
ロ) 独立社外取締役を中心としたコーポレートガバナンス充実に向けた継続的、自律的な仕組み
当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役の存在です。このため、ステークホルダーズの期待に応え、経営の監督機能を高めるために、社外取締役の選任においてはその独立性・中立性を最重視しています。
そして、独立社外取締役を中心として、①指名委員会における独立性・中立性のある社外取締役の選任システム、②社外取締役である取締役会の議長のリーダーシップによる取締役会等の運営、③ステークホルダーズとの対話やサクセッションプランの検討など、幅広くコーポレートガバナンスに関する議論が行われるhhcガバナンス委員会、④取締役会および各委員会のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すコーポレートガバナンス評価など、継続的かつ自律的なコーポレートガバナンス充実の仕組みを構築し、これを運用しています。

ハ) 取締役と執行役の多様性
指名委員会等設置会社の役員は、経営の監督を担う取締役と業務執行を担う執行役です。2023年度における役員(取締役および執行役)の多様性は以下の表のとおりです。
指名委員会は、取締役会がステークホルダーズの幅広い視点や外部の視点で経営の監督を行い、企業価値を向上させ、社会価値創造に貢献するためには、多様なスキル、経験やバックグラウンドに加え、国籍、性別、年齢、就任年数等の多様性を有する役員(取締役および執行役)による経営を行うことが枢要であると考えています。
取締役会は、企業理念を実現し、企業価値の向上を担う執行役をグローバルな視点で選任し、執行役の機能が効果的、効率的に発揮できるように配置しています。執行役は、製薬企業である当社の役員として、研究開発および医薬品の製造や品質ならびに安全性等の高い専門性を有する者、世界の各地域の医療制度や医療市場に習熟した者をはじめ、経営管理等の各分野において業務に精通した者を選任しています。
2024年3月31日時点ニ) 機動的な意思決定と業務執行を担う執行部門の体制
i. 執行役会とアドバイザリーボード等
当社は、業務執行の最高意思決定機関として執行役会を設置するとともに、中長期的な研究開発の方向性、ポートフォリオ戦略・戦術等を検討するエーザイ サイエンティフィック アドバイザリーボード(世界的に著名な研究機関の教授・研究者で構成)、およびESG、SDGsを中心とする非財務資本への取り組み向上について検討するサステナビリティ アドバイザリーボード(国際政策に精通した国内外の外部専門家で構成)など、CEOの意思決定をサポートする仕組みを構築しています。そのほか、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会、全社環境安全委員会、人権啓発推進委員会等の会議体を設置しています。
ⅱ. グローバルな内部統制システムの構築と運用
取締役会は、執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則を定め、執行役は、これに基づき自らが担当する職務において内部統制システムを整備・運用しています。また、当社はグローバルに執行役を配置し、海外子会社における内部統制システムを担当執行役が直接的に構築し、その運営を行っています。
ⅲ. 説明責任とステークホルダーズを意識した経営の浸透
3カ月に1度、執行役全員が取締役会に出席し、執行部門での意思決定や各執行役の業務執行の状況を取締役会に報告しています。それ以外に重要な事案や報告事項が生じた場合には適宜取締役会に報告しています。執行役が取締役会への報告、説明責任を負うことにより、執行部門での意思決定や政策・施策の合理性や透明性が高まり、ステークホルダーズを意識した経営が浸透しています。
2024年3月31日時点ホ) 取締役会による意思決定と経営の監督
取締役会は、最良のコーポレートガバナンスの構築を通して企業理念の実現をめざし、その監督機能を発揮するとともに、公正な判断により最善の意思決定を行う任務を負っています。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行いますが、一方で、業務執行の機動性と柔軟性を高めて経営の活力を増大させるため、前述以外の業務執行の意思決定の権限を大幅に執行役に委任しています。
業務執行を担う執行役は、取締役会に適時適切な報告を行う義務を有しており、取締役会は、執行役の報告に基づき業務執行のプロセスの適正性や効率性を検証するとともに、業務執行の結果である業績を評価することにより執行役を信任し、経営の妥当性や効率性を確保することで、経営の監督を行っています。
また、指名委員会等設置会社の指名委員会、監査委員会および報酬委員会は、取締役の選解任、監査、役員報酬の決定という重要な経営の監督の権限と責任を担っています。そして、取締役会は、各委員会からの報告に基づいて、各委員会の職務の執行についても監督を行っています。

ⅰ. 取締役会による意思決定事項
取締役会の決議事項は、「取締役会規則・細則」において定め、これを開示しています。
「取締役会規則・細則」は、当社ウェブサイト
(https://www.eisai.co.jp/company/governance/cgregulations/boardmtg/index.html)をご参照ください。
取締役会は、経営の基本方針、執行役の選任・解任、剰余金の配当など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決議を行いますが、議案によっては複数回にわたり取締役会において審議を重ね意思決定しています。
例えば、年度毎の事業計画の決定については、中長期経営計画における進捗状況のレビュー、事業計画の基本方針およびその中間報告、その他事業計画大綱の決議に必要な事項等の報告を経たうえで決議しています。また、剰余金の配当の決定については、中長期的な資本コストを上回るROEの確保、持続的・安定的な株主還元、成長のための投資採択基準を軸とする資本政策の基本的な方針を審議・決定のうえ決議しています。その他、決算に関する事項や執行役の選任など、ステークホルダーズへの説明責任を意識し、議論を尽くして意思決定をしています。
ⅱ. 取締役会による経営の監督
1) 執行部門の機動的な意思決定を監督する仕組み
取締役会は、執行部門より業務執行の意思決定事項に係る報告を適時適切に受け、当該報告に基づいて経営の監督を行っています。また、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しています。これにより、執行部門における意思決定プロセス、および計画外や緊急な意思決定の状況等についても、適時にその内容を把握し、監督することが可能となります。加えて、取締役会は、取締役会が経営の監督を行うために必要な情報や判断材料を得るために、外部専門家や外部機関から意見や情報を収集する仕組みを有しています。
2) 委員会を活用した経営の監督
当社は、指名委員会等設置会社として法定の3委員会(指名委員会、監査委員会、報酬委員会)の他に社外取締役のみで構成するhhcガバナンス委員会を取締役会内委員会として設置しています。
hhcガバナンス委員会は、サクセッションプランの情報共有とディスカッション、取締役会の実効性の評価のとりまとめといった当社のコーポレートガバナンスにおける重要な役割の他、当社のコーポレートガバナンスおよびビジネスに関する事項等について幅広く議論し、取締役会の監督機能の強化、ひいては当社のコーポレートガバナンスの継続的な充実を図る責任を担っています。

hhcガバナンス委員会は、指名委員会、監査委員会、報酬委員会において検討がなされる各委員会の諸課題を検討するなど、3委員会における情報の共有をタイムリーに実施することで、各委員会の委員間における情報格差の解消にも取り組んでいます。
また、取締役会およびhhcガバナンス委員会における議論をより効率的、効果的に実施するために、専門性が高いテーマの検討を行うサブコミッティをhhcガバナンス委員会内に設置しています。
・サステナビリティへの取り組み状況の点検
・アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応状況の点検
3) 経営の監督にステークホルダーズの意見等を反映
社外取締役が中心となり、主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との対話を積極的に実施しています。そして、年に一度、hhcガバナンス委員会においてステークホルダーズとの対話、エンゲージメントについて振り返り、次年度に向けた対応事項や課題を確認するとともに、ステークホルダーズから得られた知見を取締役会における議論や監督に活かしています。
ヘ) コーポレートガバナンスに関する取り組み
i. ステークホルダーズとの対話
2023年度は、当社の主要なステークホルダーズである患者様と生活者の皆様、株主・機関投資家の皆様および社員との対話を以下のとおり行いました。また、年度末に開催したhhcガバナンス委員会では、こうした対話を振り返り、対話の結果を取締役会の監督機能に活かすべく議論を行いました。
1) 患者様との対話
・ 若年性アルツハイマー型認知症の方にご自身の経験やその時々の喜怒哀楽について具体的に伺うとともに、対話を通じて、外見ではわからない認知症の方の日常における困難な状況や社会の現状、そうした環境においても抱く喜びや希望を知り、当社の社会的使命をあらためて強く認識しました。この対話を通じて、患者様の喜怒哀楽に共感する重要性や、企業理念であるhhcとその実践への理解を深めました。
2) 機関投資家の皆様との対話
・ 2023年度は機関投資家の皆様とより深く、経営の監督機能の向上にむけた議論を行うために個別による対話を実施しました。アナリスト、ファンドマネージャーを中心に6社とウェブ会議システムにて、情報共有と意見交換を行いました。
・ 経営の課題、機関投資家の皆様が社外取締役に期待している役割等、双方が踏み込んだ意見交換ができ、対話で得た指摘や知見は取締役会における議論や経営の監督機能向上に活かしています。
3) 社員との対話
・ 社員の代表である労働組合の代表メンバーとの対話の会を対面で開催し、人事制度変更1年目の状況、社員の働き方、企業風土、経営への期待や要望等について情報共有と意見交換を行いました。
・ 鹿島事業所を訪問し、鹿島事業所の概要や原薬研究開発活動、原薬製造部の安定供給への取り組み、品質管理部のQCラボのデータインテグリティ対応の説明を受け、質疑応答を行った後、施設内を見学し、研究開発および商業生産機能を有する原薬拠点への理解を深めました。
・ 筑波研究所を訪問し、施設内の見学および研究開発体制DHBL(Deep Human Biology Learning)について説明を受け、創薬概念および組織体制について理解を深めました。また、創薬仮説の構築から承認までの創薬の実行に責任を持つドメインヘッドや、ドメインを効率的に支援する研究開発機能であるファンクション、データ解析により創薬ターゲットの特定やバイオロジー仮説の構築を担うファンデーションのヘッドとの対話の場において、各取締役から組織や社員への期待のコメント、経験に基づくアドバイスがなされ、活発なディスカッションを行いました。また、取締役三和裕美子は女性経営職5名と女性社員についての課題等、率直な意見交換を行いました。
・ 川島工園を訪問し、川島工園や製剤研究部の概要、また、治験薬注射剤製造エリア、「レケンビ」(一般名:レカネマブ)の二次包装工程の立ち上げについて説明を受け、質疑応答、意見交換を行いました。その後、製剤・包装工程を見学するとともに、最新の注射剤棟/研究棟EMITS (Eisai Medicine Innovation Technology Solutions)、くすり博物館を見学し、当社の生産環境および生産体制への理解を深めました。
・ 東京コミュニケーションオフィスを訪問し、「レケンビ」による患者様貢献に向け、認知症診療の現状や「レケンビ」投与への課題とその対応状況、首都圏本部で実施している各種研修や組織力向上に向けたプロジェクト活動についても説明を受け、質疑応答、意見交換によりエーザイ・ジャパンのMR活動への理解を深めました。
ⅱ. サクセッションプランの情報共有とディスカッション
CEO選定は取締役会の決議事項です。当社は、取締役会における当該決議を公正性高く、かつ適切、円滑に行うため、社外取締役7名で構成するhhcガバナンス委員会において、継続的にCEOサクセッションプランの議論を行っています。
1) 経営トップ(CEO)選定の考え方
経営トップ(CEO)の選定は、取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつです。特に独立社外取締役が、CEOが策定するサクセッションプランについて適切に監督機能を発揮するとともに、次期CEOの育成に助言等を行うなど、そのプロセスに関与することで、CEOによる後継候補者提案の客観性を高め、取締役会におけるCEO選定の決議の公正性を合理的に確保できると考えています。
2) CEO選定に係る手続き
CEOの策定するサクセッションプランに関する取締役との情報共有のあり方や、突発的事態への備えについて、手続き等を含むルールを定めています。その概要は以下のとおりです。
・サクセッションプランの情報共有
‐ CEOにより提案されるサクセッションプランの情報共有は、hhcガバナンス委員会において、年2回実施する。
‐ このhhcガバナンス委員会には、CEOをはじめ社内取締役も参加し、取締役全員でサクセッションプランの情報共有を行う。
・サクセッションプランのディスカッション
‐ 候補者を評価するための基準(クライテリア)は、経営環境等に応じて変化することが想定される。このため、CEOが候補者を提案する時点においてこれを適切に設定する。
‐ CEOは、これに基づいて候補者を評価し、サクセッションプランにおいてその評価結果を示す。
‐ 取締役は、サクセッションプランに関する助言を行い、CEOは取締役からの助言を考慮し、適宜、サクセッションプランに反映させる。
3) 突発的事態に対する備え
不慮の事故などにより、急遽、取締役会として新たなCEOを選定しなければならない事態も想定されます。このような突発的事態に対する備えについても、上記サクセッションプランの検討の中で確認されています。
・[取締役議長からのサクセッションプランの運用に関する~メッセージ](社外取締役 池 史彦)‐ サクセッションプラン検討の経緯
2004年に指名委員会等設置会社に移行後、サクセッションプランはCEOの毎年の業績目標のひとつとして設定され、当該目標を全取締役が情報共有していました。また、社外取締役の求めに応じて、随時、社外取締役ミーティング(現hhcガバナンス委員会)にCEOより詳細な報告がなされていました。その後、2017年に当時の取締役議長(社外取締役)のリードにより、サクセッションプランの運用ルールが取りまとめられ、このルールに基づき、年2回、継続的にサクセッションプランに係る情報共有とディスカッションを実施しております。
加えて、候補者と取締役との接点や対話の機会の意識的な拡充、および社外の第三者(複数)による候補者の客観的評価のヒアリングとディスカッションを実施するなどの取り組みも継続的に行っています。
‐ サクセッションプランの情報共有とディスカッションの現状
hhcガバナンス委員会は、CEOより、当社の経営全般の状況、次期CEO候補者の状況と評価(複数の評価項目で多面的に評価)、およびサクセッションに向けたストーリー等、詳細な報告を継続的に受けています。取締役からは、現CEOが30年以上にわたり経営トップとして全社を率いてきたことから、候補者の育成だけでなく、新CEO下における経営マネジメント体制のあるべき姿についても提案を求め、ディスカッションを行っています。
また、取締役会をはじめhhcガバナンス委員会や研修会など様々な場における候補者との接点を増やしたり執行役会等の会議体を傍聴するなど、取締役が、候補者に係る情報を直接得られる工夫も行っています。このような取り組みにより、候補者の育成についてもCEOへの助言や要望等を行っています。
‐ 社外取締役の役割
CEOのサクセッションプランは当社の企業価値に大きな影響を持つ重要な課題であり、秘匿性や機密性が高いこと、そしてその決定においては公正性が求められることを認識しています。特に、当社の社外取締役は、全員、独立社外取締役であり、CEOが策定するサクセッションプランのプロセスに強く関与することで、将来、取締役会の決議するCEO選定の公正性を合理的に確保できるものと考えています。従って、社外取締役の一人ひとりが、当社の更なる発展を企図して忌憚のない意見を述べ、助言を行うことで当社のステークホルダーズの皆様の期待に応えていかなくてはならないと認識しています。
ⅲ. 「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
2023年度は取締役会評価で確認された課題として、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」をテーマに、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性を検討することとし、複数回にわたり、hhcガバナンス委員会にて議論を重ねました。
業務執行の意思決定の公正性、透明性を更に高めるために、執行役会等の執行部門の意思決定会議の傍聴の仕組みを導入するとともに、取締役会への業務執行報告内容をより充実させること、必要に応じて外部専門家などの意見を聴取できるような仕組みを導入しました。
その他、リスクマネジメントと内部統制の充実など継続して点検することを確認しました。
ⅳ. サブコミッティの活動内容
2023年度は次の2つのテーマについて情報共有とディスカッションを行いました。それぞれの検討内容は、hhcガバナンス委員会に報告するとともに、取締役会においても活動について報告しました。
1) サステナビリティへの取り組み状況の点検
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)や生物多様性の対応状況を含む地球環境に配慮した事業活動の取り組み、サステナビリティ全般の開示、女性活躍推進、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)への対応状況に関する報告など、担当執行役から報告を受け、議論を行いました。
2) アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応状況の点検
継続的な企業価値の向上と株主様の利益の確保に向けた取り組みについて、執行部門における取り組み状況や有事における備え等を点検するとともに、外部機関を通じた情報収集や議論を行いました。
ⅴ. その他各種研修会等の実施
当社の事業活動や経営環境への理解をより深め、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮を企図し、様々な研修会や執行部門(執行役や社員等)との交流の場を企画・実施しています。
1) 社外取締役を対象とする研修会
2) 執行役とのコミュニケーション・ 新任社外取締役研修は対面での説明を基本とし、執行役が個別に担当職務について説明の上、当社の事業内容や活動について情報共有を行うとともに活発にディスカッションを行いました。
・ これらの研修は、対面に加え、ウェブ会議も活用し、新任以外の社外取締役も任意で参加しました。また、執行役の説明、質疑応答の様子を録画することで、取締役がオンデマンドで視聴できる仕組みにしています。
ⅵ. コーポレートガバナンス評価の実施
hhcガバナンス委員会では、毎年、取締役会の経営の監督機能の実効性を評価し、運営等の課題を抽出するとともに、取締役会および執行部門に改善の要請や提案を行っています。コーポレートガバナンス評価では、前年度の課題認識等に基づき、取締役会等の活動状況を点検・評価し、次年度に向けた課題抽出および改善策等を示すことでPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回しています。なお、2017年度より、継続的、安定的にコーポレートガバナンス評価の妥当性を確保するために、そのプロセスおよび評価結果について外部機関による点検、レビューを3年に1回実施することとしており、2023年度は本点検とレビューを実施しました。
1) 2023年度コーポレートガバナンス評価
2024年4月25日、当社取締役会は、hhcガバナンス委員会がとりまとめた「取締役会評価」、「コーポレートガバナンスプリンシプルの自己レビュー」および「内部統制関連規則の自己レビュー」の結果について審議し、「2023年度コーポレートガバナンス評価」を決議しました。

2) 外部機関を活用した「取締役会評価」の改善および適正性の担保の仕組み
・ 外部機関による評価プロセスの調査、評価、改善提案、評価結果の点検等を3年に1回実施し、取締役会評価の適正性を担保するとともに評価の改善を図る仕組みを導入しています。
・ 外部機関は、当社の過去の評価方法、評価の決定プロセス、各取締役の評価、最終評価等を分析の上、制度およびその運用について、指摘や助言を行います。
・ 外部機関の指摘、助言に基づき、hhcガバナンス委員会および取締役会は、制度および運用の改善を行います。
・ 外部機関は、hhcガバナンス委員会がとりまとめる取締役会評価について、評価プロセス、評価結果等を点検し、取締役会に報告書を提出します。
・ 取締役会は、hhcガバナンス委員会がとりまとめた評価と外部機関による報告書に基づき、当該年度のコーポレートガバナンス評価を決定します。
※2023年度は外部機関による点検、レビューを実施しました。

(b) 当社の各機関について
当社は、指名委員会等設置会社として法定機関である取締役会、指名・監査・報酬の各委員会および取締役会で選任された執行役を設置しています。
当社の取締役会議長および指名・監査・報酬の3委員会の委員長は社外取締役が務めており、透明性の高い経営を確保する仕組みを構築しています。
また、法定機関ではありませんが、社外取締役だけで構成されるhhcガバナンス委員会を設置し、委員長も社外取締役が務めています。
当社の2023年度における各機関の人員構成、主な任務および活動内容は、次のとおりです。
イ) 取締役会(11名(うち女性2名):社外取締役7名、社内取締役4名、議長:社外取締役、任期1年)
[取締役会の任務]
・経営の基本方針、執行役の選任、剰余金の配当等の決定など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行う。
・執行役からの報告、ならびに指名委員会、監査委員会、報酬委員会、hhcガバナンス委員会からの報告に基づき、取締役および執行役の職務の執行を監督する。
[取締役議長からのメッセージ](社外取締役 池 史彦)
・2023年度は社会的価値が非常に大きいアルツハイマー病治療薬「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、新発売に向けた準備状況から発売後の進捗状況などの現状と課題など、適宜、執行役から詳細な報告を受け、十分な時間を使って取締役会で議論を行いました。
・特に、価格設定の妥当性や如何に「レケンビ」を必要とされている患者様に早くお届けするかなどについて、活発な議論を重ねました。また、中長期計画「EWAY Future & Beyond」の進捗状況のレビュー、hhcecoシステムの推進計画と進捗確認について報告を受け、喫緊の課題から中長期の事業展望まで、多様かつ幅広い視点から経営の監督に努めました。
・さらに今年度より、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しました。
・今後も、社外取締役がリーダーシップを発揮して、常に最良のガバナンスを追求しながら、企業価値の向上をはかり、ステークホルダーズの皆様のご期待に応えてまいります。
[2023年度における取締役会の活動内容]
i.中長期を含む事業戦略関連
・取締役会は、「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、年度を通じ、必要に応じてその都度、執行部門より詳細な報告を受けました。特に、日米における新発売に向けた準備状況、「レケンビ」を投与するまでに必要なプロセス、売上の進捗などの現状と課題に関する報告を受け、投与可能な患者様数や年度の目標投与患者様数の妥当性をはじめ、「レケンビ」を必要としている患者様に如何にお届けするかについて活発に議論を行いました。
・取締役会は、中長期計画「EWAY Future& Beyond」の進捗状況のレビューや「hhcecoシステムの推進計画と進捗確認」について報告を受け、取締役からは、プレクリニカルAD(発症していないが脳内にすでにアミロイド蓄積が認められる健常者)への取り組み、hhcecoシステムの全体構想や将来像、認知症エコシステム構築に向けたデジタル事業会社であるTheoria technologies株式会社の役割やプラットフォームビジネスの収益化等について意見が述べられ、議論を行いました。
・取締役会は、持続的・安定的な株主還元および政策保有株式の売却状況を含む資本政策について報告を受け、リスク資産比率の状態やフリーキャッシュ・フローに関する考え方等について意見が述べられ、議論を行いました。
・その他に報告を受け議論を行った事項
‐抗がん剤「レンビマ」について、適応拡大を企図した臨床試験の結果および高純度製剤の特許
‐全社のサステナビリティへの取り組み状況(四半期毎)
‐社員エンゲージメントを含む人的資本経営に対する取り組み
‐hhcガバナンス委員会のサブコミッティにおいて検討を行った事項(気候関連財務情報開示タスクフォースや生物多様性の対応状況を含む地球環境に配慮した事業活動の取り組み、サステナビリティ全般の開示、女性活躍推進、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)への対応状況)
ⅱ.コーポレートガバナンス・内部統制・リスクマネジメント関連
・取締役会は、ランサムウェア被害が発生したことを受け、被害の概要とその対応状況およびサイバーセキュリティ強化対策に関して、必要に応じその都度、執行部門より詳細な報告を受けました。取締役からは、グローバルなIT体制の強化、人材確保や社員教育の徹底などの対応策およびその対応に係る費用などについて意見が述べられ、議論を行いました。
・内部統制の構築・整備・運用状況、リスクの発生可能性と影響度に基づく継時的なリスクマップおよびリスクの特徴(コントロールされたリスクとリスク低減が必要なリスク)に基づく対応状況などについて報告を受けました。
・「内部統制の現状および課題ならびに当社内部統制のめざす方向性」について報告を受け、インテグリティへの社会的関心が高まる中、役員から現場社員に至るまで浸透をはかることが重要である等の意見が述べられるなど議論を行いました。
・取締役会は、第111回定時株主総会における議決権行使結果の分析、招集通知電子化対応の結果報告および第112回定時株主総会開催の方向性について報告を受け、取締役からは、議決権行使結果、招集通知電子化対応の結果を踏まえ、株主様の満足度向上に繋がる検討を進めるよう意見が述べられるなど議論を行いました。
・2023年度コーポレートガバナンス評価について議論を行い決議しました。
ロ) 指名委員会(3名:社外取締役3名(うち女性1名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[指名委員会の任務]
・取締役の選任および解任に関する株主総会議案の内容を決定する。
・当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは取締役会の過半数を占める社外取締役の存在であるとの認識に基づき、独立性・中立性のある社外取締役を選任するために「社外取締役の独立性・中立性の要件」を定める。
・取締役会が、様々なステークホルダーズの期待に応え、監督機能を発揮できるよう、多様なバックグラウンドを有する取締役候補者を決定する。
・指名委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
[指名委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 森山 透)
・当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役の存在であり、そして様々なステークホルダーズの期待に応え、経営の監督機能を高めるために、①厳格に独立性・中立性のある社外取締役候補者を選ぶこと、②取締役会を多様なバックグラウンドの取締役で構成することの2点が指名委員会の重要なミッションであると考えています。
・当社指名委員会には、経営陣から独立した社外取締役を選任する手続きとルールが確立されています。社外取締役候補者のリストは、現役の社外取締役だけではなく、当社取締役およびその経験者を含め、幅広いリソースから情報収集を行い、その充実をはかっています。リストから絞り込んだ候補者の方々には、当社の企業理念やコーポレートガバナンスの考え方等を情報提供し、就任の可能性を早い段階から把握するようにしています。こうした社外取締役の選任プロセスに、経営陣は関与しない仕組みになっており、指名委員会の役割はコーポレートガバナンスの実効性を支えるために非常に重要であると考えています。
・2023年度は、社外取締役および社内取締役に期待する役割を改めて検討するとともに、取締役の員数および各委員会の構成に関する基本的な考え方や2030年までに女性役員30%達成に向けた検討などに関して、hhcガバナンス委員会において情報共有とディスカッションを行ったうえで指名委員会において検討を行いました。
・また、指名委員会では、取締役候補者選任に関する説明責任をこれまで以上に果たすために、参考書類における取締役候補者選任基準や取締役の多様性の考え方などの記載を拡充するとともに、各取締役候補者の特長や個性が想像できる記載内容にするなど、当社らしい開示ができるよう検討を行いました。
・指名委員会は今後も、当社のコーポレートガバナンスの向上に資するべく、社外取締役の在任期間の中長期的なシミュレーションなども行いながら、取締役会の構成や多様性の検討等、取締役会の機能発揮に結びつく取締役候補者の選任を進めてまいります。
[2023年度における指名委員会の活動状況]
・取締役候補者選任に係る諸課題として、社外取締役および社内取締役に期待する役割、取締役の員数および各委員会の構成に関する基本的な考え方や2030年までに女性役員30%達成に向けた検討、および取締役の多様性・バックグラウンドの考え方に関して、hhcガバナンス委員会において情報共有とディスカッションを行いました。その後、指名委員会においても議論を行いました。
・指名委員会として、取締役候補者選任に関する説明責任をこれまで以上に果たすことを企図し、株主総会招集ご通知の参考書類において、取締役候補者選任基準や取締役の多様性の考え方などの記載を拡充するとともに、取締役候補者の個別頁においては、各候補者の特長や個性をより反映した記載内容としました。
・社外取締役候補者として医学・薬学の専門家を選任することに関し、調査と検討、議論を行った結果、社外取締役としての独立性・中立性が確保でき、かつ利益相反がないことを前提に、取締役会の経営の監督機能向上への貢献が期待できる医学・薬学の専門家等の選任を引き続き検討することを確認しました。
・将来を見通した社外取締役の就退任に係るシミュレーションを行いました。シミュレーションの実施にあたり、取締役議長のサクセッションが将来において円滑に行われること、取締役会および委員会の継続性の観点から同時に多くの社外取締役が交代しないことに留意しました。また、女性の社外取締役を複数、継続して選任すること等について検討しました。
・再任となる社外取締役候補者6名および新任となる社外取締役候補者1名について、独立性・中立性の調査を行い、審議の結果、いずれの候補者にも問題がないことを確認しました。
・2024年度の新任取締役候補者2名(社外取締役候補者1名、社内取締役候補者1名)を含む11名の取締役候補者および取締役会体制案を決定しました。
・2025年度以降の新任社外取締役候補者についても具体的な検討および審議・決定を行いました。

ハ) 監査委員会(5名(うち女性1名):社外取締役3名、社内取締役2名、委員長:社外取締役、任期1年)
[監査委員会の任務]
・取締役および執行役の職務執行の監査ならびに監査報告の作成、会計監査その他法令により定められた事項を実施する。
・株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定する。
・会計監査人の独立性の確保および監査の品質管理のための組織的業務運営について確認するとともに、当社会計監査人以外の監査法人に関する情報収集に努める。
・当社グループの役員、使用人ならびに当社の会計監査人から適時・適切にその職務の執行に関する事項の報告を受けるとともに、当社グループの業務および財産の状況を調査し、会計監査人および内部監査部門と必要な情報を共有するなど、監査の質の向上と効率的な監査の実現に努める。
・監査委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則、手続き等を定め、毎年見直しを行う。
・監査委員会の決議および監査委員の指示に基づき職務を遂行する経営監査部は、監査の客観性を確保するために、業務の指揮命令および人事評価等について執行役からの独立性が保障される。
[監査委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 内山 英世)
・監査委員会は、事業年度ごとに重要なリスクを検討の上、そのリスクに応じた監査計画を定めて、これに従って監査を実施しています。今年度の主な監査等の活動は次のとおりです。
‐執行役の職務執行の監査として、取締役会の定めた規則に基づく報告を月次で全ての執行役から受領したほか、個別の重要事項については、関係する執行役を監査委員会へ招請し報告を受けるなどしました。また、事業年度ごとに定める重要監査テーマとして、(1)製造委託先に対するマネジメントおよびその課題と対応、(2)医療用医薬品事業におけるポートフォリオマネジメントと中短期の計画管理、(3)グローバルでのコンプライアンス推進体制の3件について、それぞれの担当執行役から報告を受け監査しました。
‐会計監査人の活動を監視・検証して、会計監査人の独立性や品質を担保する仕組みの運用状況を確認するとともに、会計監査人との間で必要な情報を共有しました。
‐グループの内部監査部門の活動状況の報告を定期的に受け、その相当性を確認しました。
・これらの監査等の活動を行った結果、いずれにおきましても問題を認めませんでした。
・また、監査委員会が受領した執行部門からの報告などから、重要と認められた事項については、適時に取締役会へ共有し、当社のガバナンス強化に資する活動を行いました。
[2023年度における監査委員会の活動状況]
1) 取締役・執行役の職務執行に係る監査活動
・取締役の職務執行の状況を、取締役会の議案の審議等を通じて、監視し検証しました。
・取締役会の定めた規則に基づき、執行役からの報告を月次・随時に受領しました。また、必要に応じて、執行役を監査委員会へ招請するなどして報告を求めました。
・執行役会など執行役が主催する会議に出席して、その審議内容等を確認しました。
・執行役による内部統制の整備・運用状況について、取締役会の定めた規則に基づくリスク管理等の体制に関する執行役からの年度・半期単位の報告、および上記の執行役の業務執行状況に係る監査活動などにより、監視し検証しました。
・事業報告およびその附属明細書、ならびに計算関係書類について、担当執行役より受領し説明を受け、その内容の相当性を確認しました。
当社における監査委員会の体制は以下のとおりです。
2) 会計監査人に係る監視・検証の活動・「(3) 監査の状況 ①監査委員会の状況 (a)監査委員会の会計監査人に係る監視・検証の活動」に記載しています。
3) 内部監査部門等に係る監査活動
・「(3) 監査の状況 ①監査委員会の状況 (b)監査委員会の内部監査部門等に係る監査活動」に記載しています。
ニ) 報酬委員会(3名:社外取締役3名(うち女性1名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[報酬委員会の任務]
・取締役および執行役の報酬等の内容にかかる決定に関する方針および個人別の報酬等の内容を公正性および透明性をもって決定する。
・取締役の報酬等については、取締役が、ステークホルダーズの共同の利益と長期的な企業価値の向上に向けて、その職務である経営の監督機能を充分に発揮するのに相応しい報酬として決定する。
・執行役の報酬等については、執行役の担う職務の重要度、責任の重さを十分に反映した競争力のある報酬とし、経営者報酬としての納得性を高めるとともに、中長期の当社企業価値の向上および社会善の実現ならびに社会のサステナビリティへの貢献に対し、執行役が強く動機付けられる内容として決定する。
・取締役および執行役の報酬等を決定するにあたり、その客観性を確保するために社外の調査データ等を積極的に取り入れるとともに、報酬等の決定プロセスの妥当性についても審議し、これを決定する。
・報酬委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
[報酬委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 リチャード・ソーンリー)
・報酬委員会は、取締役や執行役の報酬等の内容を決定するという重要な経営の監督責任を有しており、その役割として報酬決定の「公正性と透明性の確保」、「株主を含むステークホルダーズの皆様への説明責任」を重視しています。また、報酬委員会は、経営の監督機能を十分に発揮するために適切な取締役の報酬等を決定しており、執行役の報酬等については、当社の中長期的な企業価値を向上させ、社会の利益とサステナビリティに貢献することを強く動機付けるとともに、優れたグローバル人財を惹きつける競争力のある報酬とすることを決定しています。
・2023年度の報酬委員会は、取締役および執行役の新たな報酬制度の運用を開始し、運用上における課題などを点検し、内規を含む制度を整備、改正しました。特に、業績連動型株式報酬制度については、中長期的な企業価値向上に向けたコミットメントを発揮することを企図した制度であることを、執行役一人ひとりにその趣旨や仕組みを丁寧に説明することにより、理解を促すとともに、文書によるメッセージを発信しました。しかしながら、新たな報酬制度は導入間もないため、2024年度も引き続き、報酬制度の運用を進め、改善を重ねてまいります。
・報酬委員会は、今後とも、報酬決定の公正性と透明性を実現するために審議を尽くし、これまで以上に開示の充実を果たすことで、株主を含むステークホルダーズの皆様への説明責任を果たしてまいります。
[2023年度における報酬委員会の活動状況]
・2023年度の報酬委員会は、取締役および執行役の新たな報酬制度の運用を開始し、課題などを点検するとともに、以下の制度の整備、規程の改正等に取り組みました。
‐執行役の株式報酬制度の理解を促進するため、株式報酬は、中長期的な業績やESGへの貢献など企業価値向上に向けたコミットメントを発揮することを企図したLTI(Long Term Incentive)であることをメッセージとして発信しました。
‐在任時交付部分(業績連動部分)は、その評価指標を、ESG EBIT、相対PBR、全社マテリアリティとすることを決定し、報酬委員会が決定した要件を満たした時のみ100%以上の株式報酬が得られるインセンティブ性が高い評価と交付の仕組みとしました。
‐退任時交付部分(固定交付部分)の交付条件として、役員としての勤務条件を3年以上とし、3年未満で退任する役員には交付しないこと、およびマルス・クローバック条項の設定を決定しました。
‐株式報酬制度の変更(役員報酬BIP信託)、株式交付規程を改正しました。
・2023年5月に開催の報酬委員会において、2022年度の各執行役の業績評価のプロセスおよび評価結果の内容の妥当性を審議し、2022年度の全社業績目標(財務および非財務)達成度を決定のうえ、全社業績と執行役の個人別業績評価に基づいて、執行役の業績連動型報酬である賞与および株式報酬を決定しました。また、 2020〜2022年度の3年間を対象に設定した海外子会社出身の執行役のSpecial LTI(LongTerm Incentive)の評価および支給額に関して審議し、決定しました。
・2023年6月開催の報酬委員会において、取締役の個人別の報酬等を決定しました。2023年6月21日に選任した全執行役の職務グレードを決定しました。この職務グレード決定に基づき、執行役の個人別報酬を決議しました。
・2023年9月開催の報酬委員会において、執行役の業績連動型報酬を決定するための2023年度の個人別業績目標について、その策定プロセスを確認し、個々の業績目標の妥当性について審議のうえ決定しました。
・2023年12月に開催した報酬委員会において、役員報酬制度についてレビューを行い、報酬等の水準の見直しに関する基準を検討することを確認しました。
・2024年3月に開催した報酬委員会において、報酬水準の見直しに関する基準の検討および事業報告における役員報酬の情報開示について審議のうえ決定しました。
ホ) hhcガバナンス委員会(7名:社外取締役7名(うち女性2名)、委員長:社外取締役、任期1年)
[hhcガバナンス委員会の任務]
・ステークホルダーズとの対話に積極的に取り組み、得られた知見を取締役会における議論の充実に活かす。
・代表執行役CEOから提案される将来の代表執行役CEOの育成計画について情報を共有するとともに助言等を行う。
・取締役会の経営の監督機能の実効性を評価する。取締役会等の運営に関し課題がある場合、取締役会にその改善について提案する。
・当社のコーポレートガバナンスおよびビジネスに関する事項等について幅広く議論し、もってコーポレートガバナンスの継続的な充実を図る。
[hhcガバナンス委員会委員長からのメッセージ](社外取締役 池 史彦)
・hhcガバナンス委員会は社外取締役のみで構成する取締役会内委員会として、コーポレートガバナンス充実に向けた取り組みを行っています。
・2023年度は昨年度の取締役会評価で確認された課題として、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」を大きなテーマに、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性を検討することとし、複数回にわたり、hhcガバナンス委員会において議論を重ねました。取締役会評価による「PDCAサイクル」を回して継続的に課題の解決とガバナンスの充実に取り組むことに変わりはありませんが、更なる経営の監督機能の強化に向けて、どのような仕組みを構築、運用していく必要があるかなどの検討をいたしました。
・検討の結果のひとつとして、取締役会の経営の監督機能をさらに高めるため、執行役会など執行部門における重要な意思決定会議体を取締役が傍聴できる仕組みを導入しました。また、取締役会が経営の監督を行うために必要な情報や判断材料を得るために、外部専門家や外部機関から意見や情報を収集する仕組みも導入しました。これにより、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」に向け、前進することができたと考えております。
・その他、hhcガバナンス委員会ではCEOのサクセッションプランの検討や取締役会の実効性評価、指名委員会の諸課題の共有と検討など、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論と検討を行いました。
・引き続き、社外取締役のみで構成されるhhcガバナンス委員会の活動の活性化をはかり、取締役会の経営の監督機能を高めて、コーポレートガバナンスおよび企業価値の向上に取り組んでまいります。
[2023年度におけるhhcガバナンス委員会の活動状況]
1) ステークホルダーズとの対話
hhcガバナンス委員会では、年に一度、実施したステークホルダーズとの対話の実施を振り返り、次年度に向けた対応事項や実施に向けた検討事項等を審議の上で確認しています。2023年度は以下の取り組みを実施しました。
・若年性アルツハイマー型認知症の方との対話
・機関投資家(のべ6社)と社外取締役との対話
・労働組合代表メンバーと社外取締役との情報共有とディスカッション
・工場、研究所および営業拠点への訪問、および社員と社外取締役との情報共有とディスカッション
2) CEOサクセッションプランの検討
・サクセッションプランの情報共有と検討(3回実施)
3) 取締役会の実効性評価
・コーポレートガバナンス評価(コーポレートガバナンスプリンシプルと内部統制関連規則の自己レビューと取締役一人ひとりが評価する取締役会評価)の実施
・外部機関による過去2年間の取締役会評価プロセスのレビュー(3年に1回実施)および2023年度取締役会評価のとりまとめ結果の点検、分析
4) 取締役会の「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
2022年度取締役会評価において、「経営の監督(モニタリング)機能の強化」が課題であることが確認され、将来を見据えた「経営の監督」機能強化の方向性について、複数回に渡り議論を行うとともに外部講師(弁護士)から講演を受けるなど検討を進めました。
5) サブコミッティの活動
hhcガバナンス委員会のサブコミッティにおいて、次のテーマについて執行部門からの報告を受け、hhcガバナンス委員会の充実に向けた議論を行いました。
・サステナビリティへの取り組み状況の点検
・アクティビズムの動向や機関投資家の議決権行使に関する情報収集および執行部門における各種対応の点検
6) その他
・取締役会およびhhcガバナンス委員会の議題の選定
・指名委員会における諸課題(社外取締役および社内取締役に期待する役割、取締役候補者選任の基本的な考え方、取締役の員数および各委員会の構成、女性役員30%達成に向けた検討、取締役の多様性・バックグラウンドの考え方、社外取締役の独立性・中立性の要件等)の情報共有とディスカッション
・外部専門家を招き、「サイバーセキュリティに関する知見の習得」および「経営の監督」に関する情報共有とディスカッションの実施取締役会の「経営の監督」機能強化に向けた検討と実施
<2023年度に設置していた機関と構成員の氏名、役職および2023年度の出席状況>
| 構成員の氏名 | 取締役会 | 指名委員会 | 監査委員会 | 報酬委員会 | hhcガバナンス 委員会 | ||||
| 内藤 晴夫 | 取締役兼 代表執行役CEO 11/11回(100%) | - | - | - | - | ||||
| 内山 英世 | 取締役(社外) 11/11回(100%) | - | ◎ 12/12回(100%) | - | ○ 8/8回(100%) | ||||
| 林 秀樹 | 取締役 11/11回(100%) | - | ○ 12/12回(100%) | - | - | ||||
| 三和 裕美子 | 取締役(社外) 10/11回(91%) | - | ○ 11/12回(92%) | - | ○ 8/8回(100%) | ||||
| 池 史彦 | 取締役議長 (社外) 11/11回(100%) | ○ 1/1回(100%) | - | ◎ 5/5回(100%) | ◎ 8/8回(100%) | ||||
| 加藤 義輝 | 取締役 11/11回(100%) | - | ○ 12/12回(100%) | - | - | ||||
| 三浦 亮太 | 取締役(社外) 11/11回(100%) | - | ○ 12/12回(100%) | - | ○ 8/8回(100%) | ||||
| 加藤 弘之 | 取締役 11/11回(100%) | - | - | - | - | ||||
| リチャード・ ソーンリー | 取締役(社外) 11/11回(100%) | 〇 9/9回(100%) | - | ◎ 15/15回(100%) | 〇 8/8回(100%) | ||||
| 森山 透 | 取締役(社外) 9/9回(100%) | ◎ 8/8回(100%) | - | 〇 10/10回(100%) | 〇 7/7回(100%) | ||||
| 安田 結子 | 取締役(社外) 9/9回(100%) | 〇 8/8回(100%) | - | ○ 10/10回(100%) | 〇 7/7回(100%) | ||||
| 加藤 泰彦 | 取締役議長 (社外) 2/2回(100%) | - | - | - | ◎ 1/1回(100%) | ||||
| 海堀 周造 | 取締役(社外) 2/2回(100%) | ◎ 1/1回(100%) | - | ○ 5/5回(100%) | ○ 1/1回(100%) | ||||
(注1) 表中の◎および○は各委員会における委員長および委員を示しています。
(注2) 2023年6月21日に退任した加藤泰彦氏、海堀周造氏は、同日前までの出席状況を記載しています。
(注3) 2023年6月21日に就任した森山透氏、安田結子氏は同日以降の出席状況を記載しています。
(注4) 取締役会議長は、2023年6月21日前までは加藤泰彦氏が務め、同日以降は池史彦氏が務めています。
(注5) 指名委員会委員長は、2023年6月21日前までは海堀周造氏が務め、同日以降は森山透氏が務めています。
(注6) 報酬委員会委員長は、2023年6月21日前までは池史彦氏が務め、同日以降はリチャード・ソーンリー氏が務めています。
(注7) hhcガバナンス委員会委員長は、2023年6月21日前までは加藤泰彦氏が務め、同日以降は池史彦氏が務めています。
(注8) 池史彦氏は2023年6月21日前までは指名委員会委員を務め、同日以降は委員ではなくなりました。
(注9) hhcガバナンス委員会には、サクセッションプランの情報共有など、テーマにより社内取締役が参加する場合もありますが、hhcガバナンス委員会委員の出席状況についてのみ記載しています。
<有価証券報告書提出日時点で設置している機関と構成員の氏名および役職>
| 構成員の氏名 | 取締役会 | 指名委員会 | 監査委員会 | 報酬委員会 | hhcガバナンス 委員会 |
| 内藤 晴夫 | 取締役兼 代表執行役CEO | - | - | - | - |
| 三和 裕美子 | 取締役(社外) | - | ○ | - | ○ |
| 池 史彦 | 取締役議長(社外) | - | - | - | ◎ |
| 加藤 義輝 | 取締役 | - | ○ | - | - |
| 三浦 亮太 | 取締役(社外) | - | ○ | - | ○ |
| 加藤 弘之 | 取締役 | - | - | - | - |
| リチャード・ ソーンリー | 取締役(社外) | 〇 | - | ◎ | 〇 |
| 森山 透 | 取締役(社外) | ◎ | - | 〇 | 〇 |
| 安田 結子 | 取締役(社外) | 〇 | - | 〇 | 〇 |
| 金井 沢治 | 取締役(社外) | - | ◎ | - | ○ |
| 高橋 健太 | 取締役 | - | ○ | - | - |
(注1) 表中の◎および○は各委員会における委員長および委員を示しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況
イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況
当社は、会社法第416条および会社法施行規則第112条に基づき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」(以下、本規則)の運用状況
ⅰ) 当社監査委員会の職務を補助すべき当社の取締役および使用人に関する事項
当社は、監査委員会の職務を補助すべき部署として経営監査部を設置しています。経営監査部員は、監査委員会の指示ならびに監査委員会が定める規則および年度ごとの監査計画に従い業務を遂行しており、服務については就業規定の定めに従っています。また、監査委員会の職務を補助すべき取締役は置いていません。
ⅱ) 経営監査部の当社執行役からの独立性に関する事項および経営監査部に対する当社監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部長および部員は、本規則の定めに従い、監査委員会の指揮命令に基づき業務を実施しています。また、経営監査部長および部員の評価は、監査委員会がすべて実施し、経営監査部員の任命、異動についても、監査委員会の同意を得て実施しています。
ⅲ) ENW*企業の役員および使用人が監査委員会に報告するための体制
監査委員会は、すべての執行役から本規則で定めた項目について、毎月1回、報告を受領しています。重要事項に関しては、随時に報告を受けています。また、監査委員会監査計画に重要な社内会議を定め、その議論や決議の状況について監視しています。
チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手したコンプライアンスに関する事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会へ報告する体制を構築しています。また、当社執行役に関する事項については、監査委員会が設置する内部通報窓口へ直接連絡することもできます。さらに、監査委員会は、ENW企業の監査役との情報共有によりENWの内部統制についての情報を入手しています。
* ENW(Eisai Network Companies)とは、当社および子会社と関連会社で構成されている企業グループのことです。
ⅳ) 前項の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
コンプライアンス・ハンドブックではコンプライアンス上の懸念を報告することをENW企業の役員および従業員に求めるとともに、当該報告者への報復行為を禁止しています。コンプライアンス・カウンターでは、報告者の保護を含む運用規則を整備・運用しています。また、就業規定においても、報告者への報復行為等を固く禁じています。監査委員会は、月次にコンプライアンス・カウンターの運用状況について不利な取り扱いの有無を含めて確認しています。
ⅴ) 監査委員の職務執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査委員会の職務執行のためのすべての費用は、執行部門から制限を受けることなく処理されています。
ⅵ) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、会計監査人および内部監査部門からそれぞれの監査計画および監査結果を入手し、監査委員会の監査が実効的に行われるようにしています。また、その監査活動の中で、会計監査人および内部監査部門等と必要な情報を共有しています。
「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況
ⅰ) 当社執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
情報の保存と管理を担当する執行役を任命し、当該執行役が執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する規則として、「ENW秘密情報セキュリティポリシー」および「情報セキュリティ規程」をはじめとする規則を整備し、研修会を継続的に実施し、情報の取り扱いの徹底をはかっており、これらの状況が取締役会および監査委員会に報告されています。
ⅱ) ENWの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
内部統制担当執行役は、ENWの損失の危険を管理し、自ら評価するための仕組みとしてCSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を導入し、執行役から各組織レベルに至るリスクマネジメント、内部統制の整備・評価を支援しています。このCSAを活用するなどして、各執行役は、担当職務(国内外)における重要な損失の危険(重要リスク)および子会社(国内外)における重要リスクを認識し、適切な管理体制を整備・運用しています。
特に会社に重大な損失を及ぼしうる複数の部門に関係する損失の危険に関しては、チーフフィナンシャルオフィサー(財務)、ゼネラルカウンセル(法務)、総務・環境安全担当執行役(環境、災害)、チーフプロダクトクオリティオフィサー(製品品質)、グローバルセーフティオフィサー(副作用)が責任を担っており、連結決算業務に関する規則、インサイダー取引を防止するための規則、事業継続計画、製品の品質を保証するための手順書や副作用情報の管理に関する規則等、必要な文書・規則を作成・運用し、社内ウェブへの掲載や対象者への研修等を通じて徹底をはかり、対策を講じるとともにこれらを運用しています。
また、ENWの損失の危険およびその対応の状況は、内部統制担当執行役が委員長を務めるリスクマネジメント委員会で一元管理し、内部統制の整備を推進しています。
ⅲ) ENWの職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社取締役会は業務執行の意思決定を大幅に執行役に委任するとともに、執行役の職務分掌と相互の関係を適切に決議しています。チーフHRオフィサーは、ENWにおける重要事項の意思決定手続きを定め、徹底しています。本手続きでは、ENWとして重要な事項に関する起案者、協議先、実施責任者、結果責任者等を定め、効率的な意思決定が行われる体制を整備しており、適宜、見直しが行われています。また、各執行役は、自らの担当職務における意思決定手続きを定めて、担当職務の効率的運用に努めています。執行役による重要な意思決定の状況については、取締役会に適宜報告されています。
ⅳ) 当社を除くENW企業の取締役ならびにENW企業の執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役が、コンプライアンスおよび内部統制の構築を推進しています。
コンプライアンスについては、コンプライアンス・プログラムを整備し、実践しています。反社会的勢力との対決方針に関しては、企業行動憲章およびコンプライアンス・ハンドブックに掲載するとともに、コンプライアンス研修を通じ、ENWに周知しています。
内部統制については、内部統制担当執行役が定めるENW内部統制ポリシーに基づき、すべての執行役が、自らの責任範囲において内部統制を構築・整備、運用しています。
コンプライアンス・リスク管理推進部では、各執行役が構築・整備、運用する内部統制を支援することを目的とし、日常的な業務リスクの低減に取り組む仕組みとして、①全執行役を対象にした全社的な重要リスクの把握、②ENWの全組織長を対象にしたCSAを推進しています。CSAでは、日本、米州、欧州、中国、アジアの各リージョンに推進組織もしくは推進担当者を設置し、リスク管理の支援を通じてグローバルに内部統制の推進を行っています。
内部監査は、コーポレートIA部および各リージョンの内部監査部門が、被監査組織とは、独立的、客観的な立場で実施しています。なお、すべての内部監査の結果を監査委員会/取締役会、執行役会へ定期的に報告しています。
また、製薬企業特有の専門分野については、法令、定款に適合していることを確認する執行役を適切に任命しています。
ⅴ) 当社を除くENW企業の役員および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、ENW企業を統轄、管轄または管掌する執行役を職務分掌で定めています。ENW企業を担当する執行役は、各ENW企業の意思決定手続きの制定、重要な会議への出席、定期的な報告書等により、ENWから報告を受ける体制を整備しています。ENW企業の状況については、担当執行役から取締役会および監査委員会に適宜報告されています。
ロ) コンプライアンス・リスク管理
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役がコンプライアンス・リスク管理推進部を指揮し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。
ⅰ) コンプライアンスの推進
コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義して経営の根幹に据え、トップマネジメントのメッセージ発信、コンプライアンス推進体制の整備、啓発活動、研修体制や相談・通報窓口の整備・運用等からなるコンプライアンス・プログラムを実践しています。
このコンプライアンス・プログラムは、社外専門家で組織されたコンプライアンス委員会による客観的なレビューを定期的に受けています。
1) コンプライアンス意識を醸成する啓発活動
| コンプライアンス意識を醸成するため、「コンプライアンス・ハンドブック」(エーザイネットワーク企業行動憲章と行動指針を記載)を16ヵ国語で作成し、すべての役員および従業員に提示しています。 また、コンプライアンス意識の向上と事案発生の未然の予防を目的に、コンプライアンス役員研修会をはじめとする多様な研修会、e-ラーニング、各部署での研修用資材配信など、様々な媒体を駆使し、リアルとリモートを織り交ぜた教育研修を継続して実施しています。 | ![]() |
2) コンプライアンス・カウンター、お取引先コンプライアンス通報窓口の活用と監査委員会への報告
コンプライアンス・カウンターは、ENWにおける内部通報制度の窓口です。コンプライアンス・カウンターでは、通報だけでなく、法令・ルールの解釈や日々の活動に関する疑問などコンプライアンスに関するあらゆる相談を受け付けています。日本国内では、本社であるエーザイをはじめENW各社に設置されています。また、ENW各社の従業員は、エーザイ本社のコンプライアンス・カウンターに直接連絡することも可能です。社内窓口への通報に抵抗がある従業員のために、独立した社外弁護士による社外相談窓口を設けるほか、コンプライアンスに限定せず、職場や仕事の問題を中立的な立場で扱うオンブズパーソンが運営する社外相談窓口も設置し、コンプライアンス推進のための環境を整備しています。
グローバルでも各リージョンに独自の内部通報窓口を設置するとともに、アジア圏についてはエーザイ本社直通の通報窓口も設置しており、各国の法令等に基づいた対応を行っています。お取引先の役員および従業員の方々にも、エーザイ関係者による不正行為や法令違反、さらにお取引先自身における当社事業に関わる不正行為や法令違反等について相談・通報いただけるようコンプライアンス通報窓口を設けています。また、これらの窓口に寄せられた通報対応業務に従事する者については、公益通報者保護法に準じ、通報者保護のため、通報者を特定させる情報についての守秘義務を課しています。
コンプライアンス・カウンターやお取引先様コンプライアンス通報窓口への相談・通報の受付件数の状況は、毎月、監査委員会に報告しています。また、チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手した情報のうち、重大なものについては、秘匿性を確保した上で直ちに監査委員会に報告する体制も構築しています。
なお、エーザイ本社のコンプライアンス・カウンターでは、コンプライアンス違反認定を行った事案について、役員および従業員がこれを自分事化し、自らの行動を顧みることにより、同種・類似の違反行為をとることがないよう、行為者および被害者等が特定されないよう配慮を行ったうえで、社内ウェブに公表をしております。社内アクセス数も高く、コンプライアンス違反行為の未然防止に効果を発揮しています。
3) コンプライアンスに関する意識調査を実施
コンプライアンス・組織風土の状況および個別課題の有無を把握するため、国内および海外グループの全従業員を対象とした「コンプライアンスに関する意識調査」を毎年実施しています。その調査結果から、全社および各部署の個別課題を把握しコンプライアンス意識醸成のための取り組みを検討します。また各部門の管理職とその課題を共有し、自主的な課題解決のアクションにつなげています。
4) 関連当事者間の取引
誠実なビジネス活動の推進を目的に、2012年1月に「ENW贈収賄・汚職の防止に関するポリシー」を定めました(2018年10月全面改定)。これは、社外関係者と接する際のENW共通のルールであり、すべてのENWにおいて贈収賄・汚職のないビジネス活動を推進しています。また、2022年には新たに同ポリシーに準拠した贈収賄防止に関する規定を整備し、取引先に対するデュー・デリジェンス機能をグローバルに強化しました。
具体的な取り組みの一つに、エーザイが新規に取引を予定している企業へ、ウェブシステムを活用して事前にグローバル共通の贈収賄・汚職の可能性に関する質問書への回答を得るABAC(Anti-Bribery and Anti-Corruption: 贈収賄・汚職の防止)デュー・デリジェンスシステムを導入しており、新規取引に伴うリスクの低減に一定の成果を得ています。本システムは、リスクアプローチの考えのもと、メキシコ、ブラジル、カナダを含むアメリカ地域、ロシアや東欧を含む欧州地域、中国、インドやアジア諸国で稼働させています。当社取引先企業においても、デュー・デリジェンスの結果、贈収賄・汚職防止の取り組みについて当社と同等レベルでの実施を要請しており、この基準を満たさない場合には取引しない、もしくは必要な策を講じた後に取引を開始するなどの措置を講じています。当社従業員に対しては毎年贈収賄・汚職防止に関するトレーニング受講を必須としており、業務における贈収賄・汚職防止への意識を高めています。
当社と主要株主との取引の有無およびその内容については、当社取締役会によって適切に監督するとともに、監査委員会は定期的な監査対象事項として監査しています。また、当社取締役会は、当社や株主の利益に反する行為を行うことを防止するため、役員による自己取引および利益相反取引については当社取締役会の承認を必要とすることを取締役会細則に規定し、開示しています。なお、この取引については、重要な事実を適切に取締役会に報告することとしています。
5) コンプライアンスに則ったプロモーション
グローバルにコンプライアンスに則ったプロモーション活動を行っています。また、企業活動が高い倫理性のもとに行われていることを広く社会にご理解いただくため、日本製薬工業協会(製薬協)や各国で定める法令・ガイドラインに則り、医療機関等および患者団体に対する支払いを公開しています。
ⅱ) リスク管理の推進
当社では、会社法に基づき、取締役会が「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を制定し、すべての執行役が担当職務のリスクを識別し、内部統制を構築・整備、運用することを定めています。内部統制担当執行役はグローバル共通の「ENW内部統制ポリシー」を定め、グループ全体で内部統制の構築・整備、運用を推進し、リスクを許容範囲に管理すべく取り組んでいます。
当社では、全社におけるリスク管理を適正に行うため、リスク管理のツールの一つとして、CSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を実施しています。CSAでは、毎年、ENWの組織長が自組織のリスクについて識別・評価を行い、対応を進めていました。また、全執行役による識別・評価を通して全社的な重要リスクを把握し、リスク対応の実施状況を確認することでリスク管理の実効性を高めています。なお、2024年度からは、各執行役が中心となってCSAを実施することにより、識別された一つ一つのリスクのより一層の深耕およびその対策立案・実施の充実化を図ることにしています。
このCSAを通して識別されたリスクの内、全社に共通するリスクは、リスクマネジメント委員会で検討されます。リスクマネジメント委員会は、内部統制担当執行役を委員長とし、取締役会の助言を受け、エーザイにおける特に重要な全社におけるリスクの共有およびその対応の検討を行う委員会です。リスクマネジメント委員会では、CSAから得られたリスクの把握と迅速かつ効率的なリスク対応を推進するとともに、社外の企業不祥事等の事案を参考に自社における潜在的なリスクを早期に感知し、リスクの顕在化防止に努めています。2023年度は、計9回のリスクマネジメント委員会を開催し(グローバル開催4回)、「サイバー・セキュリティ」、「長時間労働」などの重要リスクについて状況報告、議論、その後の対応の進捗確認が行われました。
ハ) 内部監査活動当社では、独立性強化を目的として、内部監査担当執行役のもとに当社グループの内部監査を管理するエグゼクティブインターナルオーディターを設置し、当社の内部監査を担うコーポレートIA部をはじめ、米国、欧州、中国等の各地域の内部監査部門と協力しながら、グローバルな内部監査を実施しています。このグローバルな監査活動では、定款で定めた企業理念の実現に向けた重要なリスクが、当社グループとしてどのように管理され、どこに課題があるのかを把握し、改善を促すことに努め、その結果を執行役会だけでなく、監査委員会/取締役会に報告しています。また、金融商品取引法が求める財務報告に係る内部統制の整備・運用の評価を担うとともに、労働安全衛生法等を含む多様な法規制遵守の観点から研究所や工場等に対する環境安全監査を実施しています。
そして当社グループの監査品質を高めるため、会計監査人との定期的な情報共有の場を設定し、的確かつ効率的な内部監査の実施に向けた連携に努めるとともに、社外有識者で構成された外部評価委員会を定期的に開催し、主要な内部監査の報告書や内部監査活動の自己評価結果等について幅広く評価いただいています。
(b) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
「③ 企業統治に関するその他の事項 (a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況 イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況 「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況 ⅳ)およびⅴ)」に記載しています。
(c) 責任限定契約の内容の概要
当社は、10名の取締役(業務執行取締役等である者を除く)との間で、会社法第427条に基づき定めた当社定款第38条第2項にもとづく責任限定契約を締結しています。当社の取締役が職務を遂行するにあたり善意にしてかつ重大な過失なくして当社に損害を与えた場合は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
(d) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社では、以下の内容を概要とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、2024年度中に更新する予定です。
・被保険者の実質的な保険料負担割合
保険料は特約部分も含め会社負担としており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。
・填補の対象となる保険事故の概要
特約部分も合わせ、被保険者である役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと、または当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害について填補します。ただし、法令違反の行為であることを認識して行った場合等一定の免責事由があります。
(e) 取締役の定数および選解任の決議要件
以下のとおり定款で定めています。なお、取締役の資格制限および解任に関する決議要件について会社法と異なる定款の定めはありません。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 取締役の定数 (第20条) | 取締役は、15名以内とする | 2001年 以後表記を改め、現在に至る | 厳しい経営環境に適確かつ迅速に対応するため、コーポレートガバナンスを充実し、経営体制の改革を実施したため |
| 取締役選任の 決議要件 (第21条第2項) | 取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う | 1974年 以後法律改正等により表記を改め、現在に至る | 取締役選任についての定足数を明確にするため |
| 累積投票の排除 (第21条第3項) | 取締役の選任決議は、累積投票によらない | 1974年 2006年に表記を統一し、現在に至る | 商法改正に基づき、累積投票の完全な排除をするため |
(f) 取締役会で決議できる株主総会事項
以下のとおり定款に定めています。なお、取締役会決議事項を株主総会では決議できないこととした事項はありません。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 取締役および 執行役の 責任免除 (第38条第1項) | 本会社は、会社法第426条 第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)および執行役(執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる | 2004年 以後会社法施行により表記を改め、現在に至る | 指名委員会等設置会社への移行に伴い、取締役、執行役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮することができるようにするため |
| 剰余金の配当等 (第40条) | 本会社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会が定める | 2006年 自己株式の取得については、2004年に定款授権により、剰余金の配当についても、同年の委員会等設置会社(現 指名委員会等設置会社)への移行に伴う法律の規定により、取締役会決議とされていたものを会社法の施行に対応して、表記等を整理した | 剰余金の配当等を機動的に行うため |
(g) 株主総会の特別決議要件
以下のとおり定款に定めています。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 株主総会の 特別決議要件 (第17条第2項) | 会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の 3分の2以上をもって行う | 2003年 以後会社法施行により表記を改め、現在に至る | 株主総会の円滑な運営を行うため(商法等の一部を改正する法律(平成14年法律第44号)が2003年4月1日に施行され、特別決議の定足数が緩和できることとされた) |
(h) 株式会社の支配に関する基本方針
イ) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、「患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する」との企業理念(hhc理念:ヒューマン・ヘルスケア理念)を定款に規定し、ステークホルダーズの皆様と共有してきました。
当社は、2021年4月よりスタートした中期経営計画「EWAY Future & Beyond」において、視点を転換し、貢献先を従来の「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に大きく拡大して、「生ききるを支える」をビジョンとして人々に貢献するsolutionの創出に取り組んでいます。
上記の理念や考え方を実現するビジネスモデルとしてエコシステムモデルを志向しています。エコシステムとは、様々な異なる生体が一定の環境下で共存し、互いに連携して発展していくことができる仕組みであり、当社はその中核として、アカデミア、ベンチャーとのコラボレーションによる創薬のみならず、臨床データやバイオマーカー等のデータに基づき、様々なsolutionが造られ提供されるプラットフォームとしてEUP(Eisai Universal Platform)を構築しています。
EUPの生み出すsolutionは他産業にも大きな相乗効果をもたらします。当社が価値を提供し貢献する人々を大きく拡大し、エコシステムを構築することで、当社のみならず、他産業においても、提供される商品の高度化やサービスの向上が可能となり、価値の提供による貢献拡大につながるものと考えます。企業理念であるhhcと、このエコシステムを統合したビジネスモデルを実現するhhceco企業をめざします。
さらに、当社は「医療較差の是正」に注力し、リンパ系フィラリア症治療薬の無償提供をはじめとした医薬品アクセスの改善に向けた取り組みを継続しています。熱帯病治療薬の研究開発においても、さまざまなパートナーシップにより豊富なパイプラインを構築しています。当社は、「日常と医療の領域で生活する人々」へ我々の製品と希望を届ける努力を惜しみません。
しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。
もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。
以上より、当社は、日本発のイノベーション企業として、hhc理念とそれを実現することに動機付けられた社員の存在、理念実現のための知の創造活動(hhc活動)、そして社会善(人々の健康憂慮の解消と医療較差の是正)を効率的に実現するビジネス展開などが当社の企業価値の源泉であると考えており、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、中長期的に当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努める前提において、このような源泉を十分に理解する必要があります。
ロ) 基本方針の実現に資する取組みおよび基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
ⅰ) 基本方針の実現に資する取り組み
当社は、前記イ)のとおり、中期経営計画「EWAY Future & Beyond」に基づいた取り組みを進めています。これらの具体的な内容については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」をご参照ください。
また、当社は、2004年に委員会等設置会社(現指名委員会等設置会社)に移行し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考えています。当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。
ⅱ) 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある買収提案や買付がなされた場合には、株主の皆様が検討のために必要な時間と情報を確保するとともに、必要に応じて、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するために、その時点において採用可能な適切と考えられるあらゆる施策(いわゆる買収防衛策を含む)を講じていきます。
ハ) ロ)の取り組みに関する当社取締役会の判断およびその理由
当社としては、前記イ)記載のとおり、企業価値・株主共同の利益の向上は、患者様と生活者の皆様のベネフィット向上により実現できるものと考えているところ、上記ロ)ⅰ)記載の取り組みは、そのような患者様と生活者の皆様のベネフィット向上に資すると考えています。
また、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えない買付をはじめとする不適切な買付や、当社が患者様と生活者の皆様のベネフィット向上を実現するために必要不可欠な新薬の研究・開発体制、疾患の啓発や予防に資する情報・サービスの提供、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保などを含む、長期的な視野での大胆な企業施策を妨げるような買付がなされれば、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。このため、当社としては、そのような買付を防止するために上記ロ)ⅱ)記載の措置をとることは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保の観点から適切であると考えています。
以上を踏まえ、当社取締役会は、上記ロ)記載の各取り組みは、前記イ)記載の基本方針に沿ったものであるとともに、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保に適うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
