有価証券報告書-第83期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 16:53
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143項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善から緩やかに回復しましたが、第3四半期以降、海外経済の下振れによる影響を受け足踏みがみられました。
海外経済においては、米国は堅調に推移しておりますが、欧州では金融引き締めやエネルギー情勢に伴う影響により低調な動きとなりました。中国の不動産市場の停滞と個人消費の鈍化、中東情勢、ウクライナ紛争の長期化と、依然先行きが不透明となっております。
当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、車載市場においては半導体や部材の調達難の解消から堅調に推移しました。半導体関連の設備投資は調整局面が続き、産業機器市場においても調整の動きが一層強まり、先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は291億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億51百万円増加いたしました。主な増加は、現金及び預金が34億67百万円であり、主な減少は、売掛金が11億54百万円、原材料及び貯
蔵品が11億40百万円であります。有形固定資産は132億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億88百万円増加いたしました。主な増加は、建設仮勘定2億38百万円であります。
この結果、総資産は、465億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億82百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は55億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億89百万円減少いたしました。主な減少は、支払手形及び買掛金12億70百万円であります。固定負債は35億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億23百万円増加いたしました。主な増加は、長期借入金3億22百万円であります。
この結果、負債合計は、90億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億66百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は374億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億48百万円増加いたしました。主な増加は、為替換算調整勘定22億49百万円、親会社株主に帰属する当期純利益14億44百万円であり、主な減少は、剰余金の配当5億61百万円であります。
この結果、自己資本比率は80.5%(前連結会計年度末は77.1%)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は293億26百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。売上高が減少したことにより、営業利益は16億67百万円(同46.3%減)となりました。円安による為替差益等により、経常利益は20億81百万円(同40.6%減)となりました。前年同期に発生しました固定資産売却益5億64百万円(特別利益)、為替換算調整勘定取崩額1億44百万円(特別損失)は無くなりましたが、当年度において訴訟関連損失4億35百万円が発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は14億44百万円(同51.1%減)となりました。
主なセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。
(電線・加工品)
産業機器用ケーブルは全般的な生産設備への需要の落ち込みから売上が減少しております。半導体検査装置用ケーブルは半導体関連の設備投資抑制の動きが続き減少となりました。また、北米のエネルギー産業関連ケーブルは予定していた案件の失注や延伸があり大幅減少となりました。車載用ケーブルは堅調に推移し、医療用ケーブルは各医療機器向けが伸び増加となりました。以上により、売上高は248億24百万円(前年同期比11.7%減)となりました。売上の減少等により、セグメント利益は16億59百万円(同47.5%減)となりました。
(電子・医療部品)
電子の分野において、EV用普通充電器は業務用車両のEV化需要により売上が増加しました。また放送機器においても放送局の建て替え需要により売上が増加しております。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上が微増となりました。以上により、売上高は44億70百万円(前年同期比9.3%増)となりました。売上が増加したことによりセグメント利益は8億45百万円(同8.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得42億円、投資活動による資金の支出13億48百万円、財務活動による資金の支出7億63百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加が6億32百万円となり、期首に比べ27億21百万円増加し、102億21百万円(前連結会計年度比36.3%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、42億円の資金の獲得(前連結会計年度は15億97百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、棚卸資産の減少額19億99百万円、売上債権の減少額19億32百万円、税金等調整前当期純利益16億74百万円であり、主な減少要因は、仕入債務の減少額15億77百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、13億48百万円の資金の支出(同6億77百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入30億35百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出34億61百万円、有形固定資産の取得による支出10億77百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億63百万円の資金の支出(同16億78百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入20億66百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出20億41百万円、配当金の支払額5億61百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)19,61988.7
電子・医療部品(百万円)2,909105.2
報告セグメント(百万円)22,52890.6
その他(百万円)--
合計(百万円)22,52890.6

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ロ)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)23,93488.55,35185.8
電子・医療部品(百万円)3,96379.71,50474.8
報告セグメント(百万円)27,89787.16,85683.1
その他(百万円)2162.3430.2
合計(百万円)27,91987.16,86083.0

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)24,82488.3
電子・医療部品(百万円)4,470109.3
報告セグメント(百万円)29,29591.0
その他(百万円)31108.2
合計(百万円)29,32691.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満でありますので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品における需要変動及び銅・石油価格等の変動、ま
た、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。
なお、今後の見通しにつきましては、各国のインフレ抑制に向けた金融引き締めの影響、中国の不動産市場悪化による個人消費の低迷による減速、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の不安定化など、世界経済の見通しは不透明感を増しております。しかしながら当社の関連する市場において、IoTデバイスの拡大、AIの進化と普及などデジタル化の進展によりデータトラフィックは増大を続けており、当社の高速大容量伝送・高信頼性のケーブルを必要とする領域は拡大を続けております。車載用ケーブルにおいてはADAS機能の向上、電装化の進展により引き続き需要の拡大が見込まれます。また、脱炭素の取り組みを背景にエネルギー産業関連ケーブルも北米を中心に底堅い需要が見込まれます。
a.経営成績の分析
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、経常利益等を重要な経営指標としております。
北米向けのエネルギー産業関連ケーブルの売上は予定していた案件の失注や延伸があり大幅減少となりました。また、半導体検査装置用ケーブル及び産業機器用ケーブルも生産設備投資抑制の影響を受け売上は減少となりました。一方、車載用ケーブルは半導体不足から立ち直り、各自動車メーカーの生産回復もあり売上は堅調に推移しました。医療用ケーブルは各医療機器向けが伸び増加となりました。
EV用普通充電器は商業店舗用等の業務用車両のEV化需要により売上は増加となりました。ネットワーク機器は専門用途品の売上が伸長しました。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上が微増となりました。
以上の結果、売上高は293億26百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。
売上総利益は、エネルギー産業関連ケーブルの売上が大幅に減少したことへの対応が遅れたことで65億30百万円(同16.6%減)となりました。
営業利益は、人件費、減価償却費及び手数料等の増加により販売費及び一般管理費が1億37百万円増加し、16億67百万円(同46.3%減)となりました。
経常利益は、受取利息の増加等により20億81百万円(同40.6%減)となりました。
特別利益には、投資有価証券売却益29百万円が含まれております。
特別損失には、エネルギー産業関連ケーブルにおける係争に関する弁護士費用(訴訟関連損失)4億35百万円が含まれております。
この結果、税金等調整前当期純利益は16億74百万円(同57.1%減)となり、法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、14億44百万円(同51.1%減)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であります。これらの資金につきましては営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、さまざまな項目について会計上の見積りを行う必要がありますが、特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産を収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により評価しております。当社は見込み生産を行うことがあり、保有期間が長期にわたる棚卸資産は、販売可能性等を勘案して評価損を見積り計上しております。これらの見積りは、将来の不確実な経済環境や顧客ニーズの変化により影響を受ける可能性があります。当連結会計年度末における棚卸資産の簿価は8,172百万円であります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち想定していた収益が見込まれなくなった事業用資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針であります。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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