有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 9:30
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中問題など世界経済の不透明感が払拭されない中、個人消費の持ち直しが続くなど、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年明け以降、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済に大きな影響を及ぼす状況になりました。
当社グループが主として属するコンクリートパイル業界は、官需の減退に加え、民需についても前年上期に着工が集中した影響により前年度に比べて減少したことから、全体の出荷量は前年度対比減少となりました。
このような事業環境のもと、当社グループは当年度から海外部門も含めたグループ全体の新たな5か年計画をスタートさせ、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指して、体制整備に着手いたしました。国内部門では、コンクリートパイルの新工法であるMAGNUM工法を活用し積極的な受注活動を展開し、当社グループの主力商品に成長させるとともに、大規模工事を引き続き増加させてまいりました。その結果、総合基礎建設業におけるリーディングカンパニーとしての位置付けをより高めることができました。またタブレット端末を用いた施工管理のICTを導入し、施工の品質と効率化の向上に努めてまいりました。
海外部門では、ベトナム国内のコンクリートパイル市場において、斯業他社の参入が相次ぎ、受注競争が激化いたしましたが、そのような中、当社ベトナム事業子会社のPhan Vu Investment Corporation(以下、「PV社」という)は引き続き、生産品質、施工能力、人材育成に注力してまいりました。また、PV社はこれまでのベトナム国内での基礎工事関連事業の実績を生かし、新しく風力発電等再生可能エネルギー分野における基礎工事関連事業への進出を図るべく、国有企業のベトナム電力総公社の関連企業である風力発電事業会社「Ca Mau Investment Renewable Power Joint Stock Company」に約8.5億円(総資本金の20%相当)出資することを決定いたしました。
売上高につきましては、国内ではMAGNUM工法を中心にコンクリートパイルの売上高が好調に推移したこと、また海外ではPV社が一昨年買収したFecon Mining Joint Stock Company(以下、「FCM社」という)の業績が寄与したこと等により全体として増収になりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は931億75百万円(前期比8.9%増)となりました。また、利益面では、国内外とも売上高が増加したものの受注競争激化により利益率が低下したことから、営業利益は50億76百万円(同2.6%減)、経常利益は45億96百万円(同5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、保有有価証券の減損処理に伴う特別損失の計上により27億12百万円(同14.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は119億57百万円となり、前連結会計年度末より6億27百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、前年同期比36億95百万円増加し68億91百万円となりました。この要因は、未成工事受入金の減少16億29百万円、法人税等の支払い18億77百万円などにより減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上43億98百万円、減価償却費の計上27億33百万円、たな卸資産の減少35億21百万円などにより増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、前年同期比6億15百万円減少し25億49百万円となりました。この要因は、コンクリートパイル製造用設備や施工機械などの有形固定資産の取得による支出22億89百万円、ベトナムにおいて子会社株式の取得による支出3億17百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動において使用した資金は、36億36百万円(前年同期は19億37百万円の獲得)となりました。この要因は、短期借入金の純減少9億34百万円、長期借入金の返済により13億88百万円、配当金の支払いにより8億31百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、品目区分ごとの生産、受注及び販売の状況を記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
区分生産高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭28,685110.6
合計28,685110.6

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
区分受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭80,345117.730,532114.2
鋼管杭3,75681.166958.8
場所打ち杭11,082111.44,460116.1
合計95,184114.935,662112.5

(注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
区分販売高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭78,448116.1
鋼管杭4,44082.2
場所打ち杭10,28681.7
合計93,175108.9

(注)1.販売金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(総資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ23億63百万円減少し、771億43百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が12億30百万円増加しましたが、未成工事支出金など、たな卸資産が35億69百万円減少したことなどによるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ44億61百万円減少し、393億84百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金が合計で25億43百万円、未成工事受入金が16億41百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加27億12百万円、配当金の支払いによる減少8億18百万円、その他有価証券評価差額金の減少70百万円、非支配株主持分の増加3億4百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ20億97百万円増加し377億58百万円となりました。
b.経営成績
(営業損益)
当連結会計年度の売上高は931億75百万円(前期比8.9%増)、売上原価は793億14百万円(同10.2%増)、売上総利益は138億60百万円(同2.0%増)となり、10期連続の増収となりました。主力のコンクリート杭は、国内では大型工事が増加したことにより、海外では積極的な事業展開に加えFCM社の業績が通年で寄与したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ108億79百万円増加し784億48百万円(同16.1%増)となりました。また、鋼管杭及び場所打ち杭は大型の工事案件がなく、それぞれ44億40百万円(同17.8%減)、102億86百万円(同18.3%減)となりました。利益面では、競争激化と生産能力・施工能力の増強投資等により、売上総利益率は1.0ポイント低下し14.9%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費を中心に増加したことによって、前連結会計年度に比べ4億4百万円増加し、87億84百万円(同4.8%増)となりました。
これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ1億36百万円減少し、50億76百万円となりました。
(経常損益)
営業外収益はスクラップ売却益が減少したことを主因として、前連結会計年度に比べ61百万円減少しました。また、営業外費用は支払利息が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ53百万円増加しました。
これらにより、経常利益は前連結会計年度に比べ2億50百万円減少し、45億96百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、ベトナムにおいて子会社株式を売却したことにより、関係会社株式売却益を80百万円計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度と同様に固定資産除却損を計上したことに加え、上場株式である投資有価証券の評価損を2億58百万円計上いたしました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4億52百万円減少し、27億12百万円となりました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、高水準の税金等調整前当期純利益、減価償却費などの非資金項目に加え、大型工事の完工などによる運転資金需要が減少したこともあって、営業活動によるキャッシュ・フローは6,891百万円の獲得となり、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローによる支出6,186百万円を賄うことができました。投資活動による支出は主に工場投資関連及び施工機材の投資によるもので、財務活動による支出は既存借入れの返済が主体であります。
資金の流動性につきましては、財務の健全性の維持を前提として事業活動に必要な流動性を確保しております。また、次期以降は新型コロナウイルス感染症が事業展開に与える影響が不透明ですので、手元流動性を確保するために㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結いたしました。
(契約債務)
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
短期借入金7,0207,020---
社債187187---
長期借入金2,3361,1431,193--
リース債務53818812977142

上記の表において、連結貸借対照表の流動負債に計上されている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、借入または社債により資金調達することとしております。このうち、借入または社債による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備・施工機械などの長期資金は、長期借入金または社債で調達しております。
2020年3月31日現在、長期借入金の残高は一年内返済予定を含めて2,336百万円であります。また、当連結会計年度末において、㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高4,000百万円)。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議手続きによって随時行っております。
重要な会計上の見積りは、以下のとおりです。
イ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ロ 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
その他の会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」をご参照ください。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各国における経済活動が停滞し、深刻な影響が生じております。しかし、それらが当社グループに及ぼす影響及び当感染症の収束時期を正確に予測することは現時点では困難であります。そのため、外部の情報源に基づく情報等から、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は2021年3月期の一定期間にわたり当該影響が続くものと仮定して会計上の見積りを行っております。
会社は、これらの見積りについて、過去の実績等を踏まえて合理的に判断をしておりますが、実際の結果については、見積り特有の不確実性が生じるため、これらの見積りと異なる場合があります。
④ 経営方針・経営戦略を判断するための客観的な指標等
当社グループは、品質の向上と効率化により施工及び生産体制の強化を実現し、安定した経営基盤の確立を図ることの経営指標として、営業利益、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。当連結会計年度におけるROEは8.1%となり、前連結会計年度に比べ2.4ポイント減少しましたが、目標値の8.0%は達成しました。
指標前連結会計年度当連結会計年度増減
営業利益5,212百万円5,076百万円136百万円減( 2.6%減)
自己資本(A)
(純資産-非支配株主持分)
32,410百万円34,203百万円1,793百万円増( 5.5%増)
親会社株主に帰属する当期純利益(B)3,164百万円2,712百万円452百万円減(14.3%減)
ROE(自己資本利益率)
(B/A)
10.5%8.1%2.4pt減

⑤ 次期の見通し
次期の見通しにつきましては、国内景気は引き続き緩やかな回復基調が続き、当社グループが主として属するコンクリートパイル業界も堅調な出荷になるものと当初予想されましたが、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済に大きな影響を及ぼす状況に至っております。今後の感染の拡大の程度や収束時期を現時点で見通すことは困難な状況で、先行き不透明感が増大しております。
このような状況下、当社グループは、社内に「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、手洗い・検温の励行等健康管理の徹底、時差出勤・在宅勤務体制の導入、マスク着用やソーシャル・ディスタンスの確保による社内感染防止等、政府の方針に基づき新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた対策を鋭意進めております。そのうえで、新5か年計画の二年目として、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指して、体制整備を進めてまいります。
国内では、総合基礎建設業におけるリーディングカンパニーの位置付けをさらに高める体制づくりに注力してまいります。コンクリートパイル部門では新工法のMAGNUM工法の更なる拡販を推進してまいります。場所打ち杭部門では、人材育成に努め、都市再開発等の大規模工事の施工能力向上に注力してまいります。鋼管杭部門では、施工の効率化を目指してまいります。また、昨年に引き続きタブレット端末を活用した施工ICT化の全施工現場への拡大を目指すとともに、営業、設計、生産各部門も含めた全社的な情報化戦略も推進してまいります。また今後予想されるコンクリートパイルの超大径化、高強度化の需要拡大に向けた生産設備増強の準備、継手金具メーカーとの資本提携等によるコンクリートパイル生産における品質と効率化の更なる向上に向けた施策にも注力してまいります。
海外においては、ベトナムのPV社は施工の技術力・能力の向上と生産の品質・効率性の更なる向上を目指し、採算重視の受注活動を展開してまいります。また、一昨年買収したFCM社の充実を図ることによりベトナム北部での拡販を進める一方、南部では新分野の風力発電分野での基礎工事関連事業に注力してまいります。ミャンマーにおきましては、VJP Co., Ltd.は、ティラワ経済特区の既存工場のフル稼働を目指した体制整備を進めるとともに、中長期的な需要動向を見極め、さらなる業容拡大を検討してまいります。

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