有価証券報告書-第107期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、株主の皆様の権利を尊重し、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスガイドライン」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実を実現していきます。
1 株主の皆様との関係
・株主の皆様の権利を尊重する。
・株主の皆様の平等性を確保する。
・株主の皆様を含む当社のステークホルダーズとの良好・円滑な関係を構築する。
・会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
2 コーポレートガバナンスの体制
・当社は指名委員会等設置会社とする。
・取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定を執行役に大幅に委任し、経営の監督機能を発揮する。
・取締役会の過半数は、独立性・中立性のある社外取締役とする。
・執行役を兼任する取締役は、代表執行役CEO 1名のみとする。
・経営の監督機能を明確にするため、取締役会の議長と代表執行役CEOとを分離する。
・指名委員会および報酬委員会の委員は、全員を社外取締役とし、監査委員会の委員は、その過半数を社外取締役とする。
・指名委員会、監査委員会および報酬委員会の各委員長は社外取締役とする。
・社外取締役の役割を有効に機能させるため、社外取締役ミーティングを設置する。
・財務報告の信頼性確保をはじめとした内部統制の体制およびその運用を充実する。
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
(a) 当社コーポレートガバナンスの特長
イ) 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社のコーポレートガバナンスの機軸は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活用した経営の監督機能と業務執行機能の明確な分離にあります。
過半数が社外取締役で構成される取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定権限を執行役に大幅に委任することで、経営の活力を増大させるとともに、経営の監督に専念しています。取締役会は、会社法にもとづき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務範囲において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
さらに、経営の監督と業務執行を明確に分離するために、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役は代表執行役CEOのみとしています。
ロ) 社外取締役を中心としたコーポレートガバナンス充実に向けた継続的、自律的な仕組み
当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役7名の存在です。当社では下図のように、①指名委員会における独立性・中立性のある社外取締役の選任システム、②社外取締役である取締役議長のリーダーシップによる取締役会等の運営、③サクセッションプランの検討など、幅広くコーポレートガバナンスに関する議論が行われる社外取締役ミーティング、④取締役会および各委員会のPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すコーポレートガバナンス評価など、社外取締役を中心とした、継続的かつ自律的なコーポレートガバナンス充実の仕組みを構築し、これを運用しています。また、各取り組みの内容については、持続的にその充実をはかるよう努めています。
ハ) コーポレートガバナンスに関する取り組み
ⅰ) 社外取締役と投資家の皆様との対話
当社では、これまでも機関投資家と社外取締役の面談を国内外で実施してきました。
2018年1月~2月に実施した社外取締役による機関投資家への訪問と対話、そして2018年9月に「機関投資家と社外取締役との意見交換会」を実施し、社外取締役7名全員が出席し、約50名の機関投資家の方々との対話を行いました。当社のコーポレートガバナンスに対する取り組みについて、様々な観点から意見交換をすることができました。
また、機関投資家の方々からの要請に応じ、社外取締役複数名が参加した意見交換会を実施しています。こうした対話で得た知見は、取締役会等における議論に活かしています。今後も、企業価値向上に向けたコーポレートガバナンスへの取り組みに関する相互理解を深めるため、社外取締役による投資家の皆様との対話を継続して実施していくことを、社外取締役ミーティングで確認しています。
ⅱ) 社外取締役による患者様との交流、各種研修会等の実施
当社の事業活動や経営環境への理解を深め、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮を企図し、様々な研修会や執行部門(執行役や従業員等)との交流の場を企画・実施しています。
・患者様との共同化プログラムへの参加
・執行役や社員とのコミュニケーション
・社外取締役を対象とする研修会
・コンプライアンス研修
ⅲ) サクセッションプランの情報共有とディスカッション
(1) 経営トップ(CEO)選定の考え方
当社は、経営トップ(CEO)の選定を、取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつと位置付けています。CEOは、自ら強いリーダーシップを発揮して次期CEOを育成することを責務とし、社外取締役がこれを認識の上で助言等を行うなど、そのプロセスに関与することで、CEOによる後継候補者提案の客観性が高まり、取締役会として、CEO選定の公正性を合理的に確保できると考えています。
(2) CEO選定に係る手続き
CEOのサクセッションに関しては、2004年に委員会等設置会社(現 指名委員会等設置会社)に移行後も、常に最良のコーポレートガバナンス体制のもと、議論が積み重ねられていましたが、2016年度、社外取締役ミーティングにおいて、それまでの経緯を踏まえた上で、CEOの策定するサクセッションプランに関する取締役会での情報共有等のあり方や、突発的事態への備えについて議論がなされ、その手続き等をルールとして定めました。その概要は以下のとおりです。
1) サクセッションプランの情報共有
① CEOにより提案されるサクセッションプランの情報共有は、社外取締役ミーティングにおいて、年2回実施する。
② この社外取締役ミーティングには、CEOをはじめ社内取締役も参加し、取締役全員でサクセッションプランの情報共有を行う。
2) サクセッションプランのディスカッション
① 候補者を評価するための基準(クライテリア)は、経営環境等に応じて変化することが想定される。このため、CEOが候補者を提案する時点においてこれを適切に設定する。
② CEOは、これにもとづいて候補者を評価し、サクセッションプランにおいてその評価結果を示す。
③ 社外取締役は、サクセッションプランに関する助言を行い、CEOは社外取締役からの助言を考慮し、適宜、サクセッションプランに反映させる。
(3) 突発的事態に対する備え
不慮の事故などにより、急遽、取締役会として新たなCEOを選定しなければならない事態も想定されます。このような突発的事態に対する備えについても、上記サクセッションプランの検討の中で確認しています。
ⅳ) コーポレートガバナンス評価の実施
社外取締役ミーティングでは、毎年、取締役会の経営の監督機能の実効性を評価し、運営等の課題を抽出するとともに、取締役会および執行部門に改善の要請や提案を行っています。コーポレートガバナンス評価では、前年度のコーポレートガバナンス評価における課題認識等にもとづき、取締役会等の活動状況を点検・評価し、次年度に向けた課題抽出および改善策等を示すことでPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回しています。なお、2017年度より、継続的、定期的にコーポレートガバナンス評価の適正性と妥当性を確保するため、プロセスおよび結果について、外部機関によるレビューを3年に1回実施することとしています。
(1) 取締役会評価
1) 取締役会評価は、取締役会の担う経営の監督機能について取締役会全体としての実効性等を評価するものです。
2) 取締役会評価は、指名・監査・報酬委員会および社外取締役ミーティングも対象としています。
3) 取締役会評価は、取締役一人ひとりの自己評価をもとに検討されます。
4) 取締役会評価は、評価の客観性を確保する観点から、社外取締役ミーティングがその結果をとりまとめ、取締役会において決定します。
(2) コーポレートガバナンスガイドラインの自己レビュー
1) コーポレートガバナンスガイドラインは取締役会が定めたコーポレートガバナンスの行動指針です。
2) 取締役会は、取締役会等の職務執行が、本ガイドラインに沿って整備・運用されているかについて毎年レビューを行います。
(3) 内部統制関連規則*の自己レビュー
1) 内部統制関連規則は、監査委員会の職務の執行のために必要な事項および執行役の職務の適正を確保するために取締役会が定めた規則です。
2) 取締役会は、両規則に沿った体制の整備・運用がなされているかについて毎年レビューを行います。
* 会社法第416条および会社法施行規則第112条にもとづき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
(4) 外部機関を活用した「取締役会評価」の改善および保証の仕組み
1) 「取締役会評価の適正性の保証」を企図し、外部機関による取締役会評価の改善とその保証の仕組みを2017年度より導入しました。なお、外部機関による評価プロセスの調査、評価、改善提案、評価結果の点検等は3年に1回実施します。
2) 外部機関は、当社の過去の評価方法、評価の決定プロセス、各取締役の評価、最終評価等を分析の上、制度およびその運用について、指摘や助言を行います。
3) 外部機関の指摘、助言にもとづき、社外取締役ミーティングおよび取締役会は、制度および運用の改善をはかることとします。
4) 外部機関は、社外取締役ミーティングがとりまとめる取締役会評価について、評価プロセス、評価結果等を点検し、取締役会に報告書を提出します。
5) 取締役会は、社外取締役ミーティングがとりまとめた評価と外部機関による報告書にもとづき、当該年度のコーポレートガバナンス評価を決定します。
(b) 当社の各機関について
当社は、指名委員会等設置会社として法定機関である取締役会、指名・監査・報酬の各委員会および取締役会で選任された執行役を設置しています。
当社の取締役会議長および指名・監査・報酬の3委員会の委員長は社外取締役が務めており、透明度の高い経営を確保する仕組みを構築しています。当社の各機関の人員構成および主な任務は、次のとおりです。
イ) 取締役会(11名(うち女性1名):社外取締役7名、社内取締役4名、議長:社外取締役、任期1年)
・経営の基本方針、執行役の選任、剰余金の配当等の決定など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行う。
・執行役からの報告、ならびに指名委員会、監査委員会、および報酬委員会からの報告にもとづき、取締役および執行役の職務の執行を監督する。
ロ) 指名委員会(3名:社外取締役3名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役の選任および解任に関する株主総会議案の内容を決定する。
・独立性のある社外取締役を選任するために、「社外取締役の独立性・中立性の要件」を定める。
・指名委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
ハ) 報酬委員会(3名:社外取締役3名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役および執行役の報酬等の基本方針および個人別の報酬等を決定する。
・取締役および執行役の報酬等の客観性を確保するため、社外の調査データ等を積極的に活用するとともに、報酬等の決定プロセスの妥当性についても審議し、これを決定する。
・報酬委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
ニ) 監査委員会(5名:社外取締役3名(うち女性1名)、社内取締役2名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役および執行役の職務執行の監査、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定、会計監査その他法令により定められた事項を実施する。
・取締役および執行役の職務執行の監査に必要な事項に関し、取締役、執行役、使用人および会計監査人から適時・適切に報告を受けるとともに、会計監査人および内部監査部門に係る監査活動を通じ、監査の質の向上と効率的な監査の実現に努める。
・監査委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則、手続き等を定め、毎年見直しを行う。
・監査委員会の決議および監査委員の指示にもとづき職務を遂行する経営監査部は、監査の客観性を確保するために、業務の指揮命令および人事評価等について執行役からの独立性が保障される。
<設置している機関と構成員の氏名および役職>
(注1) 上記法定委員会のほかに社外取締役独立委員会、社外取締役ミーティングを設置しており、いずれも社外取締役7名のみで構成されています。また、社外取締役独立委員会の委員長は角田大憲、社外取締役ミーティングの座長は加藤泰彦が務めています。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況
イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況
当社は、会社法第416条および会社法施行規則第112条にもとづき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」(以下、本規則)の運用状況
ⅰ) 当社監査委員会の職務を補助すべき当社の取締役および使用人に関する事項
当社は、監査委員会の職務を補助すべき部署として経営監査部を設置しています。経営監査部員は、監査委員会の指示ならびに監査委員会が定める規則および年度ごとの監査計画に従い業務を遂行しており、服務については就業規定の定めに従っています。また、監査委員会の職務を補助すべき取締役は置いていません。
ⅱ) 経営監査部の当社執行役からの独立性に関する事項および経営監査部に対する当社監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部長および部員は、本規則の定めに従い、監査委員会の指揮命令にもとづき業務を実施しています。また、経営監査部長および部員の評価は、監査委員会がすべて実施し、経営監査部員の任命、異動についても、監査委員会の同意を得て実施しています。
ⅲ) ENW*企業の役員および使用人が監査委員会に報告するための体制
監査委員会は、すべての執行役から本規則で定めた項目について、毎月1回、報告を受領しています。重要事項に関しては、随時に報告を受けています。また、監査委員会監査計画に重要な社内会議を定め、その議論や決議の状況について監視しています。
チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手したコンプライアンスに関する事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会に報告する体制を構築しています。さらに、監査委員会は、ENW企業の監査役との情報共有によりENWの内部統制についての情報を入手しています。
* ENW(Eisai Network Companies)とは、当社および子会社と関連会社で構成されている企業グループのことです。
ⅳ) 前項の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
コンプライアンス・ハンドブックではコンプライアンス上の懸念を報告することをENW企業の役員および従業員に求めるとともに、当該報告者への報復行為を禁止しています。コンプライアンス・カウンターでは、報告者の保護を含む運用規則を整備・運用しています。また、就業規定においても、報告者への報復行為等を固く禁じています。監査委員会は、月次にコンプライアンス・カウンターの運用状況について不利な取り扱いの有無を含めて確認しています。
ⅴ) 監査委員の職務執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査委員会の職務執行のためのすべての費用は、執行部門から制限を受けることなく処理されています。
ⅵ) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、会計監査人および内部監査部門からそれぞれの監査計画および監査結果を入手し、監査委員会の監査が実効的に行われるようにしています。また、その監査活動の中で、会計監査人および内部監査部門等と必要な情報を共有しています。
「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況
ⅰ) 当社執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
情報の保存と管理を担当する執行役を任命し、当該執行役が執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する規則として、「ENW秘密情報セキュリティポリシー」をはじめとする規則を整備し、研修会を継続的に実施し、秘密情報の取り扱いの徹底をはかっており、これらの状況が取締役会および監査委員会に報告されています。
ⅱ) ENWの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
内部統制担当執行役は、ENWの損失の危険を管理し、自ら評価するための仕組みとしてCSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を導入し、執行役から各組織レベルに至るリスクマネジメント、内部統制の整備・評価を支援しています。このCSAを活用するなどして、各執行役は、担当職務(国内外)における重要な損失の危険(重要リスク)および子会社(国内外)における重要リスクを認識し、適切な管理体制を整備・運用しています。
特に会社に重大な損失を及ぼしうる複数の部門に関係する損失の危険に関しては、チーフフィナンシャルオフィサー(財務)、ゼネラルカウンセル(法務)、総務・環境安全担当執行役(環境、災害)が責任を担っており、連結決算業務に関する規則、インサイダー取引を防止するための規則、事業継続計画等、必要な規則を作成し、社内ウェブへの掲載や研修等を通じて社内への徹底をはかり、対策を講じるとともにこれらを運用しています。
また、ENWの損失の危険およびその対応の状況は、内部統制担当執行役が設置するリスクマネジメント委員会で一元管理し、内部統制の整備を推進しています。
ⅲ) ENWの職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社取締役会は業務執行の意思決定を大幅に執行役に委任するとともに、執行役の職務分掌と相互の関係を適切に決議しています。チーフタレントオフィサーは、ENWにおける重要事項の意思決定手続きを定め、徹底しています。本手続きでは、ENWとして重要な事項に関する起案者、協議先、実施責任者、結果責任者等を定め、効率的な意思決定が行われる体制を整備しており、毎年見直しが行われています。また、各執行役は、自らの担当職務における意思決定手続きを定めて、担当職務の効率的運用に努めています。執行役による重要な意思決定の状況については、取締役会に適宜報告されています。
ⅳ) 当社を除くENW企業の取締役ならびにENW企業の執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役が、コンプライアンスおよび内部統制の構築を推進するとともに、内部監査を統轄しています。
コンプライアンスについては、コンプライアンス・プログラムを整備し、実践しています。
内部統制については、内部統制担当執行役が定める内部統制ポリシーにもとづき、すべての執行役が、自らの責任範囲において内部統制を構築・整備、運用しています。
コンプライアンス・リスク管理推進部では、各執行役が構築・整備、運用する内部統制を支援することを目的とし、日常的な業務リスクの低減に取り組む仕組みとして、①全執行役を対象にしたインタビューによる全社的な重要リスクの把握、②ENWの全組織長を対象にしたCSAを実施しています。CSAでは、日本、米州、欧州、中国、アジアの各地域に推進組織もしくは推進担当者を設置し、リスク管理の支援を通じてグローバルに内部統制の推進を行っています。
内部監査は、コーポレートIA部および各地域の内部監査部門が、被監査組織とは、独立的、客観的な立場で実施しています。なお、すべての内部監査の結果を取締役会、執行役会、監査委員会へ定期的に報告しています。
また、製薬企業特有の専門分野については、法令、定款に適合していることを確認する執行役を適切に任命しています。
ⅴ) 当社を除くENW企業の役員および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、ENW企業を統轄、管轄または管掌する執行役を職務分掌で定めています。ENW企業を担当する執行役は、各ENW企業の意思決定手続きの制定、重要な会議への出席、定期的な報告書等により、ENWから報告を受ける体制を整備しています。ENW企業の状況については、担当執行役から取締役会に適宜報告されています。
ロ) コンプライアンス・リスク管理
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役がコンプライアンス・リスク管理推進部、コーポレートIA部を指揮し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。
ⅰ) コンプライアンスの推進
コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義して経営の根幹に据え、トップマネジメントのメッセージ発信、コンプライアンス推進体制の整備、行動規範やルールの整備、啓発活動、および相談・連絡窓口の整備等からなるコンプライアンス・プログラムを実践しています。コンプライアンス推進活動は、国内外の弁護士やコンサルタント等社外専門家で組織されたコンプライアンス委員会による客観的なレビューを定期的に受けています。
(1) コンプライアンス意識の醸成のための啓発活動
ENW企業行動憲章、行動指針をとりまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」を17カ国語で発行し、すべての執行役および従業員の理解に向けた研修を実施するとともに、それらを遵守する旨をすべての執行役および従業員が毎年宣誓しています。
また、国内ENWでは、コンプライアンス・カウンター(内部通報窓口)の連絡先等を記載した携帯用「コンプライアンス・カード」を作成し、すべての執行役および従業員で共有しています。
さらに、コンプライアンス役員研修会をはじめとする研修会の開催、e-ラーニング、ケーススタディの配信などによる啓発研修を継続して実施し、コンプライアンス意識の醸成に取り組んでいます。
2018年5~6月、コンプライアンス・カウンターの利用促進とコンプライアンスの周知徹底を目的に、コンプライアンス・ウィークと称するキャンペーン(展示ブースの設置、専用ウェブサイトの開設等)を国内の主な事業所と国内ENWで開催しました。
(2) 関連当事者間の取引
取締役、執行役および従業員などの当社関係者がその立場を濫用して当社や株主共同の利益を害することを防止するため、当社は利益相反取引、株主に対する利益供与および贈収賄の禁止について、当社「ENW贈収賄・汚職の防止に関するポリシー」に定めコンプライアンス研修等を通じて取締役、執行役および従業員に周知徹底しています。
当社と主要株主との取引の有無およびその内容については、当社取締役会によって適切に監督するとともに、監査委員会は定期的な監査対象事項として監査しています。また、当社取締役会は、当社や株主の利益に反する行為を行うことを防止するため、取締役および執行役による自己取引および利益相反取引については当社取締役会の承認を必要とすることを取締役会細則に規定し、開示しています。なお、この取引については、重要な事実を適切に取締役会に報告することとしています。
(3) コンプライアンス・カウンターの活用
コンプライアンス・カウンターは、ENWにおける内部通報としての相談・連絡窓口であり、日本、米国、欧州、中国、アジア等の各地域をベースとした窓口と各国から日本へ相談・連絡ができるグローバル窓口が設置されています。また、特に日本においては、社外弁護士による社外相談窓口や社外相談員が運営する社外相談窓口も設置し、コンプライアンスをさらに推進するための環境を整備しています。
(4) 監査委員会への報告
コンプライアンス・カウンターにおける相談・連絡の受付件数などの運営状況を毎月監査委員会に報告しています。
また、チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手した事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会に報告する体制を構築しています。
ⅱ) リスク管理の推進
当社では、会社法にもとづき、取締役会が「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を制定し、すべての執行役が担当職務のリスクを識別し、内部統制を構築・整備、運用することを定めています。内部統制担当執行役はグローバル共通の「ENW内部統制ポリシー」を定め、グループ全体で内部統制の構築・整備、運用を推進し、リスクを許容範囲に管理すべく取り組んでいます。

(1) リスクの把握と迅速かつ効率的なリスク対応の推進
執行役と組織長が識別したすべてのリスクの中で、重要なリスクについてはリスクマネジメント委員会が一元管理しています。また、社外の企業不祥事等を常時監視することで自社の潜在的なリスクを早期に感知し、リスクの顕在化を防止する活動も実施しており、迅速なリスク対応を行っています。
(2) 国際基準にもとづいた内部監査活動
内部監査は、監査委員会の監査や会計監査人の会計監査とは異なる任意の監査です。当社は、内部統制担当執行役のもとに設置したコーポレートIA部が日本、米国、欧州、中国、アジア等の各地域の内部監査部門と協力しながら、グローバルな内部監査を実施しています。この内部監査では、各執行役のもとで行われる業務執行が適正かつ効率的に実施されていることを、独立的かつ客観的に評価し、その結果は執行役会ならびに監査委員会へ報告しています。なお、内部監査部門は国際基準に対応した高品質な監査を確保するため、社外有識者で構成された外部評価委員会により、IIA(The Institute of Internal Auditors:米国に本部を置く内部監査人協会)のグローバルスタンダードに沿った評価を受けています。
ⅲ) データインテグリティの推進
研究開発や生産等における重要データのインテグリティ、すなわちデータの完全性、一貫性、正確性を確保するため、データインテグリティ推進担当およびチーフクオリティオフィサーを任命するとともに、データインテグリティ推進委員会を設置しています。重要データを取り扱う社員への教育研修、データの記録・保管のシステム化、適切な内部統制体制の推進等、データガバナンスのより一層の強化をめざしています。
(b) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
「③ 企業統治に関するその他の事項 (a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況 イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況 「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況 ⅳ)およびⅴ)」に記載しています。
(c) 責任限定契約の内容の概要
当社は、10名の取締役(業務執行取締役等である者を除く)との間で、会社法第427条にもとづき定めた当社定款第38条第2項にもとづく責任限定契約を締結しています。当社の取締役が職務を遂行するにあたり善意にしてかつ重大な過失なくして当社に損害を与えた場合は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
(d) 取締役の定数および選解任の決議要件
以下のとおり定款で定めております。なお、取締役の資格制限および解任に関する決議要件について会社法と異なる定款の定めはありません。
(e) 取締役会で決議できる株主総会事項
以下のとおり定款に定めております。なお、取締役会決議事項を株主総会では決議できないこととした事項はありません。
(f) 株主総会の特別決議要件
以下のとおり定款に定めております。
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、常に最良のコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでいます。当社は、株主の皆様の権利を尊重し、経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営の活力を増大させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え方および行動指針を「コーポレートガバナンスガイドライン」に定め、その実践により、コーポレートガバナンスの充実を実現していきます。
1 株主の皆様との関係
・株主の皆様の権利を尊重する。
・株主の皆様の平等性を確保する。
・株主の皆様を含む当社のステークホルダーズとの良好・円滑な関係を構築する。
・会社情報を適時・適切に開示し、透明性を確保する。
2 コーポレートガバナンスの体制
・当社は指名委員会等設置会社とする。
・取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定を執行役に大幅に委任し、経営の監督機能を発揮する。
・取締役会の過半数は、独立性・中立性のある社外取締役とする。
・執行役を兼任する取締役は、代表執行役CEO 1名のみとする。
・経営の監督機能を明確にするため、取締役会の議長と代表執行役CEOとを分離する。
・指名委員会および報酬委員会の委員は、全員を社外取締役とし、監査委員会の委員は、その過半数を社外取締役とする。
・指名委員会、監査委員会および報酬委員会の各委員長は社外取締役とする。
・社外取締役の役割を有効に機能させるため、社外取締役ミーティングを設置する。
・財務報告の信頼性確保をはじめとした内部統制の体制およびその運用を充実する。
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由(a) 当社コーポレートガバナンスの特長
イ) 経営の監督と業務執行の明確な分離
当社のコーポレートガバナンスの機軸は、指名委員会等設置会社であることを最大限に活用した経営の監督機能と業務執行機能の明確な分離にあります。
過半数が社外取締役で構成される取締役会は、法令の許す範囲で業務執行の意思決定権限を執行役に大幅に委任することで、経営の活力を増大させるとともに、経営の監督に専念しています。取締役会は、会社法にもとづき、「業務の適正を確保するための体制」に関する規則を決議し、執行役が整備・運用すべき内部統制を具体的に定めています。執行役は、本規則に定められた事項のみならず、自らが担当する職務範囲において内部統制を整備・運用することにより自律性を確保し、業務執行の機動性と柔軟性を高めています。
取締役会は、このような体制のもと、執行役の業務執行状況を確認するとともに、業務執行や意思決定のプロセスなど内部統制の状況について株主の皆様や社会の視点でその妥当性を点検しています。
さらに、経営の監督と業務執行を明確に分離するために、取締役会の議長を社外取締役とし、執行役を兼任する取締役は代表執行役CEOのみとしています。
ロ) 社外取締役を中心としたコーポレートガバナンス充実に向けた継続的、自律的な仕組み
当社のコーポレートガバナンスの実効性を支えるのは、取締役会の過半数を占める独立社外取締役7名の存在です。当社では下図のように、①指名委員会における独立性・中立性のある社外取締役の選任システム、②社外取締役である取締役議長のリーダーシップによる取締役会等の運営、③サクセッションプランの検討など、幅広くコーポレートガバナンスに関する議論が行われる社外取締役ミーティング、④取締役会および各委員会のPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すコーポレートガバナンス評価など、社外取締役を中心とした、継続的かつ自律的なコーポレートガバナンス充実の仕組みを構築し、これを運用しています。また、各取り組みの内容については、持続的にその充実をはかるよう努めています。
ハ) コーポレートガバナンスに関する取り組みⅰ) 社外取締役と投資家の皆様との対話
当社では、これまでも機関投資家と社外取締役の面談を国内外で実施してきました。
2018年1月~2月に実施した社外取締役による機関投資家への訪問と対話、そして2018年9月に「機関投資家と社外取締役との意見交換会」を実施し、社外取締役7名全員が出席し、約50名の機関投資家の方々との対話を行いました。当社のコーポレートガバナンスに対する取り組みについて、様々な観点から意見交換をすることができました。
また、機関投資家の方々からの要請に応じ、社外取締役複数名が参加した意見交換会を実施しています。こうした対話で得た知見は、取締役会等における議論に活かしています。今後も、企業価値向上に向けたコーポレートガバナンスへの取り組みに関する相互理解を深めるため、社外取締役による投資家の皆様との対話を継続して実施していくことを、社外取締役ミーティングで確認しています。
ⅱ) 社外取締役による患者様との交流、各種研修会等の実施
当社の事業活動や経営環境への理解を深め、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮を企図し、様々な研修会や執行部門(執行役や従業員等)との交流の場を企画・実施しています。
・患者様との共同化プログラムへの参加
・執行役や社員とのコミュニケーション
・社外取締役を対象とする研修会
・コンプライアンス研修
ⅲ) サクセッションプランの情報共有とディスカッション
(1) 経営トップ(CEO)選定の考え方
当社は、経営トップ(CEO)の選定を、取締役会の最も枢要な意思決定事項のひとつと位置付けています。CEOは、自ら強いリーダーシップを発揮して次期CEOを育成することを責務とし、社外取締役がこれを認識の上で助言等を行うなど、そのプロセスに関与することで、CEOによる後継候補者提案の客観性が高まり、取締役会として、CEO選定の公正性を合理的に確保できると考えています。
(2) CEO選定に係る手続き
CEOのサクセッションに関しては、2004年に委員会等設置会社(現 指名委員会等設置会社)に移行後も、常に最良のコーポレートガバナンス体制のもと、議論が積み重ねられていましたが、2016年度、社外取締役ミーティングにおいて、それまでの経緯を踏まえた上で、CEOの策定するサクセッションプランに関する取締役会での情報共有等のあり方や、突発的事態への備えについて議論がなされ、その手続き等をルールとして定めました。その概要は以下のとおりです。
1) サクセッションプランの情報共有
① CEOにより提案されるサクセッションプランの情報共有は、社外取締役ミーティングにおいて、年2回実施する。
② この社外取締役ミーティングには、CEOをはじめ社内取締役も参加し、取締役全員でサクセッションプランの情報共有を行う。
2) サクセッションプランのディスカッション
① 候補者を評価するための基準(クライテリア)は、経営環境等に応じて変化することが想定される。このため、CEOが候補者を提案する時点においてこれを適切に設定する。
② CEOは、これにもとづいて候補者を評価し、サクセッションプランにおいてその評価結果を示す。
③ 社外取締役は、サクセッションプランに関する助言を行い、CEOは社外取締役からの助言を考慮し、適宜、サクセッションプランに反映させる。
(3) 突発的事態に対する備え
不慮の事故などにより、急遽、取締役会として新たなCEOを選定しなければならない事態も想定されます。このような突発的事態に対する備えについても、上記サクセッションプランの検討の中で確認しています。
ⅳ) コーポレートガバナンス評価の実施
社外取締役ミーティングでは、毎年、取締役会の経営の監督機能の実効性を評価し、運営等の課題を抽出するとともに、取締役会および執行部門に改善の要請や提案を行っています。コーポレートガバナンス評価では、前年度のコーポレートガバナンス評価における課題認識等にもとづき、取締役会等の活動状況を点検・評価し、次年度に向けた課題抽出および改善策等を示すことでPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回しています。なお、2017年度より、継続的、定期的にコーポレートガバナンス評価の適正性と妥当性を確保するため、プロセスおよび結果について、外部機関によるレビューを3年に1回実施することとしています。
(1) 取締役会評価
1) 取締役会評価は、取締役会の担う経営の監督機能について取締役会全体としての実効性等を評価するものです。
2) 取締役会評価は、指名・監査・報酬委員会および社外取締役ミーティングも対象としています。
3) 取締役会評価は、取締役一人ひとりの自己評価をもとに検討されます。
4) 取締役会評価は、評価の客観性を確保する観点から、社外取締役ミーティングがその結果をとりまとめ、取締役会において決定します。
(2) コーポレートガバナンスガイドラインの自己レビュー
1) コーポレートガバナンスガイドラインは取締役会が定めたコーポレートガバナンスの行動指針です。
2) 取締役会は、取締役会等の職務執行が、本ガイドラインに沿って整備・運用されているかについて毎年レビューを行います。
(3) 内部統制関連規則*の自己レビュー
1) 内部統制関連規則は、監査委員会の職務の執行のために必要な事項および執行役の職務の適正を確保するために取締役会が定めた規則です。
2) 取締役会は、両規則に沿った体制の整備・運用がなされているかについて毎年レビューを行います。
* 会社法第416条および会社法施行規則第112条にもとづき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
(4) 外部機関を活用した「取締役会評価」の改善および保証の仕組み
1) 「取締役会評価の適正性の保証」を企図し、外部機関による取締役会評価の改善とその保証の仕組みを2017年度より導入しました。なお、外部機関による評価プロセスの調査、評価、改善提案、評価結果の点検等は3年に1回実施します。
2) 外部機関は、当社の過去の評価方法、評価の決定プロセス、各取締役の評価、最終評価等を分析の上、制度およびその運用について、指摘や助言を行います。
3) 外部機関の指摘、助言にもとづき、社外取締役ミーティングおよび取締役会は、制度および運用の改善をはかることとします。
4) 外部機関は、社外取締役ミーティングがとりまとめる取締役会評価について、評価プロセス、評価結果等を点検し、取締役会に報告書を提出します。
5) 取締役会は、社外取締役ミーティングがとりまとめた評価と外部機関による報告書にもとづき、当該年度のコーポレートガバナンス評価を決定します。
(b) 当社の各機関について
当社は、指名委員会等設置会社として法定機関である取締役会、指名・監査・報酬の各委員会および取締役会で選任された執行役を設置しています。
当社の取締役会議長および指名・監査・報酬の3委員会の委員長は社外取締役が務めており、透明度の高い経営を確保する仕組みを構築しています。当社の各機関の人員構成および主な任務は、次のとおりです。
イ) 取締役会(11名(うち女性1名):社外取締役7名、社内取締役4名、議長:社外取締役、任期1年)
・経営の基本方針、執行役の選任、剰余金の配当等の決定など、法令、定款および取締役会規則で定められた重要事項の決定を行う。
・執行役からの報告、ならびに指名委員会、監査委員会、および報酬委員会からの報告にもとづき、取締役および執行役の職務の執行を監督する。
ロ) 指名委員会(3名:社外取締役3名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役の選任および解任に関する株主総会議案の内容を決定する。
・独立性のある社外取締役を選任するために、「社外取締役の独立性・中立性の要件」を定める。
・指名委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
ハ) 報酬委員会(3名:社外取締役3名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役および執行役の報酬等の基本方針および個人別の報酬等を決定する。
・取締役および執行役の報酬等の客観性を確保するため、社外の調査データ等を積極的に活用するとともに、報酬等の決定プロセスの妥当性についても審議し、これを決定する。
・報酬委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則および手続き等を定める。
ニ) 監査委員会(5名:社外取締役3名(うち女性1名)、社内取締役2名、委員長:社外取締役、任期1年)
・取締役および執行役の職務執行の監査、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定、会計監査その他法令により定められた事項を実施する。
・取締役および執行役の職務執行の監査に必要な事項に関し、取締役、執行役、使用人および会計監査人から適時・適切に報告を受けるとともに、会計監査人および内部監査部門に係る監査活動を通じ、監査の質の向上と効率的な監査の実現に努める。
・監査委員会の職務を執行するために必要な基本方針、規則、手続き等を定め、毎年見直しを行う。
・監査委員会の決議および監査委員の指示にもとづき職務を遂行する経営監査部は、監査の客観性を確保するために、業務の指揮命令および人事評価等について執行役からの独立性が保障される。
<設置している機関と構成員の氏名および役職>
| 構成員の氏名 | 取締役会 | 指名委員会 | 監査委員会 | 報酬委員会 |
| 内藤 晴夫 | 取締役兼 代表執行役CEO | |||
| 加藤 泰彦 | 取締役議長 (社外) | |||
| 金井 広一 | 取締役 | 委員 | ||
| 柿﨑 環 | 取締役(社外) | 委員 | ||
| 角田 大憲 | 取締役(社外) | 委員 | ||
| ブルース・ アロンソン | 取締役(社外) | 委員 | 委員長 | |
| 土屋 裕 | 取締役 | |||
| 海堀 周造 | 取締役(社外) | 委員長 | 委員 | |
| 村田 隆一 | 取締役(社外) | 委員 | 委員 | |
| 内山 英世 | 取締役(社外) | 委員長 | ||
| 林 秀樹 | 取締役 | 委員 |
(注1) 上記法定委員会のほかに社外取締役独立委員会、社外取締役ミーティングを設置しており、いずれも社外取締役7名のみで構成されています。また、社外取締役独立委員会の委員長は角田大憲、社外取締役ミーティングの座長は加藤泰彦が務めています。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況
イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況
当社は、会社法第416条および会社法施行規則第112条にもとづき、「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」および「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を取締役会で決議しています。
「監査委員会の職務の執行のために必要な事項に関する規則」(以下、本規則)の運用状況
ⅰ) 当社監査委員会の職務を補助すべき当社の取締役および使用人に関する事項
当社は、監査委員会の職務を補助すべき部署として経営監査部を設置しています。経営監査部員は、監査委員会の指示ならびに監査委員会が定める規則および年度ごとの監査計画に従い業務を遂行しており、服務については就業規定の定めに従っています。また、監査委員会の職務を補助すべき取締役は置いていません。
ⅱ) 経営監査部の当社執行役からの独立性に関する事項および経営監査部に対する当社監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部長および部員は、本規則の定めに従い、監査委員会の指揮命令にもとづき業務を実施しています。また、経営監査部長および部員の評価は、監査委員会がすべて実施し、経営監査部員の任命、異動についても、監査委員会の同意を得て実施しています。
ⅲ) ENW*企業の役員および使用人が監査委員会に報告するための体制
監査委員会は、すべての執行役から本規則で定めた項目について、毎月1回、報告を受領しています。重要事項に関しては、随時に報告を受けています。また、監査委員会監査計画に重要な社内会議を定め、その議論や決議の状況について監視しています。
チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手したコンプライアンスに関する事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会に報告する体制を構築しています。さらに、監査委員会は、ENW企業の監査役との情報共有によりENWの内部統制についての情報を入手しています。
* ENW(Eisai Network Companies)とは、当社および子会社と関連会社で構成されている企業グループのことです。
ⅳ) 前項の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
コンプライアンス・ハンドブックではコンプライアンス上の懸念を報告することをENW企業の役員および従業員に求めるとともに、当該報告者への報復行為を禁止しています。コンプライアンス・カウンターでは、報告者の保護を含む運用規則を整備・運用しています。また、就業規定においても、報告者への報復行為等を固く禁じています。監査委員会は、月次にコンプライアンス・カウンターの運用状況について不利な取り扱いの有無を含めて確認しています。
ⅴ) 監査委員の職務執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査委員会の職務執行のためのすべての費用は、執行部門から制限を受けることなく処理されています。
ⅵ) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、会計監査人および内部監査部門からそれぞれの監査計画および監査結果を入手し、監査委員会の監査が実効的に行われるようにしています。また、その監査活動の中で、会計監査人および内部監査部門等と必要な情報を共有しています。
「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況
ⅰ) 当社執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
情報の保存と管理を担当する執行役を任命し、当該執行役が執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する規則として、「ENW秘密情報セキュリティポリシー」をはじめとする規則を整備し、研修会を継続的に実施し、秘密情報の取り扱いの徹底をはかっており、これらの状況が取締役会および監査委員会に報告されています。
ⅱ) ENWの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
内部統制担当執行役は、ENWの損失の危険を管理し、自ら評価するための仕組みとしてCSA(Control Self-Assessment:統制自己評価)を導入し、執行役から各組織レベルに至るリスクマネジメント、内部統制の整備・評価を支援しています。このCSAを活用するなどして、各執行役は、担当職務(国内外)における重要な損失の危険(重要リスク)および子会社(国内外)における重要リスクを認識し、適切な管理体制を整備・運用しています。
特に会社に重大な損失を及ぼしうる複数の部門に関係する損失の危険に関しては、チーフフィナンシャルオフィサー(財務)、ゼネラルカウンセル(法務)、総務・環境安全担当執行役(環境、災害)が責任を担っており、連結決算業務に関する規則、インサイダー取引を防止するための規則、事業継続計画等、必要な規則を作成し、社内ウェブへの掲載や研修等を通じて社内への徹底をはかり、対策を講じるとともにこれらを運用しています。
また、ENWの損失の危険およびその対応の状況は、内部統制担当執行役が設置するリスクマネジメント委員会で一元管理し、内部統制の整備を推進しています。
ⅲ) ENWの職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社取締役会は業務執行の意思決定を大幅に執行役に委任するとともに、執行役の職務分掌と相互の関係を適切に決議しています。チーフタレントオフィサーは、ENWにおける重要事項の意思決定手続きを定め、徹底しています。本手続きでは、ENWとして重要な事項に関する起案者、協議先、実施責任者、結果責任者等を定め、効率的な意思決定が行われる体制を整備しており、毎年見直しが行われています。また、各執行役は、自らの担当職務における意思決定手続きを定めて、担当職務の効率的運用に努めています。執行役による重要な意思決定の状況については、取締役会に適宜報告されています。
ⅳ) 当社を除くENW企業の取締役ならびにENW企業の執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役が、コンプライアンスおよび内部統制の構築を推進するとともに、内部監査を統轄しています。
コンプライアンスについては、コンプライアンス・プログラムを整備し、実践しています。
内部統制については、内部統制担当執行役が定める内部統制ポリシーにもとづき、すべての執行役が、自らの責任範囲において内部統制を構築・整備、運用しています。
コンプライアンス・リスク管理推進部では、各執行役が構築・整備、運用する内部統制を支援することを目的とし、日常的な業務リスクの低減に取り組む仕組みとして、①全執行役を対象にしたインタビューによる全社的な重要リスクの把握、②ENWの全組織長を対象にしたCSAを実施しています。CSAでは、日本、米州、欧州、中国、アジアの各地域に推進組織もしくは推進担当者を設置し、リスク管理の支援を通じてグローバルに内部統制の推進を行っています。
内部監査は、コーポレートIA部および各地域の内部監査部門が、被監査組織とは、独立的、客観的な立場で実施しています。なお、すべての内部監査の結果を取締役会、執行役会、監査委員会へ定期的に報告しています。
また、製薬企業特有の専門分野については、法令、定款に適合していることを確認する執行役を適切に任命しています。
ⅴ) 当社を除くENW企業の役員および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、ENW企業を統轄、管轄または管掌する執行役を職務分掌で定めています。ENW企業を担当する執行役は、各ENW企業の意思決定手続きの制定、重要な会議への出席、定期的な報告書等により、ENWから報告を受ける体制を整備しています。ENW企業の状況については、担当執行役から取締役会に適宜報告されています。
ロ) コンプライアンス・リスク管理
チーフコンプライアンスオフィサー兼内部統制担当執行役がコンプライアンス・リスク管理推進部、コーポレートIA部を指揮し、コンプライアンスとリスク管理を推進しています。
ⅰ) コンプライアンスの推進
コンプライアンスを「法令と倫理の遵守」と定義して経営の根幹に据え、トップマネジメントのメッセージ発信、コンプライアンス推進体制の整備、行動規範やルールの整備、啓発活動、および相談・連絡窓口の整備等からなるコンプライアンス・プログラムを実践しています。コンプライアンス推進活動は、国内外の弁護士やコンサルタント等社外専門家で組織されたコンプライアンス委員会による客観的なレビューを定期的に受けています。
(1) コンプライアンス意識の醸成のための啓発活動
ENW企業行動憲章、行動指針をとりまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」を17カ国語で発行し、すべての執行役および従業員の理解に向けた研修を実施するとともに、それらを遵守する旨をすべての執行役および従業員が毎年宣誓しています。
また、国内ENWでは、コンプライアンス・カウンター(内部通報窓口)の連絡先等を記載した携帯用「コンプライアンス・カード」を作成し、すべての執行役および従業員で共有しています。
さらに、コンプライアンス役員研修会をはじめとする研修会の開催、e-ラーニング、ケーススタディの配信などによる啓発研修を継続して実施し、コンプライアンス意識の醸成に取り組んでいます。
2018年5~6月、コンプライアンス・カウンターの利用促進とコンプライアンスの周知徹底を目的に、コンプライアンス・ウィークと称するキャンペーン(展示ブースの設置、専用ウェブサイトの開設等)を国内の主な事業所と国内ENWで開催しました。
(2) 関連当事者間の取引
取締役、執行役および従業員などの当社関係者がその立場を濫用して当社や株主共同の利益を害することを防止するため、当社は利益相反取引、株主に対する利益供与および贈収賄の禁止について、当社「ENW贈収賄・汚職の防止に関するポリシー」に定めコンプライアンス研修等を通じて取締役、執行役および従業員に周知徹底しています。
当社と主要株主との取引の有無およびその内容については、当社取締役会によって適切に監督するとともに、監査委員会は定期的な監査対象事項として監査しています。また、当社取締役会は、当社や株主の利益に反する行為を行うことを防止するため、取締役および執行役による自己取引および利益相反取引については当社取締役会の承認を必要とすることを取締役会細則に規定し、開示しています。なお、この取引については、重要な事実を適切に取締役会に報告することとしています。
(3) コンプライアンス・カウンターの活用
コンプライアンス・カウンターは、ENWにおける内部通報としての相談・連絡窓口であり、日本、米国、欧州、中国、アジア等の各地域をベースとした窓口と各国から日本へ相談・連絡ができるグローバル窓口が設置されています。また、特に日本においては、社外弁護士による社外相談窓口や社外相談員が運営する社外相談窓口も設置し、コンプライアンスをさらに推進するための環境を整備しています。
(4) 監査委員会への報告
コンプライアンス・カウンターにおける相談・連絡の受付件数などの運営状況を毎月監査委員会に報告しています。
また、チーフコンプライアンスオフィサーやコンプライアンス・カウンターが入手した事項のうち、重大なものについては直ちに監査委員会に報告する体制を構築しています。
ⅱ) リスク管理の推進
当社では、会社法にもとづき、取締役会が「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」を制定し、すべての執行役が担当職務のリスクを識別し、内部統制を構築・整備、運用することを定めています。内部統制担当執行役はグローバル共通の「ENW内部統制ポリシー」を定め、グループ全体で内部統制の構築・整備、運用を推進し、リスクを許容範囲に管理すべく取り組んでいます。

(1) リスクの把握と迅速かつ効率的なリスク対応の推進
執行役と組織長が識別したすべてのリスクの中で、重要なリスクについてはリスクマネジメント委員会が一元管理しています。また、社外の企業不祥事等を常時監視することで自社の潜在的なリスクを早期に感知し、リスクの顕在化を防止する活動も実施しており、迅速なリスク対応を行っています。
(2) 国際基準にもとづいた内部監査活動
内部監査は、監査委員会の監査や会計監査人の会計監査とは異なる任意の監査です。当社は、内部統制担当執行役のもとに設置したコーポレートIA部が日本、米国、欧州、中国、アジア等の各地域の内部監査部門と協力しながら、グローバルな内部監査を実施しています。この内部監査では、各執行役のもとで行われる業務執行が適正かつ効率的に実施されていることを、独立的かつ客観的に評価し、その結果は執行役会ならびに監査委員会へ報告しています。なお、内部監査部門は国際基準に対応した高品質な監査を確保するため、社外有識者で構成された外部評価委員会により、IIA(The Institute of Internal Auditors:米国に本部を置く内部監査人協会)のグローバルスタンダードに沿った評価を受けています。
ⅲ) データインテグリティの推進
研究開発や生産等における重要データのインテグリティ、すなわちデータの完全性、一貫性、正確性を確保するため、データインテグリティ推進担当およびチーフクオリティオフィサーを任命するとともに、データインテグリティ推進委員会を設置しています。重要データを取り扱う社員への教育研修、データの記録・保管のシステム化、適切な内部統制体制の推進等、データガバナンスのより一層の強化をめざしています。
(b) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
「③ 企業統治に関するその他の事項 (a) 内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況 イ) 業務の適正を確保するための体制の整備および運用状況 「執行役の職務の執行の適正を確保するために必要な体制の整備に関する規則」の運用状況 ⅳ)およびⅴ)」に記載しています。
(c) 責任限定契約の内容の概要
当社は、10名の取締役(業務執行取締役等である者を除く)との間で、会社法第427条にもとづき定めた当社定款第38条第2項にもとづく責任限定契約を締結しています。当社の取締役が職務を遂行するにあたり善意にしてかつ重大な過失なくして当社に損害を与えた場合は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
(d) 取締役の定数および選解任の決議要件
以下のとおり定款で定めております。なお、取締役の資格制限および解任に関する決議要件について会社法と異なる定款の定めはありません。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 取締役の定数 (第20条) | 取締役は、15名以内とする | 2001年 以後表記を改め、現在に至る | 厳しい経営環境に適確かつ迅速に対応するため、コーポレートガバナンスを充実し、経営体制の改革を実施したため |
| 取締役選任の 決議要件 (第21条第2項) | 取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う | 1974年 以後法律改正等により表記を改め、現在に至る | 取締役選任についての定足数を明確にするため |
| 累積投票の排除 (第21条第3項) | 取締役の選任決議は、累積投票によらない | 1974年 2006年に表記を統一し、現在に至る | 商法改正に基づき、累積投票の完全な排除をするため |
(e) 取締役会で決議できる株主総会事項
以下のとおり定款に定めております。なお、取締役会決議事項を株主総会では決議できないこととした事項はありません。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 取締役および 執行役の 責任免除 (第38条第1項) | 本会社は、会社法第426条 第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)および執行役(執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる | 2004年 以後会社法施行により表記を改め、現在に至る | 現 指名委員会等設置会社への移行に伴い、取締役、執行役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮することができるようにするため |
| 剰余金の配当等 (第40条) | 本会社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会が定める | 2006年 自己株式の取得については、2004年に定款授権により、剰余金の配当についても、同年の委員会等設置会社(現 指名委員会等設置会社)への移行に伴う法律の規定により、取締役会決議とされていたものを会社法の施行に対応して、表記等を整理した | 剰余金の配当等を機動的に行うため |
(f) 株主総会の特別決議要件
以下のとおり定款に定めております。
| 項目および 定款条数 | 内容 | 導入年 | 理由 |
| 株主総会の 特別決議要件 (第17条第2項) | 会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の 3分の2以上をもって行う | 2003年 以後会社法施行により表記を改め、現在に至る | 株主総会の円滑な運営を行うため(商法等の一部を改正する法律(平成14年法律第44号)が2003年4月1日に施行され、特別決議の定足数が緩和できることとされた) |