四半期報告書-第99期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/14 9:10
【資料】
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【項目】
34項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営環境は、中国からの鉄鋼製品・半製品の輸出数量がやや減少し、鉄鋼製品・半製品価格も上昇気配となりましたが、主原料であるスクラップ価格も騰勢を強め、電極等副資材も市況上昇の影響を受けるなか推移しました。
日本におきましては、鋼材需要の手応えを感じるようになってまいりましたが、スクラップ価格上昇の影響を受けており、製品価格改定に取り組みながら実需に見合う生産・販売に努めております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、造船所の新規受注については持ち直しの気配はあるものの、過去に低船価で受注した船の建造を進めるなか、当社の製品は数量・価格とも厳しい状況が続いております。
連結子会社を有する韓国、タイ国、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン王国、サウジアラビア王国におきましては、いずれも2017年1月~9月の業績が当第3四半期連結累計期間に反映されます。
韓国のワイケー・スチールコーポレーションでは、2015年6月頃から始まったアパート建設増加に伴う鉄筋需要が時期により強弱があるものの継続しており、前年同期比では増収増益となりました。一方、韓国の家計負債の増加から政府による借入残高の上限設定などの不動産取引規制等が実施されており、需要の先行きは不透明であります。
タイ国のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドでは、民間の建設需要は力強さを欠いており、景気刺激策として公共投資向けの需要が引き続き出てきておりますが、販売価格面では厳しく、またコスト面でもスクラップ高の影響も受けており、前年同期比で利益は大幅に減少しております。
米国の持分法適用関連会社につきましては、需要の盛り上がりには欠け、安値の輸入品の影響を受けてはいるものの一定の収益を確保しております。
バーレーン王国の持分法適用関連会社スルブカンパニーBSC(c)では、原油価格の伸び悩みや、OPEC減産による中東地域での公共投資の低迷により、形鋼需要は回復しておりません。一方、油価下落による歳入減により政府補助がカットされたことで、湾岸諸国でガス、電力料金などの公共料金が実質上の値上げとなっており、操業コストは上昇しております。また、中国等からの鉄鋼製品の流入が継続しており、非常に厳しい状況が続いております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前第3四半期連結累計期間と比べ23,321百万円増の128,713百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前第3四半期連結累計期間と比べ2,425百万円減の6,052百万円、経常利益は前第3四半期連結累計期間と比べ4,841百万円減の14,150百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第3四半期連結累計期間と比べ2,648百万円減の8,368百万円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
鉄鋼事業(日本)
鋼材需要の手応えを感じるようになってまいりましたが、スクラップ価格上昇の影響を受けており、製品価格改定に取り組みながら実需に見合う生産・販売に努めております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、造船所の新規受注については持ち直しの気配はあるものの、過去に低船価で受注した船の建造を進めるなか、当社の製品は数量・価格とも厳しい状況が続いております。以上により、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ5,728百万円増の35,349百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ625百万円減の2,670百万円となりました。
鉄鋼事業(韓国)
2015年6月頃から始まったアパート建設増加に伴う鉄筋需要が時期により強弱があるものの継続しており、前年同期比では増収増益となりました。一方、韓国の家計負債の増加から政府による借入残高の上限設定などの不動産取引規制等が実施されており、需要の先行きは不透明であります。以上により、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ12,316百万円増の42,119百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ931百万円増の2,002百万円となりました。
鉄鋼事業(タイ国)
民間の建設需要は力強さを欠いており、景気刺激策として公共投資向けの需要が引き続き出てきておりますが、販売価格面では厳しく、またコスト面でもスクラップ高の影響も受けており、前年同期比で利益は大幅に減少しております。以上により、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ7,059百万円増の48,414百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ2,110百万円減の2,714百万円となりました。
軌道用品事業
当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ1,801百万円減の2,599百万円、セグメント損失(営業損失)が42百万円(前第3四半期連結累計期間はセグメント利益(営業利益)656百万円)となりました。
その他
その他の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ18百万円増の230百万円、セグメント利益(営業利益)が6百万円(前第3四半期連結累計期間はセグメント損失(営業損失)2百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ9,605百万円増加の358,557百万円となりました。
負債につきましては、支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ6,146百万円増加の45,899百万円となりました。
また、純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加、配当金の支払による減少の他、為替換算調整勘定が3,880百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,459百万円増加の312,657百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが11,421百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローでは11,445百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは3,754百万円減少しました。これに資金に係る換算差額の増加90百万円を加えた結果、前連結会計年度末に比べ3,688百万円減少し、当第3四半期連結会計期間末の資金残高は27,009百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動による資金の増加は11,421百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ204百万円減少しました。これは主に、当第3四半期連結累計期間において、たな卸資産の増減額が△5,082百万円(前第3四半期連結累計期間は△2,470百万円)であったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動による資金の減少は11,445百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ1,989百万円減少しました。これは主に、当第3四半期連結累計期間において、定期預金の預入による支出が△11,228百万円(前第3四半期連結累計期間は△20,762百万円)であったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動による資金の減少は3,754百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ897百万円減少しました。これは主に、前第3四半期連結累計期間において、長期借入金の返済による支出が△927百万円であったこと等によります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4百万円であります。