有価証券報告書-第173期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 14:02
【資料】
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【項目】
147項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、創立120周年に当たる2005年度を「第3の創業」の年と位置づけ、経営理念である「ミッション・ビジョン・基本的価値」を指針とし、“つなぐ”テクノロジーを通じて「顧客価値創造型」事業へ積極的に展開し、収益性重視のスピード感ある積極経営で豊かな社会づくりに貢献してゆく所存であります。
(2) 経営環境
経済環境としては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、世界中の社会経済活動が大きく制限される状況が継続する中、米中の通商問題の動向が世界経済に与える影響等不確実性に留意が必要な経済環境となっております。
エネルギー・情報通信分野においては、国内はインフラの成熟化により、大きな需要の伸びが見込めない状況にあります。また、海外については情報通信分野において、FTTx、データセンタ投資が欧米を中心に継続し今後も需要拡大が見込める状況が継続する見通しですが、光ファイバの最大需要地である中国において光ファイバ価格が下落、他地域への伝播が続き、光ファイバ価格下落については注意が必要な状況です。
エレクトロニクス分野においては、当社FPC(フレキシブルプリント配線板)、コネクタが多く使用されているスマートフォンの世界的な需要について、堅調であった主要顧客の需要動向に変化が見られる状況であるとともに、昨年の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う巣ごもり消費等、消費動向に変化がみられる状況です。
自動車分野においては、世界の自動車生産台数については新型コロナウイルス感染症の拡大・半導体不足に伴う受注・生産に対する不安定感が見られますが、CASE(Connectivity:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared & Service:シェアリング&サービス、Electric:電動化)が主要なテーマとなるなど、自動車は100年に一度の革新期にあり、新エネルギー車の需要拡大、自動車の電子化・情報化が一層進展するものと見込まれます。
(3) 対処すべき課題
①早期事業回復に向けた戦略への転換
2019年度の採算悪化を受け、2016年度をスタートとする5か年計画「2020中期経営計画(20中期)」を最終年度の2020年度に断念し、基本戦略を「早期事業回復への集中」に転換いたしました。「早期事業回復への集中」を基本戦略に据えたうえで、重点施策を「既存事業の聖域なき『選択と集中』」及び「グループガバナンスの強化」の2点に絞り、事業構造改革を断行、早期の事業回復を果たすべく不退転の決意をもって臨むことは「第172期有価証券報告書」でも申し上げております。2020年度に引き続き2021年度におきましても、再生フェーズにある当社として、昨年定めました基本戦略、重点施策を強力に推進していくことで再生を果たすことを当社経営方針の「基軸」に据え活動を進めてまいります。
②2021年度の経営計画と事業部門ごとの重点課題
各事業部門の重点課題
(ⅰ)エネルギー分野では、これまで主として新興国の電力インフラ構築による社会貢献に携わってきた海外生産拠点はその役割を終え、2020年度をもって全拠点から実質的に撤退しました。あわせて、海外EPC事業(*)からの撤退、および国内事業の選択と集中を実施してまいりました。2021年度は、2020年9月に公表いたしました100日プランに従い、国内事業の選択と集中を更に進めてまいります。
(*)「EPC事業」とは、電線・ケーブルの供給並びに敷設工事の設計及び施工を一体として提供する事業を言います。(Engineering:設計、Procurement:調達、Construction:建設)
(ⅱ)情報通信分野では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うテレワーク需要の高まり、5G(第5世代移動通信システム)、IoT等の次世代インフラ整備の需要と相まって、特に欧米を中心としたFTTx、データセンタ等の通信インフラ網構築への積極的な投資が引き続き見込まれます。当社の戦略商品SWR®/WTC®は、細径・軽量・高密度、加えて敷設工事における簡便性という特長から通信インフラ増強に最適なソリューションであるとの高評価を得ています。こうした機会を逃すことなく更なる製造能力の増強等、リソースの集中を図り、周辺部品等を加えた光インフラ網構築に向けたトータルソリューションの提供を行ってまいります。
(ⅲ)エレクトロニクス・自動車関連分野の取組として、PC事業部門では、スマートフォン向け需要の減少及び採算重視の受注戦略により、2021年度は売上が大きく落ち込むことが想定されております。拠点の統廃合まで踏み込んだ構造改革を断行し、一層のコスト低減を図るとともに、品種構成の変化に応じた生産体制構築を進めてまいります。また、従来から取り組んでおります、品質の向上・技術力の強化についても一層磨きをかけ、競争優位性の維持できる領域へと事業をシフトしてまいります。
コネクタ事業部門では、これまで進めてきた構造改革を通じた生産体制の最適化により、安定した事業運営がなされるようになりました。今後、新しい市場分野への参入を通じた持続的成長を求めてまいります。
電子部品事業部門では、拡大するデータセンタ需要に対し、HDDの大容量化への対応、熱ソリューションの提供など、新規市場の開拓や新規顧客を取り込む等新陳代謝を促進し、高収益性を維持してまいります。
自動車事業部門では、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大きな損失を計上し、2021年以降も新型コロナウイルス感染症拡大の影響及び銅価格や新興国通貨安等、自動車業界は先行きが不透明な状況にあります。ただし、生産面では、自動車用ワイヤハーネス事業の「稼ぐ力」が戻ってきており、アジア地区では拠点の再編成をすすめ、欧州地区では、さらなる生産性の向上と品質の安定化によるコスト削減をすすめます。
エレクトロニクス関連事業全体に関する今後の取組として、エレクトロニクス製品の自動車市場への導入の取り組みがございます。自動車業界はCASEなどの100年に一度の変革期を迎えております。既に複数のお客様と高速通信対応、電力制御システム等を共同で開発をしており、コネクタ事業部門では次世代車両間通信用コネクタを2021年度から量産開始するほか、PC事業部門においても従来から手掛けるインフォテイメント(*1)やライティング(*2)分野に加え、パワートレイン(*3)分野の製品開発を加速させてまいります。
(*1)「インフォテイメント」とは、インフォメーション(情報)とエンターテイメント(娯楽)を組み合わせた造語であり、特に自動車分野におけるナビゲーションシステムやオーディオビジュアル機器向け製品を指しております。
(*2)「ライティング」とは、ヘッドライト、方向指示器、室内照明等の自動車用照明を指しております。
(*3)「パワートレイン」とは、動力伝達装置全般のことを指しており、自動車の挙動としての「走る」「曲がる」「止まる」といった動きを介する装置に使用される電子部品を指しております。

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