有価証券報告書-第157期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/29 11:55
【資料】
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【項目】
119項目

対処すべき課題

今後の経済見通しにつきましては、日銀の史上初のマイナス金利政策や米国の追加利上げ時期をめぐる様々な思惑により、年明け以降、世界的な市場の混乱が続いており、わが国経済も円高・株安が進行する中で、方向感の乏しい状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、電極事業は、電炉鋼の減産継続、あるいは、海外マーケットにおける激しい過当競争などから、急速にマーケットが縮小し、当社の売上・利益とも、かつて経験したことがない非常に厳しい状況となっております。当社を含む電極各社は、今後も引き続き、縮小した需要に見合った生産と更なる価格競争を迫られ、まさに正念場を迎えております。
このような状況の中、当社は、創立101年目の方針として「実施計画の完遂と未来を見据えた事業基盤の革新」を掲げ、今後も環境変化に柔軟かつ迅速に対応し、古い脆弱な収益体質から脱却し、新たな時代への持続的な成長・発展をグループの総力をあげ、推進してまいります。
そのためには、
① 2016年度実施計画の完遂
② 市場開拓の促進と価格政策の展開
③ 生産体制の再構築と品質改善
④ 新技術・次世代製品の開発強化
⑤ 成長分野への資源投入と組織力向上
以上の主要施策を当社グループの総力を結集して実行し、収益性および企業価値の向上をはかってまいります。当社グループは、今後とも、コンプライアンス、安全、環境保全、品質向上、情報管理をはじめとする社会的責任を果たし、グループ全体の国際競争力を一層強化するべく、変革を進めてまいります。
更に、当社は、企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現を目的として、当社株券等の大量買付行為への対応策を導入しております。
(1)基本的な考え方
当社取締役会は、当社株券等の大量買付行為に関し、たとえそれが当社取締役会の賛同を得ないものであっても、会社の資産の効率的な運用につながり、企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現をもたらすものであれば、何ら否定されるべきものではないと考えます。しかし、このような株券等の大量買付行為の中には、真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、専ら会社の株価を上昇させて株券等を高値で会社関係者等に引き取らせる目的で行う買付けなど、企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく損なうことが明白ないわゆる「濫用的買収」が存在する可能性があることは否定できません。
よって、当社株券等に対する大量買付行為が行われた際に、当該大量買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主のために当該買付者に対する協議・交渉等を行うことを可能としたりすることにより、当社の企業価値の向上および株主共同の利益を実現するための合理的な枠組みとして、当社株券等の大量買付行為への対応策の導入が必要であると判断しました。
(2)当社株券等の大量買付行為への対応策の概要
大量買付者が、大量買付行為を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない大量買付行為がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該大量買付行為が当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる大量買付行為に対する対抗措置として、原則として新株予約権の無償割当ての方法により、当社取締役会が定める一定の日における株主に対して新株予約権を無償で割り当てるものです。また、会社法その他の法律および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には、当該その他の対抗措置が用いられることもあります。
この対抗措置の発動、不発動等の判断は当社取締役会が最終的な判断を行いますが、その判断の合理性および公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置します。当社取締役会が対抗措置の発動を判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。
大量買付行為への対応策は、平成28年3月29日開催の定時株主総会において承認され、その有効期間は、平成28年12月期に関する定時株主総会の終結の時までとしております。また、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会または取締役会において大量買付行為への対応策を廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとしております。以上により、本対応策は、株主の皆様の意向を反映し導入したものであります。