有価証券報告書-第87期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 15:02
【資料】
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【項目】
156項目
a 戦略
自然の恵みである生薬を原料として取り扱う当社グループが持続的に成長するためには、自然環境の変化や危機に最も敏感であるべきと考えています。カーボンニュートラルの実現に向けて温室効果ガス排出量の削減に取り組むとともに、気温や降水量の変化等、気候変動リスクに対応していく必要があります。
2015年のパリ協定締結、2018年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「1.5℃特別報告書」を受け、2022年当社グループではサステナビリティビジョンを策定し、気候変動への対応を経営戦略に組み込みました。気候変動問題への社会的関心は高まっており、環境問題に取り組むことは、当社グループの事業機会の創出にもつながると考えています。
当社グループは、TCFD提言の要請に基づき、外部専門家の助言も踏まえ、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、及び2050年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的にシナリオ分析を実施しました(次ページの<気候変動に関するシナリオ分析>をご覧ください。)。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関するIPCCが公表する複数の既存のシナリオを参照の上、パリ協定の目標である産業革命以前に比べて全世界の平均気温の上昇を2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求するシナリオ(1.5℃未満シナリオ)、及び新たな政策・制度が導入されず、世界の温室効果ガスが現在より増加するシナリオ(4℃シナリオ)の2つの世界を想定しました。
b 指標及び目標
イ 指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope 1、2、3のGHG排出量を定めています。
ロ 実績
2021年度のScope1、2、3のGHG排出量実績は、以下のとおり(第三者検証済み)です。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)39,385t
(前年度比4.6%増)※
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出57,184t
(前年度比2.8%減)
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)246,865t
(前年度比16.5%増)※

※Scope1、3の排出量増加の主な要因は、海外工場拠点の増産によるエネルギー使用量増加、原料生薬調達量の増加によるものです。
ハ 目標
当社グループはサステナビリティへの取り組みとして、2031年度までに「温室効果ガス(GHG)排出量50%削減」、「水・廃棄物(生薬残渣)の循環化」、「環境対応型包装資材への転換」をターゲットに設定しました。
GHG排出量については2022年度から、Scope1、2排出量において「2031年度までに2020年度比50%削減」、「2050年度までに実質ゼロ」とする目標を設定しております。なお、Scope3のGHG排出量については、今後集計のさらなる精緻化を図りながら、目標設定に向けて取り組んでいく予定です。
<気候変動に関するシナリオ分析>
シナリオ概要想定される世界の状況
1.5℃
シナリオ
2100年までの平均気温の上昇が産業革命以前と比べて1.5℃に抑えられている世界脱炭素社会への移行に伴う変化が事業に影響を及ぼす(移行リスク)
・気候変動に関する規制が強化され炭素税等の法規制が導入される
・低炭素技術などの技術革新が進展する
・社会全体が脱炭素に向かい、企業の脱炭素への取り組みが評価される
4℃
シナリオ
2100年までの平均気温が産業革命以前と比べて4℃上昇する世界気象変動による物理的な被害が事業に影響を及ぼす(物理リスク)
・気候変動に関する規制は導入されるものの限定的
・異常気象の激甚化が進み、自然災害が頻発
・気温上昇や水不足により、生薬の生育状況の変化、取水制限、感染症の拡大等が生じる

●1.5℃シナリオにおける影響度
分類区分リスク・
機会項目
発現
時期
リスク
と機会
当社グループへの影響影響度対応策
移行リスク・機会政策・
法規制
炭素税の導入中・長期0102010_003.png税負担の増加
設備投資コストの増加
省エネ、再エネ利用及びサプライヤーとの協業等
新たな規制の導入中・長期0102010_004.png原料生薬調達量の減少あるいは調達コストの増加生薬栽培拠点の複線化等
技術低炭素技術の進展中・長期0102010_005.png研究コストや設備投資コストの増加AIの活用やDXによる技術開発・革新等
中・長期0102010_006.png操業コストの減少
GHG排出量削減
評判投資家の評判変化短期~長期0102010_007.png売上や株価の下落、資金調達の困難化ステークホルダーへの適切な情報開示とコミュニケーション
0102010_008.png評価向上による企業価値創出
資源
効率
水資源の再利用中・長期0102010_009.png操業コストの減少再利用設備の導入及び循環利用の推進
エネル
ギー源
再生可能エネルギーの拡大中・長期0102010_010.png電力コストの減少


●4℃シナリオにおける影響度
分類区分リスク・
機会項目
発現
時期
リスク
と機会
当社グループへの影響影響度対応策
物理リスク・機会急性異常気象の激甚化長期0102010_011.png自然災害の激甚化や感染症等の増加に起因する操業中断や在庫の毀損による生産・物流量や売上の減少、修繕費用の増加・生薬栽培技術の革新
・生薬栽培拠点の複線化
・適正在庫の確保
・BCP体制の構築・拡充
・輸送・保管形態の変更
・契約農家が利用する生薬用の栽培管理システムへの災害関連情報の付加や災害補償体制の構築による契約農家との取引の維持または増加等
慢性水リスク長期0102010_012.png操業中断、生産量減少、売上減少等
平均気温の上昇長期0102010_013.png原料生薬の調達量の減少、売上減少や生薬栽培地の移転コストの発生
中・長期0102010_014.png空調コストの増加

中・長期0102010_015.png乳糖の価格上昇

製品と
サービス
気候変動に伴う疾病の増加中・長期0102010_016.png0102010_017.png疾病構造の変化による売上の増加または減少新しい製品・サービスの開発及び販売戦略の策定と実行等

※「炭素税導入による財務影響額の試算」、「気候変動を起因とする疾病構造の変化による売上への影響」、「水ストレス及び水害リスクの評価」、その他「事業への影響度を『大』と特定したリスク及び機会に対する対応策」等については、Webサイトをご覧ください。
https://www.tsumura.co.jp/sustainability/index.html

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