有価証券報告書-第72期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比べ1,324百万円(0.7%)減少して200,436百万円となり、このうち純資産は、前連結会計年度末と比べ5,037百万円(3.6%)増加して143,089百万円となりました。グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から341百万円増加して33,146百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.25となっております。
この結果、自己資本比率は67.3%、1株当たりの純資産額は3,115円86銭となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,614百万円増加し、39,596百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローに関する要因分析は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益12,432百万円、当連結会計年度末において売上債権が減少したこと等による運転資金負担減4,851百万円の収入があり、更に、減価償却費等による非資金項目、その他による収入を加え、収入23,136百万円を計上しました。また、法人税等の支払額5,935百万円、利息及び配当金の受取額621百万円等により、最終的には17,227百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムにおける能力増強投資等のための有形固定資産の取得による支出9,346百万円、子会社出資金の取得による支出1,216百万円等により、10,792百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支払額1,521百万円等により、1,522百万円の支出となりました。
(4) 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、国内における製品販売数量の減少、製品価格の下落等により減収となりました。利益については、国内鉄鋼事業部門、海外鉄鋼事業部門は増益、環境リサイクル事業部門は減益となりました。
国内鉄鋼事業部門については、原材料であるスクラップ価格が第2四半期以降下落基調で推移したことを受けた需要家による鋼材購入先送りの動きから製品需要は盛り上がりを欠く展開となりました。
こうした環境の中、当社は国内販売量を抑制して製品価格の維持に努め、出荷量は前期比3.9万トン減少の164.1万トンとなりました。この結果、鉄スクラップ価格の前期対比トン当たり10.3千円の下落に対し、製品価格は9.9千円の下落に留まり、国内鉄鋼事業の利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原料価格の差)は前期を0.4千円上回りました。また製造コストのさらなる削減に加え、原油安により燃料などのエネルギー費が低減しました。
海外鉄鋼事業については、ベトナムの堅調な鉄鋼需要を背景に、南部のビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)、北部のキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)ともに出荷量を伸ばしました。VKS社では、新設した製鋼・圧延一貫工場が稼働を開始しました。圧延工場は順調に生産量を伸ばしましたが、製鋼工場が立ち上げ途上であるため製造コスト高となりました。KSVC社では、コスト削減施策の効果が現れ、経常利益の通期黒字化を達成しました。
環境リサイクル事業については、処理単価の高い処理困難物案件獲得に努めましたが、鉄鋼需要減に対応した製鋼量の減少に伴い、電気炉での廃棄物の溶融処理量が減少したことなどから、減収減益となりました。
これらの結果、当社グループの連結売上高は前期対比20,484百万円(11.3%)減収の160,952百万円となりました。連結営業利益は前期対比1,996百万円(16.9%)増益の13,792百万円、連結経常利益は同1,674百万円(13.4%)増益の14,161百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、KSVC社の固定資産について減損損失を計上しましたが、前期対比1,544百万円(22.3%)増益の8,467百万円となりました。
自己資本当期純利益率は6.4%、1株当たり当期純利益は194円94銭となりました。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
国内の建設用鋼材需要については、当面は堅調に推移するものと思われますが、普通鋼電炉業界は構造的に供給能力過剰の状況にあるため、過剰生産及び販売による販売価格の下落リスクがあります。一方、主原料である鉄スクラップについては、中国・韓国を中心とした東アジア諸国における鉄鋼生産の動向により鉄スクラップの需給バランスが大きく変化することから、価格が乱高下する可能性があります。
また、平成23年3月の東京電力福島第一原発事故を受けた全国のほぼ全ての原子力発電所の操業停止により、電力コスト負担は事故発生前に比べ大幅に増加しています。当社が製造拠点を有する地域においては、東京電力(平成24年)、関西電力(平成25年)、中部電力(平成26年)が電力単価を引き上げ、平成27年には関西電力が再び値上げを行いました。火力発電燃料(液化天然ガス(LNG)や原油)の価格に応じて決定される燃料調整費単価については、一時的に下落が見られるものの、今後上昇の可能性があります。
加えて原子力発電所の停止により電力供給不足も指摘されています。当社グループの工場は電力使用量の少ない夜間での操業が中心であるため、電力供給不足による生産への直接的な影響はない見込みですが、今後大きな供給制限が生じた場合は、操業が困難になる可能性があります。
これらの要因により、当社グループの経営成績が重要な影響を受ける可能性があります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の業況については、引き続き日本経済の緩やかな回復が期待されるなか、建設用鋼材市場では、各種インフラの更新需要、平成32年(2020年)開催予定の東京オリンピック関連案件など、底堅い鋼材需要が期待されますが、中長期的には、国内の鋼材需要は減少するものと認識しています。
加えて、電力料金や為替動向に伴う副資材費の変動などにより、製造コスト負担は増しています。これに対しては、電力使用量の更なる削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組んでいます。コスト削減で吸収できない部分については販売価格への転嫁を図ります。当社グループでは、製品実需動向に見合った生産・販売を徹底し、原料価格の変動に左右されない適切な製品価格の形成に取り組んでおり、既に一定の成果を上げています。今後もこの取組みを更に徹底し、利益水準の向上を目指します。
中長期的には、引き続き「中長期経営ビジョン」の実現に向け、当社グループの力を結集し一丸となって取り組んでまいります。即ち、「国内鉄鋼市場での勝ち残り」「海外鉄鋼事業の推進」「環境リサイクル事業の拡大」を3つの柱とした成長戦略の推進、そして当社グループの成長を担う人材の確保・育成・働きがい向上に向けた施策の実施です。特に、生産能力を拡大したベトナム南部の拠点(ビナ・キョウエイ・スチール社)をはじめとするベトナム事業の収益拡大と他地域への展開による海外鉄鋼事業の飛躍、環境リサイクル事業の収益拡大を目指します。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比べ1,324百万円(0.7%)減少して200,436百万円となり、このうち純資産は、前連結会計年度末と比べ5,037百万円(3.6%)増加して143,089百万円となりました。グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から341百万円増加して33,146百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.25となっております。
この結果、自己資本比率は67.3%、1株当たりの純資産額は3,115円86銭となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,614百万円増加し、39,596百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローに関する要因分析は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益12,432百万円、当連結会計年度末において売上債権が減少したこと等による運転資金負担減4,851百万円の収入があり、更に、減価償却費等による非資金項目、その他による収入を加え、収入23,136百万円を計上しました。また、法人税等の支払額5,935百万円、利息及び配当金の受取額621百万円等により、最終的には17,227百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムにおける能力増強投資等のための有形固定資産の取得による支出9,346百万円、子会社出資金の取得による支出1,216百万円等により、10,792百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支払額1,521百万円等により、1,522百万円の支出となりました。
(4) 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、国内における製品販売数量の減少、製品価格の下落等により減収となりました。利益については、国内鉄鋼事業部門、海外鉄鋼事業部門は増益、環境リサイクル事業部門は減益となりました。
国内鉄鋼事業部門については、原材料であるスクラップ価格が第2四半期以降下落基調で推移したことを受けた需要家による鋼材購入先送りの動きから製品需要は盛り上がりを欠く展開となりました。
こうした環境の中、当社は国内販売量を抑制して製品価格の維持に努め、出荷量は前期比3.9万トン減少の164.1万トンとなりました。この結果、鉄スクラップ価格の前期対比トン当たり10.3千円の下落に対し、製品価格は9.9千円の下落に留まり、国内鉄鋼事業の利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原料価格の差)は前期を0.4千円上回りました。また製造コストのさらなる削減に加え、原油安により燃料などのエネルギー費が低減しました。
海外鉄鋼事業については、ベトナムの堅調な鉄鋼需要を背景に、南部のビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)、北部のキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)ともに出荷量を伸ばしました。VKS社では、新設した製鋼・圧延一貫工場が稼働を開始しました。圧延工場は順調に生産量を伸ばしましたが、製鋼工場が立ち上げ途上であるため製造コスト高となりました。KSVC社では、コスト削減施策の効果が現れ、経常利益の通期黒字化を達成しました。
環境リサイクル事業については、処理単価の高い処理困難物案件獲得に努めましたが、鉄鋼需要減に対応した製鋼量の減少に伴い、電気炉での廃棄物の溶融処理量が減少したことなどから、減収減益となりました。
これらの結果、当社グループの連結売上高は前期対比20,484百万円(11.3%)減収の160,952百万円となりました。連結営業利益は前期対比1,996百万円(16.9%)増益の13,792百万円、連結経常利益は同1,674百万円(13.4%)増益の14,161百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、KSVC社の固定資産について減損損失を計上しましたが、前期対比1,544百万円(22.3%)増益の8,467百万円となりました。
自己資本当期純利益率は6.4%、1株当たり当期純利益は194円94銭となりました。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
国内の建設用鋼材需要については、当面は堅調に推移するものと思われますが、普通鋼電炉業界は構造的に供給能力過剰の状況にあるため、過剰生産及び販売による販売価格の下落リスクがあります。一方、主原料である鉄スクラップについては、中国・韓国を中心とした東アジア諸国における鉄鋼生産の動向により鉄スクラップの需給バランスが大きく変化することから、価格が乱高下する可能性があります。
また、平成23年3月の東京電力福島第一原発事故を受けた全国のほぼ全ての原子力発電所の操業停止により、電力コスト負担は事故発生前に比べ大幅に増加しています。当社が製造拠点を有する地域においては、東京電力(平成24年)、関西電力(平成25年)、中部電力(平成26年)が電力単価を引き上げ、平成27年には関西電力が再び値上げを行いました。火力発電燃料(液化天然ガス(LNG)や原油)の価格に応じて決定される燃料調整費単価については、一時的に下落が見られるものの、今後上昇の可能性があります。
加えて原子力発電所の停止により電力供給不足も指摘されています。当社グループの工場は電力使用量の少ない夜間での操業が中心であるため、電力供給不足による生産への直接的な影響はない見込みですが、今後大きな供給制限が生じた場合は、操業が困難になる可能性があります。
これらの要因により、当社グループの経営成績が重要な影響を受ける可能性があります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の業況については、引き続き日本経済の緩やかな回復が期待されるなか、建設用鋼材市場では、各種インフラの更新需要、平成32年(2020年)開催予定の東京オリンピック関連案件など、底堅い鋼材需要が期待されますが、中長期的には、国内の鋼材需要は減少するものと認識しています。
加えて、電力料金や為替動向に伴う副資材費の変動などにより、製造コスト負担は増しています。これに対しては、電力使用量の更なる削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組んでいます。コスト削減で吸収できない部分については販売価格への転嫁を図ります。当社グループでは、製品実需動向に見合った生産・販売を徹底し、原料価格の変動に左右されない適切な製品価格の形成に取り組んでおり、既に一定の成果を上げています。今後もこの取組みを更に徹底し、利益水準の向上を目指します。
中長期的には、引き続き「中長期経営ビジョン」の実現に向け、当社グループの力を結集し一丸となって取り組んでまいります。即ち、「国内鉄鋼市場での勝ち残り」「海外鉄鋼事業の推進」「環境リサイクル事業の拡大」を3つの柱とした成長戦略の推進、そして当社グループの成長を担う人材の確保・育成・働きがい向上に向けた施策の実施です。特に、生産能力を拡大したベトナム南部の拠点(ビナ・キョウエイ・スチール社)をはじめとするベトナム事業の収益拡大と他地域への展開による海外鉄鋼事業の飛躍、環境リサイクル事業の収益拡大を目指します。