有価証券報告書-第84期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/27 15:32
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143項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果から緩やかに回復しましたが、第4四半期には米国通商政策、物価上昇の継続による消費マインドの減退等、先行き不透明感が強まりました。
海外経済においては、米国は堅調に推移したものの、第4四半期において通商政策がもたらす物価や消費等に与える影響により下振れリスクが生じています。欧州は一部に足踏みがみられるものの持ち直しの動きがみられました。中国は各種政策の効果はみられるものの足踏み状態となっており、通商問題の深刻化が悪影響を及ぼす懸念が生じております。
当社グループを取り巻くエレクトロニクス業界におきましては、車載市場においては一部で生産停止の影響が見られたものの堅調に推移しました。半導体市場については生成AI用途向けへの積極的な設備投資の動きが見られた一方で民生エレクトロニクス向けの設備投資は低調に推移しました。産業機器市場では本格的な回復には至りませんでした。コスト面においては原材料価格の高騰が継続しました。
このような状況のもと、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ9億96百万円増加し、300億99百万円となりました。主な増加は、現金及び預金が10億86百万円、売掛金が5億79百万円であり、主な減少は、原材料及び貯蔵品が6億8百万円であります。有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億96百万円減少し、129億89百万円となりました。主な減少は、建物及び構築物3億11百万円であります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億54百万円増加し、471億6百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ8億33百万円減少し、47億円となりました。主な減少は、短期借入金5億45百万円、未払法人税等3億23百万円であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億52百万円増加し、36億86百万円となりました。主な増加は、長期借入金2億87百万円であります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億81百万円減少し、83億86百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億36百万円増加し、387億19百万円となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益20億26百万円であり、主な減少は、剰余金の配当5億61百万円であります。
この結果、自己資本比率は82.2%(前連結会計年度末は80.5%)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は308億2百万円(前年同期比5.0%増)となりました。売上高が増加したことにより、営業利益は22億67百万円(同36.0%増)となりました。経常利益は25億57百万円(同22.9%増)となりました。前期に発生しました訴訟関連損失4億35百万円(特別損失)が無くなったことにより、当年度において親会社株主に帰属する当期純利益は20億26百万円(同40.3%増)となりました。
主なセグメント別の業績の概要は、以下のとおりです。
(電線・加工品)
車載用ケーブルは引き続き堅調に推移しました。エネルギー産業関連ケーブルは一部の案件における工期延伸の影響等を取り戻し回復しました。情報通信向けケーブルはサーバ/ストレージ用ケーブルの新規受注、決済端末機器需要増により増加しております。半導体製造装置は復調傾向にありますが、回復は生成AI用途向けが中心であり軟調な推移となりました。産業機器用ケーブルも需要の停滞が続き低調に推移しております。以上により、売上高は262億14百万円(前年同期比5.6%増)となりました。売上の増加等により、セグメント利益は22億9百万円(同33.1%増)となりました。
(電子・医療部品)
電子の分野では、ネットワーク機器において専門用途品が好調に推移しました。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上が増加しました。以上により、売上高は45億55百万円(前年同期比1.9%増)となりました。売上が増加したことによりセグメント利益は9億円(同6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得38億88百万円、投資活動による資金の支出22億42百万円、財務活動による資金の支出9億12百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の減少が1億50百万円となり、期首に比べ5億82百万円増加し、108億3百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、38億88百万円の資金の獲得(前連結会計年度は42億円の資金の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益25億19百万円、減価償却費14億86百万円、棚卸資産の減少額6億98万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額3億11百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、22億42百万円の資金の支出(同13億48百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入55億57百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出61億36百万円、有形固定資産の取得による支出16億8百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9億12百万円の資金の支出(同7億63百万円の資金の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入16億50百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出18億10百万円、配当金の支払額5億61百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)19,24698.1
電子・医療部品(百万円)4,058139.5
報告セグメント(百万円)23,304103.4
その他(百万円)--
合計(百万円)23,304103.4

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ロ)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)26,641111.35,779108.0
電子・医療部品(百万円)4,908123.81,856123.4
報告セグメント(百万円)31,549113.17,635111.4
その他(百万円)38178.69232.6
合計(百万円)31,587113.17,645111.4

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
電線・加工品(百万円)26,214105.6
電子・医療部品(百万円)4,555101.9
報告セグメント(百万円)30,770105.0
その他(百万円)32104.7
合計(百万円)30,802105.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満でありますので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
当社グループの経営成績は、電線・加工品、電子・医療部品における需要変動及び銅・石油価格等の変動、ま
た、当社グループが関わる製品群の多様化・短命化、価格競争の激化、顧客のグリーン調達強化等により影響を受けます。これらの状況を踏まえ、主に付加価値の高い製品は国内生産、量産品は海外生産と分業体制の強化、環境負荷物質のシステム管理体制の確立、高成長や安定した収益が見込まれる分野への経営資源の戦略的投入等により、競争力・収益力向上に努めております。
なお、今後の見通しにつきましては、各国のインフレ率低下による政策金利の引き下げ等経済の押し上げ要因もあるものの、米国通商政策による世界経済における不確実性の増大、ウクライナ情勢や中東情勢のみならず地政学リスクが高まりをみせるなど、先行きの不透明さが一段と増しております。
当社の関連する市場においては、AIの活用やデータセンタの増加、様々なIoTデバイスの普及によるデータトラフィックの飛躍的増加に伴い、高速大容量伝送・高信頼性のケーブルの需要が拡大しております。自動車市場では、引き続きADAS機能の向上、車両の電装化が進められており、当社の車載用ケーブルの堅調な推移が見込まれます。また、脱炭素の取り組みを背景に再生エネルギーに対する需要は底堅く、メガソーラー発電所において使用される当社のエネルギー産業関連ケーブルも引き続き需要が見込まれます。
a.経営成績の分析
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、経常利益等を重要な経営指標としております。
車載用ケーブルは引き続き堅調に推移し、エネルギー産業関連ケーブルは一部の案件における工期延伸の影響等を取り戻し回復しました。情報通信向けケーブルはサーバ/ストレージ用ケーブルの新規受注、決済端末機器需要増により増加しております。半導体製造装置は復調傾向にありますが、回復は生成AI用途向けが中心であり軟調な推移となりました。産業機器用ケーブルも需要の停滞が続き低調に推移しております。
電子の分野では、ネットワーク機器において専門用途品が好調に推移しました。医療部品の分野では医療用特殊チューブの売上が増加しました。
以上の結果、売上高は308億2百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
売上総利益は、売上増加により72億25百万円(同10.6%増)となりました。
営業利益は、22億67百万円(同36.0%増)となりました。
経常利益は、受取利息の増加等により25億57百万円(同22.9%増)となりました。
特別損失には、固定資産除却損14百万円、貸倒引当金繰入22百万円が含まれております。
この結果、税金等調整前当期純利益は25億19百万円(同50.5%増)となり、法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、20億26百万円(同40.3%増)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であります。これらの資金につきましては営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、さまざまな項目について会計上の見積りを行う必要がありますが、特に以下の事項は、会計上の見積りの判断が当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産を収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により評価しております。当社は見込み生産を行うことがあり、保有期間が長期にわたる棚卸資産は、販売可能性等を勘案して評価損を見積り計上しております。これらの見積りは、将来の不確実な経済環境や顧客ニーズの変化により影響を受ける可能性があります。当連結会計年度末における棚卸資産の簿価は7,415百万円であります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち想定していた収益が見込まれなくなった事業用資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針であります。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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