有価証券報告書-第82期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績および
キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米でのインフレ制御を目的とした金融引き締めやウクライナ戦争の長期化、中東情勢の悪化や中国経済の不振などにより、景気回復ペースが鈍化しました。また、原材料・エネルギー価格の高止まりに伴う物価上昇により、経済環境は不透明な状況が続きました。
日本経済は、長期化した新型コロナウイルス感染の影響が収まりインバウンド需要の増加により、企業の生産活動
や設備投資、個人消費などの回復を受け、景気の持ち直しの動きが継続したものの、原材料やエネルギー価格をはじ
めとした物価の上昇や、円安の進行が経済環境に影響を及ぼしました。
このような環境下、当社グループの海外事業は、欧州の粘接着剤用樹脂、印刷インキ用樹脂が低迷し、売上高は前
期に比べ減収となりました。利益面は、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、前期に比べ減益とな
りました。
国内事業は、市場価格が上昇したこともあり、売上高は前期に比べ増加し、利益面も合理化による原価低減に努めた結果、前期に比べ増加しました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は923億3千万円となり、前期に比べ21億8千万円(△2.3%)の減収となりました。
利益面では、エネルギー価格高騰などによる製造原価上昇もあり、営業損失は2億1千1百万円(前期は営業利益17億6百万円)となりました。
経常損失は2億7千5百万円(前期は経常利益25億4千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は11億6千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益8億8千5百万円)となりました。
当社グループのセグメント別経営成績の概況は次のとおりであります。
a.樹脂・化成品
売上高は214億3千6百万円となり、市場価格の上昇により、前期に比べ21億8千4百万円(11.3%)の増収となりました。営業利益は2億1千1百万円となり、売上高の増加に伴い、前期に比べ1億7千6百万円(502.6%)の増益となりました。
塗料用樹脂は、一般家庭や工場など建築用塗料の需要は前年並みで推移し、一部の原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増収となりました。
印刷インキ用樹脂は、商業用印刷などに使用される平版インキ市場の縮小が継続しましたが、新製品の拡販および一部の原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。
合成ゴム用乳化剤は、合成ゴムの生産量減少に伴い販売数量は減少しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。
(単位:百万円)
b.製紙用薬品
売上高は246億2千7百万円となり、中国で販売数量は増加したものの、製品価格の低下により、前期に比べ3億6百万円(△1.2%)の減収となりました。営業利益は15億4千8百万円となり、原材料価格などの製造原価増加の影響を受けた一方、収益改善を進めたことにより、前期に比べ1千4百万円(0.9%)の増益となりました。
紙力増強剤は、国内では段ボール原紙の需要が減少しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。中国では販売数量は増加しましたが、競合他社との価格競争などにより、売上高は前期に比べ減少しました。その結果、紙力増強剤の売上高は前期並みとなりました。
サイズ剤は、紙・板紙の生産量が減少し、国内、米国ともに販売数量が減少しましたが、米国で原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期並みとなりました。
(単位:百万円)
c.電子材料
売上高は、115億8千5百万円となり、前期に買収したはんだ材料事業の拡大により、前期に比べ23億4千3百万円(25.4%)の増収となりました。営業利益は5億8千2百万円となり、売上高の増加および原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、前期に比べ4億1千8百万円(255.3%)の増益となりました。
はんだ付け材料は、前期の事業買収により海外事業が拡大しました。また、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前期に比べ増加しました。
熱交換器用ろう付け材料は、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前期に比べ増加しました。
半導体用機能性樹脂は、当期の下半期は半導体市況が回復基調となり売上高も増加しましたが、上半期が低調であったため、売上高は前期に比べ減少しました。
(単位:百万円)
d.ローター
売上高は311億8千1百万円となり、欧州での需要低迷の影響もあり、前期に比べ76億1千6百万円(△19.6%)の減収となりました。営業損失は16億7千5百万円となり、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより、前期に比べ29億9千万円の減益となりました。
粘接着剤用樹脂分野は、顧客の在庫調整による需要減少は底打ちの傾向が見られたものの、特に欧州での需要が、長期化するウクライナ情勢や景気後退の影響により低調に推移しました。また、路面標示塗料用樹脂や合成ゴム用乳化剤の需要も低迷したことから、売上高は前期に比べ減少しました。
印刷インキ用樹脂分野は、物価上昇に伴う消費財の需要が低調となり、新聞や商業印刷などの出版用インキの出荷が落ちこみました。また、需要減少に伴う競合他社との価格競争などが原因で、欧州、北米、アジアでの販売数量が減少したことから、売上高は前期に比べ減少しました。
(単位:百万円)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加し、985億8千3百万円となりました。増減の主な内容は以下のとおりとなりました。
(流動資産)受取手形及び売掛金が4億6千7百万円減少しましたが、現金及び預金が5億5千1百万円増加、原材料及
び貯蔵品が39億3千3百万円増加しました。
(固定資産)機械装置及び運搬具が12億1百万円増加し、投資有価証券が10億2千5百万円増加しました。
(流動負債)支払手形及び買掛金が4億3千2百万円、短期借入金が115億7千6百万円それぞれ増加し、1年内返済予定
の長期借入金が57億7千7百万円減少しました。
(固定負債)退職給付に係る負債が3千万円増加しました。
(純資産) 為替換算調整勘定が17億4千2百万円増加したことにより純資産は増加しましたが、総資産も増加した
ことにより、自己資本比率は37.8%となりました。
(単位:百万円)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は66億3千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億1千4百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フローでは、3億5千3百万円の収入となりました。
これは主として、棚卸資産の増加額が35億8千4百万円、利息の支払が5億7千4百万円あったものの、減価償却費27億2千9百万円、売上債権の減少額が11億1千7百万円、為替差損4億3千7百万円、利息及び配当金の受取額が3億1千8百万円等により資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フローでは、31億9千7百万円の支出となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出が32億9千6百万円等により、資金の支出が収入を上回ったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フローでは、28億9千5百万円の収入となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出が15億7千4百万円、配当金の支払額が10億1千7百万円、非支配株主への配当金の支払額が5億1百万円あったものの、短期借入れによる収入49億9千8百万円、長期借入による収入12億円により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
③生産、受注および販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注状況
当社グループは見込生産を行っており、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は985億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加しております。これは主として、流動資産では、受取手形及び売掛金が4億6千7百万円減少しましたが、現金及び預金が5億5千1百万円、原材料及び貯蔵品が39億3千3百万円増加しました。固定資産では、有形固定資産が13億8千万円増加し、投資有価証券が10億2千5百万円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は577億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億8千3百万円増加しております。これは主として、流動負債では支払手形及び買掛金が4億3千2百万円増加、短期借入金が115億7千6百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が57億7千7百万円減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は408億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ6千万円増加しております。これは主として、その他有価証券評価差額金が4億9千4百万円、為替換算調整勘定が17億4千2百万円増加し、利益剰余金が21億7千9百万円減少したためであります。
(自己資本比率)
自己資本比率は前連結会計年度末の40.1%から37.8%へと2.3ポイントの減少となりました。連結会計年度末の発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の1,533.01円から1,535.78円と2.77円の増加となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は923億3千万円となり、前連結会計年度に比べ21億8千万円の減収となりました。これは主として、海外子会社の欧州の粘接着剤用樹脂、印刷インキ用樹脂の出荷量が減少したことによるものであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の売上原価は744億8百万円となり、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、売上原価率が0.9ポイント増加し80.6%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の合計は181億3千3百万円となり、従業員給料及び賞与の増加や旅費交通費の増加等により6億2千9百万円増加しております。売上高比率は前連結会計年度に比べ1.1ポイント増加し19.6%となりました。
この結果、当連結会計年度の営業損失は2億1千1百万円となり、前連結会計年度に比べ19億1千8百万円の減益となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益は10億6千6百万円、営業外費用は11億3千万円で、持分法による投資利益が減少したため、営業外損失は6千3百万円となりました(前連結会計年度の営業外利益は8億3千5百万円)。
この結果、当連結会計年度の経常損失は2億7千5百万円となり前連結会計年度に比べ28億1千7百万円の減益となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は1億9千3百万円となり、投資有価証券売却益として1億9千3百万円計上しております。特別損失は1億6千9百万円となり、訴訟損失引当金繰入額として4千3百万円、減損損失として1億2千5百万円計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は11億6千1百万円となり、前連結会計年度に比べ20億4千7百万円の減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に営業活動によるキャッシュ・フローの収入が3億5千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が31億9千7百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの収入が28億9千5百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ4億1千4百万円(6.7%)の増加となりました。
当社グループの資金の財源につきましては、短期借入金の残高が299億2千5百万円、長期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)の残高が75億2千2百万円となっております。
また、当社グループの資金の流動性については、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入が3億5千3百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を66億3千3百万円保有しております。さらには、金融機関との間にコミットメントライン契約を締結しているので、国内・海外で必要なタイミングで資金調達を行える体制になっております。将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する債権の貸倒による損失見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加計上が必要になる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客および金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、公開会社株式と非公開会社株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資に対する減損額を計上しております。公開会社株式への投資の場合、通常決算期末時点で株価が取得価額に対して50%以上下落した場合に減損額を計上しております。また、取得価額に対して30%以上50%未満の範囲で下落した場合には、過去における時価の推移等を勘案し、回復可能性がないと判断した銘柄については、減損額を計上しております。非公開会社株式への投資の場合、その会社の純資産額が、投資額に対して50%程度以上、下回る場合に減損額を計上しております。将来、市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要になる可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額を計上しております。繰延税金資産を評価するにあたっては、将来の課税所得および過去の業績等を基準に検討しております。しかし、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、および計上された繰延税金資産を上回る金額を今後回収できると判断した場合、当該判断を行った各々の期間に繰延税金資産の調整額を費用および収益として計上が必要になる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来キャッシュ・フローの総額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績および
キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米でのインフレ制御を目的とした金融引き締めやウクライナ戦争の長期化、中東情勢の悪化や中国経済の不振などにより、景気回復ペースが鈍化しました。また、原材料・エネルギー価格の高止まりに伴う物価上昇により、経済環境は不透明な状況が続きました。
日本経済は、長期化した新型コロナウイルス感染の影響が収まりインバウンド需要の増加により、企業の生産活動
や設備投資、個人消費などの回復を受け、景気の持ち直しの動きが継続したものの、原材料やエネルギー価格をはじ
めとした物価の上昇や、円安の進行が経済環境に影響を及ぼしました。
このような環境下、当社グループの海外事業は、欧州の粘接着剤用樹脂、印刷インキ用樹脂が低迷し、売上高は前
期に比べ減収となりました。利益面は、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、前期に比べ減益とな
りました。
国内事業は、市場価格が上昇したこともあり、売上高は前期に比べ増加し、利益面も合理化による原価低減に努めた結果、前期に比べ増加しました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は923億3千万円となり、前期に比べ21億8千万円(△2.3%)の減収となりました。
利益面では、エネルギー価格高騰などによる製造原価上昇もあり、営業損失は2億1千1百万円(前期は営業利益17億6百万円)となりました。
経常損失は2億7千5百万円(前期は経常利益25億4千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は11億6千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益8億8千5百万円)となりました。
![]() | ![]() | |
![]() | ![]() |
当社グループのセグメント別経営成績の概況は次のとおりであります。
a.樹脂・化成品
売上高は214億3千6百万円となり、市場価格の上昇により、前期に比べ21億8千4百万円(11.3%)の増収となりました。営業利益は2億1千1百万円となり、売上高の増加に伴い、前期に比べ1億7千6百万円(502.6%)の増益となりました。
塗料用樹脂は、一般家庭や工場など建築用塗料の需要は前年並みで推移し、一部の原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増収となりました。
印刷インキ用樹脂は、商業用印刷などに使用される平版インキ市場の縮小が継続しましたが、新製品の拡販および一部の原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。
合成ゴム用乳化剤は、合成ゴムの生産量減少に伴い販売数量は減少しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度(A) | 前連結会計年度(B) | 増減額(A-B) | 増減率(%) | |
| 売上高 | 21,436 | 19,251 | 2,184 | 11.3% |
| 営業利益 | 211 | 35 | 176 | 502.6% |
b.製紙用薬品
売上高は246億2千7百万円となり、中国で販売数量は増加したものの、製品価格の低下により、前期に比べ3億6百万円(△1.2%)の減収となりました。営業利益は15億4千8百万円となり、原材料価格などの製造原価増加の影響を受けた一方、収益改善を進めたことにより、前期に比べ1千4百万円(0.9%)の増益となりました。
紙力増強剤は、国内では段ボール原紙の需要が減少しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期に比べ増加しました。中国では販売数量は増加しましたが、競合他社との価格競争などにより、売上高は前期に比べ減少しました。その結果、紙力増強剤の売上高は前期並みとなりました。
サイズ剤は、紙・板紙の生産量が減少し、国内、米国ともに販売数量が減少しましたが、米国で原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、売上高は前期並みとなりました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度(A) | 前連結会計年度(B) | 増減額(A-B) | 増減率(%) | |
| 売上高 | 24,627 | 24,933 | △306 | △1.2% |
| 営業利益 | 1,548 | 1,534 | 14 | 0.9% |
c.電子材料
売上高は、115億8千5百万円となり、前期に買収したはんだ材料事業の拡大により、前期に比べ23億4千3百万円(25.4%)の増収となりました。営業利益は5億8千2百万円となり、売上高の増加および原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことにより、前期に比べ4億1千8百万円(255.3%)の増益となりました。
はんだ付け材料は、前期の事業買収により海外事業が拡大しました。また、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前期に比べ増加しました。
熱交換器用ろう付け材料は、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前期に比べ増加しました。
半導体用機能性樹脂は、当期の下半期は半導体市況が回復基調となり売上高も増加しましたが、上半期が低調であったため、売上高は前期に比べ減少しました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度(A) | 前連結会計年度(B) | 増減額(A-B) | 増減率(%) | |
| 売上高 | 11,585 | 9,241 | 2,343 | 25.4% |
| 営業利益 | 582 | 163 | 418 | 255.3% |
d.ローター
売上高は311億8千1百万円となり、欧州での需要低迷の影響もあり、前期に比べ76億1千6百万円(△19.6%)の減収となりました。営業損失は16億7千5百万円となり、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより、前期に比べ29億9千万円の減益となりました。
粘接着剤用樹脂分野は、顧客の在庫調整による需要減少は底打ちの傾向が見られたものの、特に欧州での需要が、長期化するウクライナ情勢や景気後退の影響により低調に推移しました。また、路面標示塗料用樹脂や合成ゴム用乳化剤の需要も低迷したことから、売上高は前期に比べ減少しました。
印刷インキ用樹脂分野は、物価上昇に伴う消費財の需要が低調となり、新聞や商業印刷などの出版用インキの出荷が落ちこみました。また、需要減少に伴う競合他社との価格競争などが原因で、欧州、北米、アジアでの販売数量が減少したことから、売上高は前期に比べ減少しました。
(単位:百万円)
| 当連結会計年度(A) | 前連結会計年度(B) | 増減額(A-B) | 増減率(%) | |
| 売上高 | 31,181 | 38,797 | △7,616 | △19.6% |
| 営業利益 又は損失(△) | △1,675 | 1,315 | △2,990 | -% |
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加し、985億8千3百万円となりました。増減の主な内容は以下のとおりとなりました。
(流動資産)受取手形及び売掛金が4億6千7百万円減少しましたが、現金及び預金が5億5千1百万円増加、原材料及
び貯蔵品が39億3千3百万円増加しました。
(固定資産)機械装置及び運搬具が12億1百万円増加し、投資有価証券が10億2千5百万円増加しました。
(流動負債)支払手形及び買掛金が4億3千2百万円、短期借入金が115億7千6百万円それぞれ増加し、1年内返済予定
の長期借入金が57億7千7百万円減少しました。
(固定負債)退職給付に係る負債が3千万円増加しました。
(純資産) 為替換算調整勘定が17億4千2百万円増加したことにより純資産は増加しましたが、総資産も増加した
ことにより、自己資本比率は37.8%となりました。
(単位:百万円)
| 2024年3月末(A) | 2023年3月末(B) | 増減額(A-B) | 増減率(%) | |
| 流動資産合計 | 53,588 | 49,791 | 3,797 | 7.6% |
| 固定資産合計 | 44,995 | 42,647 | 2,347 | 5.5% |
| 資産合計 | 98,583 | 92,439 | 6,144 | 6.6% |
| 流動負債合計 | 47,690 | 41,656 | 6,033 | 14.5% |
| 固定負債合計 | 10,012 | 9,961 | 50 | 0.5% |
| 負債合計 | 57,702 | 51,618 | 6,083 | 11.8% |
| 純資産合計 | 40,881 | 40,820 | 60 | 0.1% |
| 負債純資産合計 | 98,583 | 92,439 | 6,144 | 6.6% |
| 自己資本比率(%) | 37.8 | 40.1 | - | △2.3% |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は66億3千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億1千4百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フローでは、3億5千3百万円の収入となりました。
これは主として、棚卸資産の増加額が35億8千4百万円、利息の支払が5億7千4百万円あったものの、減価償却費27億2千9百万円、売上債権の減少額が11億1千7百万円、為替差損4億3千7百万円、利息及び配当金の受取額が3億1千8百万円等により資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フローでは、31億9千7百万円の支出となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出が32億9千6百万円等により、資金の支出が収入を上回ったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フローでは、28億9千5百万円の収入となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出が15億7千4百万円、配当金の支払額が10億1千7百万円、非支配株主への配当金の支払額が5億1百万円あったものの、短期借入れによる収入49億9千8百万円、長期借入による収入12億円により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
③生産、受注および販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 樹脂・化成品 | 18,948 | 9.3 |
| 製紙用薬品 | 22,677 | 4.2 |
| 電子材料 | 7,607 | 2.9 |
| ローター | 46,439 | △17.4 |
| その他 | 1,311 | 190.6 |
| 合計 | 96,984 | △6.0 |
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注状況
当社グループは見込生産を行っており、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 樹脂・化成品 | 21,436 | 11.3 |
| 製紙用薬品 | 24,627 | △1.2 |
| 電子材料 | 11,585 | 25.4 |
| ローター | 31,181 | △19.6 |
| その他 | 3,701 | 44.6 |
| 合計 | 92,532 | △2.4 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は985億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億4千4百万円増加しております。これは主として、流動資産では、受取手形及び売掛金が4億6千7百万円減少しましたが、現金及び預金が5億5千1百万円、原材料及び貯蔵品が39億3千3百万円増加しました。固定資産では、有形固定資産が13億8千万円増加し、投資有価証券が10億2千5百万円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は577億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ60億8千3百万円増加しております。これは主として、流動負債では支払手形及び買掛金が4億3千2百万円増加、短期借入金が115億7千6百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が57億7千7百万円減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は408億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ6千万円増加しております。これは主として、その他有価証券評価差額金が4億9千4百万円、為替換算調整勘定が17億4千2百万円増加し、利益剰余金が21億7千9百万円減少したためであります。
(自己資本比率)
自己資本比率は前連結会計年度末の40.1%から37.8%へと2.3ポイントの減少となりました。連結会計年度末の発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の1,533.01円から1,535.78円と2.77円の増加となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は923億3千万円となり、前連結会計年度に比べ21億8千万円の減収となりました。これは主として、海外子会社の欧州の粘接着剤用樹脂、印刷インキ用樹脂の出荷量が減少したことによるものであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の売上原価は744億8百万円となり、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、売上原価率が0.9ポイント増加し80.6%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の合計は181億3千3百万円となり、従業員給料及び賞与の増加や旅費交通費の増加等により6億2千9百万円増加しております。売上高比率は前連結会計年度に比べ1.1ポイント増加し19.6%となりました。
この結果、当連結会計年度の営業損失は2億1千1百万円となり、前連結会計年度に比べ19億1千8百万円の減益となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益は10億6千6百万円、営業外費用は11億3千万円で、持分法による投資利益が減少したため、営業外損失は6千3百万円となりました(前連結会計年度の営業外利益は8億3千5百万円)。
この結果、当連結会計年度の経常損失は2億7千5百万円となり前連結会計年度に比べ28億1千7百万円の減益となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は1億9千3百万円となり、投資有価証券売却益として1億9千3百万円計上しております。特別損失は1億6千9百万円となり、訴訟損失引当金繰入額として4千3百万円、減損損失として1億2千5百万円計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は11億6千1百万円となり、前連結会計年度に比べ20億4千7百万円の減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に営業活動によるキャッシュ・フローの収入が3億5千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が31億9千7百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの収入が28億9千5百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ4億1千4百万円(6.7%)の増加となりました。
当社グループの資金の財源につきましては、短期借入金の残高が299億2千5百万円、長期借入金(一年内返済予定長期借入金を含む)の残高が75億2千2百万円となっております。
また、当社グループの資金の流動性については、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入が3億5千3百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を66億3千3百万円保有しております。さらには、金融機関との間にコミットメントライン契約を締結しているので、国内・海外で必要なタイミングで資金調達を行える体制になっております。将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する債権の貸倒による損失見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加計上が必要になる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客および金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、公開会社株式と非公開会社株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資に対する減損額を計上しております。公開会社株式への投資の場合、通常決算期末時点で株価が取得価額に対して50%以上下落した場合に減損額を計上しております。また、取得価額に対して30%以上50%未満の範囲で下落した場合には、過去における時価の推移等を勘案し、回復可能性がないと判断した銘柄については、減損額を計上しております。非公開会社株式への投資の場合、その会社の純資産額が、投資額に対して50%程度以上、下回る場合に減損額を計上しております。将来、市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要になる可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額を計上しております。繰延税金資産を評価するにあたっては、将来の課税所得および過去の業績等を基準に検討しております。しかし、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、および計上された繰延税金資産を上回る金額を今後回収できると判断した場合、当該判断を行った各々の期間に繰延税金資産の調整額を費用および収益として計上が必要になる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来キャッシュ・フローの総額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。



