訂正有価証券報告書-第78期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/09/29 13:07
【資料】
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【項目】
62項目

対処すべき課題

(1)当社グループの対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、欧州における地政学リスクへの懸念や、新興国における景気減速懸念等があるものの、米国は全体として堅調な動きが続くと見込まれております。また、国内においては、消費税率引き上げ後の需要反動減が懸念されるものの、円安による輸出環境の改善が続くとともに、これに伴う国内生産の増加や、旺盛な公共・民間投資が堅調に推移するものと見込まれております。一方、世界規模で経済構造が変化する中、市場のグローバル化が加速し、今後ますます競争が激しくなっていくことが予想されております。
このような事業環境のもと、当社グループは、2015年度(平成28年3月期)を最終年度とする中期経営計画を遂行してまいります。
本中期経営計画においては、「変革」と「挑戦」により、世界トップクラスの金属材料会社として持続的発展を実現していくため、事業ポートフォリオの見直しによる経営資源の重点分野への再配分を進めます。そして、グローバル成長戦略の強化・加速、新製品創出・新技術開発力の強化及び統合新会社としてのシナジー実現等を図ってまいります。
具体的な重点項目は、以下のとおりです。
① 新製品創出・新技術開発力の強化
開発から市場投入、量産立ち上げ、拡販までのスピードを高め、次の柱となる新製品の創出・育成を加速してまいります。その中でも、材料開発は、産業の進化の出発点であり、日立金属グループが社会に貢献し存在し続けるための源泉です。これを強化し、世界各国・地域において低炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、引き続き環境親和製品に経営資源を集中します。
② グローバル成長戦略の強化・加速
生産体制のグローバル化、マーケティング・営業体制の強化・拡充を加速するとともに、生産技術力の向上とグローバル調達・集中購買の拡大とを両輪としたコスト競争力強化を図り、グローバル市場で戦えるコスト構造の確立をめざします。これらにより、グローバル市場への展開力、競争力を高め、産業インフラやエネルギー、自動車、エレクトロニクス関連分野において、強みを活かせる事業領域を拡大してまいります。
③ 強固な経営基盤の確立
グローバル調達や集中購買の拡大、ITコスト・物流コストの削減等に加え、経営統合効果の早期実現を図り、強固な経営基盤を確立してまいります。併せて、戦略的かつ機動的な資金・資産の活用を行い、企業価値の増大を図ってまいります。また、本中期経営計画のアクションプランを実行する中で、明日を担う人材の育成・登用を推し進め、持続的発展を実現するための原動力としてまいります。
(2)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、開発型企業として、継続的に基盤技術の高度化を図り、新技術に挑戦することによって新製品及び新事業を創出し、新たな価値を社会に提供し続けることを事業活動の基本としております。これを推進するため、株式会社日立製作所を親会社とする日立グループの一員として、同社との関係において事業運営及び取引では自律性を維持しつつ、研究開発協力等を通じて同グループ各社と緊密な協力関係を保ち、その経営資源を有効に活用することで、高品質の製品及びサービスの提供を図ることとしております。また、当社は、上場会社として、常に株主、投資家及び株式市場からの期待及び評価を認識し、情報の適時かつ適切な開示に努めるとともに、持続的成長の実現に資する経営計画の策定、企業統治の強化等を通じて、合理的で緊張感のある経営を確保することが重要であると認識しております。これらにより、当社は、企業価値の向上及び親会社のみならず広く株主全般に提供される価値の最大化を図ってまいります。