有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 10:07
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞から、一時的に持ち直しの動きがみられたものの、再度の感染拡大により緊急事態宣言が発令される等、先行き不透明な状況が続きました。
また、当社グループが事業展開しているアセアン地区におきましては、ベトナムでは感染症の封じ込めに奏効し、政府による公共投資が再開されるなど徐々に回復傾向にあります。ミャンマーでは感染症が急拡大し、昨年9月には最大都市ヤンゴンがロックダウンされるなど深刻な状況が続いていたところに、今年2月1日にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、社会情勢に大きな混乱が生じております。
当社グループが主として属する日本国内のコンクリートパイル業界は、官需民需とも減少し、全体の出荷量は前年度対比減少となりました。
このような事業環境のもと、当社グループは新5か年計画の2年目として、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指し、引続き体制整備に取り組んでまいりました。国内では昨年6月30日に公表いたしました「シントク工業株式会社の株式取得完了に関するお知らせ」のとおり、同日付で国内事業子会社ジャパンパイル㈱によるシントク工業㈱の株式取得が完了し、同社は当社グループの連結子会社になりました。施工技術面では今年の1月に、MAGNUM工法の優位性をさらに強化した新工法「Smart-MAGNUM工法」の国土交通大臣認定を取得し、販売を開始いたしました。また海外では、ベトナムの事業子会社のPhan Vu Investment Corporation(以下、PV社)が風力発電や太陽光発電等、今後大きな需要が期待できる再生可能エネルギーの分野での基礎工事関連事業の推進に取り組んでおります。一方ミャンマーの事業子会社VJP Co., Ltd.(以下、VJP社)は、クーデターによる大きな混乱に伴い、事業活動がほぼ停止し、先行き不透明な状況になったことから、同社の保有する固定資産の評価の見直しを行い、当連結会計年度において減損処理を実施しました。
売上高につきましては、国内の場所打ち杭部門が堅調に推移したものの、国内外ともコンクリートパイルの需要が減少したことから、全体として減収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は871億92百万円(前期比6.4%減)となりました。また、利益面では、国内のコンクリートパイルの受注競争が激化したことから利益率が低下し、営業利益は33億40百万円(同34.2%減)、経常利益は30億81百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、シントク工業㈱の株式取得に伴う負ののれん発生益10億72百万円と、VJP社の減損損失7億77百万円をそれぞれ特別損益に計上したことなどから、24億37百万円(同10.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は143億44百万円となり、前連結会計年度末より23億86百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、前年同期比4億13百万円増加し73億4百万円となりました。この要因は、ファクタリング未払金の減少17億47百万円などにより減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上33億15百万円、減価償却費の計上30億7百万円、売上債権の減少44億52百万円などにより増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、前年同期比19億99百万円増加し45億49百万円となりました。この要因は、有形固定資産の取得による支出27億39百万円、シントク工業㈱の買収に関連した子会社株式の取得による支出15億1百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動において使用した資金は、前年同期比34億81百万円減少し1億55百万円となりました。この要因は、長期借入金の返済15億68百万円、配当金の支払額8億90百万円などにより減少しましたが、長期借入金の実行30億円などにより増加したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、品目区分ごとの生産、受注及び販売の状況を記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
区分生産高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭25,48788.9
合計25,48788.9

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
区分受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭68,61885.426,46286.7
鋼管杭2,48966.365197.3
場所打ち杭12,556113.34,765106.8
合計83,66387.931,87889.4

(注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
区分販売高(百万円)前年同期比(%)
基礎工事関連事業
コンクリート杭68,77087.7
鋼管杭3,22972.7
場所打ち杭12,839124.8
その他2,353-
合計87,19293.6

(注)1.販売金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ10億77百万円増加し、782億20百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が42億83百万円減少しましたが、現金及び預金が28億44百万円、未成工事支出金など、たな卸資産が7億99百万円、投資有価証券の時価評価などにより投資その他の資産が11億8百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ3億68百万円減少し、390億15百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が5億75百万円、社債及び借入金が合計で7億4百万円それぞれ増加しましたが、ファクタリング未払金が20億54百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加24億37百万円、剰余金の配当による減少7億64百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億24百万円、非支配株主持分の減少4億77百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ14億46百万円増加し392億4百万円となりました。
b.経営成績
(営業損益)
当連結会計年度の売上高は871億92百万円(前期比6.4%減)、売上原価は748億64百万円(同5.6%減)、売上総利益は123億28百万円(同11.1%減)となりました。主力のコンクリート杭は、新型コロナウイルス感染症の影響により減収となり、売上高は前連結会計年度に比べ96億78百万円減少し687億70百万円(同12.3%減)となりました。また、鋼管杭は工事案件が減少し、32億29百万円(同27.3%減)となりました。場所打ち杭は再開発案件や大型工事案件があり堅調に推移したことにより128億39百万円(同24.8%増)となりました。利益面では、国内での感染症拡大による需要減少に伴う競争激化から利益率が低下し、また、海外では感染症拡大の影響はあるものの、再生可能エネルギー関連の基礎工事など高収益物件に注力したことにより前年並みの利益水準を維持した結果、売上総利益率は0.8ポイント低下し14.1%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費が減少しましたが、シントク工業㈱の業績が新たに連結範囲に含まれたことによって、前連結会計年度に比べ2億2百万円増加し、89億87百万円(同2.3%増)となりました。
これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ17億35百万円減少し、33億40百万円となりました。
(経常損益)
営業外収益は受取賃貸料が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ65百万円増加しました。また、営業外費用は支払利息が減少したことを主因として、前連結会計年度に比べ1億55百万円減少しました。
これらにより、経常利益は前連結会計年度に比べ15億14百万円減少し、30億81百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、国内の事業子会社であるジャパンパイル㈱がコンクリート杭の継手金具の他コンクリート二次製品付属金物の製造・販売を行う国内有力企業であるシントク工業㈱の株式を取得したことに伴い、負ののれん発生益を10億72百万円計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度と同様に固定資産除却損と上場株式である投資有価証券の評価損を計上したことに加え、ミャンマーの事業子会社であるVJP Co., Ltd.が新型コロナウイルス感染症の影響とミャンマー国軍のクーデターによる大きな混乱に伴い、先行き不透明な状況になったことから、保有する固定資産の評価の見直しを行い、減損損失を7億77百万円計上いたしました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2億74百万円減少し、24億37百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費などの非資金項目に加え、営業活動に係る債権・債務及び税金等の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは7,304百万円の獲得となり、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローによる支出4,704百万円を賄うことができました。投資活動による支出は主に工場投資関連及び施工機材の投資、シントク工業㈱株式の取得に伴うもので、財務活動による支出は既存借入れの増減及び配当金の支払いが主体であります。
資金の流動性につきましては、財務の健全性の維持を前提として事業活動に必要な流動性を確保しております。また、引き続き新型コロナウイルス感染症が事業展開に与える影響が不透明ですので、手元流動性を確保するために㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
(契約債務)
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
短期借入金6,5066,506---
長期借入金3,7421,4081,584750-
リース債務57427010174127

上記の表において、連結貸借対照表の流動負債に計上されている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、借入または社債により資金調達することとしております。このうち、借入または社債による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備・施工機械などの長期資金は、長期借入金または社債で調達しております。
2021年3月31日現在、長期借入金の残高は一年内返済予定を含めて3,742百万円であります。また、当連結会計年度末において、㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高4,000百万円)。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議手続きによって随時行っております。
当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた主要な仮定は、以下のとおりであります。
イ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
当連結会計年度において、ミャンマー子会社VJP Co., Ltd.が保有する固定資産について減損損失を計上しておりますが、当該減損処理における主要な仮定は、新型コロナウイルス感染症及びミャンマー国軍によるクーデターが当社グループの事業活動に及ぼす影響、回収可能価額の検討における正味売却価額であります。
新型コロナウイルス感染症については、世界的な感染拡大により、各国における経済活動が停滞し、深刻な影響が生じております。当感染症の収束時期を正確に予測することは現時点では困難でありますが、外部の情報源に基づく情報等から、2022年3月期の一定期間にわたり当該影響が続くものと仮定して会計上の見積りを行っております。
また、ミャンマーにおいては、2021年2月1日に発生したミャンマー国軍によるクーデターに伴う混乱により、ミャンマー子会社VJP Co., Ltd.の当面の事業活動が不透明な状況となりました。クーデターの収束時期を正確に予測することは現時点では困難でありますが、外部の情報源に基づく情報等から、2022年3月期以降の一定期間にわたり当該影響が続くものと仮定して会計上の見積りを行っております。
さらに、VJP Co., Ltd.が保有する固定資産に係る減損テストにおいては、正味売却価額を回収可能価額として、正味売却価額と資産グループの帳簿価額との差額を減損損失として計上しておりますが、正味売却価額は、外部の専門家から入手した不動産鑑定評価書等に基づき算定しております。
これらの会計上の見積り及び主要な仮定については合理的に判断をしておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
④ 経営方針・経営戦略を判断するための客観的な指標等
当社グループは、品質の向上と効率化により施工及び生産体制の強化を実現し、安定した経営基盤の確立を図ることの経営指標として、営業利益、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。当連結会計年度におけるROEは、目標値の8.0%に対して6.9%となり、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少しました。
指標前連結会計年度当連結会計年度増減
営業利益5,076百万円3,340百万円1,735百万円減(34.2%減)
自己資本(A)
(純資産-非支配株主持分)
34,203百万円36,127百万円1,924百万円増( 5.6%増)
親会社株主に帰属する当期純利益(B)2,712百万円2,437百万円274百万円減(10.1%減)
ROE(自己資本利益率)
(B/A)
8.1%6.9%1.2pt減

⑤ 次期の見通し
次期の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことが困難な状況が続いております。当社グループは、社内に「新型コロナウイルス対策本部」を引き続き設置し、在宅勤務体制の更なる拡充など、政府及び地方自治体の方針に基づき新型コロナウイルス感染防止にむけた対策を鋭意継続してまいります。そのうえで、新5か年計画3年目として、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指して、体制整備を続けてまいります。
国内では、総合基礎建設業におけるリーディングカンパニーの位置づけをさらに高める体制づくりに注力してまいります。特にコンクリートパイル部門では、新工法の「Smart-MAGNUM工法」を核に、積極的な提案営業を展開して安定的なシェア拡大を目指してまいります。また、引き続きタブレット端末を活用した施工管理体制のICT化を全施工現場で推進してまいります。そのほか、シントク工業㈱との連携を強化し、継手金具の品質向上、生産の効率化にも注力してまいります。
海外においては、ベトナムのPV社は施工の技術・能力の向上と生産の一層の改善を目指し、採算重視の受注活動を継続してまいります。南部で昨年より継続している風力発電の基礎工事関連プロジェクトの完成に向けて注力してまいります。また、ミャンマーのVJP Co., Ltd.につきましては、当連結会計年度において現在の状況を踏まえた減損損失を計上しましたので、今後は事態の推移を注視しつつ、適切な対応を講じてまいります。

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