有価証券報告書-第121期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
(1)当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、コア事業であった写真フィルムの需要が激減した2000年以降、事業構造の転換を積極的に進め、安定的に利益やキャッシュを創出できる経営基盤を構築し、新たな成長フェーズに入りました。平成26年には、中期経営計画「VISION2016」を策定し、重点領域である「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」事業分野を中心に成長戦略を展開するとともに積極的にM&Aを行い、次の成長に向けて必要な技術や資産を獲得しました。
平成29年度は、英国のEU離脱や移民問題等数々の課題を抱える欧州市場、新政権の今後の政策やその影響に留意が必要な米国市場、中国をはじめとした新興国経済の動向等、地政学的リスクも含め先行きの見えない不安定な状況が続き、厳しい経済環境の一年となることが予想されますが、これまで蓄積した技術やノウハウ、人材等の資産を活用し、さらに戦略的な飛躍を遂げるために、「新規事業の利益貢献」「グローバル展開の加速」「効率的な経営」の三つを重点課題として取り組み、企業価値を向上していきます。
「新規事業の利益貢献」について、戦略的なM&Aと社内組織・リソースの柔軟な再編を組み合わせ、新たなビジネス領域に進出し、その成長を加速していきます。特にヘルスケア分野では、再生医療、創薬の領域を中心に積極的にM&Aを進めていきます。平成29年4月に再生医療で重要な役割を果たす「培地・サイトカイン」に高い技術を持つ和光純薬工業㈱を当社グループに加えました。これにより、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーであるCellular Dynamics International, Inc.や自家培養軟骨や皮膚を提供する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング、そして「足場材」で強みを持つ富士フイルム㈱とあわせ、再生医療の重要な三要素である「細胞」「培地・サイトカイン」「足場材」を当社グループ内で一体として開発できる体制が整いました。再生医療製品の開発加速、再生医療の事業領域の拡大を図るとともに、官・学との連携も強化し、再生医療の産業化に貢献していきます。創薬の分野では、開発中の抗がん剤「FF-10501」をはじめ、アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」等、アンメットメディカルニーズに対応した新薬の開発を加速させるとともに、高い市場成長が見込めるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託を強化し、早期に収益化を図ります。また、経営の意思決定のさらなるスピードアップと、変化が激しい市場ニーズに迅速に対応するため、バイオCDMO事業部等新しい事業部を富士フイルム㈱に設置しました。独立した組織の下で、よりタイムリーな経営資源の投入を行い、事業成長を加速させ、新規事業の利益貢献を目指します。
「グローバル展開の加速」について、当連結会計年度に、当社は中国有数の複合企業である華潤(集団)有限公司と、また、富士フイルム㈱はロシア有数の製薬企業であるJSC R-Pharm(アールファーム)と事業提携を進めることを合意しました。今後協業を加速し、両社が持つ販売網や物流網等を活用することで、巨大な中国、ロシア市場でのビジネスを拡大していきます。研究・開発の領域では、日米欧に開設した「Open Innovation Hub」を通じて、ビジネスパートナーとともに新たな価値を「共創」し、画期的な製品・技術・サービスを生み出していきます。
「効率的な経営」について、研究・開発費の対投資効果の検証、開発・生産体制の再編、機器の原価低減や部品調達コストの削減に継続的に取り組み、収益性の向上を図ります。また、M&Aを通じて子会社化した富山化学工業㈱やFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.等の生産ラインに富士フイルム㈱の高い生産技術を導入することで、生産性の向上とコストダウンを実現しています。今後これらの活動を継続強化するとともに、新たに連結子会社化した和光純薬工業㈱へも展開することで事業の収益性を向上させていきます。日米欧に設置されたシェアードサービス拠点を通じて、当社グループ各社の事業推進力を高めるとともに、継続的なコストダウンを実現していきます。働き方の変革活動「Work Style Innovation」を展開し、多様な社員一人ひとりが能力を発揮し、効率的な働き方で成果を出す風土に変革することを目指します。
加えて、平成29年6月に制定した「コーポレートガバナンス・ガイドライン」に基づいた活動により、コーポレートガバナンスをさらに充実させ、コンプライアンス・リスクマネジメントの強化を図るとともに、事業活動を通じて社会課題の解決に真摯に取り組むことで企業の社会的責任を果たし、社会全体の発展に貢献していきます。特に、富士ゼロックス㈱の海外子会社に関する不適切な会計処理及び取引に端を発した第三者委員会の調査結果を真摯に受け止め、多面的な施策を実施することで、再発防止に努めてまいります。具体的には、富士ゼロックス㈱の本社・経営管理機能の一部の当社への統合、経営幹部を含めたグループ内人材交流の一層の拡大、当社への報告体制を含めた富士ゼロックス㈱及びその子会社にかかる内部統制の見直し・再構築により、業務プロセスの透明化を図り、グループガバナンスを強化してまいります。
当社グループは、平成29年度の基本方針として「スピーディーにイノベーティブな成果を出す」を掲げました。現場の業務プロセスを抜本的に見直し、イノベーションを起こすことで、あらゆる企業活動において生産性向上と効率化を進め、全事業における収益性向上に向けた取り組みを加速します。
(2)会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。
当社グループは、コア事業であった写真フィルムの需要が激減した2000年以降、事業構造の転換を積極的に進め、安定的に利益やキャッシュを創出できる経営基盤を構築し、新たな成長フェーズに入りました。平成26年には、中期経営計画「VISION2016」を策定し、重点領域である「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」事業分野を中心に成長戦略を展開するとともに積極的にM&Aを行い、次の成長に向けて必要な技術や資産を獲得しました。
平成29年度は、英国のEU離脱や移民問題等数々の課題を抱える欧州市場、新政権の今後の政策やその影響に留意が必要な米国市場、中国をはじめとした新興国経済の動向等、地政学的リスクも含め先行きの見えない不安定な状況が続き、厳しい経済環境の一年となることが予想されますが、これまで蓄積した技術やノウハウ、人材等の資産を活用し、さらに戦略的な飛躍を遂げるために、「新規事業の利益貢献」「グローバル展開の加速」「効率的な経営」の三つを重点課題として取り組み、企業価値を向上していきます。
「新規事業の利益貢献」について、戦略的なM&Aと社内組織・リソースの柔軟な再編を組み合わせ、新たなビジネス領域に進出し、その成長を加速していきます。特にヘルスケア分野では、再生医療、創薬の領域を中心に積極的にM&Aを進めていきます。平成29年4月に再生医療で重要な役割を果たす「培地・サイトカイン」に高い技術を持つ和光純薬工業㈱を当社グループに加えました。これにより、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーであるCellular Dynamics International, Inc.や自家培養軟骨や皮膚を提供する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング、そして「足場材」で強みを持つ富士フイルム㈱とあわせ、再生医療の重要な三要素である「細胞」「培地・サイトカイン」「足場材」を当社グループ内で一体として開発できる体制が整いました。再生医療製品の開発加速、再生医療の事業領域の拡大を図るとともに、官・学との連携も強化し、再生医療の産業化に貢献していきます。創薬の分野では、開発中の抗がん剤「FF-10501」をはじめ、アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」等、アンメットメディカルニーズに対応した新薬の開発を加速させるとともに、高い市場成長が見込めるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託を強化し、早期に収益化を図ります。また、経営の意思決定のさらなるスピードアップと、変化が激しい市場ニーズに迅速に対応するため、バイオCDMO事業部等新しい事業部を富士フイルム㈱に設置しました。独立した組織の下で、よりタイムリーな経営資源の投入を行い、事業成長を加速させ、新規事業の利益貢献を目指します。
「グローバル展開の加速」について、当連結会計年度に、当社は中国有数の複合企業である華潤(集団)有限公司と、また、富士フイルム㈱はロシア有数の製薬企業であるJSC R-Pharm(アールファーム)と事業提携を進めることを合意しました。今後協業を加速し、両社が持つ販売網や物流網等を活用することで、巨大な中国、ロシア市場でのビジネスを拡大していきます。研究・開発の領域では、日米欧に開設した「Open Innovation Hub」を通じて、ビジネスパートナーとともに新たな価値を「共創」し、画期的な製品・技術・サービスを生み出していきます。
「効率的な経営」について、研究・開発費の対投資効果の検証、開発・生産体制の再編、機器の原価低減や部品調達コストの削減に継続的に取り組み、収益性の向上を図ります。また、M&Aを通じて子会社化した富山化学工業㈱やFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.等の生産ラインに富士フイルム㈱の高い生産技術を導入することで、生産性の向上とコストダウンを実現しています。今後これらの活動を継続強化するとともに、新たに連結子会社化した和光純薬工業㈱へも展開することで事業の収益性を向上させていきます。日米欧に設置されたシェアードサービス拠点を通じて、当社グループ各社の事業推進力を高めるとともに、継続的なコストダウンを実現していきます。働き方の変革活動「Work Style Innovation」を展開し、多様な社員一人ひとりが能力を発揮し、効率的な働き方で成果を出す風土に変革することを目指します。
加えて、平成29年6月に制定した「コーポレートガバナンス・ガイドライン」に基づいた活動により、コーポレートガバナンスをさらに充実させ、コンプライアンス・リスクマネジメントの強化を図るとともに、事業活動を通じて社会課題の解決に真摯に取り組むことで企業の社会的責任を果たし、社会全体の発展に貢献していきます。特に、富士ゼロックス㈱の海外子会社に関する不適切な会計処理及び取引に端を発した第三者委員会の調査結果を真摯に受け止め、多面的な施策を実施することで、再発防止に努めてまいります。具体的には、富士ゼロックス㈱の本社・経営管理機能の一部の当社への統合、経営幹部を含めたグループ内人材交流の一層の拡大、当社への報告体制を含めた富士ゼロックス㈱及びその子会社にかかる内部統制の見直し・再構築により、業務プロセスの透明化を図り、グループガバナンスを強化してまいります。
当社グループは、平成29年度の基本方針として「スピーディーにイノベーティブな成果を出す」を掲げました。現場の業務プロセスを抜本的に見直し、イノベーションを起こすことで、あらゆる企業活動において生産性向上と効率化を進め、全事業における収益性向上に向けた取り組みを加速します。
(2)会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。