有価証券報告書-第68期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:36
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60項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
① 日立化成グループ・アイデンティティ
当社グループは、時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献することを企業理念とし、日立創業の精神である「開拓者精神」「誠」「和」を大切にしていく価値と定め、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神をもって、化学を超えた新たな価値を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を実現する。
② 経営の基本方針
当社グループは、化学を超えた広範な領域において研究を深化させ、当社グループの高度で幅広い基盤技術、すなわち「材料技術」「プロセス技術」「評価技術」を強化する。これらを基に多様な市場の全てのバリューチェーンにおいてイノベーションを実現し、社会に新たな価値を提供することにより、適切な利益を獲得して事業の持続的成長を達成するとともに、ステークホルダーと協働することを通じ、企業価値の最大化を図る。
イ.事業運営
(事業展開する領域)
当社グループは、グローバルな成長市場において当社グループの基盤技術を最大限に生かせる事業領域に機動的に経営資源を投入し、高付加価値事業を展開するとともに、成長性及び収益性の低い事業については市場・事業環境を早急に見極め、再生もしくは撤退を行うことにより、成長性と収益性の高い事業ポートフォリオを構築する。
(事業運営上の行動指針)
当社グループは、ニーズの探索から、研究、開発、生産、営業に至るまでの全ての活動において、以下の行動指針、すなわち、「ニーズを見出す力を持つ」「未来のシナリオを描く」「次のコア技術を生み出す」「グローバルで選ばれる企業になる」「共創しあえるワークスタイルをつくる」ことに挑戦する。
(ステークホルダーへの責任の履行)
当社グループは、お客さま、株主、従業員をはじめとするステークホルダーへの責任を履行するため、双方向でのコミュニケーションを重視し相互の理解を深めるほか、事業活動のあらゆる面において環境保全に配慮した行動をとるとともに、社会の一員として社会貢献活動に積極的かつ継続的に取り組む。また、国籍・性別・人種等を問わず、平等かつ公正に従業員が活躍できる機会を提供する。
(中期経営計画と年度予算)
当社グループは、10年先のめざす姿を見据えて3ヵ年ごとに中期経営計画を策定し中長期的な視野に立った経営を実践する一方、毎年、中期経営計画の達成に向けた予算を編成、実行することにより、持続的な成長の実現に取り組む。
ロ.コーポレートガバナンス
当社は、機動力、客観性及び透明性の高い経営を実践するため、業務執行機能と監督機能とを分離した「指名委員会等設置会社」の機関形態を採用する。その特長を最大限に生かし、迅速・果断な意思決定が可能な業務執行体制を構築するとともに、取締役会の下に過半数の社外取締役により構成される指名・報酬・監査の3委員会を設置し、経営に対する適切な監督機能を発揮する。
また、「日立化成コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定め、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益に資する経営を実践する。
ハ.コンプライアンス
当社グループは、「日立化成企業行動基準」及び「日立化成グループ行動規範」を定め、企業が社会の一員であることを深く認識し、「基本と正道」に則った、企業倫理と法令遵守に根ざした事業活動に徹するとともに、環境との調和を図り、社会貢献活動を継続することにより、良識ある企業市民として真に豊かな社会の実現に尽力する。
ニ.親会社等との関係
当社グループは、株式会社日立製作所を親会社とする日立グループの一員として、経営情報の交換、研究開発、製品の供給等の事業活動において、日立グループ各社との協力関係を維持、発展させ、日立グループのブランド力等の経営資源を有効に活用するとともに、親会社による合理的なガバナンス機能を十分発揮させつつ、上場会社として、全てのステークホルダーとのコミュニケーションを深め、当社グループの強みを生かした自律性と緊張感のある経営を実践する。
(2) 当社グループの現状の認識について
今後の経済見通しについては、世界経済、日本経済ともに総じて堅調に推移すると予想されるものの、米国や欧州の政治リスクが顕在化し各国・地域の経済に影響を与えることが懸念されるほか、中東、東アジアでは地政学リスクが高まるなど、楽観を許さない状況にある。
当社グループは、こうした経済環境の下、2016年度からスタートした3ヵ年の中期経営計画の達成に向け、「戦い方の変革」をさらに前進させることにより不断にイノベーションを創出し、市場の成長を上回る大きな躍進をめざしていく。
(3) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① グローバル事業の強化
イ.「ニッチ&クラスター型事業戦略」をさらに推し進め、その効果の創出に注力し、グローバルトップシェア事業の育成を図っていく。また、事業・製品構造転換のための取り組みを引き続き着実に推進することにより、新しい価値の創造に向けた経営リソースの重点分野へのシフトを加速するとともに、M&A及びアライアンスによるさらなる事業拡大に取り組んでいく。
ロ.高機能材料分野については、半導体実装材料クラスター及び高機能樹脂クラスターの活動を軌道に乗せ、グローバル規模での競争力強化を推進する一方、ニッチ型の製品については、高い利益目標の達成に向けた諸施策を実行していく。また、外部資源の活用による積極的な事業拡大策を強力に進めるとともに、「オープン・ラボ」を一層戦略的に活用し、新たなビジネスモデルの確立に努めていく。
ハ.自動車部品分野については、欧州のグローバル自動車メーカーへの参入に向けた施策の実行に加え、材料開発を強みとする部品メーカーとしての特長を生かし、製品の付加価値向上に取り組んでいく。
二.蓄電デバイス分野については、買収会社に対するPMI(買収後統合プロセス)を確実に実行し、シナジー効果を最大化させるとともに、欧州及びアセアン地域における新たな事業展開を推進していく。また、電池システム・サービス連携市場への参入に向けた事業創生のための施策を実行していく。
ホ.市場の急成長が期待される遺伝子診断及び再生医療を中心としたライフサイエンス分野については、当社グループの将来を担う高収益事業に育成するため、事業基盤をより一層強固なものにしていく。
② 新製品・新事業の立上げ力の強化
イ.本年1月に新設した「イノベーションセンタ」等の活用を通じ、ステークホルダーとの協創による新製品・新事業の創出をより一層促進していく。
ロ.オープン・イノベーションによる事業化を加速させるとともに、ターゲットとする事業における成功要因を的確にとらえたビジネスデザインを着実に行うことにより、新製品・新事業を立ち上げる力を強化していく。
③ 経営基盤の強化
イ.グローバル競争に打ち勝つコスト構造を確立するため、ロボット化等による生産の合理化を引き続き進めるとともに、特に海外拠点については、これまで実施した投資の効果を確実に刈り取っていく。また、間接業務のグローバル標準化やノンコア業務のアウトソーシング・IT化に取り組み、本年4月1日付で設置したビジネスプロセスマネジメント推進室を中心にあらゆる業務プロセス改革による人的生産性の向上を図っていく。
ロ.事業判断をより迅速かつ的確に行うための経営情報システムの構築や、多様な人財がグローバルに活躍できる環境を整えるタレントマネジメントの推進、地域統括機能の最適化など、グローバルで事業を拡大するために必要な経営基盤の強化を加速していく。
④ ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進
イ.当社グループの強みを生かし、事業活動を通じて社会的な課題を解決していくCSV(Creating Shared Value)の推進により、持続可能な社会、経営の実現をめざす。また、モノづくりの全プロセスにおいて環境負荷の低減、特にCO2排出量削減のための対策を徹底するほか、地域社会との信頼関係を強めるため地域貢献活動にも積極的に取り組んでいく。
ロ.事業展開の諸施策を推進するベースとなる人的資源を強化するため、従来のやり方にとらわれない「働き方改革」により生産性の向上に取り組み、ワークライフバランスの実現をめざすとともに、性別・国籍を問わない採用や管理職への登用、障がいをもつ従業員の職域の拡大に努めていく。
ハ.「基本と正道」に基づく誠実な企業活動を最優先事項とし、「日立化成グループ行動規範」に則った社員一人ひとりによるコンプライアンスへの取り組みを徹底するとともに、無事故・無災害経営をめざし、事故撲滅に向けた施策を厳格に実行していく。また、「日立化成コーポレートガバナンス・ガイドライン」に則った経営を徹底し、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーへの説明責任を果たし、企業価値の維持、向上に努めていく。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、「材料技術」「プロセス技術」「評価技術」を基に多様な市場のすべてのバリューチェーンにおいてイノベーションを実現し、社会に新たな価値を提供することにより、適切な利益を獲得して事業の持続的成長を達成するとともに、ステークホルダーと協働することを通じ、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としている。
こうした方針の下、当社は、株式の上場を通じて、資本市場から事業の維持及び拡大に必要な資金を調達するとともに、親会社の(株)日立製作所による合理的なガバナンス機能を十分発揮させつつ株主の視点に立ったコーポレート・ガバナンスを確保すると同時に、上場会社として、すべてのステークホルダーとのコミュニケーションを深め、当社の強みを生かした自律性と緊張感のある経営を実践することが当社の企業価値向上に極めて重要であると考えている。
一方、当社は、日立グループの一員として、経営情報の交換、研究開発、製品の供給等の事業活動において、 (株)日立製作所及びそのグループ会社との協力関係を維持、発展させ、日立グループのブランド力等の経営資源を有効活用することも、当社の企業価値向上に資するものと認識している。
当社としては、親会社のみならず、すべての株主にとっての企業価値の最大化を常に念頭に置き、日立グループ会社との関係においては事業運営及び取引の独立性を保つことを基本としつつ、経営計画の策定、ガバナンス体制の確立等に取り組んでいる。

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