有価証券報告書-第163期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/29 15:09
【資料】
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【項目】
137項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社は、わが国の炭素工業の草分け的存在として、1915年の設立以来カーボンの優れた特性を活かした多種多様の製品を生み出し、社会に送り出してまいりました。常に「わが国炭素工業分野のパイオニアとして、人と社会に貢献する企業であり続ける」ことを企業理念として、安定的な業績基盤を確立し、技術で社会に貢献する会社として限りない挑戦を今後も続けてまいる所存であります。そのために、常に時代のニーズに合った新製品の開発と、厳しい品質へのこだわり、環境への配慮に重点を置いた商品の供給とともに、国際競争力のあるコストの実現と、それを可能にする優れた人材の育成を推進しております。
(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境を踏まえ、「カーボンニュートラル」及び「DX」の時代に向けた、新たな中期経営方針 「BREAKTHROUGH 2024」を策定いたしました。
本中期経営方針では、当社グループの更なる飛躍に向け、「事業構造改革」と「企業体質の改善」を基軸とし、現状を打破して高い目標を達成することを重要課題としております。全てのステークホルダーにご満足いただけるよう、収益性及び企業価値の向上をはかるために全社一丸となって取り組んでまいります。
<日本カーボングループ方針>(ア)事業構造改革
カーボンニュートラル及びDXといった成長市場にフォーカスし、当社事業のポートフォリオに適した戦略を展開し、安定した収益の確保を目指します。
① 高温炉用炭素繊維製品のグローバル市場トップシェア堅持と更なる拡大
② 人造黒鉛電極及びリチウムイオン電池負極材の原価低減によるグローバル競争力強化と製造プロセスの徹底的な見直しによるコスト削減
③ 新規事業の創出
④ 特殊炭素材料の高収益化
⑤ 炭化けい素繊維の需要に応じた事業展開
(イ)企業体質の改善
継続的なヒューマンリソースの確保、育成を実行し、ダイバーシティなプロモーションを実行することで、組織力の向上を目指します。ニューノーマルとなったテレワークなどの働き方改革を進め、本社を含めた事業拠点の機能の在り方を見直し、永続性のある強い企業体質への改善を目指します。
① ヒューマンリソースの確保、育成
② ニューノーマル時代の働き方改革及び活動拠点の効率化
(ウ)ESG 経営の推進
持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し、「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」を念頭に置いたESG 経営を推進してまいります。
今後も当社グループは、コンプライアンス、安全、環境保全、品質向上、情報管理をはじめとする社会的責任を果たし、グループ全体の国際競争力を一層強化するべく、変革を進めてまいります。